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買春で会社員が取調べ
買春で会社員が取調べ
仙台市泉区に住む会社員のAさん。
SNSで知り合った女性と性行為をするために会いました。
SNSに書かれたプロフィールでは、女性は成人しているはずでしたが、会ってみるとやや顔が幼いようにも感じたAさん。
年齢を確認したところ、女性は18歳と答えました。
安心したAさんは女性に口淫(フェラチオ)をしてもらいました
後日、Aさんの下に泉警察署から連絡があり、児童買春のことで話を聞きたいと言われました。
どうやら女性は17歳だったようです。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)
~児童買春の罰則~
売春防止法により相手が何歳であっても売買春は禁止されています。
売春防止法第3条
何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。
ただし、この法律で禁止されているのは性交だけですし、そもそも売買春について罰則規定はありません。
しかし、18歳未満の者との買春は児童ポルノ規制法に罰則規定がある上、規制の対象は性交のみに限られません。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第2条
第1項
この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
第2項
この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
1号 児童
2号 児童に対する性交等の周旋をした者
3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
第4条
児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
性交に限らず、2条2項に記載されている性行為であれば、児童買春として処罰の対象となります。
Aさんのケースの口淫(フェラチオ)も、「児童に自己の性器等を触らせること」に該当します。
なお、2条2項2号・3号にあるように、買春の対価を児童本人ではなく、買春を周旋(斡旋)した者や、児童の保護者等に支払った場合も処罰の対象です。
罰則は4条にあるように5年以下の懲役または300万円以下の罰金ですので、Aさんもこれらの処罰を受ける可能性が出てきます。
~18歳未満と知らなかったのに処罰される?~
過失犯処罰がある場合を除き、犯罪は故意がなければ成立しません。
刑法38条1項
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
故意(上記条文の「罪を犯す意思」)とは、簡単に言うと「わざとやった」ということです。
ただし、もしかしたら犯罪に該当するかも、という程度でも故意があるものと扱われます(未必の故意があると言います)。
Aさんの場合、女性に対し年齢を確認し、18歳との回答を得ているので、まったく何も確認しなかった場合に比べれば、故意がないとして犯罪が成立しない可能性は高くなるでしょう。
しかし、女性が嘘をつくことも当然予想できますので、上記確認をしたからといって、ただちに故意がないということにはならないので注意が必要です。
~弁護士に相談を~
児童買春は、児童が積極的に被害を警察に申し出るということは少ないでしょう。
しかし、警察が買春に関するSNSの書き込みをサイバーパトロールにより探し出して事件が発覚したり、児童が他の買春等の事件で携帯電話を警察に押収されて内容を確認された結果発覚したり、児童の保護者が被害を警察に申出て発覚するといったことが考えられるでしょう。
Aさんのケースは既に警察に発覚していますが、現状発覚していない、あるいは発覚しているのかわからないケースもあり、今後処罰されるのか、されるとしたらどの程度の懲役・罰金になるのか、執行猶予が付くのか、逮捕されてしまうのか等々、不安点が多いかもしれません。
あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっており、上記のような不安点に対する見通しをお答えいたします。
買春を相手が18歳未満だったかもしれない、児童買春で捜査を受けた、といった方はぜひ一度ご相談ください。
アパート放火で重罰
アパート放火で重罰
宮城県亘理町のとあるアパートに住むAさん。
同じアパートに住むVと長年のトラブルがあり、恨みが募っていました。
ある日、再びVと喧嘩になり、暴言を浴びせられたAさん。
カッとなって、Vが死んでしまえばいいと思い、アパートに放火してしまいました。
幸いVら住人は逃げることができ、けが人もいませんでしたが、アパートは全焼してしまいました。
Aさんは亘理警察署の警察官によって逮捕されました。
~成立する罪~
Aさんの行為には、現住建造物放火罪と殺人未遂罪が成立するでしょう。
刑法第108条(現住建造物等放火)
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第199条(殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第203条(未遂罪)
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
現住建造物等放火罪は、人が死亡する可能性が十分に考えられる危険な行為であることから、殺人罪と同じ刑罰が定められています。
また、放火することによって人を殺そうという意図があったのであれば、現住建造物等放火罪に加えて、実際に人が死亡すれば殺人罪が、死亡しなければ殺人未遂罪も成立します。
Aさんにも重い刑罰が下されることが予想されます。
~現住建造物等でなければ?~
仮にAさんが放火したのが、現住建造物等以外の建物や物であったらどうなるでしょうか。
たとえばVさんが所有している倉庫などの建物に放火した場合、放火時に中に人がいなければ、非現住建造物放火罪が成立します。
第109条1項(非現住建造物等放火)
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。
人が死亡する可能性が低くなる分、定められている刑罰(法定刑)は軽くなっています。
ちなみに有期懲役とは、原則として最大20年です(12条1項参照)。
また、Vさんの車などの物に放火した場合には、建造物等以外放火罪または器物損壊罪が成立します。
第110条1項(建造物等以外放火)
放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
第261条(器物損壊等)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
両者は、「公共の危険」を生じさせたか否かによって区別されます。
公共の危険とは、不特定または多数人の生命・身体・財産に脅威を及ぼす状態をいいます。
簡単に言えば、車以外に延焼する可能性がなければ、被害や危険性の大きさが車を叩き壊した場合と同じなので器物損壊罪に、延焼する可能性があれば危険性が大きいので建造物等以外放火罪になります。
~弁護士に接見を依頼する~
逮捕された場合、最大23日間の身体拘束がされた後に、刑事裁判を受けることが考えられます。
刑事裁判が始まると、保釈が認められない限り、さらに身体拘束が続くことになります。
また、現住建造物等放火罪や殺人罪、殺人未遂罪では裁判員裁判となります。
逮捕されると、本人やご家族は、今後どのような刑事手続きが進んでいくのか、どの程度の刑罰を受ける可能性があるのか、取調べにはどう受け答えしたらよいのか等々、わからないことが多く不安だと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、上記の不安点にお答えいたします。
現住建造物等放火罪で逮捕された場合などには、ぜひご連絡ください。
登米市の贈収賄事件
登米市の贈収賄事件
先月、宮城県登米市の児童館工事をめぐり、入札情報を漏らして賄賂を受け取ったなどとして市職員が、また贈賄側の建設会社社長なども逮捕されました。
贈収賄や入札妨害をした場合、どのような犯罪が成立するのでしょうか。
(なお、この事件の裁判はまだ始まっておらず、有罪になるかはわかりません)
~賄賂を受け取った側の罪~
ここでは全てを網羅できませんが、今回のような事件が起きた場合、一般的に、賄賂を受け取った公務員には以下のような犯罪が成立する可能性があります。
刑法第197条1項(収賄、受託収賄)
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。
第197条の3第1項(加重収賄)
公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期懲役に処する。
第96条の6第1項(公契約関係競売等妨害)
偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
197条1項の1文目が単純収賄罪を、2文目が受託収賄罪を規定しています。
1文目の単純収賄罪は、特定の行為をする依頼を受けずに、賄賂を収受・要求・約束をした場合です。
たとえば、監督官庁の職員に対し、将来的に優遇してもらうことを望んで金銭等を渡す場合です。
一方、2文目の受託収賄罪は、職務に関して特定の行為をする依頼を受けて、賄賂の収受・要求・約束をしたような場合です。
これらは、賄賂の収受・要求・約束をしただけの場合ですが、第197条の3第1項の加重収賄罪は、公務員が単純収賄や受託収賄をした上で、実際に不正行為をしたり、相当な行為をしなかった場合に成立します。
登米市の事件でも、逮捕された市職員は入札価格に関する情報を教えるという不正行為をして、賄賂を収受したとして、加重収賄罪などの疑いで逮捕されています。
なお、入札予定価格などを教えたが、賄賂の収受・要求・約束はしていない(あるいは証拠がなく立証できない)場合などには、第96条の6第1項の公契約関係競売等妨害罪で立件される可能性もあります。
~賄賂を渡した側の罪~
賄賂を渡した者には、贈賄罪が成立する可能性があります。
第198条
第百九十七条から第百九十七条の四までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。
また、直接公務員に対し賄賂の供与・申込み・約束をした者とは別に、事件に関与した者がいる場合、その関与の程度や方法によって、贈賄罪の共同正犯(刑法60条)や第96条の6第1項の公契約関係競売等妨害罪などが成立する可能性があります。
登米市の事件では、贈賄罪などの疑いで逮捕された者と、公契約関係競売等妨害罪の疑いで逮捕された者が1名ずついました。
~贈収賄にかかわったら弁護士に相談を~
贈収賄にかかわると逮捕され、最大23日間の身体拘束がされ、その後に刑事裁判を受けるという流れになる可能性があります。
刑事裁判になれば、保釈が認められない限り、さらに身体拘束が続く可能性があります。
そして判決が確定すれば、無罪や執行猶予とならない限り、上記条文にあるような刑罰を受ける可能性があります。
また、刑罰以外にも、懲戒免職処分を受けたり、実名で報道がなされたりなど、大きな影響が生じる可能性があります。
もし、贈収賄にかかわってしまったら、早めに弁護士に相談することをお勧めいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
もしすでに逮捕されていれば、ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
法律相談や接見では、今回どの罪が成立しそうか、今後どのような刑事手続が進んでいくのか、どの程度の刑罰を受ける可能性があるのか、といった疑問にお答えしたり、取調べでの受け答えの仕方などをアドバイス致します。
贈収賄にかかわった方は、ぜひ一度ご相談ください。
スピード違反で免停
スピード違反で免停
宮城県塩釜市に住むAさんは最近、排気量が多い新車を購入しました。
アクセルを踏めばしっかり答えてくれて、力強く加速してくれる感覚が楽しく、ついついスピードを出しすぎていました。
しかしある時、制限速度を大きくオーバーしたところをパトカーに見つかり、停車させられました。
警察官によれば制限速度を40キロオーバー。
通勤に自動車が必須のAさんは免許停止や取消しを避けたいですし、罰金額なども気になります。
Aさんはどのような処分を受けるのでしょうか。
(フィクションです)
~交通反則金制度~
スピードオーバーなどの交通違反を犯すと、刑事裁判にかけられ有罪となり、前科が付くのが本来の建前です。
しかし、交通違反は軽微なものも含めると膨大な数に上るため、裁判所や検察庁がパンクしてしまいます。
そこで軽微な違反については反則金を納めれば、刑事裁判にはかけられず、前科も付かないという簡易な手続がなされています。
違反していないと争うのであれば、反則金を納めずに、刑事裁判で争うことになります(負けると前科が付くのでリスクはあります)。
しかしAさんの場合は40キロオーバー。
一般道路だと30キロ以上、高速道路だと40キロ以上のオーバーの場合、軽微な違反とはいえず、刑事裁判を受けることになります(道路交通法別表第2参照)。
刑罰は、6か月以下の懲役、または10万円以下の罰金となります。
道路交通法
第22条第1項
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
第118条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第1号
第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
第128条
第1項 省略
第2項 前項の規定により反則金を納付した者は、当該通告の理由となつた行為に係る事件について、公訴を提起されず、又は家庭裁判所の審判に付されない。
~違反点数制度~
違反点数は道路交通法施行令の別表に記載されています。
40キロオーバーの場合、違反点数は6点となります。
これで免許の停止や取消しになるか否かは、こちらの警視庁ホームページなどが参考になります。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/gyosei20.html
例えばAさんが過去3年以内に免許停止や取消しをされていない場合(前歴なし)でも、30日間の免許停止となります。
ただし、停止処分者講習を受けることにより、講習内の考査成績に応じて、停止期間を1日~10日に短縮できます。
一方、前歴が2回あれば免許が取り消され、欠格期間が1年間となるので、1年間は免許の再取得ができないことになります。
~疑問点は弁護士に相談を~
Aさんの場合、刑事裁判となることを避けるのは難しいと思われます。
しかし、Aさんに前歴がないのであれば、懲役ではなく罰金刑で終わる可能性も十分考えられます。
そうなると、前科が付くことにはなってしまいますが、違反を認めているのであれば、略式裁判という簡易な刑事裁判手続により、罰金を納付して手続が終了することも考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
反則金制度や違反点数についての説明や、今回の違反だと刑事裁判を受けることになるのか、反則金納付で済むのか、刑事裁判になるのであればどれくらいの刑罰を受けることになりそうか、違反した覚えはないのだが争うことは可能か等々、疑問点にお答えいたします。
スピード違反などの交通違反で処分を受けそうなら、ぜひご相談ください。
テレビ番組を違法アップロードして捜索差押え
テレビ番組を違法アップロードして捜索差押え
宮城県角田市に住むAさんは18歳の高校3年生。
遊ぶ金欲しさから、テレビ番組をYouTubeにアップロードして広告収入を稼いでいました。
何度かテレビ局から削除要請が出され、アップロードした動画が削除されたり、アカウントが凍結されたりしましたが、新たにアカウントを作り、アップロードする行為を繰り返していました。
ある日、Aさんと両親が住む家に宮城県警の警察官が訪れ、著作権法違反容疑での捜索差押令状を示されました。
両親は何のことかわからず、Aさん自身もこんなことになるとは予想していなかったので驚きを隠しきれない様子。
警察官たちは家の中を捜索し、Aさんのパソコン等を押収していきました。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)
~違法アップロードは著作権法違反~
インターネットの動画サイトでは、多くの違法アップロード動画が公開されています。
そのすべてを取り締まるのは難しく、無法地帯ともいえる状況です。
しかし、警察も捜査を行っているので、Aさんのように事件化するケースもあります。
著作権法のうち、Aさんが該当しうる部分の一部を解説いたします。
テレビ番組は、テレビ局や制作会社、その他番組制作にかかわった者が著作権などの権利を有しており、テレビ放送やネット配信、DVD販売などをする権利を独占的に有しています。
著作権法
第23条第1項
著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
第2項
著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。
第26条第1項
著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
第2項
著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。
したがって、第三者がその公開をするためには、これらの著作権者等に許可を得る必要があります。
許可なくアップロードした場合には、以下の罰則規定が適用される可能性があります。
第119条1項(一部省略)
著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者…は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
有罪となった場合にどの程度の量刑となるかは、被害の大きさや反省度合い、前科の有無等によりますが、条文上はかなり重い処罰もなされ得ることになっています。
~今後の手続の流れ~
警察は、押収したパソコンなどを分析するなどして証拠を集め、Aさんを逮捕せずに証拠一式や関係書類を検察官に送り(書類送検)、検察官はさらに取調べ等をした上で事件を家庭裁判所に送る(家裁送致する)ことが考えられます。
また、事件の内容等によってはAさんを逮捕し、最大23日間の身体拘束をして家裁送致することも、考えられなくはありません。
家庭裁判所に送致されると、今回の犯行についての調査の他、Aさんの性格や生い立ち、家庭環境などを調査し、どのような処分がAさんの今後にとって適切か判断します。
その結果、処分が必要ないとされれば少年審判(成人事件の刑事裁判に相当)が開始されずに事件終了となります(成人事件の不起訴に相当)。
一方、少年審判が開始されると、上記調査結果等を踏まえ、裁判官が少年の処分を決定します。
処分の内容としては一般に、不処分(無罪判決や不起訴に相当)、保護観察(執行猶予に相当)、児童自立支援施設等への送致、少年院送致などが考えられます。
~弁護士に相談を~
Aさんのような捜査を受けた場合、今後逮捕されるのか、少年審判が開始されるのか、開始されればどのような処分となるのか等々、多くの不安があると思います。
学校から退学や停学の処分を受けないか、進学や就職に影響しないかといったところも心配でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件や刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
万が一、すでに逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、留置されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
法律相談や接見では、上記のような不安点に対し、今後の見通しなどを説明させていただきます。
また、正式に弁護をご依頼いただいた際には、少しでも軽い処分になるよう、弁護活動を行ってまいります。
著作権法違反などで捜索差押えなどの捜査を受けた場合は、ぜひ一度ご相談ください。
アナログ回線終了を悪用した詐欺
アナログ回線終了を悪用した詐欺
宮城県仙台市に住むAさんの下に、高校時代の友人Bから電話がありました。
「ちょっと仕事を手伝わないか。危ない仕事だけど、成功したら大金が入るぜ。」
その仕事の内容は、お年寄りの家に電話をかけ、電話のアナログ回線が全て光回線に切り替わるから、変更工事費用が必要だと言って、お金をだまし取るというものでした。
定職に就かず、お金に困っていたAさんは、誘いに乗ってしまいました。
Aさんはお年寄りの家に電話をかけ、変更工事が必要という虚偽の説明をして、工事費用を振り込ませるという手口でお金を稼いでいきました。
山元町に住むVさんは、Aさんから電話を受け、変更工事費用を振り込んでしまいましたが、詐欺だということに気付き、亘理警察署に被害届を提出していました。
他にも同様の被害が同町内で出ていたことから捜査を進めていた亘理警察署は、Aさんが犯人であると突き止め、Aを逮捕しました。
(フィクションです)
~アナログ回線終了~
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、2024年から2025年にかけて、従来の電話回線(アナログ回線)が、光回線に完全移行されます。
インターネットをISDN回線で利用している場合などには、インターネットが利用できなくなってしまうので、手続が必要となってきます。
しかし、電話はこれまで通り使い続けることができます。
したがって、インターネットを利用していないご家庭、あるいはすでにインターネットで光回線などを利用されているご家庭などは、何ら手続や工事をせず、電話やインターネットを使い続けることができます。
ところが、これに目を付けた詐欺が発生してきているようです。
変更工事が必要と偽り、工事費用をだまし取るといったものです。
先日、当事務所仙台支部にもNTTの方がお越しになり、
「こういったお仕事をされているのであれば大丈夫かと思いますが、詐欺が発生していますのでお気を付けください」
と、注意喚起をされていきました。
~詐欺罪が成立~
このような手口でお金をだまし取った場合は詐欺罪が、だまし取ることに失敗した場合は詐欺未遂罪が成立します。
刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第250条
この章の罪の未遂は、罰する。
また、AさんはBさんと一緒に詐欺を行っています。
この場合、AさんとBさんは共同正犯となるでしょう。
第60条
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
共同正犯となると、共犯者の行為についても責任を負うことになります。
つまり、Bさんが電話をかけた相手への詐欺について、Aさんにも詐欺(未遂)罪の共同正犯が成立し、懲役の年数などに影響してくる可能性があるということです。
~詐欺罪で逮捕されたら弁護士に相談を~
逮捕されると、まずは3日間身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
その後、検察官が勾留請求し、裁判官が許可すると、さらに最大10日間、勾留と呼ばれる身体拘束が続き、場合によってはさらに最大10日間の勾留延長がされることがあります。
その後、検察官が刑事裁判にかける(起訴する)という判断をすれば刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続くことになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼頂ければ、留置されている警察署などにすみやかに接見に伺い、取調べでの受け答えのアドバイスや、今後の見通しなどをご説明いたします。
また、正式に弁護をご依頼いただければ、身体拘束を終了させるために、あるいは不起訴処分や執行猶予の獲得、懲役を軽くするために様々な弁護活動をいたします。
たとえば、検察官が勾留請求や勾留延長請求をしないよう弁護人としての意見を伝える、裁判官が勾留許可を与えないよう意見を伝える、勾留許可がされたら準抗告と呼ばれる不服申立てを行う、保釈申請をする、検察官が起訴しないよう意見を伝える、被害者に弁償して示談を締結する、裁判において軽い判決にすべき理由を的確に主張する、といった活動を行います。
なお、逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で受けていただくこともできます。
詐欺罪で逮捕された、捜査を受けた場合には、ぜひ一度ご連絡ください。
東北本線での痴漢で逮捕
東北本線での痴漢で逮捕
宮城県利府町に住むAさん。
いつものように、通勤のためJR東北本線を乗車していました。
仙台駅に近付くにつれて混雑する車内。
意図せず、Aさんの手が隣に立っていた女性のおしりに当たりました。
「意外といけるんじゃないか」
そう考えてしまったAさんは、今度は意図して、女性のおしりを触りました。
しかし、女性がすぐさま「この人痴漢です」と声を出し、あえなく現行犯逮捕となりました。
(フィクションです)
~強制わいせつ罪・迷惑行為防止条例違反~
痴漢をした場合、各都道府県の条例違反になる場合と、より重い刑法の強制わいせつ罪が成立する場合があります。
どちらに該当するかは、痴漢の方法によります。
Aさんのように、服の上から痴漢をした場合、各都道府県の条例違反となることが多いですが、具体的な態様によっては強制わいせつ罪が成立する可能性がないとはいえません。
また、スカートや下着の中に手を入れて触ったというようなケースでは、強制わいせつ罪が成立する可能性が高いでしょう。
宮城県の条例は、以下のような規定となっています。
宮城県・迷惑行為防止条例
第3条の2第1項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
第1号
衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
罰則は以下のようになっています。
第17条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第1号
第三条の二第一項から第三項までの規定に違反した者(以下略)
第2項
常習として前項第一号から第三号までの違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
Aさんが痴漢常習者ではない場合、17条1項1号により、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金になる可能性があります。
Aさんが痴漢常習者の場合はより重く、同条2項により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金になる可能性があります。
一方、強制わいせつ罪は以下のような規定になっており、定められている刑罰もより重くなっています。
刑法第176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
~手続きの流れ~
痴漢で逮捕された場合でも、犯行を認めているなどの事情により、その日のうちに釈放されるケースもあります。
釈放された場合でも、
①後日、刑事裁判が開始され、自宅から裁判所に行き裁判を受ける場合と、
②起訴猶予処分(不起訴処分)となり、前科も付かない場合
があります。
一方、犯行を否認している場合や常習者の場合などには、すぐに釈放されないことも考えられます。
そうなると、最大23日間の身体拘束がなされ、その後に刑事裁判が開始されるという流れになる可能性もあります。
どのような流れになるのかは、今回の犯行内容、犯行を否認しているか、常習者かどうか、被害者と示談が成立しているか(あるいは成立する見込みがあるか)といった様々な事情を考慮して判断されます。
~弁護士に相談を~
痴漢で逮捕された場合、どの罪が成立するのか、今後の手続の流れがどうなるか、懲役や罰金はどれくらいになりそうか、執行猶予が付くのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいか、被害者との示談はどうしたらよいか等々、不安な点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼頂ければ、留置されている警察署等に速やかに接見に伺い、上記のような不安点についてお答えいたします。
また、特に性犯罪などの被害者の場合、加害者と直接の連絡を取りたくないと考えるケースもあり、弁護士が間に入ることで示談がスムーズに進んでいくこともあります。
痴漢で逮捕された場合には、ぜひご連絡ください。
客引きをして中止勧告を受ける
客引きをして中止勧告を受ける
宮城県仙台市に住むAさんは、同市中心部にある居酒屋の店員をしています。
この居酒屋近くにあるアーケードでは以前から、居酒屋店員による客引きが多く行われており、Aさんも数年前から客引きを行っていました。
しかし最近になって客引きを規制する条例が制定されたことから客引きの数は減っていました。
ある日、Aさんは店長に指示され、このアーケード内で客引きをしていたところ、警察官に声を掛けられました。
警察官からは、条例が制定されたことを説明され、氏名や店の名前等を聞かれた上で、客引きをしないよう勧告というものを受けました。
翌日、不安になったAさんは弁護士に相談してみることにしました。
~仙台市客引き行為等の禁止に関する条例の概要~
仙台市中心部のアーケードや歓楽街では、以前から居酒屋などの店員が客引きをしている人が数多くいました。
必ずしもぼったくりをするような店だけではなく、健全な営業をしている店による客引きも多くありました。
しかし、中には悪質な店があるほか、通行の妨げや不快な声掛けになる例もあることから、仙台市は「仙台市客引き行為等の禁止に関する条例」を制定し、今年4月に完全施行されました。
この条例では、禁止区域において、相手方を特定して客引きをすることの他、相手方を特定してキャバクラ等のキャストになることの勧誘をする行為、これら客引きや勧誘の相手方を待つ行為を禁止しています(2条1号、6条)。
また、経営者が従業員に対し、これらの行為をさせたり、客引きが連れてきたお客を店舗に入れることも禁止しています(6条、7条)。
なお、禁止されるのは「相手方を特定して」客引き行為等をする場合ですので、不特定多数の者に対して呼びかける行為や、道路使用許可を取得して、ティッシュ・チラシ等を配布したり、看板を掲げて宣伝する行為は禁止されません。
一方、客引き等をする目的で相手方となる者を待つ(探す)だけでも禁止の対象ですので、注意が必要です。
これらの禁止事項の違反者には、違反行為をしてはならない旨の「勧告」がなされます(10条)。
それでも違反した者には、違反行為をしてはならない旨の「命令」がなされます(11条)。
この命令にもかかわらず、さらに違反した者には、5万円以下の過料の他、違反者の氏名や住所などが公表される可能性があります(13条1項、17条1号)。
また、市長(の指示を受けた職員等)は、違反者に対し、勧告・命令に必要な報告をさせたり、店舗への立ち入り調査を行うことができ、これに協力しなかった場合も5万円以下の過料となる可能性があります(12条1項2項、17条2号3号)。
なお、従業員が過料に処せられた場合、使用者には勧告や命令を経ずに過料が科される可能性があります(18条)。
なお、過料とは、刑罰である罰金や科料とは別物であり、前科もつきませんが、金銭を徴収されるという意味では同じです。
この条例の詳しい内容は、仙台市ホームページをご覧ください。
https://www.city.sendai.jp/shiminsekatsu/kurashi/anzen/anzen/mewaku/kyakuhikijourei.html
~ぼったくりをすると犯罪が成立しうる~
この条例に違反しただけであれば、氏名等の公表により影響は未知数ですが、過料の金額は5万円以下なので、弁護士に依頼するという展開にはなりにくいかもしれません。
しかし、客引きをしてぼったくりをするような店だと、様々な犯罪の成立が考えられます。
まず、客引き時や入店時に虚偽の説明をし、支払段階で高額な料金を請求して支払わせた場合、詐欺罪(刑法246条1項)が成立する可能性があります。
また、支払いを渋るお客に対して暴行・脅迫を用いて支払わせた場合、恐喝罪(249条1項)や傷害罪(204条)が成立する可能性もあります。
さらに、帰ろうとするお客を帰さずに支払いを要求した場合、監禁罪(220条)が成立する可能性もあります。
~不安があれば弁護士に相談を~
仙台市の条例違反で勧告を受け、今後が不安という方もいらっしゃるでしょう。
また、ぼったくりをしている、あるいはぼったくりに加担させられた場合には、逮捕されたり、懲役や罰金の刑罰を受ける可能性があるので、不安が大きいかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
条例違反や詐欺罪、恐喝罪、傷害罪、監禁罪などでご相談されたいことがある方は、ぜひご連絡ください。
ツイッターで悪口を書き込み取調べ
ツイッターで悪口を書き込み取調べ
宮城県石巻市に住むAさんは、友人のVさんとツイッターを相互フォローしていました。
仲の良かったAさんとVさんでしたが、ちょっとしたすれ違いからケンカをし、険悪な関係になってしまいました。
やがてAさんはツイッターで、Vさんの悪口を書くようになりました。
その内容は、「あいつはバカだ」といったものから、10年以上前のVの前科・前歴の話や、Vが浮気していた話などに及びました。
ある日、石巻警察署からAさんに連絡が入り、ツイッターへの書き込みの件で話を聞きたいから、警察署に来るように言われました。
不安になったAさんは、弁護士の無料相談を受けることにしました。
(フィクションです)
~名誉棄損罪~
はじめに、AさんがVさんの前科・前歴や浮気のことを書き込んだ行為については、名誉棄損罪が問題となります。
刑法
第230条1項
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
「公然」とは、不特定または多数人が認識できる状態を言います。
ツイッターでつぶやくと、全世界の人が見ることができるので、不特定または多数人が認識できる状態と言えるでしょう。
仮に、鍵付きのアカウントでつぶやいたとしても、Aさんのツイートを見ることができるフォロワーが多ければ、多数人が認識できる状態といえます。
また、鍵付きアカウントでフォロワー数も少ないとしても、そのフォロワーから不特定又は多数人にツイート内容が伝わる可能性があるのであれば、「公然」にあたります。
次に、摘示される「事実」は、人の社会的評価を害するものである必要があります。
前科・前歴や浮気の事実は、明らかに人の社会的評価を害するものと言えるでしょう。
また、条文上は「人の名誉を棄損した」という過去形が使われていますが、実際にこのツイートにより名誉が毀損されたかどうかは問いません。
実際に名誉が毀損されたか否か(社会的評価が害されたか否か)を裁判で証明することは難しいので、名誉を毀損するに足りる事実の摘示してさえいれば、名誉棄損罪が成立しうるのです。
したがって、Vさんの社会的評価が実際に害されたかどうか、Aさんのツイートを実際に多くの人が見たかどうか、といった点は関係なく、名誉棄損罪が成立する可能性があります。
さらに、条文には「その事実の有無にかかわらず」とあります。
本当のことであれば言っても問題ないと勘違いされている方もいらっしゃいますが、真実か否かには関係なく、名誉棄損罪は成立するので注意が必要です。
以上により、Aさんの行為には名誉棄損罪が成立する可能性があります。
なお、議員に関する事実など、公共の利害に関する事実を公益目的で摘示したのであれば、犯罪が成立しない可能性もあります(刑法230条の2参照)。
~侮辱罪~
Aさんの「あいつはバカだ」といった、具体的な事実の指摘のないツイートには、侮辱罪が成立する可能性があります。
第231条(侮辱)
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
~弁護士に示談を依頼~
名誉棄損罪や侮辱罪は、被害者の告訴がなければ刑事裁判を行えない犯罪(親告罪)です。
第232条1項(親告罪)
この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
Aさんの件は警察が動いているので、すでにVさんが警察に告訴していると思われます。
しかしVさんと示談することによって、告訴を取下げてもらえる可能性があります。
一度告訴されても、告訴の取下げがなされれば、刑事裁判は開かれません。
ただ、適切な示談交渉の方法がわからないという方も多いと思います。
また、被害者との関係がこじれて、加害者本人とは示談交渉してくれないと言った場合もあります。
そこで、示談交渉を弁護士に依頼してみるという方法も考えられます。
他にも、自分のツイートや発言が名誉棄損罪や侮辱罪が成立するのか、成立するとしたらどのくらいの刑罰を受けそうなのか、逮捕される可能性はないのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、多くの不安があると思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
上記のような不安に対する弁護士の見通しなどをご説明させていただきます。
名誉棄損罪・侮辱罪などで捜査を受けたら、ぜひ一度ご連絡ください。
泥酔して傷害事件を起こし逮捕
泥酔して傷害事件を起こし逮捕
宮城県岩沼市に住むAさんは、友人と居酒屋で酒を飲んだ帰り、見知らぬ通行人と肩がぶつかったことが原因でケンカになりました。
しかし、当時Aさんは泥酔しており、気が付いたら岩沼警察署の留置所にいるという状況。
事件のことは全く覚えていません。
一緒にいた友人によると、Aさんは相手を殴り、骨折の重傷を負わせたとのことでした。
A自身も顔面にあざができていたことから、相手からも殴られていたようです。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は慌てて弁護士に相談しました。
(フィクションです)
~傷害罪と責任能力~
Aさんの行為には傷害罪が成立します。
刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
ただし、Aさんは事件の記憶がないほど酔っていたことから、犯行時に心神喪失または心神耗弱状態で、責任能力がなかったのではないかという問題は生じえます。
刑法第39条
第1項 心神喪失者の行為は、罰しない。
第2項 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
心神喪失(39条1項)とは、自分の行為の良し悪しを判断する能力と、その判断に従って自己の行動を制御する能力のどちらかを欠いた状態をいいます。
心神耗弱(39条2項)とは、これらの能力が著しく弱っている状態をいいます。
心神喪失と判断された場合は犯罪不成立、心神耗弱と判断された場合には刑罰が軽くなります。
しかし、記憶をなくすくらい酔っぱらってしまえば、何をやっても刑が軽くなったり、罰しないとされるのは違和感があります。
実際に、単に記憶がなくなっている程度では、責任能力が著しく弱っているとまではいえないとして、刑の減免は認められない可能性も十分あるでしょう。
また、仮に暴行時に心神喪失・耗弱であったと認められても、普段から酔うと粗暴になることがわかっていたのに、それでも酒を飲んで暴力事件を起こしたという場合には、酒を飲んだこと自体が非難されるべきなので、刑は減免されない可能性があります(「原因において自由な行為」と呼ばれます)。
~正当防衛~
Aさんは相手にも殴られているようですから、正当防衛の成立も問題となりえます。
刑法第36条第1項
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
第2項
防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
Aさんはケンカのことを覚えていないので、友人や被害者の供述等によって事実を探ることになります。
被害者がいきなり殴ってきたのであれば、正当防衛(36条1項)が成立し、無罪となる可能性はあります。
ただし、結果としてAよりも被害者の方が重症なので、結果が全てではないものの、過剰防衛(同条2項)により刑が軽くなるにとどまることも考えられます。
一方、Aさんが先制攻撃した場合には正当防衛や過剰防衛が成立する可能性は低いでしょう。
また、どちらからともなくケンカになった場合にも、喧嘩両成敗ということで両者とも正当防衛や過剰防衛は成立する可能性は低いでしょう。
~刑事手続の流れ~
逮捕されたAさんは、まずは最大72時間の身体拘束を受ける可能性があります。
その後、検察官の勾留請求し、それに対して裁判官が許可した場合、最大で20日間、勾留と呼ばれる身体拘束が続く可能性があります。
検察官が勾留請求するのか、勾留請求せずに釈放するのか、あるいは裁判官が勾留を許可するのか否かの判断の際は、事件の重大性や犯行を認めているか否か、反省態度、被害者と示談が成立しそうか、前科の有無、証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれの有無などが考慮事項となります。
勾留がされた場合はその最終日までに、勾留されていない場合は適宜の時期に、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか否かを判断します。
ここで起訴猶予処分(不起訴処分)となれば、刑事裁判にかけられず、前科も付かなくてすむますが、起訴となれば刑事裁判が始まります。
勾留中の被疑者が起訴となれば身体拘束が続くので、保釈請求をして身柄解放を目指すことが考えられます。
~弁護士に相談を~
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事弁護を専門とする弁護士事務所です。
逮捕中あるいは勾留中の場合には、ご家族などからご依頼頂ければ、留置されている警察署等に、すみやかに接見に伺います。
また、逮捕・勾留されていない場合には、事務所で初回無料の法律相談を受けることもできます。
犯罪をして逮捕されたり捜査を受けた場合、今後どのような手続が進んでいくのか、取調べではどのように受け答えしたらよいのか、どの程度の刑罰を受けることになりそうか、どうやって示談したらよいか等々、わからないことが多く不安だと思います。
接見や法律相談ではこれらの疑問にお答えしますので、ぜひ一度ご相談ください。
(岩沼警察署への初回接見費用38,400円)
