覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪①

覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪①

40代男性Aさんは、覚せい剤を使用して意識が朦朧としている状態で、帰宅するために宮城県塩釜市内の道路において自動車を運転していました。
蛇行運転状態になっていたAさんは、自車を歩道に乗り上げてしまい、歩行者のVさんと衝突する交通事故を起こしてしまいました。
Vさんは、Aさんの車にはねられた際の外傷が原因で搬送先の病院で亡くなりました。
通行人の通報で駆け付けた宮城県塩釜警察署の警察官は、Aさんの様子がどうもおかしく、Aさんが薬物を使用しているのではないかという疑いを持ちました。
覚せい剤を使用した状態で車を運転していたことをAさんが供述したため、警察官は、Aさんを危険運転致死罪覚せい剤自己使用の罪の疑いで逮捕しました。
Aさんの家族は、Aさんの帰宅を待っていたところ、警察官からAさんを逮捕した旨の電話を受けました。
しかし、事件内容などについては、Aさんが交通死亡事故を起こしたことと、危険運転致死罪覚せい剤の自己使用の罪を疑われていること、裁判員裁判になる可能性があるということしか知らされていません。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士にAさんとの初回接見を依頼して、今後の事件対応のアドバイスをもらうことにしました。
(フィクションです。)

今回から4回にわたって上記Aさんの事案を参考に解説します。

~危険運転致死罪とは~

今回Aさんに嫌疑のかかっている、「危険運転致死罪」は、いわゆる危険運転行為を行って、それによって人を死亡させたときに成立します。
「危険運転」と聞くと、アルコールの影響で正常な運転が困難な状態で車を運転し、その結果人を死傷させたケースを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、危険運転行為に該当するのは、アルコールの影響下の場合だけではありません。
Aさんのように覚せい剤を使用した状態など、薬物の影響で正常な運転が困難であるのにもかかわらず自動車を運転する行為も、危険運転行為の1つとされています。

危険な運転を行った結果人を死傷させた場合は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転死傷行為処罰法」という)により、危険運転致死傷罪として一般的な交通事故よりも重い刑罰に処せられます。

次に掲げる行為を行い、よって、人を死亡させた者は、危険運転致死罪として1年以上20年以下の有期懲役に処されます(自動車運転死傷行為処罰法2条)。

(1)アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
(2)その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(3)その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
(4)人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近しかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(5)赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(6)通行禁止道路を進行しかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

また、自動車運転死傷行為処罰法第3条は,第2条より程度が軽微である飲酒・薬物運転や病気運転の場合を規定しています。
アルコールや薬物,あるいは一定の病気の影響により,その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で,自動車を運転し,よって,そのアルコール又は薬物,あるいはその病気の影響により,正常な運転が困難な状態に陥り,人を死亡させた場合には、15年以下の懲役に処されます(自動車運転死傷行為処罰法3条1項、3条2項)。

~今回のAさんは…~

今回のAさんも、覚せい剤の影響により蛇行運転状態でした。
Aさんについて、「覚せい剤の影響により正常な運転が困難な状況」であったといえれば、危険運転行為にあてはまってしまう可能性があるのです。
さらに、Aさんの事件ではVさんが死亡してしまっているので、危険運転致死罪となる可能性があります。
それだけでなく、今回のAさんは、覚せい剤の自己使用の罪も成立する可能性があります。
覚せい剤の自己使用の罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
(もし覚せい剤を所持していた場合には、さらに所持の罪も成立する可能性があります。)
危険運転致死罪は非常に重い犯罪ですが、覚せい剤の自己使用の罪も重い犯罪です。
この二つが合わさると、執行猶予のつかない実刑判決となって長期間刑務所に服役しなければならないなど、非常に重い刑事処罰を受ける可能性があります。

今回のAさんのような事件では、交通事件薬物事件、両方の専門的な弁護活動が必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所であり、覚せい剤事件と交通事件どちらの弁護活動も多数取り扱っております。
危険運転致死罪などでお困りの場合は、まずは、無料法律相談や初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県塩釜警察署への初回接見費用:38,800円)

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