Archive for the ‘薬物事件’ Category

覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪②

2019-04-28

覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪②

=前回からの続き=
40代男性Aさんは、覚せい剤を使用して意識が朦朧としている状態で、帰宅するために宮城県塩釜市内の道路において自動車を運転していました。
蛇行運転状態になっていたAさんは、自車を歩道に乗り上げてしまい、歩行者のVさんと衝突する交通事故を起こしてしまいました。
Vさんは、Aさんの車にはねられた際の外傷が原因で搬送先の病院で亡くなりました。
通行人の通報で駆け付けた宮城県塩釜警察署の警察官は、Aさんの様子がどうもおかしく、Aさんが薬物を使用しているのではないかという疑いを持ちました。
覚せい剤を使用した状態で車を運転していたことをAさんが供述したため、警察官は、Aさんを危険運転致死罪覚せい剤の自己使用の罪の疑いで逮捕しました。
Aさんの家族は、Aさんの帰宅を待っていたところ、警察官からAさんを逮捕した旨の電話を受けました。
しかし、事件内容などについては、Aさんが交通死亡事故を起こしたことと、危険運転致死罪覚せい剤の自己使用の罪を疑われていること、裁判員裁判になる可能性があるということしか知らされていません。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士にAさんとの初回接見を依頼して、今後の事件対応のアドバイスをもらうことにしました。
(フィクションです。)

前回から4回にわたって上記Aさんの事案を参考に解説しています。

~初回接見を利用してご家族が事件内容を把握~

今回の事案のAさんのように、帰宅途中に刑事事件を起こして警察に逮捕される方は少なくありません。
自宅で帰りを待っているご家族は、警察に逮捕されているなんて考えてもいないため、大変なショックを受けることになります。

今回の事案では、Aさんのご家族は事件の内容をほとんど把握できていません。
実際に弊所にいただくお問い合わせの中でも、このようなケースはよく見受けられます。
逮捕の連絡を受けたご家族が警察官に事件の内容を聞こうとしても、「事件の内容や細かいことは話すことができない。」などと言って教えてもらえないことも多いためです。
それならばと、逮捕直後にご本人とご家族が面会して事件内容を聞こうとしても、逮捕の段階では家族による面会が許されないことが多いです。
(ご家族の面会が認められるのは基本的に「勾留」段階以降です。)
そのため、逮捕段階では、ご家族は事件の内容がほとんどわからないという状況に陥りやすいです。
そうした状況下で早期に事件の内容と流れを把握するためには、弁護士による初回接見が有用です。

初回接見では、逮捕されている方のもとへ弁護士が面会に行き、詳細に事件内容をお伺いすることができます。
そのうえで、今後の事件の見通しや取調べの対処方法・ご家族や職場からの伝言をお伝えすることができます。
逮捕された方は、誰も味方がいない状態で警察官や検察官などの取調べを受けることになります。
取調べの対応によっては自己を必要以上に不利にしてしまう場合もあるため、逮捕後のなるべく早い時期に弁護士から法的なアドバイスを聞けることは、逮捕されている方の権利擁護のためにとても価値があることです。
また、味方が存在するという大きな安心感を得るためにも重要なものといえます。

初回接見の後には、ご家族の方に対して接見の報告をおこないます。
依頼されたご家族等に対して、事件内容と今後の見通し、ご本人からのご伝言、職場等への対応に関するアドバイス等をお伝えするとともに、ご依頼いただいた場合の弁護方針をお話しいたします。
その後の弁護活動をご依頼いただくかは、弁護士からの報告をもとに検討いただくということになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ご本人からの無料法律相談や弁護のご依頼だけでなく、ご家族からの無料法律相談・初回接見サービス、弁護のご依頼も受け付けております。

~初回接見サービスの流れ~

ご家族が警察に逮捕された可能性のある方は、まず
0120-631-881(24時間受付中)
にお電話ください。

お電話いただきましたら、専門のスタッフが、ご家族の逮捕の有無と留置されている警察署を調査いたします。

※捜査をしている警察署と実際に留置されている警察署が異なる場合があること、検察庁や裁判所に送られている場合があることから、逮捕された方がどこに居らっしゃるのかあらためて調査をいたします。
※なお、「逮捕されていそうだが警察署が分からない」という場合であっても、ご家族からお伺いしたお話から留置されていそうな警察署を予想して調査し、留置先を見つけることができる場合もあります。

逮捕されている方の所在が明らかになって初回接見のご依頼をいただいた場合、速やかに刑事事件専門の弁護士を留置されている警察署等まで派遣して接見(面会)します。
接見後、初回接見をご依頼いただいたご家族様等にご来所いただいて、接見のご報告をおこないます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱っている法律事務所ですから、初回接見サービスのご依頼に速やかに対応できる体制を整えています。
刑事弁護は、いかにスピーディーに弁護活動を開始できるかが、その後の結果に影響しますので、ご家族が逮捕された場合はなるべく早めに初回接見サービスをご検討ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、宮城県塩釜警察署に逮捕された方の初回接見サービスに対応しています。
宮城県塩釜警察署への初回接見費用:38,800円

覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪①

2019-04-27

覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪①

40代男性Aさんは、覚せい剤を使用して意識が朦朧としている状態で、帰宅するために宮城県塩釜市内の道路において自動車を運転していました。
蛇行運転状態になっていたAさんは、自車を歩道に乗り上げてしまい、歩行者のVさんと衝突する交通事故を起こしてしまいました。
Vさんは、Aさんの車にはねられた際の外傷が原因で搬送先の病院で亡くなりました。
通行人の通報で駆け付けた宮城県塩釜警察署の警察官は、Aさんの様子がどうもおかしく、Aさんが薬物を使用しているのではないかという疑いを持ちました。
覚せい剤を使用した状態で車を運転していたことをAさんが供述したため、警察官は、Aさんを危険運転致死罪覚せい剤自己使用の罪の疑いで逮捕しました。
Aさんの家族は、Aさんの帰宅を待っていたところ、警察官からAさんを逮捕した旨の電話を受けました。
しかし、事件内容などについては、Aさんが交通死亡事故を起こしたことと、危険運転致死罪覚せい剤の自己使用の罪を疑われていること、裁判員裁判になる可能性があるということしか知らされていません。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士にAさんとの初回接見を依頼して、今後の事件対応のアドバイスをもらうことにしました。
(フィクションです。)

今回から4回にわたって上記Aさんの事案を参考に解説します。

~危険運転致死罪とは~

今回Aさんに嫌疑のかかっている、「危険運転致死罪」は、いわゆる危険運転行為を行って、それによって人を死亡させたときに成立します。
「危険運転」と聞くと、アルコールの影響で正常な運転が困難な状態で車を運転し、その結果人を死傷させたケースを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、危険運転行為に該当するのは、アルコールの影響下の場合だけではありません。
Aさんのように覚せい剤を使用した状態など、薬物の影響で正常な運転が困難であるのにもかかわらず自動車を運転する行為も、危険運転行為の1つとされています。

危険な運転を行った結果人を死傷させた場合は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転死傷行為処罰法」という)により、危険運転致死傷罪として一般的な交通事故よりも重い刑罰に処せられます。

次に掲げる行為を行い、よって、人を死亡させた者は、危険運転致死罪として1年以上20年以下の有期懲役に処されます(自動車運転死傷行為処罰法2条)。

(1)アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
(2)その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(3)その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
(4)人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近しかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(5)赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(6)通行禁止道路を進行しかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

また、自動車運転死傷行為処罰法第3条は,第2条より程度が軽微である飲酒・薬物運転や病気運転の場合を規定しています。
アルコールや薬物,あるいは一定の病気の影響により,その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で,自動車を運転し,よって,そのアルコール又は薬物,あるいはその病気の影響により,正常な運転が困難な状態に陥り,人を死亡させた場合には、15年以下の懲役に処されます(自動車運転死傷行為処罰法3条1項、3条2項)。

~今回のAさんは…~

今回のAさんも、覚せい剤の影響により蛇行運転状態でした。
Aさんについて、「覚せい剤の影響により正常な運転が困難な状況」であったといえれば、危険運転行為にあてはまってしまう可能性があるのです。
さらに、Aさんの事件ではVさんが死亡してしまっているので、危険運転致死罪となる可能性があります。
それだけでなく、今回のAさんは、覚せい剤の自己使用の罪も成立する可能性があります。
覚せい剤の自己使用の罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
(もし覚せい剤を所持していた場合には、さらに所持の罪も成立する可能性があります。)
危険運転致死罪は非常に重い犯罪ですが、覚せい剤の自己使用の罪も重い犯罪です。
この二つが合わさると、執行猶予のつかない実刑判決となって長期間刑務所に服役しなければならないなど、非常に重い刑事処罰を受ける可能性があります。

今回のAさんのような事件では、交通事件薬物事件、両方の専門的な弁護活動が必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所であり、覚せい剤事件と交通事件どちらの弁護活動も多数取り扱っております。
危険運転致死罪などでお困りの場合は、まずは、無料法律相談や初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県塩釜警察署への初回接見費用:38,800円)

薬物事件と違法捜査②

2019-04-20

薬物事件と違法捜査②

~前回からの続き~

ケース1
Aさんは覚せい剤の粉末の入ったポリ袋を上着の胸ポケットに入れて仙台市内の繁華街を歩いていました。
覚せい剤事犯等の多発地帯を巡回中のP巡査は、Aさんについて薬物中毒者に顕著な特徴が認められるという理由で職務質問をしました。
P巡査は、職務質問中、Aさんの承諾がないのに、Aさんの上着の胸ポケットを外から触ったところ、何か入っている感じでふくらんでいたため、ポケットの中身を出すよう求めました。
Aさんは、自らポケットの中身を出そうとはせず、長時間にわたる警察官の説得に対して黙ったままであったため、P巡査はAさんの上着のポケット内に手を差し入れて中身を掴みだすと、覚せい剤と思われる粉末が出てきました。
粉末を試薬によって検査すると覚せい剤と判明したため、Aさんは覚せい剤所持の現行犯として宮城県仙台中央警察署逮捕されてしまいました。
Aさんは任意の職務質問でポケットに手を入れられたことに不満を持っており、違法捜査ではないかと思っています。
(フィクションです。)

ケース2
ある日、仙台市青葉区覚せい剤の売人をしているBさんの自宅に、宮城県仙台北警察署の警察官が訪れました。
警察官はBさんに有無を言わさずにBさん宅内の捜索を開始しました。
Bさんの部屋の中から覚せい剤が見つかったため警察官は覚せい剤を差し押さえるとともに、Bさんを覚せい剤所持の容疑で現行犯逮捕しました。
Bさんは、自身が受けた捜査が違法捜査ではないかと思っています。
(フィクションです。)

ケース1のAさんとケース2のBさんは、自身が受けた捜査が違法捜査ではないかと思っています。

~ケース1について~

ケース1のAさんの事件について見てみます。

所持品検査とは、警察官が職務質問に付随して行う任意の手段であるため、原則は同意を得て所持品検査を行わなくてはいけません。
そのため、職務質問中、所持品検査を所持人の承諾なく行うことは適法であるかが問題になります。
判例では、「警職法二条一項に基づく職務質問に附随して行う所持品検査は、任意手段として許容されるものであるから、所持人の承諾を得てその限度でこれを行うのが原則であるが、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、たとえ所持人の承諾がなくても、所持品検査の必要性、緊急性、これによって侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況の下で相当と認められる限度において許容される場合があると解すべきである」とされています。
ケースに類似した事件(最高裁昭和53年9月7日判決)では、「警察官が、覚せい剤の使用ないし所持の容疑がかなり濃厚に認められる者に対して職務質問中、同人の承諾がないのに、上衣左側内ポケットに手を差し入れて所持品を取り出した上検査した行為は、一般にプライバシー侵害の程度の高い行為であり、かつ、その態様において捜索に類するものであるから、職務質問に附随する所持品検査の許容限度を逸脱し違法である」と判示されています。

所持品検査が違法であるとされた場合、つまり、証拠の収集手続が違法捜査にあたる場合、証拠の証拠能力が否定されることがあります。
証拠能力が否定されれば、その証拠は事実認定に用いることができない、つまり、その証拠を刑事裁判で用いることができなくなります。
そうなれば、検察官が有罪立証に失敗し無罪判決となる可能性があります。
ただし、証拠能力が否定されるには、「証拠物の押収等の手続に、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる」ことが必要であり、単に手続に違法があるというだけで、直ちに証拠能力が否定されるわけではありません。

ケース1のAさんの事件と類似した事件である最高裁昭和53年9月7日判決では、所持品検査をきっかけとして押収した「覚せい剤ようの粉末」につき、
(1)所持品検査として許容される限度をわずかに 超えたにすぎないこと
(2)警察官に令状主義を潜脱しようとする意図があったわけではなかったこと
(3)所持品検査に際し強制等のされた事跡も認められないこと
から証拠能力を肯定しています。

~ケース2について~

薬物事件逮捕される場合、逮捕の前に捜索差押えが先行する場合があります。
原則的に、捜索差押えは裁判所が発付した令状がなければできず、令状は捜索差押え時に処分を受ける者に呈示しなければなりません。
令状の呈示は、執行前にすることが原則とされていますが、薬物事件の場合は立入り後に呈示することも違法ではないとされています。
しかし、もし一切令状を呈示していないならば違法となる可能性があります。
また、捜索差押えに抵抗しようとして警察官に取り押さえられているような場合、警察官により過度の有形力が行使されていれば違法となる可能性もあります。

ケース1のAさん、ケース2のBさんのような場合、弁護士は、違法捜査の可能性を精査して、違法捜査が行われた場合は捜査機関への抗議を通じ、被疑者の利益のために、適正手続の実現に努めます。

違法捜査にあたるか、覚せい剤の証拠能力が肯定されるかについては、薬物事件に詳しい弁護士に相談されることがお勧めです。
捜査機関の活動に納得のいかない方、違法捜査ではないかとお困りの方は、薬物事件に詳しい弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県仙台中央警察署 初回接見費用:34,100円)
(宮城県仙台北警察署 初回接見費用:34,900円)

薬物事件と違法捜査①

2019-04-19

薬物事件と違法捜査①

ケース1
Aさんは覚せい剤の粉末の入ったポリ袋を上着の胸ポケットに入れて仙台市内の繁華街を歩いていました。
覚せい剤事犯等の多発地帯を巡回中のP巡査は、Aさんについて薬物中毒者に顕著な特徴が認められるという理由で職務質問をしました。
P巡査は、職務質問中、Aさんの承諾がないのに、Aさんの上着の胸ポケットを外から触ったところ、何か入っている感じでふくらんでいたため、ポケットの中身を出すよう求めました。
Aさんは、自らポケットの中身を出そうとはせず、長時間にわたる警察官の説得に対して職務質問に協力しないで黙ったままであったため、P巡査はAさんの上着のポケット内に手を差し入れて中身を掴みだすと、覚せい剤と思われる粉末が出てきました。
粉末を試薬によって検査すると覚せい剤と判明したため、Aさんは覚せい剤所持の現行犯として宮城県仙台中央警察署逮捕されてしまいました。
Aさんは任意の職務質問でポケットに手を入れられたことに不満を持っており、違法捜査ではないかと思っています。
(フィクションです。)

ケース2
ある日、仙台市青葉区覚せい剤の売人をしているBさんの自宅に、宮城県仙台北警察署の警察官が訪れました。
警察官はBさんに有無を言わさずにBさん宅内の捜索を開始しました。
Bさんの部屋の中から覚せい剤が見つかったため警察官は覚せい剤を差し押さえるとともに、Bさんを覚せい剤所持の容疑で現行犯逮捕しました。
Bさんは、自身が受けた捜査が違法捜査ではないかと思っています。
(フィクションです。)

~覚せい剤事件と法定刑~

薬物事件の大半を占めるのは、違法薬物の使用や単純所持の事件です。
覚せい剤取締法違反事件のうち全体の9割以上が使用や所持による検挙となっています。

ケース1のAさんとケース2のBさんは覚せい剤の所持で逮捕されています。
覚せい剤の所持に対して覚せい剤取締法は、10年以下の懲役と定めています(同法41条の2第1項)。
営利目的の所持であれば、1年以上の懲役で、情状により、500万円以下の罰金が併科されることがあります(同条2項)。

~薬物事件と捜査の適法性~

薬物事件では、犯人とされている方が、無理矢理所持品検査された、無理矢理警察署に連れていかれた等、捜査手続きの違法を訴えていることが少なくありません。
薬物事件では、薬物の存在または尿からの薬物成分の検出が検挙及び立証にとって不可欠であるため、警察はなんとかして薬物や尿を獲得しようとします。
しかし、犯罪を疑われている方、その中でも特に薬物の前科のある乱用者である方は、必死で薬物や尿を獲得されることを避けようとすることが多いです。
そのため、薬物事件では、捜査の適法性や違法捜査が問題となる事態が起きやすいと言われています。

捜査機関の活動に納得のいかない場合や違法捜査ではないかと思う場合は、薬物事件に詳しい弁護士に相談されることがお勧めです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
薬物事件刑事事件に詳しい弁護士が多数所属していることを強みとしており、どのような捜査手法が違法となり得るかについて精通しています。
違法捜査が行われた場合、捜査機関への抗議を通じて、被疑者の利益のために適正手続の実現に努めます。
まずは、フリーダイヤル0120-631-881にお問い合わせいただき、無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県仙台中央警察署 初回接見費用:34,100円)
(宮城県仙台北警察署 初回接見費用:34,900円)

家族の通報で大麻所持が発覚

2019-04-14

家族の通報で大麻所持が発覚

Aさんは、仙台市内の繁華街で大麻を購入し、宮城県七ヶ浜町の自宅で使用・所持していました。
ある日、Aさんが大麻を使用した日、同居しているAさんの家族は、Aさんの様子がおかしいことに気づきました。
Aさんと話をしても原因がわからなかったため、Aさんの家族は不思議に思っていたのですが、翌日、Aさんの自室から乾燥大麻のような植物片が入ったポリ袋が見つかりました。
Aさんを心配した家族は、どうにかAさんを助けることはできないかと思い悩み、宮城県塩釜警察署に相談したところ、後日、Aさんは大麻所持の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさん家族は、逮捕を望んでいたわけではないため、Aさんが釈放されるためにはどうしたらよいか刑事事件専門の弁護士に相談しました。
(フィクションです。)

~家族から警察への通報や相談で逮捕~

今回の事例のAさんのように、大麻等の薬物事件の中には、被疑者と同居するご家族から警察へ通報・相談したことをきっかけに、警察へ事件が発覚するケースがあります。
そのようなケースでは、ご家族が、違法薬物を使用・所持等していたご本人を逮捕してほしいと思って通報や相談をするわけでは必ずしもありません。
薬物依存となるリスクや違法薬物の継続使用で心身に大きな影響がでるリスクを心配し、ご本人をどうにか助けてあげられないかと悩んで、苦渋の決断として通報や相談をされているケースも多いです。
そのような場合は、ご家族はご本人が逮捕されることを希望していないケースも多いのです。
しかし、薬物事件として事件化してしまった場合、逮捕勾留されるケースが非常に多いです。
加えて、逮捕から勾留、起訴、起訴後勾留と身柄拘束が長期化しやすいと言われています。
犯罪の客観的な証拠があり、薬物の入手ルートなどの解明をする必要があると共に、共犯者などがいる場合、証拠隠滅をしやすいことなどがその理由となります。

警察は、逮捕すると逮捕時から48時間以内に身柄を釈放するか検察官に送致するかを決定します。
送致した場合、検察官は24時間以内に被疑者を勾留するか否かを決定し、勾留する場合には、裁判所に対し勾留請求を行います。
検察官の勾留請求を受けた裁判官により勾留決定がなされると、最大10日間の身体拘束を受けることになり、場合によっては、さらに勾留が最大10日間延長されることがあります。
したがって、一度逮捕されると、逮捕から勾留請求までの時間を含めて、最大で23日間の身体拘束を受ける可能性があるということになります。

逮捕勾留されれば、その間は警察署などの留置施設の中で過ごすこととなります。
ご家族がご本人の逮捕を望んでおらず、ご本人を助けてあげたいと悩んで警察へ通報や相談をしたケースでも、逮捕勾留をされている間に、薬物依存から抜け出すためのプログラムや治療を受けられるわけではありません。
逮捕勾留はあくまで捜査をするための措置であるため、警察や検察が再犯防止のための治療や対策を取ってくれるわけではないのです。
逮捕勾留中に治療を受けられないとなると、治療を行うためには、まずは、ご本人が釈放される必要があるということになります。

ご本人が釈放されるためには、薬物事件に詳しい弁護士に依頼されることをお勧めします。
薬物依存対策治療を専門に行っている医療機関や自助グループと連携して、プログラムや治療も含めた計画を早めに立てて釈放後の受け入れの体制を整えることができます。
(なお、ご本人がプログラムや治療を望んでいなくても、ご家族が参加できる家族会がDARCなどの自助グループに設けられていることがあります。)
これらの環境調整により、身柄拘束から早く解放される可能性があがるため、並行して、弁護士は、勾留阻止や保釈など身柄解放に向けた様々な活動を行っていくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物依存からの回復や再犯防止に向けて弁護士が全力でサポートいたします。
大麻所持事件でお悩みの方は、0120-631-881までお問い合わせください。
(宮城県塩釜警察署までの初回接見費用:38,800円)

覚せい剤使用事件で控訴して執行猶予

2019-04-09

覚せい剤使用事件で控訴して執行猶予

Aさんは、宮城県大衡村で、覚せい剤を所持していた覚せい剤取締法違反の疑いで宮城県大和警察署逮捕され、その後同罪で起訴されました。
Aさんには、10年ほど前ですが覚せい剤の所持の容疑で起訴されて実刑判決を受けた前科がありました。
Aさんは、国選弁護人に刑事弁護活動を行ってもらいましたが、前科があったことを重視されてしまい、第一審判決で執行猶予の付かない実刑判決を受けてしまいました。
第一審において行われた弁護活動に不満を抱いているAさんは、どうにか控訴審で執行猶予付き判決を獲得できないかと思い、弁護士を交代して控訴審に臨みたいと考えています。
Aさんの考えを受け、Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士控訴審の弁護の依頼をすることにしました。
(フィクションです。)

~覚せい剤所持~

覚せい剤取締法は、覚せい剤の輸出・輸入、所持、製造、譲渡・譲受、使用等を禁止し、それぞれに厳しい罰則を設けています。
覚せい剤の所持(営利目的がない場合)であれば、法定刑は1年以上の懲役で、情状により500万円以下の罰金を併科されます。

~覚せい剤事件で控訴~

刑事事件専門の法律事務所である、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、覚せい剤の使用や所持の前科があって犯行を繰り返してしまい一審で実刑判決を受けて控訴を検討しているという方からご相談をいただくことがあります。

控訴」とは、第一審の判決に対する高等裁判所への不服申立て(刑事訴訟法372条)をいいます。
控訴は14日の控訴期間内に(同373条)、控訴申立書を第一審裁判所に提出して行います(同374条)。
また控訴申立人は、裁判所の規則で定める期間内に、控訴の申立書とは別に、控訴趣意書を控訴裁判所に差し出さなければならないとされています(同376条、刑事訴訟法規則236条)。
訴訟手続きの法令違反、法令適用の誤り、量刑不当、事実誤認、再審事由などがあった場合に、控訴することができます。

上記事例のAさんは、第一審の判決に不満をもち、弁護士を交代して控訴審に臨みたいと考えています。
営利目的のない覚せい剤所持事件の公判で、減刑や執行猶予を狙う場合、本人の再犯可能性がないことを裁判官に理解してもらい、少しでも量刑を軽減するような刑事弁護活動を行います。
特に、執行猶予判決を獲得するためには、被告人が外の世界にいても、再び覚せい剤を使用しない・近づかないことを適切に主張する必要があります。
被疑者本人が真摯に反省していること、薬物依存症の専門医や施設などを利用して治療を行っていること、家族などの監督環境を整えていることなどを示して、社会の中で更生できるということを裁判官に理解してもらわなければなりません。
第一審でこのような刑事弁護活動が行われなかった場合で、執行猶予を獲得したいのであれば、控訴審において弁護人にこのような刑事弁護活動を行ってもらうことが考えられます。

控訴は、いつでもできるわけではなく、第一審で判決が下ってから14日以内に控訴を行わなければなりません。
加えて、控訴するためには準備も必要ですので、期間の制限や準備のための時間を考えれば、できるだけ早く弁護士に依頼することが重要です。
まずは、刑事事件専門の弁護士に相談して、控訴審の見通しについて聞いてみることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、控訴審からのご依頼も承っております。
刑事事件専門だからこその豊富な知識と経験で、適確な刑事弁護活動をさせていただきます。
第一審判決にご不満で控訴したい方、控訴して執行猶予を獲得したい方は、できるだけ早くご相談ください。
初回接見、無料法律相談のご予約は、0120-631-881で、24時間受け付けております。

ヘロイン使用(施用)の再犯防止

2019-04-06

ヘロイン使用(施用)の再犯防止

宮城県南三陸町在住のAさんは、ヘロインを使用した後に同町内の路上で錯乱状態にあったところを、近隣住民の通報によって駆け付けた宮城県南三陸警察署の警察官に見つかり、宮城県南三陸警察署へと連行されました。
その後、採尿許可状により得た尿からヘロインの成分が検出されたとの鑑定結果が出たため、Aさんは麻薬及び向精神薬取締法違反(ヘロイン施用)で逮捕されました。
Aさんは勾留決定により長期間の身柄拘束を受けることとなったため、Aさんの両親は薬物事件刑事事件を専門とする法律事務所弁護士刑事弁護を依頼しました。
Aさんの両親は、Aさんが薬物依存に陥っているのではないかと心配して、薬物依存からの回復についても気になっています。
(フィクションです。)

~ヘロイン~

ヘロインは、「麻薬及び向精神薬取締法」において「ジアセチルモルヒネ等」の薬物として、麻薬及び向精神薬取締法の中でも重い刑罰が科せられています。
ヘロインは、けしを原料とした薬物で、けしから採取したあへんからモルヒネを抽出し精製することで作られます。

ヘロインは、強い精神的・身体的依存が特徴で、他の如何なる麻薬よりも依存性が早くできあがると言われています。
心身への影響が非常に強いことから、医学的な使用も一切禁止されています
ヘロインには、神経を抑制する作用があり、強い陶酔感・快感を覚えます。
ヘロインを摂取して3~4時間もすると、発汗し始めてイライラし、さらにヘロインを摂取したくなります。
摂取しないと、悪寒、嘔吐、失神、発汗、発熱、手足の痙攣や震え、体中の筋肉の激痛、骨がバラバラになって飛散するかと思うほどの痛みなどの様々な激しい禁断症状が起こります。
また、大量に摂取した場合や急性の中毒状態の場合には、ショック状態になり、呼吸困難、昏睡状態の後、死に至る場合があります。

ヘロインの使用(法律では「施用」と言います)は、覚せい剤の使用等と同じように尿の鑑定などで明らかになります。
自己使用目的などの営利目的がない場合のヘロイン使用の法定刑は、10年以下の懲役となっており、これは、営利目的なしの覚せい剤使用の法定刑と同じです。
この罰則規定は、麻薬及び向精神薬取締法で規制されているコカインなどの他の麻薬の法定刑(7年以下の懲役)と比べると重いものとなっています。
これは、ヘロインが他の麻薬と比べて特に依存性が高い薬物であるという理由から重くなっているのです。
なお、警察や麻薬取締部等の捜査当局がヘロインの使用事件を立件する件数は、覚せい剤の使用事件の立件件数に比べるとかなり少なくなっています。

~ヘロインと薬物依存の治療~

今回の事例のAは,ヘロインを使用したとの容疑で逮捕されていますが、錯乱状態に陥っていることから、薬物中毒状態、薬物依存状態にあることが懸念されます。
ヘロインなどの違法薬物使用事件における再犯を防止するためには、薬物に対する依存から完全に離脱させる必要があります。
薬物依存は病気と同じで、治したくても自分の力のみではうまくいきません。
専門家による治療や周りの方たちの協力を受けることが必要不可欠です。
具体的な治療については、一般的に、薬物治療を行っている精神科のある病院を受診していただき、場合によっては入院をしていただいて、まず体から薬物の薬効を抜くことが第一歩になります。
そのうえで、DARC(ダルク)やNAといった自助グループへ参加し、周囲の助けを得ながら、環境の改善や薬物からの断絶を図っていくことになります。
治療や自助グループへの参加に当たっては、ご家族の意識の改善やサポート体制の確立も重要です。
しかし、薬物事件の場合には逮捕勾留されることがほとんどであるため、ご本人が釈放されなければ治療を行うことができません。
そこで、弁護士の力が活きてきます。
逮捕された後できるだけ早く弁護士に依頼できれば、治療も含めた計画を早めに立てることができ、関係各所との連携を図りながら釈放後の受け入れの体制を早く整えることができます。
これらの環境調整により、身柄拘束から早く解放される可能性があがるため、並行して、弁護士は、勾留阻止や保釈など身柄解放に向けた様々な活動を行っていくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、年間多数の薬物事件のご依頼をいただいており、薬物の依存症に関する知識もあります。
刑事弁護のご依頼をいただいた場合、病院や自助グループを一緒に探す手助けをすることもできます。
ヘロインなどの薬物事件でご家族が逮捕された場合は、初回接見サービスをご利用ください。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。
宮城県南三陸警察署への初回接見費用:上記フリーダイヤルにお気軽にお問い合わせください。

少年の大麻所持で保護観察

2019-03-29

少年の大麻所持で保護観察

宮城県色麻町内のあるコンビニエンスストアの店長は、店内に客が忘れていった財布を宮城県加美警察署に届け出ました。
警察官が財布内を調べたところ、乾燥大麻0.4グラム入りの袋を発見しました。
財布内の学生証から、町内に住む18歳専門学校生のAさんが財布の持ち主だとわかったため、宮城県加美警察署は、Aさんを大麻取締法違反(大麻所持)容疑で逮捕しました。
Aさんの母は、宮城県内で少年事件刑事事件を専門に取り扱う法律事務所へ問い合わせの電話をかけました。
(フィクションです。)

~大麻所持事件~

大麻取締法は、許可を受けた者以外の大麻の栽培・輸出入・所持・譲り受け・譲り渡しを禁止しています。
大麻の個人使用目的での所持の場合の法定刑は、5年以下の懲役です。
営利目的での大麻所持の場合には、7年以下の懲役、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金と重くなります。

~薬物事件で保護観察処分になるために~

少年事件では、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されることになります。
家庭裁判所に送致された後、調査官による調査が行われます。
調査官は、少年や保護者との面接や心理テスト等を通して、少年の非行の原因やどのようにして更生すべきかを判断し、少年に対してどのような措置をとるべきか家庭裁判所に意見を提出します。
家庭裁判所の少年審判では、裁判官は、調査官による調査結果等を参照し、少年の更生のためにはどのような手段が最適であるのかということを判断することになります。

少年審判の対象は「非行事実」と「要保護性」であるとされています。
「非行事実」は、刑事裁判でいう「公訴事実」に該当するもので、家裁送致にあたり検察官が送致書に記載した非行事実を犯したか否かが判断されます。
一方、「要保護性」とは、①少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること(再非行の危険性)、②保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性(矯正可能性)、③保護処分による保護が最も有効でかつ適切な処遇であること(保護相当性)、の3つの要素によって構成されていると考えられています。
少年の「要保護性」が解消されて、少年を家庭に置いたままでの更生が見込めると裁判官に納得させることが出来れば、少年院送致を回避して保護観察処分となる可能性を高めることができます。

少年による大麻所持事件で非行事実に争いがない場合、「要保護性」の解消に向けた弁護士の活動としては、以下の活動が考えられます。

(1)少年が薬物について正しい知識を持ち、薬物の危険性をしっかりと理解する 

薬物に手を出してしまう少年の多くは、薬物に対して誤った認識を持っていることが多いです。
再非行防止のためには、薬物に対する正しい知識を持ち、危険性をしっかりと理解することが重要です。

(2)薬物の入手ルートを明らかにし、関係者と連絡がとれないようにする

薬物を完全に断つためには、薬物の入手先と連絡を取れないようにすることが不可欠です。
少年が友人から薬物を入手していた場合には、非行の原因となった交友関係を断つことも必要となります。

(3)専門家や家族のサポートを得て薬物への依存から立ち直らせる環境を整える

必要であれば、専門医・機関による治療を受けることも有効です。

付添人である弁護士は、上記のような再非行防止のための活動を行い、再び少年が非行を犯す可能性がなく、社会内での更生が可能であることを客観的な証拠に基づいて主張します。

事件内容や少年の性格・少年を取り巻く環境によって、どのような活動を行うかは異なりますので、少年の大麻所持事件でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
物事件の場合、少年が逮捕・勾留される可能性が高く、観護措置がとられる可能性も高いと言えます。
少年が身体拘束を受けている場合は、初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県加美警察署への初回接見費用:フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。)

大麻所持の保釈対応

2019-03-22

大麻所持で迅速な保釈対応

宮城県蔵王町に住む大学生のAさんは,友人からの勧めで大麻を使用するようになりました。
Aさんは夏季休暇中に繁華街で飲み歩いていた際,警察官から職務質問を受けて,所持品検査によりセカンドバッグから乾燥大麻が見つかって、宮城県白石警察署の警察官に現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は,何とか早くAさんを釈放できないかと,刑事事件薬物事件を多数扱う弁護士事務所に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)。

~身体拘束が長期化しやすい薬物事件~

大麻の所持は大麻取締法違反によって規制されており,刑事罰の対象となっています。
設例のAさんのように,警察官から職務質問を受けて,鞄や車の中から大麻が見つかって逮捕されてしまうことも少なくありません。
逮捕されてしまった場合,翌日か翌々日には検察庁に事件が送致されます。
事件の送致を受けた検察官は,犯罪の嫌疑がかかっている人(被疑者と呼ばれます)を釈放して在宅の捜査に切り替えるか,留置所での拘束を継続して捜査を進めていくかを決めます。
検察官が身体拘束の継続を選ぶことを勾留請求と呼びます。
勾留とは,逮捕に引き続き留置所で身体拘束を行うことを指します。
検察官が勾留請求を行うと,今度は裁判所が勾留を行うか否かを判断します。
事件によっては,検察官が勾留請求を行わない場合や,裁判所が検察官の勾留請求を却下することもあり得ますが,大麻の所持を含む薬物事件では,勾留が決定される可能性が非常に高いという特徴があります。
なぜなら,薬物事件の場合,薬物を手に入れるにあたって,売人や知人といった第三者の介在が必然的になるため,勾留決定の要件の一つである「罪証(証拠)を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」が肯定されやすいためです。
ひとたび勾留が決定してしまうと,一律10日間,留置所における身体拘束の効果が生じます。
また,勾留は再度延長が可能なため,延長がされると最大で20日間,身体拘束の効果が継続します。
大麻の所持を含む薬物事件では,勾留は延長されて,最低でも20日間は身体拘束が行われることが多いといえます。

~保釈に向けた弁護活動の重要性~

大麻所持を含む薬物事件では,所持していた薬物が極めて微量であるとか,故意に所持したことが疑わしい場合を除き,初犯であっても起訴されるケースが大半です。
検察官によって起訴されると,裁判所で刑事裁判を受けることになります。
ここで重要なのは,勾留されたまま起訴がされた場合,裁判の期間中も留置所(起訴後は拘置所に移送されることもあります)での身体拘束が継続するという点です。
裁判期間中に釈放されるには,弁護士を通じた保釈請求を行い,裁判所による保釈許可決定を得る必要があります。
保釈の請求は検察官による起訴後にのみ行えます。
もっとも,保釈は単に請求するだけで認められるものではありません。
「罪証(証拠)を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」といった事情があれば保釈は認められません。
より早く,より確実に保釈が許可されるようにするには,弁護士が起訴前から保釈請求を見越した,充実した弁護活動を展開させる必要があります。
事実関係に争いのない薬物事件であったとしても,逮捕直後から刑事事件薬物事件の経験豊富な弁護士のサポートを受けることで,保釈が許可される可能性を高めていくことが重要です。
設例のAさんのように,休暇期間中に逮捕されてしまったような場合は,大学の講義が始まる前に保釈許可を得る必要性が高いため,逮捕の直後から刑事事件に精通した弁護士に弁護活動を依頼できるかが鍵となります。
大麻所持で家族が逮捕されてしまい,早期の保釈の途を模索されている方は,刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスをご利用ください。
刑事事件を専門に扱う弁護士保釈の見通しを始めとして,詳細な接見報告を行います。
(宮城県白石警察署への初回接見費用:41,120円)

多量の覚せい剤所持で営利目的所持に?

2019-03-15

多量の覚せい剤所持で営利目的所持に?

宮城県大崎市在住のAさんは、ある朝やってきた宮城県鳴子警察署の警察官に家宅捜索令状を示された上で家宅捜索を受けました。
家宅捜索の結果、Aさんの自宅から約5gの覚せい剤が発見されたため、Aさんは覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されました。
警察官の取調べを受けるうちに、Aさんは、Aさんが営利目的で覚せい剤を所持していたのではないかと疑われていることを知りました。
Aさんの両親の依頼で初回接見に来た弁護士に、なぜ自分が覚せい剤の営利目的を疑われているのか尋ねました。
(フィクションです。)

~覚せい剤の営利目的所持~

覚せい剤については,覚せい剤取締法で、所持,使用,譲渡,輸出入,製造などが禁止されています。
覚せい剤や大麻などの違法薬物を規制する法律では、違反に対する罰則のなかに、営利目的加重処罰規定とよばれるものがあります。
これは、営利の目的で罪を犯した者に対しては、その目的のなかった者より重い刑が科されるというものです。
営利目的によって刑が加重されるのは、財産上の利得を目当てとして犯罪を行うことが道義的に厳しく非難に値するというだけでなく、一般にその行為が反復され、覚せい剤の濫用を助長・増進させ国民の保健衛生上の危害を増大させる危険性が高いからであると言われています。
「営利の目的」とは、「犯人が自ら財産上の利益を得、又は第三者に得させることを動機・目的とする場合」とされています(覚せい剤取締法違反事件につき、最高裁決定 昭和57 年6 月28 日 )。

刑の加重については、例えば、覚せい剤の単純所持(=営利目的ではない自己使用目的等の所持)では、罰則は、10年以下の懲役です。
しかし、営利目的の所持となると、罰則は「1年以上の有期懲役、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金」と刑がかなり重くなっています。

~Aさんはなぜ営利目的を疑われているのか~

今回のAさんは、覚せい剤を所持していた容疑で逮捕され、警察から営利目的の所持を疑われています。
なぜ、Aさんが営利目的の所持を疑われているかというと、多量の覚せい剤を所持していた場合は、自己使用目的ではなく営利目的だと疑われやすいためだと考えられます。

一般的に、覚せい剤の使用量は1回0.01~0.03gとされています。
覚せい剤の依存が大きく進んだ人でも1回0.1g程度を使用すると言われています。
つまり、1gの覚せい剤で多くて100回近くの使用が可能と考えられるのです。
それほどの多数回使用できる覚せい剤を所持していたとなれば、単純に自分で使用する分だけではないだろうと推測されてしまうおそれがあるのです。

今回のAさんは、自宅から約5gの覚せい剤が発見されました。
約5gというのは、最大500回近く使用できてしまう非常に多い量と言えます。
そのため、警察官からAさんが売買のため、つまり営利目的で所持していたのではないかと疑われていると考えられます。

もちろん、警察等の捜査機関は、押収した覚せい剤の量だけで営利目的か考えるわけではありません。
覚せい剤は2~3回分の量を、「パケ」と呼ばれるチャック付きのポリ袋に入れて密売されるケースが多いため、小分けするためのパケを大量に所持していたり、小分けする量を計る電子計り等を所持していた場合も、営利目的の所持が疑われます。
捜査機関は、他にも、販売を裏付けるメモやメールのやり取り(密売履歴)や、実際に購入した者が捕まったりしているなどの証拠によって営利目的の所持であると立証します。

営利目的所持による覚せい剤取締法違反での起訴率は80%以上と極めて高く、起訴された場合には初犯であっても執行猶予が付かない実刑となる可能性が高いといえます。
営利目的かどうかは,実刑か執行猶予かを分ける大きな事情となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物事件を含む刑事事件に詳しい弁護士が個々の事案に応じて様々な事情を考慮して弁護活動を行います。
ご家族、ご友人が覚せい剤の営利目的所持で警察に逮捕されてしまった方は、できるだけ早く弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスは、0120-631-881(通話料無料)にお電話ください

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