ストーカーで逮捕

ストーカーで逮捕

ストーカー規制法の内容や逮捕後の手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【参考事例】
メッセージ308回、31歳男が元妻にストーカー容疑 昨年逮捕、付きまとい禁止命令守らず
Yahoo!ニュース(神戸新聞社提供)

この事件は、出会い系アプリで元妻のアカウントを見つけ、約1カ月半にわたって「このままで終わると思うな」「デートしたい」などと308回にわたってメッセージを送ったというストーカー規制法違反の容疑で逮捕されたものです。
逮捕された男は、元妻の自宅や勤務先で待ち伏せしたなどとして、昨年5月にも逮捕され、付きまといの禁止命令を受けていたとのことです。

~ストーカー規制法の内容~

ここで、ストーカー規制法の内容を簡単に確認しておきます。

恋愛感情やその裏返しの恨みなどを原因として、つきまといや待ち伏せをしたり、拒まれても電話やメール送信などを繰り返し行うことを、ストーカ規制法では「つきまとい等」と呼んでいます(2条1項・2項参照)。
このような「つきまとい等」を行い、今後も違反を続けるおそれがある場合、警察がやめるよう警告したり、公安委員会が禁止命令を出すことができます(4条1項・5条1項)。

また、「つきまとい等」を繰り返すことを「ストーカー行為」と呼んでいます(2条3項)。
すでに「つきまとい等」を繰り返す「ストーカー行為」に至っていれば、警告や禁止命令をせずに、加害者をいきなり逮捕して刑罰を科すこともできます。
この場合の刑罰は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

一方、最初に公安委員会からつきまとい等の禁止命令を出されたが、それでもやめずに「ストーカー行為」に至るパターンもあります。
この場合ももちろん逮捕して刑罰を科すことができます。
しかも、禁止命令に反してまでストーカー行為をしたのはより悪質だということで、さらに重い2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科すことができます。

今回の事件では、報道だけだと細かい事実関係はわかりませんが、すでに昨年5月に禁止命令が出ており、禁止命令の有効期限は1年間なので(延長可。5条8項・9項参照)、今回は禁止命令中の逮捕ということになるでしょう。
したがって余罪のない限り、2年以下の懲役または200万円以下の罰金になると思われます。

~刑事手続きの内容~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間警察署等に収容され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

弁護士としては、勾留を防いで早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を提出するなどの弁護活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。

勾留された場合はその期間の最後に、勾留されなかった場合は捜査が終わり次第、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

このうち起訴には①正式起訴②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決執行猶予判決罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。

さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。

~お早めのご相談を~

加害者側の弁護士としては、出来るだけ軽い処分や判決となるために、被害者に謝罪賠償して示談するなどの弁護活動をすることになります。

しかし性犯罪などでは、被害者の方々が、加害者やその家族に対して連絡先を教えたくない、あるいは直接交渉したくないということも当然ながら多く、弁護士が間に入り示談するしかない場合も多いです。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご依頼を、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での無料法律相談をご利用いただけます。
あなたやご家族が犯罪をした、あるいは犯罪をしたと疑われている場合には、ぜひお早めにご連絡ください。

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