Archive for the ‘財産事件’ Category

近所で10歳女児に強制わいせつをして逮捕

2019-02-23

近所で10歳女児に強制わいせつをして逮捕

宮城県白石市在住の21歳大学生Aさんは、自宅の近所の公園において、公園内で遊んでいた10歳の女児に声をかけ、女児の下着に手を差し入れて陰部を触ったとして強制わいせつ罪の疑いで、宮城県白石警察署逮捕されました。
女児から話を聞いた女児の母親が宮城県白石警察署に被害届を提出したことで事件が発覚しました。
Aさんの両親は刑事事件に強いと評判の法律事務所に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)

【強制わいせつ罪】

13歳以上の者に暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした場合、若しくは、13歳未満の者にわいせつな行為をした場合には強制わいせつ罪となります。
「わいせつな行為」とは「いたずらに性欲を興奮又は刺激し、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」と定義づけられています。
下着の中に手を差し入れて陰部を触るというような行為はおおよそ「わいせつ行為」にあたるでしょう。
今回のケースでAさんは暴行又は脅迫といった手段を用いていません。
被害者が13歳未満の場合は、暴行や脅迫がなくても、わいせつな行為をすれば強制わいせつ罪が適用されます。
Aさんは、10歳の女児にわいせつな行為をしているため、強制わいせつ罪が成立する可能性が高いでしょう。 

今回のケースのように、強制わいせつ罪逮捕された場合、しかも、犯行場所が被疑者の居住地の近くである場合は、逮捕勾留されて身体拘束が続く可能性が比較的高いと言えます。
また、加害者が被害者の居場所を知っている場合は、被害者の下に行き圧力をかけて罪証隠滅を図るおそれが高いとされ、逮捕勾留されるおそれが高いです。

逮捕勾留されてしまうと、外に自由に出ることはできず、家族も含めて外部との連絡も自由に取れなくなってしまいます。
大学生であるAさんが逮捕勾留されてしまうと、大学に行けなくなります。
もし直近で試験などがある場合には、勾留を回避しなければなりません。
また勾留されることにより、長期間大学を休むことになってしまうと、必要な単位が取れない、大学から停学や退学等の厳しい処分を受けてしまうことも考えられます。

刑事事件の手続きでは、逮捕翌日か翌々日には最大20日の身体拘束につながる勾留請求がされます。
そのため,早期の釈放を実現させるには,いかにして勾留を避けるかということに主眼が置かれます。

勾留を回避するルートとしては、
1. 検察官が勾留請求を行わない,
2. 裁判所が勾留請求を却下する,
3. 準抗告により勾留の決定が覆る,
の3通りの釈放ルートがあります。

勾留を回避するためには,いかに早く弁護士に依頼できるかが鍵となります
弁護士に依頼した場合、弁護士は長期の身体拘束につながる勾留を回避すべく,勾留請求を行う検察官や判断権者の裁判所に意見書を提出します。
また,勾留の決定に対して不服を申し立てて変更を求める等,速やかな身柄解放を目指した活動を行います。
勾留は1回延長されますが,延長の際も同様の働きかけを行います。
加えて、勾留を回避することと並行して,弁護士は強制わいせつ事件の場合は被害者への示談を進めるなど,被疑者に有利な事情を集めます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強制わいせつ罪をはじめとする刑事事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件は初動対応が何より大切であるため、実効的な弁護活動を行うために,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,土日祝日夜間も含めて24時間体制の予約対応を整え,直ちに弁護士を派遣する初回接見サービスを実施しております。
逮捕直後から充実した弁護活動をご要望の方は,是非とも弊所の初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県白石警察署への初回接見費用:41,120円)

空き巣で示談

2019-02-21

空き巣で示談

宮城県村田町在住のAさんは、同じアパートに住むVさんがたびたび家を施錠せずに外出していることに気付きました。
AさんはVさんが外出した隙を見計らってV宅へ忍び込み、ブランド物の鞄、DVDプレーヤー、ゲーム機、V宅の合鍵等を盗みました。
Vさんが被害届を提出して宮城県大河原警察署が捜査した結果、Aさんは住居侵入罪窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの逮捕を知らされたAさんの両親は、刑事事件専門の法律事務所に初回接見サービスを申し込みました。
(フィクションです。)

~住居侵入窃盗事件~

宮城県警察の統計によると、宮城県で平成29年の1年間に住居侵入窃盗事件は852件認知されており、そのうち287件が検挙されています。
住居への侵入窃盗の手口には、空き巣、忍込み、居空きの3種類があります。
空き巣」とは住人の不在時に侵入し金品を盗むこと、「忍込み」とは夜間の就寝時に侵入し金品を盗むこと、「居空き」とは住人が在宅中でありながら食事や昼寝などをしている隙に侵入し金品を盗むことを指します。
この3つのうち、最も多くを占めるのが空き巣です。

~空き巣で住居侵入罪と窃盗罪に~

今回のAさんは、住居侵入罪窃盗罪の容疑がかけられて逮捕されています。
【住居侵入等(刑法130条)】
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
【窃盗罪(刑法235条)】
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

Aさんは、他人であるVさんの住居に許可なく侵入してVさんの鞄、DVDプレーヤー、ゲーム機、V宅の合鍵等を盗んで(=窃取して)いますので、住居侵入罪窃盗罪が成立する可能性は極めて高いでしょう。

空き巣など住居侵入窃盗事件の場合、住居侵入罪窃盗罪という二つの犯罪が成立します。
2つの犯罪が成立するから、刑罰に関しては、住居侵入罪窃盗罪の2つの法定刑を足すべきだと考える方もいらっしゃるかもしれません。
刑法ではどのように考えるかというと、例えば、今回のAさんの場合、V宅に忍び込んだのはVさんの財物を盗むための手段です。
つまり、住居侵入罪窃盗罪を犯すための手段として行ったと考えることができます。
このように、二つの犯罪が成立し、その関係が手段と結果というかたちになっているときは「牽連犯」と呼ばれます。
牽連犯 刑法第54条1項
「一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為がほかの罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する」
牽連犯の場合、裁判では法定刑の最も重い刑により処断されます。
つまり、住居侵入罪窃盗罪の牽連犯の場合は、窃盗罪の法定刑である「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」により処断されることになります。

~不起訴や軽い刑にしたい~

空き巣など住居侵入窃盗事件では、窃盗だけでなく住居侵入行為も行っているため、窃盗罪のみを起こした場合よりも当然処分が厳しくなります。
起訴不起訴や量刑が決められる際は、犯行態様や犯行動機、被害額や前科の有無、被害者との示談の有無など様々な事情が考慮されます。
その中で特に重要な要素となるのが、被害者への謝罪や被害弁償によって示談を成立させることです。

示談といってもその内容は様々であるため、どのような内容の示談を被害者と締結するかによって今後の流れに大きな影響を与える可能性があります。
例えば、被害者が加害者に寛大な処分を求める旨の条項が示談書に入っていれば,被疑者側にとってより有利な事情として作用します。

住居侵入窃盗事件では、住居に侵入されていることから被害者の恐怖心が大きく被害者の処罰感情が厳しいことが多いので,示談交渉に慣れた弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は示談交渉に長けた弁護士が多数所属する法律事務所です。
窃盗事件示談交渉についての相談も多数いただいていますので、まずはお気軽に無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県大河原警察署への初回接見費用:41,600円)

下着泥棒の逮捕と示談2

2019-02-17

下着泥棒の逮捕と示談2

~前回からの続き~
宮城県加美町在住の30代会社員Aさんは、酒に酔った状態で帰宅中、通りがかった家の軒先に干されていた女性用下着を見つけました。
性的興奮を覚えたAさんは、酔って気が大きくなっていたため、塀を乗り越えて庭に立ち入り、下着数点を持ち去りました。
翌日下着が無くなっていることに気付いた被害女性のVさんは、宮城県加美警察署に被害届を提出しました。
警察が近辺の防犯カメラなどを捜査した結果、Aさんが下着泥棒の犯人である疑いが浮上しました。
窃盗罪住居侵入罪の疑いで宮城県加美警察署から呼び出されて取調べを受けることになったAさんは、逮捕される可能性と示談して不起訴にできる可能性を刑事事件に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです。)
前回のコラムでは、下着泥棒をした場合に問題となる犯罪は窃盗罪住居侵入罪であること、下着泥棒事件の逮捕可能性について解説しました。
下着泥棒事件では、加害者が被害者の住居を覚えている可能性が高いことや余罪捜査をすることを理由に逮捕される可能性が十分に考えられる犯罪と言えます。
今回のコラムでは、逮捕や重い処罰のリスクを下げる方法について解説します。

~逮捕や重い処罰を避けるために~

逮捕されないようにするためには、在宅事件で捜査が進むことを目指して、例えば、①逃亡する可能性はない②不当な働きかけ等は行わないということを主張することが必要になります。
重い処罰を避けたいという場合は、刑事事件化の阻止や微罪処分・不起訴処分での終了、略式起訴による罰金といった軽い処罰での終了を目指すことが考えられます。
事例では、Aさんは、窃盗罪住居侵入罪の疑いで宮城県加美警察署から呼び出されて取調べを受けることになっているため、すでに刑事事件化はしてしまっています。
しかし、刑事事件化してしまっている場合でも、適切な弁護活動を行うことによって微罪処分や不起訴処分、略式起訴による罰金といった軽い処罰を目指すことができます。

下着泥棒事件は被害者がいる犯罪であるため、被害者との示談弁護士に依頼することが考えられます。
刑事処分は、被害者の処罰感情も参考にして決定されます。
示談となれば,被害者に謝罪して示談金を払うこととなります。
謝罪と示談をすることによって,被害者の処罰感情が緩和されて軽い処分が得られる可能性が高まります。
他に、示談のメリットとしては、刑事処分に対する被害者の意見をもらえる点もあります。
「罪に問わない」と示談書に記載することを被害者が同意してくれる場合、親告罪でなくとも罪に問われないことがありえます。
示談を行うことができれば、微罪処分や不起訴処分、略式起訴による罰金に近づくことになります。

ただし、下着泥棒のような目的が性的なものである刑事事件の場合,多くの被害者は、加害者やその親族と会いたいとは思いません。
そのため,加害者やその親族が直接示談を行おうとしてもうまくいかない場合も多いです。

示談成立を目指す場合、示談交渉を弁護士に依頼することが重要です。

示談以外に弁護士が行える活動として、犯行の前後の行動や状況を検討し,刑事処分に影響を与えそうな事情を主張することが考えられます。
今回の事例の場合、Aさんが酒に酔って気が大きくなっていたことを反省して、今後お酒を自制すると誓約する等を主張していくことが考えられます。
また、一般の窃盗が単なる財産犯であるのに対して、下着泥棒事件の場合は性犯罪としての性質も有しています。
そこで、再犯防止のため、病院やカウンセリングに通う等も考えられます。

下着泥棒事件等でお困りの場合は、刑事事件専門で多数の示談交渉を手掛ける弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
無料法律相談のご予約・初回接見のお申込みは,0120-631-881までお電話ください。
初回法律相談:無料

未成年によるチケット詐欺

2019-02-02

未成年によるチケット詐欺

宮城県富谷市在住の19歳フリーターAさんは、人気アイドルグループのコンサートチケットを転売すると嘘をついて現金を騙し取った疑いで、宮城県石巻警察署少年事件課に詐欺罪の容疑で逮捕されました。
同署によると、Aさんには、twitterで「(人気アイドルグループの)コンサートチケット譲ります」「欲しい人はDMください」などと投稿し、連絡してきたVさんにチケット代金として2万円を自分名義の口座に振り込ませたチケット詐欺の疑いがかけられているそうです。
Vさんは、宮城県石巻警察署に対して、「お金を振り込んだ直後から(Aさんと)連絡が取れなくなり、結局チケットは届かず、返金もされないまま、コンサート当日が過ぎてしまった。」と話しています。
Aさんの逮捕に大きなショックを受けたAさんの両親は、少年事件・刑事事件に強い弁護士の所属する法律事務所に電話をかけました。
(フィクションです。)

~チケット詐欺~

最近では、誰でも簡単に不特定多数の人と連絡をとることが可能になったため、掲示板やSNS、オークションサイトを介したチケット詐欺が蔓延していると言われています。

ケット詐欺とは、コンサートなどのイベントのチケットを販売するように見せかけて購入者を募り、購入希望者から金銭を受け取った上でチケットの引き渡しを行わない詐欺行為のことを言います。
チケット詐欺は、インターネットの浸透に伴い横行するようになった比較的新しい手口の詐欺です。

今回のAさんは、チケット詐欺を行ったとして詐欺罪の疑いで逮捕されています。
詐欺罪は刑法246条に定められている犯罪で、人をだまして他人のお金等(財物や利益)を交付させた場合に成立します。
 (1項)
 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
 (2項)
 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
と規定されています。

詐欺罪が成立するには、①欺罔行為(=騙す行為)⇒②錯誤(=被害者が騙されること)⇒③処分行為⇒④財物・財産上の利益の移転という一連の流れを証明できることが必要です。
チケット詐欺の場合は、
実際にはチケットを入手していないまたは譲る気がないにも関わらず「チケット譲ります」などと掲示板やSNS、オークション等に書き込むことが、①欺罔行為(=騙す行為)に当たります。
書き込みを見た人がチケットを入手できると信じることが②錯誤(=被害者が騙されること)です。
被害者が騙されたことで現金を振込むことが③処分行為⇒④財物・財産上の利益の移転、
という一連の流れになるので、詐欺罪にあたります。

なお、Vさんが途中でAさんの意図に気づき、現金の支払いをしなかった場合であっても、詐欺未遂罪が成立する可能性がある点には注意が必要です。

~未成年によるチケット詐欺~

チケット詐欺は、普段利用しているSNSや掲示板、オークションアプリを使って簡単におこなえるため,未成年の間でも犯行が広がっていると言われています。
実際に、中学生や高校生がチケット詐欺をおこなったとして、検挙や逮捕される事件が報道されています。
チケット詐欺の被害者が多数にのぼって被害総額が大きくなれば、逮捕されるおそれも高くなります。

未成年が事件を起こした場合は少年事件となるため、刑事事件の知識だけでなく少年事件の手続きについての知識・経験が必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の少年事件を取扱っており、チケット詐欺に関するご相談も寄せられています。
まずは無料法律相談または初回接見のご利用をご検討ください。
(宮城県石巻警察署への初回接見費用:43,200円)

万引き(窃盗罪)で勾留決定に対する準抗告

2019-01-28

万引き(窃盗罪)で勾留決定に対する準抗告

50代女性Aさんは、宮城県名取市のドラッグストアで、化粧品(3000円相当)を鞄の中に入れ、そのままレジで精算せずに店を出ました。
店を出てすぐに、ドラッグストアの私服警備員に呼びとめられ、精算していない商品があることを指摘されました。
Aさんは、店からの通報を受けて駆け付けた宮城県岩沼警察署の警察官に万引き窃盗罪)の疑いで現行犯逮捕され、そのまま勾留されてしまいました。
(フィクションです。)

~窃盗罪~

窃盗罪は、他人の財物を窃取した場合に成立します(刑法235条)。
窃盗罪で起訴されて有罪となると、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。

事例のAさんは万引きを行って窃盗罪で逮捕されています。

万引き」というと、いかにも軽いように用いられている言葉ですが、他人の財物を盗む点で、まぎれもなく窃盗罪にあたります。

万引きをしてしまった場合、初犯であれば被害品を還付した場合は厳重注意で済むこともありますが、被害店舗と示談できない場合は、罰金刑となって罰金を納付することになる場合があります。
繰り返し万引きを行ってしまうと、次第に罰金額は高額になっていき、それでも万引きを辞められなかった場合は、正式裁判になり、しまいに懲役刑を受けることになることもあります。

~逮捕・勾留による身体拘束~

窃盗事件が発覚すると捜査機関による捜査が始まります。
捜査機関に窃盗事件の犯人と判断された人は,逮捕される可能性があります。

万引きなど刑事事件を起こし逮捕された場合、最長で72時間身体拘束されることになります。
逮捕から検察への送致までの最長48時間(刑事訴訟法第203条1項、216条)、検察官が送致を受けた時から勾留を請求するまでの最長24時間(同法205条1項、216条)が、この72時間の内訳です。
しかし、身柄拘束は最長72時間で終わりというわけではなく、裁判官によって勾留が認められた場合、その後最長20日間もの間身体拘束を受け続けることになります。
裁判官が勾留を認める場合、身体拘束期間は原則10日間(同法208条1項、216条)ですが、勾留延長が認められればさらに10日間(同法208条2項、216条)もの間身体を拘束することが可能なのです。

逮捕・勾による身体拘束を受けている間、被疑者は通勤・通学することができないため、身体拘束の期間が長引くほど、被疑者の社会的地位に影響が出ることになります。

逮捕勾留が行われるのは,犯人の身柄の確保と当該窃盗事件について証拠を確保するためです。
逆に言えば,犯人の身柄の確保や証拠の確保をする必要がない場合,逮捕勾留をする必要はなく逮捕勾留されないということができます。

~勾留阻止~

勾留の要件として、「勾留の理由」と「勾留の必要性」がありますが、実際には多くの事件で簡単に勾留決定が出てしまう現実があります。
不当な勾留が決定されてしまった場合は、勾留決定に対して不服申立をすることができます。
不服申立制度としては、勾留理由開示請求・勾留取消請求・準抗告などが挙げられます。
「準抗告」(刑事訴訟法429条)という不服申立て手段は、裁判官が単独裁判官の資格でした裁判(命令)に対する不服申し立てのことをいいます。
勾留に対して不服申し立てをする場合は、刑事訴訟法第429条1項2号に基づき勾留の取消し・変更を求めることになります。

勾留決定に対する準抗告は、法律上は被疑者本人が行うことも可能です。
しかし、刑事事件の専門的な法律知識が必要となりますし、勾留による身体拘束を受けながら有利な証拠を収集し、かつ、効果的な準抗告申立書を作成するのは至難の技でしょう。
勾留決定が出されてしまい準抗告したい場合は、法律の専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士がおこなう初回接見サービスや無料法律相談を24時間受付中です。
万引き事件逮捕されてお困りの場合、勾留決定が出されたが釈放を望む場合は、まずはフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
(宮城県岩沼警察署までの初回接見費用:38,400円)

集水枡の蓋を窃盗

2019-01-20

集水枡の蓋を窃盗

昨年11月に、林道の集水枡の鋼鉄製の蓋16枚がなくなって青森市被害届を提出するという事件があり、東奥日報などで報道されていました。
被害品は、林道にある集水桝にかぶせていた鋼鉄製の蓋計16枚で、被害額は計43万円だそうです。
青森市は青森県警察青森警察署に被害届を出しているそうです。

似たような事件は時折、起きているようで、昨年12月に大阪府でも側溝のふた6枚を盗んだとして、会社員の男が窃盗罪の疑いで逮捕されています。
警察署によると、会社員の男は「100カ所以上でやった」「売却目的だった」と供述しているそうです。
この事件で盗まれたのは金属製で格子状の「グレーチング」と呼ばれる蓋で、1枚の重さは15~20キロだったとみられ、1キロ当たり約30円で金属くずとして業者に売れるとのとことです。

~窃盗罪~

他人の意思に反して他人の物を無断で持っていったりする場合には、窃盗罪が成立します。
窃盗罪は、刑法235条に規定されており、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
窃盗の態様は、あらゆる手段や被害金額の多寡がありますので、法定刑も幅広く規定されています。
「他人の財物」とは、他人の占有する財物をいい、「占有」とは、簡単にいえば、他人が管理する、という意味です。

~窃盗罪の刑罰~

窃盗罪で起訴されて有罪となった場合、法律上は、最高で10年の懲役まで科すことができます。
量刑については、被害金額、窃盗行為の態様(手口や頻度、計画性など)、動機(転売目的かなど)、余罪、前科、示談の有無などの事情が関わってきます。
窃盗罪の中でも、初犯で単なる少額の商品の万引きなどの場合、被害者と示談できれば微罪処分や不起訴になる可能性が高いです。
しかし、同じ窃盗罪という罪名で初犯であっても、被害金額やその手口、動機などによっては、正式裁判になったり、懲役刑になったり、ということはありえます。

転売・売却目的の窃盗は悪質な動機(=悪質性が高い)と評価されやすいと言われています。
転売・売却という目的で窃盗を行っていることから、計画性のある犯行で、かつ、窃盗したものを売却することで利益を得ているなどの理由から処分が重くなりやすいようです。

また、窃盗を常習的に繰り返していると、重く処罰されやすくなります。
なぜなら、常習的に犯行を繰り返しているということは、「規範意識が鈍くなっている」、「反社会性が顕著である」などと評価されやすくなるためです。
そのように評価されて起訴された場合、裁判の結果、実刑になることも考えられます。

事例の事件の場合、被害品が林道にある集水桝にかぶせていた鋼鉄製の蓋計16枚で、被害額は計43万円だとのことなので、被害金額が少なくないことから、公判請求されて実刑になるおそれも考えられるでしょう。

~窃盗罪の刑事処分を軽くするためには~

窃盗罪は財産に対する犯罪で被害者に経済的損害が生じているため、被害者へ被害弁償・示談をして許してもらうことが,刑事処分の見通しに大きく影響します。
被害弁償をすることで,被害が実質的に回復するためです。
被害弁償や示談ができていれば、起訴されたとしても,執行猶予判決になる可能性が高まります。

しかし、被害者が国や地方公共団体、大きな会社であるような場合には注意が必要です。
このような相手方が被害者である場合、被害弁償や示談にそもそも応じない場合があります。
(被害者が被害弁償や示談に応じない場合は、示談の経緯を裁判等で主張することとなります。)
例えば、事例の事件の場合は、被害者は青森市ですので、地方公共団体が被害者ということになります。

難しい示談交渉が予想される場合、弁護士を弁護人として選任する必要性が高いと言えます。
窃盗罪における示談は、できるだけ早い段階で成立させた方がより有利な結果になる可能性が高いので、早期の段階で弁護士を選任することが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗罪などで数々の示談をまとめ上げてきました。
窃盗罪で示談したい、逮捕されないか不安だという方は、まずはお気軽に無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(初回法律相談:無料)

オートバイ盗の少年事件

2019-01-14

オートバイ盗の少年事件

宮城県白石市在住の17歳A君は、学校の友達とともにVさんの家の駐車場に停めてあったオートバイを盗みました。
ある日、宮城県白石警察署の警察官に呼び止められて職務質問をされた際、A君の乗っているオートバイが盗難車で、警察に被害届が提出されていることがわかりました。
A君は、宮城県白石警察署まで任意同行を求められ、逮捕はされなかったものの,在宅事件として、窃盗罪オートバイ盗)の容疑で捜査される旨が告げられました。
後日再度取調べがあると警察官から言われたA君は、少年事件と刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所に無料相談しました。
(フィクションです。)

~オートバイ盗と少年非行~

オートバイ盗は、「二輪車盗」や「バイク窃盗」「バイク盗」「オートバイ窃盗」などとも呼ばれ、二輪車(オートバイ)の窃盗を行う犯罪のことです。
オートバイ盗は、刑法上の窃盗罪にあたります。
オートバイ盗」、「万引き」、「自転車盗」、「占有離脱物横領」の4罪種・手口は、まとめて「初発型非行」と呼ばれています。

例えば、神奈川県の例ではありますが、神奈川県警察のホームページの「STOP!THE少年非行」というページによると、
平成29年中に神奈川県内で検挙・補導した刑法犯の少年のうち、万引き・占有離脱物横領・自転車盗・傷害・オートバイ盗で検挙・補導した少年(未成年者)は、刑法犯全体の68.4%を占めています。
刑法犯全体の28.8%を万引きが占め、占有離脱物横領13.4%、自転車盗13.1%、傷害6.6%、オートバイ盗6.5%と続きます。
また、乗り物盗(自転車盗、オートバイ盗及び自動車盗)で検挙・補導した少年は、少年の街頭犯罪の80.7%を占めているそうです。
万引きや乗り物盗は、出来心や遊びといった軽い気持ちでおこなってしまいやすいため、少年非行の入口となりやすいとされています。
これらの犯罪行為を行ううちに徐々に罪悪感が低下していくことで、やがて、悪い仲間からの誘いを断れず、薬物乱用や路上強盗、ひったくり等の非行に進む恐れがあります。

実際に、オートバイ盗逮捕された少年は、「軽い気持ちで盗んだ。」と話す方がほとんどだと言われています。
ほとんどの少年は自分で使用する目的で犯行に及んでおり、転売等の譲渡目的で盗んだケースは稀だそうです。

オートバイ盗は、犯行形態が明らかであるため、犯行を認めている場合は、成人であれば逮捕されることなく、在宅で捜査される可能性が高いです。
しかし、犯人が未成年者の場合は、逮捕される傾向にあることには注意が必要です。

~少年事件の特徴~

少年が窃盗罪をはじめ、刑罰法令に該当する行為をしたときは、少年事件として少年法に基づいて手続が進められます。
犯してしまった罪の重さに応じて刑事罰を科すこと等が目的となる成人による刑事事件とは異なり、少年事件では、教育的観点からの矯正が重要視されます。

少年法は「少年の健全な育成を期し,非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う」ことを目的としており、少年事件では,この少年法の理念に基づいて手続を進めていきます。
どうすれば少年を更生させて再非行を防げるかを考えていくのが少年事件なのです。

少年事件では、犯した罪の大きさだけで処分が決まるのではなく、審判までに少年がどれだけ自分の問題点を自覚し、被害を実感したか、少年に再非行の危険性がどれほどあるかによって処分が違ってきます。
窃盗罪などの被害者のいる犯罪の場合、成人なら示談で被害弁償をすることで処分は軽くなります。
しかし、少年の場合は,生活環境や本人の性格等を考慮して再非行の危険性が高い場合,被害弁償をしたからといって,一概に処分が軽くなるとは限りません。
少年によっては、再非行性が高いとして、成人よりも処分が重くなることもありえます。

逆に、当初は少年に保護観察処分になる可能性も十分にありうるとされた少年事件でも、弁護士が被害者との示談交渉や少年の更生に向けた環境調整などを行い、意見書等において要保護性が解消されたことをしっかりと説明することで、審判不開始や不処分とされることもあります。
(審判不開始:家庭裁判所が調査の結果、審判を開始する必要がないと判断するときにおこなう審判を行なわないという決定のこと。)

少年事件では処分の見通しを考えるうえで,通常の成人の刑事事件と同様に考えるだけでは足りません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件だけでなく少年事件も多数取り扱う法律事務所です。
オートバイ盗の少年事件でお困りの場合は、まずは無料法律相談もしくは初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県白石警察署への初回接見費用:41,120円)

窃盗(置引き)で後日逮捕

2019-01-12

窃盗(置引き)で後日逮捕

宮城県大崎市在住のAは、近所のスーパーに買い物に出かけた際、スーパーの駐輪場に停めた自転車のカゴに鞄を置いたままVさんが15m先のスーパー入口に入っていくところを見ました。
Aさんは、Vさんがスーパーに入店したことから、Vさんの鞄を置引きしてもどうせバレないだろうと思って、Vさんの鞄を持ち去りました。
Vさんは、スーパーに入って1分後、スーパーの入口から10m進んだところで、鞄を自転車のカゴに置き忘れたことに気付き、慌てて自転車まで戻りましたが、既に鞄はAさんによって持ち去られた後でした。
Vさんは宮城県鳴子警察署に被害届を提出し、防犯カメラの映像等からAさんがVさんのカバンを置引きした犯人であることが発覚し、Aさんは窃盗罪の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)

~置引きは窃盗罪または占有離脱物横領罪に問われる~

本件のAさんは窃盗罪逮捕されていますが、置引きは、窃盗罪または占有離脱物横領罪に問われることになります。
では窃盗罪占有離脱物横領罪のどちらになるかどのように決まるのでしょうか。

窃盗罪占有離脱物横領罪の分かれ目となるのは、置引きした物が持ち主の占有下にあったかどうかです。
「占有」とは、財物が人の事実上の支配下におかれている状態のことをいいます。
持ち主の占有があった場合は、占有を侵害したとして窃盗罪、占有が無ければ占有を離れた他人の物を横領したとして、占有離脱物横領罪が成立します。
占有は、占有の事実という客観的要素と占有の意思という主観的要素から成り立ち、占有の有無は、占有の事実と占有の意思の相関関係より、社会通念に従って判断されます。
刑法上占有があるといえるためには、物に対する現実の所持又は監視を必要とするものではなく、物が所有者の支配力の及ぶ場所に存在すればよいとされました。
そして、占有者の支配内にあるか否かは、通常人ならば確かにその人の所有物だと納得出来るかどうかによって決まるとされています。
具体的にどのような事情から判断されるかというと、物が置かれている場所の性質や物から離れていた時間や距離、占有者が意識して置いたのか置き忘れたのかなどの事情から判断されます。

実際の裁判例では、公園のベンチにポシェットを置き忘れ、被害者がベンチから27メートル離れた時点でそれを置引きしたという事例において、窃盗罪の成立が認められています。
他の判例として、バス待ちの行列中にカメラを置き忘れた者が、約5分後約20m離れたところで気づいて引き返した場合について、カメラに対する被害者の占有が認めれ、窃盗罪が成立するとした例もあります。

本件では、Vさんは、スーパーの駐輪場に停めた自転車のカゴに鞄を置いたまま15m先のスーパー入口に入っており、スーパーに入って1分後、スーパーの入口から10m進んだところで鞄を置き忘れたことに気付いています。
本件の場合はVさんが鞄を占有していたと評価され、カバンを置引きしたAさんには窃盗罪が成立するとされる可能性があるものと思われます。

~後日逮捕~

窃盗罪は、犯行現場において現行犯逮捕されることが多い犯罪です。
一方で、犯行から時間が経ってから、後日逮捕(通常逮捕)される例もあります。

被害者の被害届が提出されており、防犯カメラの映像や目撃情報、被害現場や遺留品から検出された指紋・DNAなどの証拠が捜査過程で出てきた場合、後日逮捕される恐れが高まります。
特に昨今防犯カメラの設置の広まりや画像の高画質化により、防犯カメラの映像から検挙されるケースは年々増えています。

ただし、このような証拠がある場合でも、まずは逮捕せずに任意同行や任意出頭を求め、事情聴取するケースも多いです。
しかし、確たる証拠があるにもかかわらず容疑を否認する、任意同行や任意出頭を求められた場合に応じずに逃亡を図ったり証拠隠滅したりする可能性があるとみなされると、後日逮捕される可能性が高くなってしまいます。

置引き事件では、窃盗罪に当たるか占有離脱物横領罪に当たるのかの見極めは難しく、両者には量刑上大きな差があるため、どちらの犯罪に問われるのかが被疑者にとって重要な問題です。
どちらの罪に当たるのかによって、逮捕後身柄拘束を受ける可能性も異なります。
後日逮捕されるか不安な場合、ご自身の事件で疑問がある場合は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談してみてください。
(宮城県大崎市の事件の初回法律相談:無料)

被害届を出されたくなければ金を払えと言って恐喝罪

2019-01-06

被害届を出されたくなければ金を払えと言って恐喝罪

Aさんは、宮城県東松島市在住の知人Vさんと同市内の居酒屋で飲酒していた際、Vさんから暴行を受けて打撲や擦り傷などの怪我を負いました。
AさんはVさんに対して、「俺が警察に暴行罪被害届を出せばお前は逮捕されるぞ。被害届を出されたくなければ、治療費と慰謝料として100万円を支払え。」とすごみました。
Aさんの剣幕に怯えたVさんは、言われた通り100万円をAさんに差し出しました。
後日、Vさんが「Aさんに脅されて金をとられた」と言って宮城県石巻警察署被害届を出しました。
AさんはVさんへの恐喝罪の容疑で宮城県石巻警察署逮捕されて、取調べを受けています。
納得がいかないAさんは、家族の依頼で初回接見に来た刑事事件専門の弁護士に相談しました。
(事実を基にしたフィクションです。)

~正当な行為と恐喝罪~

事例のAさんが逮捕された恐喝罪は、「相手方の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行・脅迫により財産を交付させる」犯罪で、法定刑は、10年以下の懲役です。
恐喝罪は、暴行や脅迫によって相手方を怖がらせて、お金などの金品や利益を脅し取ると成立します。

事例の場合、AさんがVさんに200万円を差し出させた行為が恐喝罪にあたりうることを疑問に思われる方もいると思います。
なぜなら、警察に被害届を出すという行為自体は正当な行為だと思われるからです。
しかし、正当な権利の行使や正当な行為であっても、社会通念上許容されない態様で行われた場合には、恐喝罪や強盗罪が成立しうるのです。
従って、事例のAさんのような場合は、警察に被害届を出すという行為自体は正当な行為ですが、告げる態様次第で恐喝罪になってしまう恐れがあるのです。 

他にも、例えば、お金を貸した人(債権者)がお金を借りた人(債務者)に対して、貸したお金を取り立てる過程で、「訴訟を起こす」などと正当な行為をすることを相手方に伝える場合であっても、取り立て行為が社会通念上許容されない態様で行われた場合には、恐喝罪や強盗罪が成立しえます。
貸した金を取り返す、というのは、適法な請求ですが、刑法では、適法な請求だとしても態様次第で恐喝罪になる可能性があります。
適法な請求でも暴力や脅迫等の違法な手段によって取り返すことはいけない、ということです。

もし、事例のAさんのようなケースで恐喝罪の疑いで警察から取調べを受けている場合は、刑事事件専門の弁護士取調べ対応のアドバイスを受けることをお勧めします。
取調べで話したことは、供述録取書(供述調書とも)という形で書面化され、全て証拠となり得ます。
供述録取書は刑事裁判において非常に重要で、有効な物的証拠が出てこないような事件の場合、捜査機関はなんとしても供述録取書による供述証拠を揃えようとしてきます。
供述証拠を揃えるために、強引な取調べが行われたり、ニュアンスが異なる書き方をされた供述録取書が作成されたりすることがあります。

留置所等の密室で行われる取調べは、被疑者・被告人にとって非日常的な体験です。
連日長時間に及ぶ取調べで疲弊し、精神的に追い詰められて、自己に不利な発言をしてしまうこともあります。
恐喝罪の成立を争う場合には、具体的にどのような言動や行動が相手方を畏怖させる恐喝行為にあたると疑われているのかが重要です。
具体的にどのような言動や行動をしたかについて、実際に話した文脈やニュアンスと異なり、被疑者に不利な形で供述録取書を作成されることのないよう、取調べ前に事前に弁護士に相談するとよいでしょう。
刑事事件専門の弁護士取調べに対するアドバイスを受けることで、不利な供述録取書が作成されるリスクを下げられます。

恐喝罪などで逮捕されているご家族に対して、弁護士から取調べに対するアドバイスをしてほしいという場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見をご利用ください。
初回接見及び無料法律相談のご予約は、24時間365日受付中です。
(宮城県石巻警察署の初回接見費用 43,200円)

オヤジ狩りして強盗致傷罪の少年事件

2019-01-02

オヤジ狩りして強盗致傷罪の少年事件

宮城県石巻市で、通行人に殴る蹴るなどの暴行を加えて現金を奪ったなどとして、宮城県警察石巻警察署は、市内に住む無職の少年4人(いずれも18歳)を、強盗致傷罪の疑いで逮捕しました。
警察によると、少年らは、中学時代の同級生で、オヤジ狩りと称して深夜に石巻市の路上で男性会社員に背後から殴りかかり、集団で殴る蹴るなどの暴力をふるって加療2か月の怪我を負わせ、現金の入った鞄を奪った疑いです。
被害者の証言や付近の防犯カメラの映像等から少年らが特定され、逮捕にいたりました。
取調べで、少年らは強盗の事実を認めています。
(事実を基にしたフィクションです。)

~強盗致傷罪~

暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合、強盗罪になります。
強取とは盗むということですが、盗むにあたり他人に対し暴行や脅迫を用いている点で通常の窃盗より悪質性が高いとされ、窃盗よりも重い刑罰を科されます。
今回の少年らが逮捕されている強盗致傷罪は、強盗が人を負傷させたときに成立します(刑法240条)。
強盗致傷罪は、犯人が、強盗の機会に被害者に致傷の結果を生じさせる場合が多いため、規定されました。
通常の強盗罪や窃盗罪と異なり他人の財物を守るためでなく、人の生命・身体を守るために規定された点に特色があります。
成人が強盗致傷罪を犯して有罪判決になる場合は、無期又は6年以上の懲役という法定刑の範囲内で刑事処罰が科せられることになり、非常にペナルティーが重い犯罪です。
強盗致傷罪は、例えば、脅しに使った包丁で刺したなど凶悪なケースだけではなく、盗みを働いて逃げるときに警備員などを押し倒して怪我をさせた場合などでも強盗致傷罪となります。

~罪の重い少年事件と刑事処罰~

罪を犯した者が未成年者(少年)である場合、基本的には、少年事件として、少年の健全な育成と非行に対する矯正または環境調整の観点から、刑事事件とは異なる特別な措置を講ぜられることになります。

少年事件は家庭裁判所が管轄します。
家庭裁判所では、捜査機関が収集した犯罪の証拠資料等に加えて、調査官が少年の生育環境等を調査した社会記録を考慮し、少年審判を開始する必要があるか否かを判断します。
少年審判を開いた場合には、保護観察処分に付す、児童自立支援施設や児童養護施設に送致する、または少年院に送致するといった、少年に対して適切な保護処分を行います。

ただし、少年がまったく刑事責任を負わないかというと必ずしもそうではありません。
重大事件故に、もはや少年の更生よりも処罰を優先するべきときは、成人と同じ通常の刑事手続きによることになります。
家庭裁判所は、送致された少年を調査した結果、保護処分ではなく、成人の刑事事件と同様の手続きで刑事処分を科すことが相当であるとして事件を検察官送致(いわゆる逆送)することができます(少年法第20条)。
1.少年の犯罪行為が死刑・懲役・禁錮に当たる罪について、家庭裁判所が調査の結果、その罪質や情状に照らして刑事処分が相当と認める場合
2.16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた場合
などに、検察官送致(逆送)がなされます。

つまり、少年事件ではあっても、特に法定刑の重い犯罪については、検察官に送致されて起訴され、成人の刑事事件と同じく公開の刑事裁判によって、成人と同じく刑事責任を負うことがあり得るということです。

事例の強盗致傷罪は、無期または6年以上の懲役と法定刑が重いため、家庭裁判所から検察官へ送致される可能性が高いと思われます。
強盗致傷罪で起訴された場合、過去の量刑によれば、ほとんどの事件において実刑判決が下されているため、少年が実刑判決を受ける可能性も低くはないでしょう。

このような少年による重大事件では、国選弁護人を選任できるようになる前の段階から、刑事事件少年事件に詳しい弁護士に事件を依頼して、初期の取調べ対応から万全の準備で手続きに臨むことが重要です。
少年による強盗致傷罪など重大な事件でお困りの場合は、刑事事件少年事件の豊富なノウハウを持つ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご用命ください。
まずは、無料法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
(宮城県石巻警察署への初回接見費用:43,200円

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