ツイッターで悪口を書き込み取調べ

ツイッターで悪口を書き込み取調べ

宮城県石巻市に住むAさんは、友人のVさんとツイッターを相互フォローしていました。
仲の良かったAさんとVさんでしたが、ちょっとしたすれ違いからケンカをし、険悪な関係になってしまいました。
やがてAさんはツイッターで、Vさんの悪口を書くようになりました。
その内容は、「あいつはバカだ」といったものから、10年以上前のVの前科・前歴の話や、Vが浮気していた話などに及びました。
ある日、石巻警察署からAさんに連絡が入り、ツイッターへの書き込みの件で話を聞きたいから、警察署に来るように言われました。
不安になったAさんは、弁護士の無料相談を受けることにしました。
(フィクションです)

~名誉棄損罪~

はじめに、AさんがVさんの前科・前歴浮気のことを書き込んだ行為については、名誉棄損罪が問題となります。

刑法
第230条1項
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

「公然」とは、不特定または多数人が認識できる状態を言います。
ツイッターでつぶやくと、全世界の人が見ることができるので、不特定または多数人が認識できる状態と言えるでしょう。
仮に、鍵付きのアカウントでつぶやいたとしても、Aさんのツイートを見ることができるフォロワーが多ければ、多数人が認識できる状態といえます。
また、鍵付きアカウントでフォロワー数も少ないとしても、そのフォロワーから不特定又は多数人にツイート内容が伝わる可能性があるのであれば、「公然」にあたります。

次に、摘示される「事実」は、人の社会的評価を害するものである必要があります。
前科・前歴浮気の事実は、明らかに人の社会的評価を害するものと言えるでしょう。

また、条文上は「人の名誉を棄損した」という過去形が使われていますが、実際にこのツイートにより名誉が毀損されたかどうかは問いません。
実際に名誉が毀損されたか否か(社会的評価が害されたか否か)を裁判で証明することは難しいので、名誉を毀損するに足りる事実の摘示してさえいれば、名誉棄損罪が成立しうるのです。
したがって、Vさんの社会的評価が実際に害されたかどうか、Aさんのツイートを実際に多くの人が見たかどうか、といった点は関係なく、名誉棄損罪が成立する可能性があります。

さらに、条文には「その事実の有無にかかわらず」とあります。
本当のことであれば言っても問題ないと勘違いされている方もいらっしゃいますが、真実か否かには関係なく、名誉棄損罪は成立するので注意が必要です。

以上により、Aさんの行為には名誉棄損罪が成立する可能性があります。

なお、議員に関する事実など、公共の利害に関する事実を公益目的で摘示したのであれば、犯罪が成立しない可能性もあります(刑法230条の2参照)。

~侮辱罪~

Aさんの「あいつはバカだ」といった、具体的な事実の指摘のないツイートには、侮辱罪が成立する可能性があります。

第231条(侮辱)
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

~弁護士に示談を依頼~

名誉棄損罪侮辱罪は、被害者の告訴がなければ刑事裁判を行えない犯罪(親告罪)です。

第232条1項(親告罪)
この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

Aさんの件は警察が動いているので、すでにVさんが警察に告訴していると思われます。
しかしVさんと示談することによって、告訴を取下げてもらえる可能性があります。
一度告訴されても、告訴の取下げがなされれば、刑事裁判は開かれません。

ただ、適切な示談交渉の方法がわからないという方も多いと思います。
また、被害者との関係がこじれて、加害者本人とは示談交渉してくれないと言った場合もあります。
そこで、示談交渉を弁護士に依頼してみるという方法も考えられます。

他にも、自分のツイートや発言が名誉棄損罪侮辱罪が成立するのか、成立するとしたらどのくらいの刑罰を受けそうなのか、逮捕される可能性はないのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、多くの不安があると思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
上記のような不安に対する弁護士の見通しなどをご説明させていただきます。

名誉棄損罪・侮辱罪などで捜査を受けたら、ぜひ一度ご連絡ください。

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