Archive for the ‘刑事事件’ Category
SNS上の誹謗中傷で刑事事件
SNS上の誹謗中傷で刑事事件
名誉棄損罪、侮辱罪、脅迫罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県伊具郡に住んでいる大学生のAさんは、同じ大学に通うVさんに対して、SNS上で何度も悪口のコメントをしていました。
しばらくして、VさんがAさんに「これ書いたでしょ」とAさんのコメントをスマホで見せてきました。
Aさんは違うと否定しましたが、「警察には言ったから本当かどうかはすぐにわかる」と言われました。
Aさんはこのままでは逮捕されるのではないかと不安になり、弁護士事務所に相談に行くことにしました。
(この参考事件はフィクションです。)
侮辱罪と名誉棄損罪
AさんはSNS上でVさんに対する悪口を何度も書いたことが問題になっています。
この場合、可能性が高い罪名に名誉棄損罪と侮辱罪があり、どちらも刑法に定められています。
刑法230条第1項が名誉毀損罪の条文であり、内容は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」となっています。
次に侮辱罪ですが、こちらは刑法231条が「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定めています。
参考事件はSNS上で起きていますが、インターネットを使って不特定多数の人が閲覧可能なコメントをすることは「公然と」行っていると判断されます。
そしてAさんのコメントが「名誉を毀損」しているのであれば名誉棄損罪、「侮辱」しているのであれば侮辱罪となります。
「事実を摘示し、人の名誉を毀損」するとは、具体的な事実を示して、人に対する社会的評価を下げることです。
しかし、実際に社会的な評価が下がったかは判断が難しいため、その危険性を生じさせたかどうかが名誉棄損罪となるかどうかの指標となります。
逆に具体的な事実ではない内容で侮辱していると判断されれば、侮辱罪となります。
侮辱罪よりも名誉棄損罪の方が比較的刑罰が重くなっていますが、これは事実の摘示、つまり証拠を出して社会的な評価を害する方が、精神的な苦痛を与えやすいと判断されているからです。
脅迫罪
もしもAさんがVさんに対して、何かしらの害を与える予告をコメントしていたのであれば、脅迫罪が成立する可能性もあります。
脅迫罪は刑法第222第1項に「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」と定められています。
脅迫は口頭以外の書面や動作などでも成立するため、SNS上での脅迫も要件を満たします。
ただし、脅迫の内容は実現可能なものである必要があるため、SNS上での誹謗中傷が脅迫罪となるかは状況次第と言えます。
まずは弁護士事務所にご相談ください
インターネット上のトラブルから刑事事件に発展することは、昨今では珍しくありません。
そのため参考事件のようなケースが起きた場合、どういった罪に問われる可能性が高いのか、一度弁護士に相談することがお勧めです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
フリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回であれば無料でご利用いただける法律相談のご予約を受け付けております。
また、当事務所では逮捕されている方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約も、同じくフリーダイヤルで受け付けております。
名誉棄損罪、侮辱罪、脅迫罪になるか不安な方、またはご家族がそれらの容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。
恐喝罪を脅迫罪・強盗罪と比較
恐喝罪を脅迫罪・強盗罪と比較
恐喝罪と脅迫罪・強盗罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県亘理郡に住んでいる大学生のAさんは、後輩のVさんがコンビニで年齢を偽ってワインを買っているところを目撃しました。
後日、AさんはVさんにワインを買っていたところを見たことを伝え、大学に言わないことの代わりに現金や食事を奢らせることを条件に出しました。
Vさんはその要求に従いましたが、要求は1回で済まず、何度も行われました。
Vさんは現状がどれだけ続くのか不安になり、両親に相談することにしました。
相談を受けたVさんの両親は、その後すぐに警察に連絡しました。
そしてAさんはしばらくして、亘理警察署に恐喝罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
恐喝罪
刑法の第249条第1項には「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と明記され、続く同条第2項には「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と定められています。
上記の条文が恐喝罪を定める条文となります。
「人を恐喝して」とは、人に対して相手を畏怖させるような行為をすることを意味します。
そしてその暴行や脅迫により畏怖した相手に対して、財物の交付などをさせることで恐喝罪は成立します。
そのため恐喝と財産上の利益の取得、財物の交付の間には、因果関係が存在しなければなりません。
参考事件ならば、恐喝されなければ現金を渡したり食事を奢ったりしなかったという関係になります。
また、刑法第250条には「この章の罪の未遂は、罰する。」と定められています。
つまり、未遂罪の規定があるため、仮にVさんがAさんの要求に従わず警察に相談していたとしても、恐喝を行った時点でAさんには恐喝未遂罪が成立しています。
脅迫罪と強盗罪
刑法第222条には脅迫罪が定められています。
この脅迫罪と恐喝罪は混合されることもありますが、法律上は明確な違いがあります。
脅迫罪は「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者」に適用されます。
脅迫罪は人を脅すこと(それにより人の自由を害すること)を目的としていますが、恐喝罪は脅迫を用いて財物などを不当に得ることを目的としています。
例えば、暴力を振るうことをほのめかして金銭を要求する行為は恐喝罪に該当しますが、単に暴力を振るうことをほのめかすだけでは脅迫罪になります。
恐喝罪が適用される範囲と似通ったものには強盗罪もあります。
強盗罪は刑法第236条に定められており、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」に適用されます。
この場合の「暴行又は脅迫」は相手方の反抗を著しく困難にする程度が必要になるため、その強度に満たないのであれば強盗罪は成立しません。
例えば、生命を脅かすことを告知して金銭を要求する行為は恐喝罪に該当しますが、包丁などの刃物を示しながら金銭を要求する場合は強盗罪となります。
詳細を弁護士に相談
このように、恐喝罪と脅迫罪・強盗罪は目的とする結果や具体的なケースによって区別されるため、どの罪が適用されるかはその状況によって異なります。
恐喝事件に詳しい弁護士であれば、豊富な知識と経験から正確に事件の状況を把握し、どの罪に問われる可能性が高いかを判断して対策を講じることができます。
また、恐喝罪・脅迫罪・強盗罪はどれも被害者が存在する事件であるため、減刑を求めるためには示談交渉が重要になり、弁護士はその時強い味方になります。
恐喝事件の他、脅迫事件、強盗事件の際にも、刑事事件に強い弁護士事務所に相談し、アドバイスを求めることがお勧めです。
刑事事件に強い弁護士事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では、初回であれば無料の法律相談、逮捕されているの方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスを実施しております。
ご予約はどちらもフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間体制で受け付けておりますので、参考事件のように恐喝罪の容疑がかかっている方、ご家族が恐喝罪で逮捕されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のへ、是非、ご相談ください。
公務執行妨害罪が成立する状況
公務執行妨害罪が成立する状況
公務執行妨害罪と逮捕後の流れについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県角田市に住んでいる会社員のAさんは、自転車で運転している際にパトカーに止められました。
Aさんは警察官から職務質問を受けることになりましたが、急いでいたため止められたことに腹が立っていました。
話の途中でまだ職務質問が続きそうになったことで、Aさんは「もういいだろ」と言って警察官を突き飛ばし、自転車で離れようとしました。
そのため、Aさんは警察官から取り押さえられ、公務執行妨害罪の容疑で角田警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
公務執行妨害罪
公務執行妨害罪は、刑法第95条に「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
「職務を執行するに当たり」という表現は、特定の職務の執行が開始されてから終了するまでの時間ですが、職務執行と時間的に密接に関連している行為(制服への着替えなど)を含みます。
この場合の「暴行」は、公務員に対して向けられた物理的な力の行使を意味しています。
しかし、必ずしも公務員の身体に直接加えられる必要まではなく、例えば警察官の乗っているパトカーを叩くなどの行為でも、公務執行妨害罪における暴行になり得ます。
テレビで放映されている刑事ドラマでも、警察官への暴行・脅迫で公務執行妨害罪となるシーンは登場しますが、公務執行妨害罪は公務員が対象であるため、警察官だけが対象という訳ではありません。
例えば、救急活動を行っている最中に患者やその関係者が暴行・脅迫行為を救急隊員に対して行う、市役所や図書館などの公共施設で利用者が暴行・脅迫行為を職員に対して行う、これらの状況も公務執行妨害罪の成立要件を満たします。
逮捕された後の流れ
逮捕されると、警察は取調べをしながら48時間以内に検察官に事件を送致するかを決定します。
そして検察官へ送致されると、検察官は24時間以内に裁判官に勾留請求をするかを決定します。
勾留請求された裁判官が勾留を決定すれば、10日間身体拘束されることになります。
勾留は延長可能であるため、勾留は最大で20日間継続されるため、逮捕されると外部との連絡を制限された状態で取調べを連日受ける状態が、最大23日間続くことになります。
長時間の身体拘束を避けるためには、会社や家庭への影響を主張したり、証拠隠滅や逃亡の危険がないことなどを書面にして提出したりといった身柄解放活動を、弁護士に依頼することが重要です。
早期の釈放が難しい場合でも、弁護士に伝言を頼むことで、家族に会社や学校へ連絡してもらうといったことが可能になります。
そのため参考事件のように公務執行妨害罪で逮捕されてしまった場合、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することをお勧めします。
まずは弁護士事務所へご連絡ください
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所は「0120-631-881」のフリーダイヤルにて、初回無料の法律相談、逮捕中の方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
フリーダイヤルは24時間対応しておりますので、公務執行妨害罪の容疑で逮捕された、またはご家族が逮捕・勾留された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のへ、是非、ご連絡ください。
放火で逮捕、2つの条文を比較
放火で逮捕、2つの条文を比較
非現住建造物等放火罪と現住建造物等放火罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県登米市に住んでいる大学生のAさんは、日頃の生活でストレスを溜めており、イライラしていました。
Aさんはストレスの発散目的で放火を思いつき、木造の建物を見つけて放火しました。
火は家全体に燃え広がり、煙が出ていることに気付いた通行人が、家が燃えていると消防に通報しました。
その後放火の疑いがあると警察が捜査を進め、放火したのはAさんであることを突き止めました。
そしてAさんは、非現住建造物等放火罪で登米警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
非現住建造物等放火罪
刑法第109条には「放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する」と規定されています。
このように非現住建造物等放火罪は、人々が日常生活を営む住居ではない建造物に対して放火をする犯罪です。
この場合の「住居」とは、人が日常的に生活するための場所として使用される建造物を意味します。
一方で、 「建造物」とは、法律上、家屋やその他の建築物を指し、屋根があり、壁や柱によって支持され、土地に固定されている構造物です。
これには、人が出入りすることが可能な空間が含まれますが、必ずしも住居である必要はありません。
「焼損」とは、火が建造物に燃え移り、その一部が独立して燃焼を継続し得る状態に至ることを指します。
単に火をつける行為ではなく、火が建造物の一部を消失させるか、その使用を不可能にする程度の損傷を与えた場合が「焼損」と認定されます。
例えば、建物の壁紙に火が燃え移り、壁の一部が損傷した場合、その建造物は「焼損」したとみなされ、非現住建造物等放火罪が成立する可能性がありますが、火がすぐに消えて建造物にほとんど損害を与えなかった場合は、この条件を満たさないため非現住建造物等放火罪は成立しない可能性が高くなります。
現住建造物等放火罪
人が住居に使用している、または人がいる建造物に放火すると、刑法第108条に定められた現住建造物等放火罪が適用されます。
建造物の場合、放火時に犯人以外の人がいることが必要です。
しかし住居の場合、日常生活のために使用されているのであれば、放火時に人がいなかったとしても現住建造物等放火罪が適用されます。
こちらは放火による直接的な人命の危険性を考慮に入れた条文であるため、その法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」とより厳しく罰せられ、さらに裁判員裁判が開かれます。
どちらにしても放火による罪は非常に重いため、減刑やその他の法的救済を求めるのであれば、早期の段階で弁護士に相談し、弁護活動を依頼することが重要です。
特に裁判員裁判対象事件であれば通常の裁判とは異なる手続きが進められるため、そのような刑事事件の扱いに詳しい弁護士への依頼が望ましいといえます。
放火事件に詳しい弁護士事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」で、初回無料の法律相談、逮捕・勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を、24時間体制で受け付けております。
放火事件を起こしてしまった、非現住建造物等放火罪・現住建造物等放火罪の容疑で家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、是非、ご相談ください。
両者の同意があっても犯罪、未成年者誘拐事件
両者の同意があっても犯罪、未成年者誘拐事件
参考事件
宮城県仙台市に住んでいる大学生のAさんは、インターネット上で知り合った高校生のVさんと会っていました。
夕方になってVさんが「今日は家に帰りたくない」と言ったため、Aさんは「どっか泊まりたいなら家を使うと良い」と言ってVさんを自宅に泊めました。
その日の夜、Vさんの両親はVさんと連絡がつかなくなったことで、警察に相談していました。
その後、仙台北警察署の警察官がAさんの自宅に訪れ、Aさんは未成年者誘拐罪の容疑で現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
未成年者誘拐罪
刑法第224条には「未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。」と定められており、この「誘拐」が未成年者誘拐罪を指しています。
この条文における「誘拐」とは、欺罔、偽計、誘惑、甘言などを用いて未成年者(18歳未満の者を意味します)に誤った判断をさせ、現在置かれている生活環境から離脱させ、自己もしくは第三者の事実的支配下に置くことです。
また、暴行や脅迫等が未成年者の意思を抑制するための手段として用いられると、未成年者略取罪となります。
参考事件は一見すると誘拐には見えませんが、Aさんの自宅へ泊まることを促す発言で、Vさんが誤った判断をしてしまったと考えることができます。
さらに、Vさんの両親はVさんがAさんの自宅に泊まることを知りませんでした。
刑法第224条では親権者の保護監督権も保護すべき法益となっています。
そのため参考事件のように両親の同意がない場合、未成年者の同意があったとしても未成年者誘拐罪は成立してしまいます。
示談交渉の必要性
未成年者誘拐罪で最も重要と言えるのが示談交渉です。
未成年者誘拐罪は親告罪と言って、検察官は被害者側からの告訴がない限り、起訴することができません。
そのため被害者との示談交渉の中で告訴を取り下げてもらうことができれば、必ず不起訴で事件を終わらせることができます。
しかし未成年者が被害者であるため、被害者側は処罰感情が強くなりやすく、加害者が直接示談交渉をしようとしてもかえって事態が拗れてしまうケースもあります。
そのため未成年者誘拐事件の際には、刑事事件の経験と知識が豊富な弁護士に依頼し、示談交渉のサポートを受けることをお勧めします。
刑事事件の経験と知識が豊富な弁護士事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」で、逮捕されている方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービス、初回無料の法律相談をご予約いただけます。
未成年者誘拐事件の当事者となった、未成年者誘拐罪で家族が逮捕されてしまった、こういった事件の際は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご連絡ください。
壁に落書きをして逮捕、壊さずに建造物等損壊罪となるケース
壁に落書きをして逮捕、壊さずに建造物等損壊罪となるケース
建造物等損壊罪と「損壊」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県仙台市に住んでいるAさんは、同市内にあるマンションに来ていました。
Aさんは事前に用意していた落ちにくい黒色の塗料を取り出すと、マンションの壁に塗料で落書きしました。
Aさんはそのまま帰りましたが、マンションの住人が落書きに気付き、マンションの管理人に相談して被害届を提出することになりました。
その後、仙台東警察署の捜査でAさんの身元は特定され、建造物等損壊罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
建造物損壊罪
刑法第260条には「他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。」と定められており、これが建造物等損壊罪(及び同致死傷)の条文です。
この条文の建造物とは、屋根のある壁もしくは柱に支えられて土地に定着している、内部に人が出入りしうる家屋その他これに類似する建造物のことです。
そのため参考事件で被害にあったマンションは「他人の建造物」となります。
損壊についてですが、これは壊すことだけを指すものではありません。
建造物等損壊罪における「損壊」とは「物の効用を害する一切の行為」です。
そのためは破壊、破損させること以外に、心理的に使用できない状態にする、外観や景観を著しく損なわせることも「損壊」となります。
また、損壊の程度は原状回復が容易でない状態である必要があります。
このことからマンションの壁に落ちにくい塗料で落書きする行為は、壁の外観を損なわせ回復が容易でない状態に損壊させる行為となり、Aさんには建造物等損壊罪が適用されました。
示談交渉
参考事件のような建造物等損壊事件ではマンションの持ち主に対する示談交渉が重要になります。
示談交渉を締結させることができれば減軽が望め、執行猶予を取り付けたり不起訴処分を獲得したりできる可能性があります。
そのためには速やかな示談の締結が重要であるため、弁護士に相談し弁護活動を依頼することをお勧めします。
弁護士を通さずに被害者と直接会って示談交渉をする場合、かえってこじれてしまうケースもあるため、的確な対応をとるためには弁護士にアドバイスを受けることが大切です。
また、弁護士を通さなければ示談に応じてもらえないこともあり得るので、刑事事件に詳しい弁護士のサポートが早期の示談締結の鍵になります。
刑事事件の際は当事務所に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談、逮捕・勾留された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約を受け付けております。
建造物等損壊事件を起こしてしまった、またはご家族が建造物等損壊罪で逮捕されてしまった際には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部に、是非、ご連絡ください。
護身用のナイフを携帯 銃刀法違反で在宅捜査
護身用のナイフを携帯していたとして、銃刀法違反で在宅捜査を受けている事件を参考に、銃刀法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県本吉郡に住んでいる無職のAさんは、新聞などで物騒な事件が報道されているために、普段から外出する際に、刃渡り7センチほどのサバイバルナイフを護身用としてカバンに入れて持ち歩いています。
そんなある日、友人と酒を飲んだ帰りに夜道を歩いていたAさんは、パトロールしていた南三陸警察署の警察官に呼び止められ、職務質問を受けました。
そしてカバンの中に入れていた護身用のサバイバルナイフが見つかってしまったのです。
Aさんは警察官に対して、護身用で持ち歩いているナイフだと説明しましたが、警察官から「護身用でも銃刀法違反に抵触する。」と言われて検挙されてしまい、その後は銃刀法違反の容疑で在宅捜査を受けています。
(この参考事件はフィクションです。)
銃刀法違反
Aさんが検挙された銃刀法とは、「鉄砲刀剣類所持等取締法」という法律の略称で、この法律では、銃砲、刀剣類等の所持、使用等に関する危害予防上必要な規制等について定められています。
参考事件の場合、Aさんの違反した銃刀法の条文は以下の通りです。
銃砲刀剣類所持等取締法第22条
何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。
この条文における「携帯」は直接手に持ったり身体に帯びたり、それに近い状態で現に携えている状態を言い、覚醒剤取締法等でいうところの「所持」の概念よりかは範囲が狭まりますが、Aさんのように、カバンの中に入れて持ち運んでいる行為は「携帯」と言えるでしょう。
また「業務」とは、人が職業その他社会生活上の地位に基づいて、継続して行う事務又は事業のことを指します。
そして「正当な理由」とは社会通念上の正当な理由であり、例えば店で購入して自宅に持ち帰る途中や、修理に出すために持ち運んだりすることは、正当な理由と判断されるでしょうが、キャンプで使うからという理由で、常に車に入れていると、キャンプへの行き帰りの道中以外では、正当な理由と判断されない場合があるので注意が必要です。
参考事件でAさんは護身用と説明していますが、残念ながら街中で護身のために刃物を携帯する行為は正当な理由には当たらないと判断される可能性が高いでしょう。
そのため6センチ以上のサバイバルナイフを持ち歩いていたAさんは、銃刀法第22条に違反したことになるでしょう。
また、Aさんに適用される法定刑は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」です(銃刀法第31条の18第2項第2号)。
銃刀法違反の弁護活動
参考事件のように銃刀法違反となってしまった場合に不起訴処分や減刑を獲得するためには、事件を起こしたことを深く反省していること、2度と同じことが起こらないように再発防止に努めていることなどを主張する必要があります。
また起訴を回避したい場合は、検察官が起訴することを決定する前に、弁護活動を始める必要があるため、銃刀法違反事件を起こしてしまった場合は、速やかに刑事事件に詳しい弁護士に相談することが必要です。
刑事事件に詳しい弁護士への相談
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では、初回無料の法律相談、逮捕または勾留されている方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスのご予約を、フリーダイヤル「0120-631-881」で受け付けております。
銃刀法違反事件を起こしてしまった方、またはご家族が銃刀法違反により逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部に、お気軽にご連絡ください。
現住建造物等放火罪で起訴 裁判員裁判に強い弁護士
現住建造物等放火罪で起訴された事件を参考に裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県岩沼市に住んでいる無職のAさんは、1ヶ月ほど前に、焼身自殺しようと企て、自分が住んでいるアパートのカーテンにライターで火を着けましたが、炎が部屋の壁に燃え移り煙が上がったことから、アパートの住民が119番通報し、駆け付けた消防隊員によってAさんは救出されました。
しかし火災はすぐには消火されず、最終的にアパートを半焼してしまい、Aさんは、搬送先の病院で治療を受けた後に、岩沼警察署に現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されました。
そして、20日間の勾留を受けた後に現住建造物等放火罪で起訴されたAさんは、弁護人から、今後の刑事裁判が裁判員裁判となることを聞きました。(この参考事件はフィクションです。)
現住建造物等放火罪
現住建造物等放火罪は、「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と刑法第108条に定められています。
建造物とは、屋根があり壁または柱によって支えられ土地に定着し、その内部に人が出入りし得る家屋、またはこれに類似する建造物と定義されています。
また現に人が住居に使用しているとは、犯人以外の人が起臥寝食の場所として日常使用することを意味し、放火犯人以外の人が日常起臥寝食に使用していれば、放火当時に人が現在していなくても現住建造物等放火罪が成立します。ちなみに現に人がいるとは、犯人以外の人間が建造物内に現存することを意味します。
ちなみに現住建造物等放火罪が既遂に達する「焼損」とは、火が媒介物を離れて、建造物などの一部が独立して燃え続ける状態(独立燃焼説)で、参考事件の場合だと、カーテンに火をつけただけではまだ既遂に達したとはいえず、カーテンにつけた火が、アパートの壁に燃え移って独立しても燃え始めた時点で現住建造物等放火罪の既遂に達します。
裁判員裁判
現住建造物等放火罪の法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」であるため、起訴されると裁判員裁判が開かれます。
裁判員裁判ではランダムで選ばれた一般の国民が、裁判員として裁判に参加します。
一般の方が裁判員となる形式であるため、裁判官、検察官、弁護士は裁判の前に事件の争点を明確にする手続きをとります。
これを公判前整理手続といいます。
また、裁判員裁判では裁判員の選任手続にも弁護士は立ち合います。
これは裁判を公平に行うために裁判員候補者をチェックし、被告人に不利または不公平な裁判をするおそれのある裁判員の選出を阻止するためです。
このように裁判員裁判では通常の裁判とは異なった手続きがとられます。
参考事件のような裁判員裁判の対象となる事件の当事者となった場合、裁判員裁判の経験と知識を備えた弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。
裁判員裁判に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件を専門に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では法律相談を初回であれば無料で申し込むことができます
また、逮捕されてしまった方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスも実施しております。
放火事件を起こしてしまった方、または裁判員裁判の対象となる事件を起こしてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にご相談ください。
「0120-631-881」のフリーダイヤルで、ご連絡をお待ちしております。
中学生を自宅に泊め 未成年者誘拐罪で逮捕
中学生を自宅に泊め 未成年者誘拐罪で逮捕
中学生を自宅に泊めたとして、未成年者誘拐罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県大崎市に住んでいる大学生のAさんは、SNSで知り合った中学生のVさんを自宅に招いていました。
帰りの時間が迫りVさんが帰ろうとすると、Aさんは「今日は家に泊まったらどう」と言って引き留め、Vさんを自宅に泊めました。
しかし、Vさんは両親に泊まることを連絡しなかったため、両親はVさんが帰ってこないことを心配し、警察に捜索願を出したようです。
その後、捜索していた古川警察署の警察官が大崎市内にある駅付近でAさんとVさんを発見し、Aさんを未成年者誘拐罪の容疑で現行犯逮捕しました。
未成年者誘拐罪
刑法第224条では「未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。」と未成年者略取罪と未成年者誘拐罪の二つの罪が定められており、両者を合わせて略取誘拐罪、または拐取罪と言うことがあります。
どちらも、未成年者を現状置かれている生活環境から離脱させ、自己または第三者の事実的支配下に置くことで成立する犯罪ですが、用いられる手段が異なります。
暴行や脅迫等の強制手段を用いるなど人の意思を抑制して行う場合が「略取」で、欺罔・誘惑・甘言など人に誤った判断をさせて行う場合が「誘拐」とされています。
参考事件のAさんの場合は、暴行・脅迫などを用いてVさんの意思を抑制していないので未成年者略取罪となる可能性は低いでしょうが、「今日は家に泊まったらどう」とVさんに言っているので、このAさんの言葉によってVさんが誤った判断をしている可能性があり、未成年者誘拐罪が成立する可能性は高いでしょう。
ちなみに、未成年者略取罪や、未成年者誘拐罪は、拐取された未成年者の自由と共に、親権者の保護監督権を保護法益とした法律です。ですから今回の事件のように、例えVさん(未成年者)の同意があったとしても、親の同意がなければ未成年者略取罪や誘拐罪が成立するので注意が必要です。
未成年者誘拐罪の弁護活動
未成年者誘拐罪は親告罪であるため、被害者側の告訴がなければ検察官は起訴ができません(刑法第229条)。
そのため、未成年者誘拐罪の弁護活動で、重要になるのは被害者側との示談交渉です。
起訴されるまでの示談交渉で、被害者側に告訴を取り下げてもらうことができれば、必ず不起訴処分を獲得できるのですが、未成年者誘拐罪は被害者側の処罰感情が強い傾向にあるため、こういった刑事事件の弁護活動に強い弁護士に示談交渉を任せた方がよいでしょう。
未成年者誘拐罪に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では、初回無料の法律相談や初回接見サービスのご予約を、フリーダイヤル「0120-631-881」にて年中無休、24時間受け付けておりますので、未成年者誘拐事件の当事者となってしまった、またはご家族が未成年者誘拐の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部に、是非、ご連絡ください。
脅迫罪で書類送検(送致)されたら…今後はどうなるの?
もし脅迫事件で書類送検されたら
脅迫事件で書類送検された場合、その後の手続き等について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
刑事事件例
宮城県栗原市に住むAさんは,ネット掲示板において、特定のある芸能人に対して,「硫酸をかけるぞ」などと脅迫する文章を記載しました。
その後,Aさんは警察に「ネット掲示板に脅迫文を書いた件で話を聞きたい」と言われ,取調べを受けました。
数回の取調べを受けた後,Aさんは警察に「警察での取調べはこれで終わり。後は書類送検するから。」と言われました。
警察の取調べだけで終わると勘違いしていたAさんは,今後どうなってしまうのか不安となり,脅迫事件や書類送検についてインターネットで調べています。
(刑事事件例はフィクションです。)
書類送検されたらどうなってしまうのか
書類送検とは,脅迫事件を捜査する担当者が警察官から検察官に代わることをいいます。
書類送検という名前の通り,脅迫事件に関する事件記録「書類」を,警察官から「検」察官に「送」り,脅迫事件の捜査を検察官に引き継いでもらう手続きとなります。
書類送検は,刑事訴訟法において「検察官への事件送致」(刑事訴訟法246条)という名前で規定されています。
今見た通り,書類送検は,それ自体が脅迫事件を起こしたことに対する刑罰ではなく,警察・検察内部の手続きといえます。
ところで,なぜ脅迫事件を捜査する担当者が警察官から検察官に代わるのかというと,脅迫事件の被疑者の方に刑罰を科そうと思ったときには,脅迫事件の被疑者の方を刑事裁判にかけて有罪判決を得なければなりませんが,その刑事裁判にかける権限(起訴権限)を持っているのは検察官だけであるからです。
そして,書類送検がされると,脅迫事件の捜査の担当者が脅迫事件を刑事裁判にかける権限を持っている検察官に代わるわけですから,脅迫事件で刑事裁判にかけられてしまう可能性があるといえます。
書類送検されても,弁護士を雇えば安心
以上のように,書類送検がされると,刑事事件の手続きが一つ進み,脅迫事件で起訴するのか(起訴処分),それとも起訴しないのか(不起訴処分)を決める検察官に捜査担当者が代わることになります。
脅迫事件で起訴されてしまうと,日本の司法制度では高確率で有罪判決が下り,いわゆる前科になってしまいますが,不起訴処分で事件が終われば前科は付かずに済みます。
そのため,この検察官によって行われる脅迫事件に関する捜査,取調べに適切に応じることができるかどうかということがとても重要になります。
しかし,検察官による脅迫事件に関する捜査,取調べにどのように応じればよいのか,不起訴処分にしてもらうにはどのような話をすればよいのか,示談はした方がよいのかなど,刑事事件にあまり接点のない被疑者の方にとっては分からないことがたくさんあると思います。
そんなご不安を取り除くのが弁護士です。
弁護士は,検察官による捜査,取調べが行われる前に,どんなことが聞かれるのか,どう答えればよいのか,自分からはどんな話を積極的にすればよいのかなど,脅迫事件の被疑者の方に詳しく助言し,検察官による捜査,取調べに安心して臨むことができるようにサポートします。
その他にも,示談についてなど,脅迫事件に関するご質問を受けた場合は,丁寧に,かつ,速やかにご回答します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
もし脅迫事件で書類送検されたら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。