空き巣で示談

空き巣で示談

宮城県村田町在住のAさんは、同じアパートに住むVさんがたびたび家を施錠せずに外出していることに気付きました。
AさんはVさんが外出した隙を見計らってV宅へ忍び込み、ブランド物の鞄、DVDプレーヤー、ゲーム機、V宅の合鍵等を盗みました。
Vさんが被害届を提出して宮城県大河原警察署が捜査した結果、Aさんは住居侵入罪窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの逮捕を知らされたAさんの両親は、刑事事件専門の法律事務所に初回接見サービスを申し込みました。
(フィクションです。)

~住居侵入窃盗事件~

宮城県警察の統計によると、宮城県で平成29年の1年間に住居侵入窃盗事件は852件認知されており、そのうち287件が検挙されています。
住居への侵入窃盗の手口には、空き巣、忍込み、居空きの3種類があります。
空き巣」とは住人の不在時に侵入し金品を盗むこと、「忍込み」とは夜間の就寝時に侵入し金品を盗むこと、「居空き」とは住人が在宅中でありながら食事や昼寝などをしている隙に侵入し金品を盗むことを指します。
この3つのうち、最も多くを占めるのが空き巣です。

~空き巣で住居侵入罪と窃盗罪に~

今回のAさんは、住居侵入罪窃盗罪の容疑がかけられて逮捕されています。
【住居侵入等(刑法130条)】
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
【窃盗罪(刑法235条)】
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

Aさんは、他人であるVさんの住居に許可なく侵入してVさんの鞄、DVDプレーヤー、ゲーム機、V宅の合鍵等を盗んで(=窃取して)いますので、住居侵入罪窃盗罪が成立する可能性は極めて高いでしょう。

空き巣など住居侵入窃盗事件の場合、住居侵入罪窃盗罪という二つの犯罪が成立します。
2つの犯罪が成立するから、刑罰に関しては、住居侵入罪窃盗罪の2つの法定刑を足すべきだと考える方もいらっしゃるかもしれません。
刑法ではどのように考えるかというと、例えば、今回のAさんの場合、V宅に忍び込んだのはVさんの財物を盗むための手段です。
つまり、住居侵入罪窃盗罪を犯すための手段として行ったと考えることができます。
このように、二つの犯罪が成立し、その関係が手段と結果というかたちになっているときは「牽連犯」と呼ばれます。
牽連犯 刑法第54条1項
「一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為がほかの罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する」
牽連犯の場合、裁判では法定刑の最も重い刑により処断されます。
つまり、住居侵入罪窃盗罪の牽連犯の場合は、窃盗罪の法定刑である「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」により処断されることになります。

~不起訴や軽い刑にしたい~

空き巣など住居侵入窃盗事件では、窃盗だけでなく住居侵入行為も行っているため、窃盗罪のみを起こした場合よりも当然処分が厳しくなります。
起訴不起訴や量刑が決められる際は、犯行態様や犯行動機、被害額や前科の有無、被害者との示談の有無など様々な事情が考慮されます。
その中で特に重要な要素となるのが、被害者への謝罪や被害弁償によって示談を成立させることです。

示談といってもその内容は様々であるため、どのような内容の示談を被害者と締結するかによって今後の流れに大きな影響を与える可能性があります。
例えば、被害者が加害者に寛大な処分を求める旨の条項が示談書に入っていれば,被疑者側にとってより有利な事情として作用します。

住居侵入窃盗事件では、住居に侵入されていることから被害者の恐怖心が大きく被害者の処罰感情が厳しいことが多いので,示談交渉に慣れた弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は示談交渉に長けた弁護士が多数所属する法律事務所です。
窃盗事件示談交渉についての相談も多数いただいていますので、まずはお気軽に無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県大河原警察署への初回接見費用:41,600円)

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