Archive for the ‘刑事事件’ Category
パンツ盗撮で逮捕
パンツ盗撮で逮捕
女性のパンツを盗撮をして逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県名取市に住むAさん。
コンビニで女性のスカート内をスマホで盗撮したところ、女性に気付かれました。
すぐに警察に通報され、Aさんは駆け付けた宮城県岩沼警察署の警察官に逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~都道府県の条例違反に~
コンビニで盗撮をしたAさん
宮城県の迷惑行為防止条例違反に問われることになるでしょう。
条文を見てみましょう。
宮城県・迷惑行為防止条例
第3条の2第1項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
第3号 人の下着等を撮影し、又は撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を向け、若しくは設置すること。
Aさんは赤く色付けした部分に該当することになるでしょう。
ちなみに、撮影に成功しなくても、下着等を撮影する目的でカメラを向けたり設置したりするだけで、この条文に該当することになります。
罰則は、盗撮の常習者ではない場合、16条1項1号により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
常習者の場合はより重く、16条2項により、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
Aさんは盗撮を繰り返していました。
それでも、以前に警察に発覚したことがないのであれば、盗撮については一応初犯ということになりますので、非常習者として処罰される可能性も十分あります。
しかし、盗撮の前科がある場合には、常習者として処罰される可能性が上がるでしょう。
~刑事手続きの内容~
犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等に収容され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
弁護士としては、勾留を防いで早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を提出するなどの弁護活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。
勾留された場合はその期間の最後に、勾留されなかった場合は捜査が終わり次第、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
このうち起訴には①正式起訴と②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決や執行猶予判決、罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。
さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。
~前科を防ぐ~
本当に犯罪をしていたとしても不起訴処分で終わるケースは、一般の方が思う以上に多くあります。
しかし、不起訴処分などの軽い処分・判決を目指すには、犯行自体の悪質性が低いことや、前科がない(あるいは少ない)、被害者に謝罪・賠償して示談が締結できている、といった事情があることが重要です。
犯行後に変えることができる事情として重要なのは示談ということになります。
しかし性犯罪などでは、被害者の方々が、加害者やその家族に対して連絡先を教えたくないということも当然ながら多く、弁護士が間に入り、加害者には最後まで名前を伏せて示談するしかない場合も多いです。
示談を締結できたか否かによって、不起訴処分になるかどうかといった結果が変わってくることも多くあります。
不起訴処分とならずに前科が付くと、国家資格の欠格事由となる場合があるなど、予期せぬ影響があるかもしれません。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご依頼を、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での無料法律相談をご利用ください。
0120-631-881まで、ご連絡をお待ちしております。
セルフレジでの万引きで逮捕
セルフレジでの万引きで逮捕
セルフレジで一部の商品の会計をせずに商品を持ち帰って逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県塩釜市に住む女性Aさん。
コンビニのセルフレジで万引きをしようと考えました。
カゴに入れた商品すべてのバーコードを読み取ったかのように装い、実は一部の商品のバーコードを読み取らずに買い物袋に入れ、そのまま店を後にしました。
売上金額と商品の数が合わないことから、店側と警察が防犯カメラを調べたところ、女性客が一部の商品のバーコードを読み取らせていない様子が写っていました。
さらなる捜査の結果、その女性客がAさんであることも判明。
Aさんは、宮城県塩釜警察署の警察官によって逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~セルフレジ万引き~
人手不足が叫ばれている昨今、セルフレジを導入する店が増えてきました。
そこで心配されるのが万引きの増加。
万引き対策として商品の重量を図り、バーコードを読み込んだ商品と袋に入れた商品が一致しているかチェックする機能を有するレジもあります。
しかし、こういった機能があるかないかに関わらず、店員がレジ対応をする場合よりも、その場では気づかれずに万引きする余地が増えているかもしれません。
とはいえ、犯行後に防犯カメラでセルフレジ利用者の不審な動きをチェックすることもできるので、店や警察に最後までバレずに万引きがしやすい状況になったとまでは言い切れないでしょう。
結局、窃盗罪で後日逮捕される可能性が十分考えられるわけです。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
~刑事事件の手続~
犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
弁護士としては、勾留を防いで早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を提出するなどの弁護活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。
勾留された場合はその期間の最後に、勾留されなかった場合は捜査が終わり次第、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
このうち起訴には①正式起訴と②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決や執行猶予判決、罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。
さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。
~軽い処分・判決と更生を目指して~
被害金額にもよりますが、一般的に万引き事件では、初犯だと警察による注意のみで終わる(微罪処分)、あるいは不起訴処分で終わり、再犯すると罰金刑、さらに再犯すると執行猶予の付いた懲役刑の判決、最後に実刑判決というように、だんだんと重い処分・判決がなされる傾向にあります。
いずれにしろ出来るだけ軽い処分や判決を目指すには、被害店舗に謝罪・賠償して示談が締結できている、万引きがやめられない依存症のような状況(クレプトマニア)なのであれば治療をはじめた、といった事情があることが重要です。
弁護士は示談交渉を行ったり、クレプトマニアの治療を行っている病院を紹介するなどして、軽い処分・判決を目指すとともに更生に向けたお手伝いを致します。
ぜひ一度ご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での法律相談を初回無料でご利用いただけます。
0120-631-881まで、ご連絡をお待ちしております。
虐待で逮捕
虐待で逮捕
親が子供への虐待で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県村田町に住む男性Aさん。
妻の小学生の連れ子Vさんに対し、日常的に暴力を振るったり、満足に食事を与えなかったり、性的暴行を加えたりしていました。
Vさんの学校の先生が、Vさんが異常に痩せ細り、身体に傷があることに気が付いたことから、Vさんに事情を聞いたところ、上記のような虐待を受けていることが判明。
警察や児童相談所などに報告しました。
その後Aさんは、宮城県大河原警察署の警察官により逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~虐待で成立する犯罪~
親による子供への虐待は、外部の人にとっては見つけることが難しい面があり、子供が泣き寝入りしてしまうことも多いでしょう。
そこで、児童虐待防止法や児童福祉法に基づき、虐待を発見した者は福祉事務所や児童相談所に伝える義務が全ての国民に課せられています。
この義務を果たさなくても罰則はありませんが、虐待が疑われる場合には、ためらわずに通告するのが望ましいといえます。
何らかのルートにより虐待が見つかった場合、必要であれば子供は児童相談所などで保護されることになりますが、親は犯罪者として警察から取調べを受けたり、逮捕される可能性があります。
虐待で成立する可能性がある犯罪としては以下のように、傷害罪や保護責任者遺棄罪、強制性交等罪や監護者性交等罪など様々なものが考えられます。
~傷害罪~
まずは傷害罪の条文を見てみましょう。
刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
暴力により子供をケガさせれば、当然ながら傷害罪が成立することになるでしょう。
もちろん、子供が死亡すれば殺人罪や傷害致死罪が成立する可能性もあります。
第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。
~保護責任者遺棄罪~
同居する親は子供の衣食住を確保しなければなりません。
この義務に違反して、食事を与えないなどのネグレクトをすると保護責任者遺棄罪が成立したり、子供が健康を害するに至ると保護責任者遺棄致傷罪が成立する可能性があります。
第218条
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
第219条
前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
子供が死亡するに至れば保護責任者遺棄致死罪や殺人罪が成立する可能性もあります。
ちなみに保護責任者遺棄致傷罪は3か月以上15年以下の懲役、保護責任者遺棄致死罪は3年以上の有期懲役(余罪がなければ上限は20年)です。
~強制性交等罪・監護者性交等罪~
子供に13歳以上の者を暴行または脅迫を用いてレイプした場合、あるいは暴行・脅迫を用いなくても13歳未満の子供と性交した場合には、強制性交等罪が成立します。
第177条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
また、18歳未満の子供に対し、暴行・脅迫を用いなくても、親という強い立場を利用して抵抗を難しくし、性交をした場合には監護者性交等罪が成立する可能性もあります。
第179条2項
十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による。
たとえば、「他の人に言ったら、家族がバラバラになっちゃうよ」「家にいられなくなっちゃうよ」などと言って心理的に抵抗を難しくし、性交したような場合にこの罪が成立する可能性があります。
177条の強制性交等罪と同様、5年以上の有期懲役(余罪がなければ上限は20年)となります。
性交に至らなくても、身体に触るなどのわいせつな行為をすれば強制わいせつ罪や監護者わいせつ罪などが成立する可能性もあります。
第176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
第179条1項
十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
~弁護士にご相談を~
このように、虐待をすると様々な犯罪が成立する可能性があります。
もしご家族や親族が虐待事件を起こし逮捕されたという場合には、警察や検察の取調べの末に刑事裁判が開かれ、有罪となれば刑罰を受けるという流れになることが予想されます。
どのような手続が進んでいくのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、家族関係はどうなってしまうのかなど、不安なことが多いと思いますので、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
すでに逮捕されている事件では初回接見サービスを、逮捕されていない事件では無料法律相談をご利用いただけます。
お早めのご連絡をお待ちしております。
バスの無賃乗車で取調べ
バスの無賃乗車で取調べ
バスの無賃乗車を繰り返し、警察の取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県仙台市に住むAさん。
バスに乗車した際、運転手に対し、
「財布を忘れてしまって…」
などとウソをつき、
「今度ちゃんと払ってくださいね」
などと言ってもらって、料金の支払いを免れる行為を繰り返していました。
同じ運転手に対し同じ手を使ったことから怪しまれるようになり、バス会社の中で情報共有がなされるように。
再びAさんが同じ手口を使おうとしたとき、運転手が気が付き、
「いつも払ってないよね?身分証見せてもらえる?」
と言いました。
「ついに見つかったか」
と観念したAさん。
素直に身分証を提示し、その日はバスを降ろされました。
後日、相談を受けた仙台中央警察署からAさんに電話があり、取調べのために警察署に来るよう言われました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~詐欺罪が成立~
バスで運転手をだまし、無賃乗車を繰り返していたAさん。
詐欺罪が成立することになるでしょう。
条文を見てみます。
刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第2項
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
第1項が、物をだまし取った場合の規定で、第2項が人をだまして財産上の利益を得た場合の規定です。
今回は物をだまし取ったのではなく、運転手をだまして乗車料金を免れるという財産上不法の利益を得たパターンなので、2項が成立することになります。
罰則は10年以下の懲役なので、条文上は長期間の懲役の可能性もある立派な犯罪になってしまうわけです。
~今後の展開は?~
今回のように逮捕されずに捜査が進められる事件を在宅事件と言います。
在宅事件では、警察からの呼び出しに応じて警察署に出向き、取調べや現場検証などの捜査を受けます。
一通りの捜査が終わると、捜査書類が警察から検察に送られます(書類送検)。
書類送検を受けた検察官は、さらに取調べなどの捜査をした上で、その犯罪をしたと疑われている被疑者を、刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
このうち起訴には①正式起訴と②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決や執行猶予判決、罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。
さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。
~軽い結果を目指すには~
前述のように、条文上は長期間の懲役もありえます。
しかし、特殊詐欺などに比べると今回のような無賃乗車は被害金額も少ないでしょうし、前科の有無などにもよりますが、不起訴処分や略式起訴で罰金に終わる可能性も十分考えられます。
ただ、軽い結果を目指すうえでは、バス会社に謝罪・弁償して示談することも重要となってきます。
示談を締結できたか否かによって結果が変わってくることも多くあります。
しかしご自身やご家族では、相手に何と言って示談をお願いすればいいのか、示談金額をいくらにしたらよいのか、示談書の文言はどうしたらよいのかなど、わからないことも多いと思います。
また、警察の取調べではどんなことを聞かれるのかなど、不安も強いと思います。
そこでぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。
交通事故で取調べ
交通事故で取調べ
交通事故で人を死傷させ、警察の取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県涌谷町に住むAさん。
自動車を運転中に、一時停止の標識を見落としてしまい、減速せずに直進。
歩行者をはねてしまい、1人を死亡、もう1人を負傷させてしまいました。
Aさんは駆け付けた宮城県遠田警察署の警察官により、一通りの事情聴取を受けました。
後日、再び警察署に呼ぶと言われたAさん。
心配になって弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです)
~過失運転致死傷罪に~
自動車を運転中に不注意で交通事故を起こした場合、被害者が負傷すると過失運転致傷罪に、死亡すると過失運転致死罪に問われる可能性があります。
条文を見てみましょう。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
この条文の1文目では、被害者の負傷と死亡を合わせて「死傷」と規定し、どちらも法定刑(法律に定められた刑罰)は同じですが、死亡の方が重い判決となる傾向にあります。
また2文目により、被害者が軽い負傷にとどまった場合には、運転者の不注意の程度なども考慮の上、刑罰が免除される可能性があります(執行猶予とは別の制度です)。
Aさんの場合には、死亡と負傷が1人ずつという結果です。
したがって、理論的には過失運転致死罪と過失運転致傷罪が1つずつ成立することになります。
ただ、1つの事故で2人以上の人を死傷させた場合、重い方の過失運転致死罪の法定刑の範囲で処罰されることになるでしょう(刑法54条1項参照)。
したがって、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となり、刑罰が免除される可能性はありません。
執行猶予が付く可能性はありますが、猶予期間中に何らかの犯罪をした場合には、猶予が取り消され刑罰を受けることになるという点が、完全に刑罰を受けることがなくなる刑の免除と違う点です。
なお、この刑事処分とは別に、免許停止や免許取消処分になる可能性もあります。
死亡事故を起こした場合、過去3年間の交通違反での処分歴がなく、今回の事故の過失(不注意の程度)が軽い場合には90日間の免許停止になりますが、それ以外の場合は免許取消となります。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
交通違反点数制度と一覧表
~弁護士にご相談を~
今後Aさんは、自宅から警察署や検察庁に行って取調べを受けたのち、裁判所に行って裁判を受ける流れが予想されます。
このように逮捕されていない事件を「在宅事件」と言います。
在宅事件では、逮捕されないという大きなメリットがありますが、逆に裁判が始まるまでの期間は、国の費用で弁護士を付けてもらえる国選弁護人の制度を利用することができません。
しかし、取調べにはどう対応したら良いのか、謝罪や賠償、示談などはどうやったらいいのかなど、わからない点が多いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
在宅事件では無料法律相談を、万が一逮捕されている事件では初回接見サービスのご利用をお待ちしております。
槇原敬之さんが覚せい剤所持で逮捕
槇原敬之さんが覚せい剤所持で逮捕
【覚せい剤取締法違反などで逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します】
2020年2月13日、歌手の槇原敬之さんが、覚せい剤や危険ドラッグを所持していた疑いで、警視庁に逮捕されました。
槇原さんは1999年にも覚せい剤所持の容疑で逮捕され、懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を受けています。
この時から20年以上が経過し、更生したかに思われていましたし、現時点では本当に再び薬物に手を出していたのかもわかりません。
あくまで仮定の話ですが、本当に再び薬物に手を出していたのだとしても、槇原さんが更生の道から外れたというわけではありません。
最終的に全く使わずに済むようになっている人でも、何度か逮捕されているパターンはよくあり、更生の過程にすぎないとも言えます。
いずれにせよ槇原さんが再び歌手として活躍される日が来るよう、応援しています。
~覚せい剤所持の罪~
ここからは法律的な解説をしたいと思います。
覚せい剤を所持すると覚せい剤取締法の以下の規定に違反したことになります。
覚せい剤取締法第14条1項
覚せい剤製造業者、覚せい剤施用機関の開設者及び管理者、覚せい剤施用機関において診療に従事する医師、覚せい剤研究者並びに覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者の外は、何人も、覚せい剤を所持してはならない。
第41条の2第1項
覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。
営利目的ではなく、自分で使用する目的で所持していた場合の罰則は、10年以下の懲役ということになります。
初犯であれば執行猶予が付くことも多いですが、2回目以降だと実刑になることが多いです。
今回の槇原さんのケースで仮に有罪となった場合は、これまで更生しようと頑張り、前回から20年以上たっていることが、どの程度判決を軽くする方向に働くかという点は注目かもしれません。
~覚せい剤使用の罪~
さらに、逮捕後の尿検査等で陽性反応が出れば、所持だけでなく、使用の容疑でも裁判にかけられる可能性があります。
第19条
左の各号に掲げる場合の外は、何人も、覚せい剤を使用してはならない(以下略)
第41条の3
次の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役に処する。
第1号 第十九条(使用の禁止)の規定に違反した者
使用の罰則も、所持と同じく10年以下の懲役です。
所持と使用の両方で裁判にかけられた場合、併合罪(刑法45条・47条参照)という処理により上限が1.5倍となるので、Aさんは執行猶予とならない限り15年以下の懲役に処せられるということになります。
~危険ドラッグ所持の罪~
槇原さんの逮捕容疑には、危険ドラッグを所持していたことも含まれています。
一般に危険ドラッグとは、覚せい剤や麻薬と同種の成分や類似の化学物質を混ぜた薬物をいいます。
以前は罰則がありませんでしたが、現在は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」という法律で所持・使用や製造・販売などが禁止されています。
自己使用目的での所持や、実際に使用すると、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
~再犯防止・更生に向けて~
逮捕された後の手続について、詳しくはこちらをご覧ください。
https://sendai-keijibengosi.com/keijijikennonagare
薬物犯罪は、2度とやるまいという強い意志だけでは再犯を防ぐのは難しく、適切な治療を受ける必要があります。
刑事事件を専門とする弊所としましても、刑事裁判への対応の他、薬物依存症治療を行っている病院を紹介したりするなど、更生に向けたお手伝いをしてまいります。
あなたやご家族が薬物に手を出してしまったという場合には、秘密は厳守いたしますので、ぜひご相談ください。
すでに逮捕されている場合、ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、上記の不安点などについてご説明いたします。
接見後にその結果をご家族にご報告致しますので、報告を聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、弁護士事務所での法律相談を初回無料でご利用いただけます。
覚せい剤などで逮捕された、逮捕されないか心配、といった場合にはぜひ一度ご連絡ください。
夫婦喧嘩で警察沙汰に
夫婦喧嘩で警察沙汰に
夫婦喧嘩がエスカレートし、傷害事件となって警察沙汰になった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県白石市に住む男性Aさん。
妻のVさんとケンカとなった際、つい手が出てしまい、Vさんは顔面から流血してしまいました。
ちょうどその時、白石警察署の警察官が、2人の家を訪れました。
AさんもVさんも大声でケンカをしていたので、近隣住民がDVを疑って警察に通報していたのです。
警察官は出血しているVを見ると、すぐに救急車を呼ぶとともに、Aさんを事情聴取しました。
その日は事情を聞かれただけで、逮捕もされずに終わったAさんでしたが、今後どうなるのか心配になり、弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~傷害罪に~
夫婦げんかで行き過ぎてしまい、妻にケガをさせてしまったAさん。
流血しているということは傷害を負わせたということですので、傷害罪が成立してしまいます。
刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
傷害罪は条文上、最高で15年の懲役の可能性もある重い罪となります。
~逮捕や刑罰は?~
事情を聞かれただけで逮捕されずに終わったAさん。
夫婦喧嘩に毛が生えた程度と判断され、今後も逮捕はされない可能性も十分あります。
特に、妻のVさんの方も、Aさんの処罰を望んでいないということであれば、警察が捜査を打ち切る微罪処分や、検察官が大目に見てAさんを刑事裁判にかけないと判断する不起訴処分となることも考えられます。
そうなれば、裁判や刑罰も受けず、前科も付かずに事件が終了することも考えられます。
一方、悪質なDVであると判断されたり、夫婦関係が破綻していて妻のVさんとしてもAさんを処罰してほしいという処罰感情が強かったりする場合には、違う展開になるかもしれません。
ケガの程度や前科の有無、手を出した理由や反省態度などにもよりますが、逮捕される可能性や、罰金刑以上となり前科が付く可能性も上がってしまいます。
ただし、罰金刑以上になる場合であっても必ず逮捕されるわけではありません。
証拠隠滅や逃亡のおそれまではないと判断されれば、逮捕されずに在宅事件として扱われます。
この場合、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受け、その後裁判所に出向いて裁判を受けて終わるといった流れが考えられます。
~弁護士にご相談を~
家族間の犯罪というのは特殊な感じがするかもしれませんが、長い時間接してきているがゆえに、意外と多いもの。
もし大ごとになりそうであれば、弁護士にご相談ください。
出来る限り円満な解決に向けてサポートしてまいります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では、事務所での法律相談を初回無料をご利用ください。
どんな犯罪が成立するのか、どれくらいの刑罰を受けそうか、いつ釈放されそうかといった事件の見通しをご説明いたします。
逮捕されている事件ではご家族から初回接見のご依頼を頂ければ、収容されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、事件の見通しなどをご説明致します。
さらに接見後には、接見の内容や事件の見通しなどについて、ご家族にもお伝え致します。
ぜひ0120-631-881まで、お早めのご連絡をお待ちしております。
犯罪をして警察から連絡が
犯罪をして警察から連絡が
何らかの犯罪をして警察から連絡が入った場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県仙台市若林区に住むAさん。
ある日、Aさんの携帯電話に、若林警察署から電話で連絡がありました。
警察官は、
「Aさん、何で電話したかわかるな?」
と言っています。
警察官は取調べを受けに来るようAさんに指示し、今週末に若林警察署で取調べを受けることになりました。
身に覚えのあるAさんでしたが、取調べでは何を聞かれるのか、そのまま逮捕されないのか心配になり、取調べ前に弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~警察から呼び出されるパターン~
何らかの犯罪をすると、もちろん逮捕される場合もあります。
しかし、比較的軽微な犯罪の場合には逮捕されないパターンもあります。
その場合、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に行って裁判を受けたりする流れになることが予想されます。
犯罪をしたと疑われている人(被疑者)が留置場に入れられるのではなく、在宅のまま捜査が進んでいくので、在宅事件と呼ばれています。
在宅事件の場合は通常、警察が一通りの捜査を終えると、捜査資料を検察官に送ります(書類送検)。
今回の事例のAさんは書類送検の前の、警察の捜査が始まった段階ということになります。
書類送検がなされると検察官も取調べを行った上、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
起訴には公開の法廷で裁判を受ける正式起訴と、主に書類のやり取りのみの簡単な手続で罰金刑にする略式起訴があります。
一方、不起訴処分となると、前科も付かずに刑事手続が終わります。
今回は大目に見てもらえるということです。
検察官がどのような判断をするのかは事件によります。
被害が深刻でない、謝罪・賠償をして示談が済んでいる、監督できる家族がいる、前科がない(少ない)といった事情があればあるほど、軽い結果が予想されます。
~取調べでは何を聞かれる?~
取調べでは、あなたがやったということで間違いないか、どのような手口で行ったか、動機は何か、反省しているのか、といったことが聞かれるでしょう。
携帯電話などの提出を求められることも考えられます。
犯行に関する通話履歴を調べたり、盗撮事件では残っている画像などを調べるためです。
取調べにおいて積極的に嘘をつくのは、あとでバレた場合に反省していないとして不利になる可能性があり、あまりお勧めできません。
しかし、事細かに話すと、捜査機関としては犯罪の立証をしやすくなり、検察官の判断や裁判所の判決が重くなってしまう場合もあります。
事件によっても取調べでの望ましい受け答えの仕方は変わってきますので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。
~そのまま逮捕される?~
重い犯罪であれば、刑罰も重くなることが予想されるので、被疑者としては逃亡や証拠隠滅をしたいと考える可能性があります。
そこで警察としても、自らの動きを察知されないように、いきなり逮捕するということも十分考えられます。
逆に言えば、今回のAさんのように電話で呼び出されるにとどまっている場合には、比較的軽い罪であり逃亡や証拠隠滅のおそれも低いとして、警察としても逮捕せずにこのまま在宅事件として進めていく予定であることも多くあります。
ただし、100%逮捕されないとまでは言い切れません。
被疑者を逮捕した場合、身体拘束が長期間に及ぶことを防ぐため、最長でも23日の間に、警察と検察は一通りの捜査を終わらせて、被疑者を起訴するか不起訴にするか、あるいは釈放するかの判断をしなければならないことになっています。
複雑な事件ではこの期間内に捜査を終わらせることが難しいため、最初に在宅事件のまま取調べて、ある程度証拠が固まってきたところで逮捕するという手法がとられることもあります。
複雑な事件なので解明に時間がかかるけれど、かといって被疑者には家族や仕事があるし、これらを捨ててまで逃亡はしないだろうし、証拠隠滅の方法にも限界があるといった判断を警察がした場合には、このようなパターンがありうるわけです。
取調べ後に逮捕されるかどうかは、捜査機関ではない弁護士が100%言い当てることは不可能ですが、事件の内容をお伺いすればある程度予想できる場合もありますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
~刑事事件専門の弊所にご相談ください~
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
在宅事件では、無料法律相談をぜひご利用ください。
万が一逮捕されている事件では、ご家族などから初回接見のご依頼を頂ければ、収容されている警察署に面会(接見)に行き、アドバイス致します。
0120-631-881まで、ご連絡をお待ちしております。
塾で生徒を盗撮し逮捕
塾で生徒を盗撮し逮捕
塾の先生が教室内で生徒を盗撮をして逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県仙台市青葉区内にある塾で先生をしている男性Aさん。
教室内に小型カメラを設置し、女子生徒のスカート内の盗撮を繰り返していました。
ある日、生徒の1人がカメラの存在に気づき、親とも相談して警察に通報。
Aさんは、仙台中央警察署の警察官により逮捕されました。
(フィクションです。)
~迷惑行為防止条例違反に~
塾の生徒を盗撮したAさんの行為は、宮城県の迷惑行為防止条例違反となるでしょう。
条文を見てみます。
第3条の2第4項
何人も、正当な理由がないのに、集会場、事務所、教室その他の特定かつ多数の者が利用するような場所に
おいて、人の下着等を撮影してはならない。
塾は「教室」、あるいは申し込みをした生徒という「特定かつ多数の者が利用するような場所」に該当します。
Aさんはこの場所で、生徒の「下着等を撮影」したわけですので、この条文に違反しているわけです。
罰則は、盗撮の常習者ではない場合、16条1項2号により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
常習者の場合はより重く、16条2項により、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
Aさんは盗撮を繰り返していました。
それでも、以前に警察に発覚したことがないのであれば、盗撮については一応初犯ということになりますので、非常習者として処罰される可能性も十分あります。
しかし、盗撮の前科がある場合には、常習者として処罰される可能性が上がるでしょう。
~逮捕後の手続きの流れ~
犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等に収容され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
弁護士としては、勾留を防いで早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を提出するなどの弁護活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。
勾留された場合はその期間の最後に、勾留されなかった場合は捜査が終わり次第、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
このうち起訴には①正式起訴と②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決や執行猶予判決、罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。
さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。
~示談が重要~
軽い処分・判決を目指すには、犯行自体の悪質性が低いことや、前科がない(あるいは少ない)、被害者に謝罪・賠償して示談が締結できている、といった事情があることが重要です。
犯行後に変えることができる事情として重要なのは示談ということになります。
しかし性犯罪などでは、被害者の方々が、加害者やその家族に対して連絡先を教えたくないということも当然ながら多く、弁護士が間に入り、加害者には最後まで名前を伏せて示談するしかない場合も多いです。
示談を締結できたか否かによって結果が変わってくることも多くあります。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご依頼を、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での無料法律相談をご利用ください。
0120-631-881まで、ご連絡をお待ちしております。
恐喝で取調べ
恐喝で取調べ
自動車事故の被害者が、加害者への恐喝の疑いで警察から取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県七ヶ浜町に住むAさん。
自動車を運転中に後ろから追突されました。
比較的軽くぶつかったということもあり、ケガはありませんでしたが、車両後部がへこんでしまいました。
いい機会だから、ふんだくってやろうと考えたAさん。
後日、実際に修理費を大きく上回る金銭を要求し、払わない場合はうちの若い者に取り立てに行かせるなどと言って、支払わせました。
相手が警察に相談したことから、塩釜警察署からAさんの下に連絡が入り、取調べを受けに来るよう言われました。
逮捕されないか心配になったAさんは、取調べの前に弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~被害者でも恐喝罪~
車をぶつけられたAさん。
修理費など実際に生じた損害について賠償請求する権利はあるわけですが、それを超える金銭を支払わせると、恐喝罪が成立する可能性があります。
条文を見てみましょう。
刑法第249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
仮に、ナイフを突きつけるなど、相手が全く抵抗できないような強い態様での脅迫や暴行をして物を奪った場合は強盗罪となります。
そこまでは至らないが、相手方が怖がるような脅迫や暴行をして、金銭や物などの財物を交付させると、この恐喝罪が成立するわけです。
たとえば、示談交渉の場で、単に適切な価格よりも高い金額を提示しただけでは、恐喝罪や恐喝未遂罪は成立しません。
しかし、今回のAさんのように、「うちの若い者に取り立てに行かせる」という発言は、Aさんの風貌や口調などその時の状況にもよりますが、手荒なことをされるのではないかという恐怖を感じさせることになるでしょう。
そうすると、この時点で恐喝未遂罪が成立する可能性がありますし、実際に金銭を受け取れば、恐喝罪が成立してしまう可能性が高いわけです。
~刑事手続きは?~
今回のように、被疑者を逮捕せずに捜査を進める事件を在宅事件と言います。
在宅事件では、警察からの呼び出しに応じて警察署に出向き、取調べや現場検証などの捜査を受けます。
一通りの捜査が終わると、捜査書類が警察から検察に送られます(書類送検)。
書類送検を受けた検察官は、さらに取調べなどの捜査をした上で、その犯罪をしたと疑われている被疑者を、刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
このうち起訴には①正式起訴と②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決や執行猶予判決、罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。
さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。
~逮捕の可能性も~
ここまでは在宅事件の手続きについて説明いたしましたが、取調べの結果、容疑が固まったとして逮捕される可能性も否定できません。
逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等に収容され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
その後は、起訴・不起訴の判断がなされるのは在宅事件の場合と同じです。
逮捕された場合に弁護士は、勾留を防いだり、保釈による釈放を目指しつつ、裁判に備えることなります。
~軽い結果を目指すには~
今回の事例では、ある程度悪質な事案なので、不起訴処分を狙うのは難しいかもしれません。
それでも、出来るだけ軽い結果になるためには、相手に謝罪・弁償して示談するといったことが重要です。
しかし相手にとって、恐喝した本人と示談交渉をするのは心理的負担が大きく、スムーズに進まない可能性もあります。
仮に逮捕されていれば示談交渉はできません。
お困りの場合はぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。