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脅迫文を送りつけ逮捕

2019-05-28

脅迫文を送りつけ逮捕

岩手県一関市に住むAさんは、交際相手のBさんに浮気され、別れることになりました。
しかしAさんは、浮気されたことはもちろん、まだBへの好意が消えないという感情の裏返しにより、Bさんへの怒りが日に日に増していきました。
Bさんに直接連絡を取ろうとしたところ、電話やラインなど全てが着信拒否。
さらにBさんが主任を務めるスーパーに直接会いに行きましたが、相手にされませんでした。
怒りが頂点に達したAさんは、
「連絡をよこせ。さもないとお前の身が危ないぞ。店の商品にも針を入れてやるぞ。」
と書いた脅迫文をスーパーに送りつけました。
その後、スーパーから被害届の提出を受けた山形警察署の警察官により、Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)

~強要未遂罪~

今回問題となる犯罪としては、強要(未遂)罪威力業務妨害罪が考えられます。

刑法223条(強要)
第1項
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
第2項
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
第3項
前二項の罪の未遂は、罰する。

Aさんが送った脅迫文のうち、「さもないとお前の身が危ないぞ。」の部分は、223条1項の「生命、身体、自由…に対し害を加える旨を告知して脅迫し」たといいうるでしょう。
そして、「連絡をよこせ。」の部分は、「人に義務のないことを行わせ」ようとしたといえます。
その結果、BさんがやむなくAさんに連絡したのであれば強要罪、連絡しなかったのであれば第3項の強要未遂罪が成立する可能性があります。

~威力業務妨害罪~

脅迫文には、「店の商品にも針を入れてやるぞ。」と書かれていました。
この部分には威力業務妨害罪が成立する可能性があります。

刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第234条(威力業務妨害)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

234条の「威力を用いて」とは、人の意思を制圧するような勢力を示すことを言います。

スーパーは、針の入った商品を売るわけにいきません。
したがって、商品に針を入れるなどと言われると、商品に異常がないかチェックしたり、警備体制を強化するなどの対応をせざるを得なくなる可能性があります。
このような対応は時間や費用がかかるのでやりたくはないけども、せざるを得なくなるという意味において、Aさんは人の意思を制圧するような勢力を示しているといえるわけです。

なお、誰も真に受けないような脅迫文、すなわち、わざわざ対応しないような現実味のない内容の脅迫文であれば、本罪は成立しません。
しかし、判例によれば、実際にスーパー側が上記のような対応をしなかったとしても、対応していてもおかしくなかったといえるような、現実味のある内容の脅迫文だったのであれば、本罪は成立することになります。

~強要・威力業務妨害で逮捕されたら弁護士に相談を~

逮捕されたAさんは、その後の勾留と呼ばれる期間も含め、最大で23日間の身体拘束がされ、取調べ等の捜査を受ける可能性があります。
その後、検察官がAさんを裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り身体拘束が続く可能性があります。

逮捕されると、どのような罪が成立するのか、どれくらい身体拘束が続くのか、どれくらい重い刑罰を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか、などの心配が大きいと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼頂ければ、すみやかに留置されている警察署等に接見に伺い、その後ご家族に接見のご報告を行います。
その際に、上記のような不安・疑問に対する見通しもお答えいたします。

また、仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。

強要強要未遂罪威力業務妨害罪などでご家族が逮捕されたり、ご自身が捜査を受けた場合には、ぜひ一度ご相談ください。
(一関警察署への初回接見費用44,680円)

カッターを振りかざして殺人未遂

2019-05-27

カッターを振りかざして殺人未遂

宮城県村田町に住むAさんはある日、妻のVさんと口論になりました。
最初は口で怒鳴るだけでしたが、怒りが治まらなくなったAさんは、脅すつもりでカッターナイフを持ち出し、Vさんの方に向けて振りかざしたところ、Vさんの肩付近に当たり、全治2週間の切り傷を負わせました。
Vさんの悲鳴を聞いた隣人が駆け付け、救急車と警察を呼び、Aさんは殺人未遂罪の現行犯で大河原警察署逮捕されました。
(フィクションです)

~成立する犯罪は?~

AさんはVさんを脅すつもりでカッターを振りかざしていますが、Vさんを殺すつもりはもちろん、ケガを負わせるつもりもありませんでした。
しかしAさんは殺人未遂罪逮捕されています。
Aさんにはどういった罪が成立するでしょうか。

今回、問題となるのは犯罪は、暴行罪傷害罪殺人未遂罪です。

刑法
第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第199条(殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第203条(未遂罪)
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。

~暴行罪~

まず、Vの近くでカッターを振りかざした時点で、少なくとも暴行罪は成立すると考えられます。
暴行罪における「暴行」とは人に身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
仮にカッターがVに当たらなくても、体の近くで振りかざせばVがケガをしてしまうおそれが出てくるので、人の身体に対する不法な有形力の行使に当たるといえます。
したがって暴行罪が成立するわけです。

~傷害罪~

次に、本件ではVに全治2週間の切り傷を負わせているので、ケガをさせるつもりがなくても傷害罪が成立すると考えられます。

一般に犯罪が成立するためには、故意があること、すなわち、わざとやったことが必要とされえています(刑法38条1項参照)。
しかし、ある犯罪を行うと、より重い犯罪結果が生じる危険が一般的に生じるという関係にある場合に、軽い犯罪を行う故意さえあれば、重い犯罪についても成立する場合があります(「結果的加重犯・けっかてきかちょうはん」と呼ばれます)。

暴行罪を犯すと、相手にケガまでさせてしまう危険も一般的に生じるといえるので、暴行罪傷害罪は結果的加重犯と呼ばれる関係にあります。
したがって軽い方の暴行の故意があれば、重い方の傷害の故意がなくても、傷害罪が成立します。

~殺人未遂罪~

さらに本件では傷害罪にとどまらず、殺人未遂罪まで成立するのでしょうか。
両者の区別は、被疑者の故意の内容によって行います。
つまり、殺すつもりでカッターを振り回したが殺すまでは至らなかった場合が殺人未遂罪、殺すつもりがなかった場合は傷害罪となります。

殺すつもりの有無は、事件当時の被疑者の内心の出来事なので、客観的に判断することができません。
そこで、外部的な状況を総合的に考慮して判断します。
たとえば、使った凶器が殺傷能力の高い大きなナイフであれば、小さなカッターナイフを使った場合よりも、故意があったと判断される確率が高まります。

その他、被害者の人体のうち命にかかわりやすい部分を傷つけたのか(足や腕よりも頭・首・腹などの方が殺すつもりだったと推測しやすい)、傷が深いかどうか(深ければ殺すつもりで強く刺したと推測しやすい)、殺人をするほどの動機があったのか、といった点などが考慮されます。
もちろん、事件後の取調べで被疑者が故意の有無についてどう供述しているのかも考慮されます。

Aさんの場合もこれらの諸事情を考慮して判断されます。

~弁護士に相談を~

殺人未遂罪傷害罪などで逮捕された場合、最終的に何罪で有罪となる可能性があるのか、刑罰の重さはどの程度になりそうか、どのような刑罰を今後どのような手続が進んでいくのか、取調べではどのように受け答えしたらよいのか等々、わからないことが多く不安だと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事弁護を専門とする弁護士事務所です。
逮捕中あるいは勾留中の場合には、ご家族などからご依頼頂ければ、留置されている警察署等に、すみやかに接見に伺います。
また、逮捕勾留されていない場合には、事務所で初回無料の法律相談を受けることもできます。

接見法律相談では上記のような疑問にお答えしますので、ぜひ一度ご相談ください。
(大河原警察署への初回接見費用41,600円)

給料が不満で横領

2019-05-26

給料が不満で横領

宮城県仙台市泉区のとある小さな会社で、会計担当として働いているAさん。
買掛金の支払い、売掛金の請求、帳簿や現金の管理などをほぼ1人で担っていました。
Aさんは日頃から自分の給料に不満を持っており、何度か社長に、
「給料上げてくださいよ~」
などと言っていましたが、取り合ってくれませんでした。
不満が募っていったAさんは、
「社長は細かいところまでチェックしないし、少しズルしてもバレないな」
と考えました。
Aさんは現金を抜き取って自分のものとし、抜き取った金額に合わせて帳簿を操作し帳尻を合わせるといった不正を行うようになりました。
不正を1年ほど繰り返していたところ、社長にバレてしまい、横領罪泉警察署刑事告訴すると言われてしまいました。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)

~業務上横領罪~

Aさんの行為には、業務上横領罪が成立する可能性が高いです。

刑法第253条(業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

Aさんは、会社の会計担当者として、会社の現金をほぼ1人で管理していたので、会社の現金は「業務上自己の占有する他人の物」に当たります。
また、会社の現金を抜き取る行為は、会計担当者としての金銭を適切に管理するという任務に背き、勝手に自分のお金とする意思を表す行為として「横領」に当たります。
したがって業務上横領罪に当たると考えられます。

~刑事告訴とは~

社長はAさんを刑事告訴すると言っています。
刑事告訴とは、犯罪の被害者などが、犯罪事実と犯人を処罰してほしい旨を警察などに申し出ることを言います。
刑事告訴によって犯罪の発生を知った警察などは、必要な捜査を行い、場合によっては被疑者を逮捕するなどの刑事手続を進めていくわけです。

逆に言えば、被害者が刑事告訴しなければ、そもそも警察は犯罪があったことを知ることができず、犯人は処罰されずに前科前歴も付かないこともあります。
被害者の側としても、刑事裁判等に巻き込まれるのは面倒だから弁償さえしてくれればいいと考えるケースもあります。

そこで、被害者と示談を締結してすみやかに被害の弁償ができれば、警察が関与せずに事件を終えることができる場合もあります(もちろん解雇等の処分を受ける可能性はあります)。

~刑事告訴されたら~

刑事告訴されてしまった場合には、警察が捜査を開始することになります。
捜査は被疑者を逮捕して行う場合もありますが、逮捕せずに被疑者を警察に自分で来させて取調べを行う場合もあります。

①逮捕された場合
逮捕とその後の勾留と呼ばれる期間も含め、最大で23日間の身体拘束がされ、取調べ等の捜査を受けます。
そして検察官が、被疑者を刑事裁判にかけるか否か(起訴するか不起訴とするか)の判断をします。
不起訴となれば手続は終了し、釈放され、前科も付かずに済みます。
一方、起訴された場合には刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り身体拘束が続く可能性があります。

②逮捕されていない場合
在宅のまま捜査が続けられ、検察官が起訴・不起訴の判断をし、起訴された場合には刑事裁判がスタートします。
刑事裁判が開かれる日に、自ら裁判所に出向くという形になることが考えられます。

~刑事告訴されそうになったら弁護士に相談を~

前述のように、刑事告訴されないためには、すみやかに被害者と示談締結・被害弁償することが重要です。
また、刑事告訴された場合であっても、示談締結・被害弁償ができれば、不起訴処分執行猶予など、軽い結果で終えられる可能性も上がります。

示談締結の方法など、わからないことが多いと思いますので、ぜひ弁護士に相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
業務上横領罪などで捜査を受ける可能性のある方は、ぜひ0120-631-881までご連絡ください。
(泉警察署までの初回接見費用:34,800円)

見張り役の少年が傷害罪に

2019-05-25

見張り役の少年が傷害罪に

宮城県大崎市に住む高校生のAくん。
やんちゃな性格で、度々けんかをして相手にケガをさせたり、自分もケガをしたりすることがありました。
ある日、いつもつるんでいるグループのリーダー格の少年Bから、「Vをこらしめるから、今日の夜9時に集まれ」と言われました。
集合場所に行き、BやグループメンバーのCと打ち合わせをした結果、Aくんは見張り役をすることになりました。
その後、Vが現れたことから、BとCはVをボコボコにし、傷害を負わせました。
Vが古川警察署に被害届を提出したことから、BとCはもちろん、Aくんも傷害罪の疑いで逮捕されました。

~暴行行為の実行犯には傷害罪の共同正犯が成立~

実際にVに暴行を加えて怪我をさせたBとCには、傷害罪の共同正犯が成立します。

刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第60条(共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

複数の人が共謀の上、その共謀に基づき実行行為をすれば、その人たちは共同正犯(60条)となります。
共同正犯になると、犯行の一部のみを実行した人であっても、他の人が実行した犯行部分についても責任を負います(一部実行・全部責任の原則)。

たとえば、リーダー格のBの暴力によってVが傷害を負ったが、CはVを押しただけでケガはさせていないという場合(つまり、Cの行為だけを見ると暴行罪にとどまる場合)であっても、Cも傷害罪の共同正犯となります。
ただし、犯行内容やグループでの役割に応じて刑罰の重さ(量刑)などに差が出ることはあります。

~見張り役のAくんにも傷害罪の共同正犯が成立?~

Aくんは見張り役をしていただけで、暴行自体には加わっていません。
しかし、Aくんにも傷害罪の共同正犯が成立する可能性はあります。

さきほど、一部実行・全部責任の原則をご紹介しました。
誰からもバレずにVに暴行を加える上で、Aくんの見張りも重要な役割となっている可能性があります。
そうすると、Aくんも今回のVへの傷害事件の犯行を「一部実行」したと判断され、傷害罪の共同正犯が成立し、「全部責任」を負う可能性があるわけです。

もちろん量刑がBやCよりも軽くなる可能性はあります。
また、見張り役の重要性が低かったり、AくんはVへの暴行に乗り気でなく嫌々付いていっただけといった事情がある場合には、傷害罪の幇助犯にとどまり、刑が軽くなる可能性はあります。

刑法第62条
第1項 正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
第2項 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。
第63条 従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

~少年事件のおおまかな流れ~

逮捕されたAくんは20歳未満の少年なので、成人の事件とは異なる手続が進められることになります。

逮捕勾留により最大23日間の身体拘束をされ、その間に取調べなどの捜査を受ける可能性があるのは成人の場合と同じです。
その後、成人の場合は地方裁判所や簡易裁判所で刑事裁判となりますが、少年の場合は家庭裁判所に事件が送致されます。

家庭裁判所では、犯行の内容や少年の性格、生い立ちなどが調査されます。
この調査には、4週間程度、少年を少年鑑別所に収容する観護措置という手続が伴うこともあります。
調査の結果は、家庭裁判所の裁判官と共に少年事件と向き合う家庭裁判所調査官がまとめます。

裁判官は、調査官の意見も参考にしながら、少年審判で少年の処分を決めます。
少年審判の処分内容としては、事件の重大さやご本人の反省度合い、家庭環境等に応じて、少年院児童自立支援施設に入れるといった処分や、保護観察(成人事件における執行猶予に近い)、不処分(無罪判決または不起訴(起訴猶予)に近い)といった処分まで様々考えられます。

もちろん、比較的軽微な事件ではそもそも逮捕されずに、呼び出しに応じて警察・検察の捜査や家庭裁判所の調査を受ける場合もあります。
また、事件の重さやご本人の反省度合いによっては、家庭裁判所の審判が開かれずに終わる(審判不開始)ということもあります(こちらも成人の事件における不起訴(起訴猶予)に近いものといえます)。

~弁護士に相談を~

少年事件逮捕されると、ご本人はとても動揺するでしょうし、ご家族としてもとても心配でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
また、逮捕されている場合にはご家族から依頼頂けば、すみやかにご本人が留置されている警察署等に接見に伺います。

法律相談や接見では、今後の手続の流れや考えられる処分内容についてご説明したり、取調べにどのように受け答えしたらよいのかアドバイスさせていただきます。

その後、正式に弁護活動をご依頼頂いた場合には、少年の身柄が解放されるように、また、軽い処分が下されるように活動致します。

傷害罪の共同正犯などで捜査を受けたら、ぜひ弊所の弁護士にご相談ください。
(古川警察署への初回接見費用:0120-631-881にお問い合わせください)

財布の中身の抜き取りで取調べ

2019-05-24

財布の中身の抜き取りで取調べ

宮城県塩釜市に住むAさん。
ある日、喫茶店のトイレに入ったところ、置き忘れられた財布を発見しました。
「ラッキー」と思ったAさん。
クレジットカードや免許証まで盗むと面倒なことになりそうだと考え、現金のみを抜き取り、そそくさと店を後にしました。
後日、突然警察官がAさんの自宅を訪ねてきました。
「このあいだ、喫茶店でお金を盗みませんでしたか。聞きたいことがあるので署まで同行願えないでしょうか。」
と言われました。
窃盗罪の疑いで塩釜警察署にて任意の取調べを受け、帰宅させられたAさん。
今後どうなってしまうのか不安になり、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

~窃盗罪が成立~

喫茶店のトイレに置き忘れられていた財布またはその中身を盗んだ場合、窃盗罪が成立する可能性が高いです。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

ここで、人のバックの中から物を盗んだのではなく、置き忘れられた物を取ったにすぎないのだから、遺失物横領罪が成立するにとどまるのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。

刑法第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

こちらの方がかなり刑が軽いです。
両者の違いは、他人の占有下にある物を取ったのか、占有下にない物を取ったのかの違いです。
占有というのは、物に対する事実上の支配を指し、物が置かれた状況や持ち主の意思などを考慮して決定されます。
置き忘れられた物であっても、持ち主がまだ近くにいれば持ち主の占有が認められると考えられます。
そうすると、Vさんの占有下にある物を窃取したことは否定しきれず、Aさんには窃盗罪が成立する可能性があります。

また、持ち主が遠く離れた場合であっても、喫茶店の占有下にあると判断される可能性も考えられます。
店舗のトイレは喫茶店が管理している空間なので、そのような空間にある忘れ物も、喫茶店に占有が認められるということです。
現場の状況にもよりますが、道端などの屋外に落とされた物ならいざ知らず、店舗内や電車内などの忘れ物は店舗側や鉄道会社に占有が認められ、窃盗罪となることも多いので、注意が必要です。

~普通はバレない?~

今回のAさんのケースとは異なり、財布ごと盗んで、中に入っていたクレジットカード等を使った場合は、そこから足がついて犯人が割り出されることが考えられます。
一方、今回のように中身だけ盗んだ場合には、実際に犯人が割り出すことが難しいことも多いように思えるかもしれません。

ただ、財布を盗んでトイレの外に出ようとした瞬間に持ち主が戻ってくる可能性もあります。
また、たとえトイレの中で財布やその中身を盗んだ瞬間が防犯カメラに写っていなくても、トイレの入口付近に設置されている防犯カメラを分析し、持ち主がトイレを出た後にトイレに入った人が少なければ、犯人が特定できる可能性もあります。

一方、中身だけ抜かれた旨を被害者が主張しても、元々財布にいくら入っていたのかを証明できず、窃盗被害が立証できないこともあるでしょう。
しかし、直前にATMでお金を下ろしていたことを証明し、財布に同金額以上の現金が入っていたことが推認できたり、現金が一切入っていないこと自体が不自然であるとして、窃盗被害が推認できる場合もあるかもしれません。

どうせバレないと考えて安易に盗んでしまうのはやめた方がいいでしょう。

~窃盗罪で捜査を受けたら弁護士に相談を~

被害金額や前科の有無等にもよりますが、犯行が発覚した場合、Aさんのように逮捕されずに在宅のまま捜査を受ける場合と、逮捕勾留という身体拘束がされてしまう場合があります。

いずれの場合でも、今後どのような手続が続いていくのか、取調べではどのように受け答えしたらよいのか、刑罰はどうなるのか等々、わからないことが多く不安が大きいと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする事務所です。
窃盗罪に関する上記のような不安を含め、刑事事件に関するあらゆる不安を解消できるようアドバイスさせていただきます。

事務所での法律相談は初回無料となっております。
すでに逮捕されている場合も、ご家族などからご依頼いただければ、すみやかに留置されている警察署等に初回接見に伺います。
ぜひ一度、0120-631-881までご相談ください。
(塩釜警察署への初回接見費用38,800円)

障害者割引での不正乗車が発覚

2019-05-23

障害者割引の不正利用が発覚

1年前に他県から宮城県仙台市に引っ越してきた健常者のAさんは、通勤や私用で頻繁に地下鉄を利用していました。
Aさんは引越し前の居住地でも地下鉄をよく利用していました。
その地下鉄は、障害者割引で切符を購入するには障害者手帳を提示しなければなりませんでしたが、仙台市地下鉄の場合には提示しなくても自動券売機で購入できることに気が付きました。
そこでAさんは、健常者であるにもかかわらず障害者割引の切符を購入するようになりました。
ある日、いつものように障害者割引の切符を購入して自動改札を通り抜けたところ、駅員に呼び止められ、「大変お手数ですが、障害者手帳を確認させてもらえませんでしょうか」と言われました。
「すいません、今日は忘れてしまいました」と答えたAさん。
その日は通常料金との差額を払って乗車しました。
しかし、これまでの不正乗車が発覚するのではと不安になったAさんは、弁護士の無料相談を利用してみることにしました。
(フィクションです)

~不正乗車は詐欺罪~

障害者割引の不正利用や、その他のキセル乗車を行うと、246条2項の詐欺罪や246条の2の電子計算機使用詐欺罪が成立する可能性があります。

刑法
第246条
第1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
第246条の2
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
第250条
この章の罪の未遂は、罰する。

自動改札か否か、自動券売機で障害者割引の切符を買う行為とそれを改札に通す行為のどの部分を実行行為と考えるか、といった点により、Aさんの行為が条文のどの部分に該当するのかが変わってくる可能性はあります。
ただ、いずれにしろ10年以下の懲役となる犯罪が成立してしまうでしょう。
また、車両に乗車する前であっても、未遂犯として犯罪が成立する可能性があります。

~不安があれば弁護士に相談を~

交通機関や警察が、Aさんのこれまでの不正乗車を把握できるかどうかはわかりません。
ただ、過去にはキセル乗車逮捕され、有罪となった例はあります。

被害金額等にもよるでしょうが、最悪の場合、逮捕勾留で最大23日間、留置所や拘置所に拘束され、その後も拘束をされながら刑事裁判にかけられ、有罪判決を受けるという可能性も否定はできません。
身体拘束されると仕事や学校に行けなくなり解雇・退学となる可能性もあります。
また、有罪判決を受けると前科が付き、各種資格の欠格事由となったり、就職活動等で不利益が出てくる可能性もあります。

もし心当たりがあり、不安に感じている方がいらっしゃれば、一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。
今後の見通しの説明や、取調べを受ける際のアドバイス等を受けることができます。
その後、契約となった場合には、身体拘束の阻止・解放、不起訴(起訴猶予)処分獲得、刑の軽減、執行猶予獲得等の弁護活動を行います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
刑事事件の経験が豊富な弁護士が揃っています。
事務所での法律相談は初回無料となっております。

障害者割引の不正利用やキセル乗車等で、詐欺罪や電子計算機使用詐欺罪により処罰されないか不安な方は、ぜひ一度ご連絡ください。
(仙台中央警察署までの初回接見費用:34,100円)

暴力団員に債権回収を依頼して逮捕

2019-05-22

暴力団員に債権回収を依頼して逮捕

宮城県涌谷町に住むAさんは、1年前、知人Vさんに20万円を貸しました。
ところがVさんは、返済期限を過ぎても返済してくれませんでした。
AさんはVさんに何度も返済を迫りましたが、返してくれません。
Aさんは、知り合いの暴力団員Bさんに債権回収を依頼しました。
暴力団員Bさんが入ったことにより恐怖を感じたVさんは、交渉の結果、20万円の元本の他、暴力団員Bさんへの報酬としてさらに20万円を支払いました。
その後、その知人は警察に相談。
Bさんは遠田警察署逮捕されました。
(フィクションです)

~弁護士法・刑法違反~

まずは暴力団員Bさんに成立する犯罪を確認しましょう。
Bさんは弁護士や認定司法書士ではないため、他人の法的紛争に介入した時点で弁護士法違反となる可能性があります。

弁護士法
第72条
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

第77条
次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
第1号・第2号 省略
第3号 第七十二条の規定に違反した者

法律家以外の者が紛争に介入すると、介入者が自己の利益を追求し、相手方はもちろん、依頼者にとっても、法外な仲介料を要求されるなど不利益となる可能性があるので、弁護士法で禁止されているのです。

また、BさんがVさんとの交渉の際に暴行・脅迫を用いた場合、強盗罪恐喝罪が成立する可能性もあります。

刑法
第236条1項(強盗)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

第249条第1項(恐喝)
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

~Aさんの行為にも犯罪が成立?~

Aさんは暴力団員Bさんに事件の解決を依頼しました。
その後、Vさんとの交渉にAさんがどの程度関わっていたか、Vさんから余分にとった20万円の一部をAさんも取り分として受け取っているかといった事情によっては、Aさんも弁護士法や刑法違反の共犯(共同正犯・教唆犯・幇助犯)として捜査され、場合によっては逮捕となる可能性もあります。

刑法第60条(共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

第61条(教唆)
第1項 人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
第2項 教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする。

第62条(幇助)
第1項 正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
第2項 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

第63条
従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

大まかにいえば、60条の共同正犯は複数人が共同して犯罪を実行した場合、61条の教唆犯は他人を説得して犯罪をさせた場合、62条の幇助犯は他人の犯罪を手伝った場合です。
一般的には共同正犯が一番罪が重く、幇助犯が一番軽くなります。
ただし、実務上教唆犯や幇助犯となることはあまりなく、大半の場合役割が重要だったなどとして共同正犯として扱われます。
また、Bさんが実際にVさんとの交渉の席についていなくても、関与の程度によっては共犯とされるおそれがあるので注意が必要です。

~弁護士法違反・刑法違反事件では弁護士に相談を~

Bさんは逮捕されており、これから勾留による身柄拘束がされ、10日から数か月に及ぶ長期間の身柄拘束がされるおそれがあります。
また、Aさんもこれから逮捕されるおそれがありますし、逮捕まではされなかったとしても、在宅のまま取調べ等の捜査を受け、刑事裁判にかけられるおそれがあります。

あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
刑事事件に詳しい弁護士が、今後の事件の見通しをご説明したり、取調べを受ける際のアドバイスを差し上げます。
また、正式にご依頼いただければ、身柄解放不起訴処分、軽い判決をいただくためにサポート致します。

弁護士法違反や恐喝罪などの刑法違反で捜査を受けた場合には、ぜひ一度弊所の弁護士にご相談ください。
(遠田警察署への初回接見費用41,500円)

万引き常習犯の量刑

2019-05-21

万引き常習犯の量刑

宮城県栗原市に住むAさんは、万引きの常習犯です。
また万引きをしようと思い、近所にあるスーパーに入店しました。
万引きする商品を物色し、店員の目を気にしながら、自分のカバンに商品を入れました。
「よし、バレてないぞ」
そう思いながら店舗の出入り口から外に出たAさん。
しかし、犯行の様子を見ていた私服警官に声を掛けられ、店舗の事務所に連れていかれました。
(フィクションです)

~万引きで成立する犯罪~

万引きを繰り返す理由としては、本当に食べるものに困って、という場合もあります。
しかし、お金はあるのに万引きをすること自体をやめられないという依存状態に陥っている場合もあります。
これはクレプトマニア(他の名称として窃盗症など)と呼ばれる精神疾患の一つであり、医療的ケアが必要となることもあるでしょう。

万引きで成立が考えられる犯罪は、窃盗罪建造物侵入罪です。

刑法第130条(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第235条(窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪の他に、スーパーという「建造物」に「侵入」したとして、建造物侵入罪が成立する可能性があります。
誰でも入ることができるスーパーに入ったことに対して犯罪が成立するのは違和感があるかもしれません。
建造物侵入罪における「侵入」とは、管理権者の意思に反する立ち入りをいうとされています。
そして万引き目的でスーパーに入ることは、スーパー側からすれば許せないことです。
したがって、管理権者の意思に反する立ち入りに該当し、建造物侵入罪が成立するわけです。

~牽連犯(けんれんぱん)~

建造物侵入罪窃盗罪は、窃盗をするために建造物に侵入するという関係、すなわち手段と目的の関係にあります。
このような関係にある場合、二つの罪は牽連犯と呼ばれ、両者のうち最も重い犯罪の規定に基づいて刑罰が決められます。

刑法第54条1項
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

前述の建造物侵入罪窃盗罪の条文を見比べると、建造物侵入罪3年以下の懲役または10万円以下の罰金とされ、窃盗罪10年以下の懲役または50万円以下の罰金とされているので、窃盗罪の方が重いです。
したがって、窃盗罪の10年以下の懲役または50万円以下の罰金の範囲内で、裁判所が刑罰を決めることになります。

そうなると、建造物侵入罪の成立を認める意味がないと思われるかもしれませんが、建造物侵入罪も成立したことを考慮して刑罰を決めますので、窃盗罪のみの場合よりも重くなることが予想されます。

~併合罪~

さらに、Aさんは万引きの常習犯なので、より重く処罰される可能性があります。

今回の窃盗とは別の機会に行った窃盗についても証拠が揃い、同時に刑事裁判にかけられることになった場合は、複数の窃盗は併合罪(刑法45条以下)と呼ばれる処理がされます。

懲役刑を科す場合、窃盗罪が懲役10年以下ですので、刑法47条の規定により、1.5倍の15年以下の範囲内で懲役が科される可能性があるわけです。
罰金刑を科す場合は、窃盗罪は50万円以下ですので、刑法48条2項により「50万円×起訴された窃盗罪の数」の金額の範囲内で罰金が科される可能性があります。

~再犯加重~

Aさんに前科がある場合は、さらに重く罰せられる可能性があります。

刑法第56条第1項
懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。
第57条
再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。

つまり、前科で実刑判決を受け服役し、出所日から5年以内に再犯した場合、通常の窃盗罪の2倍にあたる20年以下の範囲で懲役を科される可能性があるわけです。

一方、前科の犯罪が執行猶予判決だったのであれば、執行猶予が取り消され、前科の刑罰と今回の窃盗の刑罰の両方が科される可能性があります。

~常習累犯窃盗~

さらに、窃盗で過去10年以内に懲役6か月以上の執行を3回以上受けた者が再び窃盗を行った場合、常習累犯窃盗として、3年以上20年以下の懲役となる可能性があります(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律3条参照)。

前述の再犯加重も20年以下の懲役ですが、「○年以上」といった下限の設定がないので、刑法12条1項により、下限は1か月となります。
これに対し常習累犯窃盗の場合、より悪質性が強いので、下限が3年となるわけです。

~弁護士に相談を~

このように、法律上は万引きでも重い処罰を受ける可能性はあります。
しかし、凶悪犯罪ともいえないので、常習性がどの程度進んでいるかといった事情にもよりますが、不起訴(起訴猶予)や罰金刑で終わる可能性もあります。

弁護士としては、被害店舗に弁償して示談を締結したり、被疑者が反省の態度を示していること、家族の監督が望めること、再犯のおそれが低いことなどを主張し、軽い処分を目指していく弁護活動をしていくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事弁護を専門とする事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
窃盗罪建造物侵入罪で捜査を受けたら、一度弊所の弁護士にご相談ください。
築館警察署までの初回接見費用:43,200円)

自転車で歩行者と接触しケンカ

2019-05-20

自転車で歩行者と接触しケンカ

宮城県大河原町に住むAさんは、歩道を自転車で走行していました。
すると前方に、Aさんと同じ方角に向かって歩いているBさんの背中が見えてきました。
「邪魔だな…ちょっと狭いけどすり抜けてしまおう」と考えたAさん。
Bさんの横をすり抜けようとしましたが、案の定、Bさんに接触。
Bさんは転倒して左手を骨折してしまいました。
ぶつかられたことに腹を立てたBさんは、痛みも忘れて、「あぶねえだろ!」とAさんを怒鳴りつけました。
するとAさんは、「チンタラ歩いて邪魔なんだよ!」と言い返してしまいました。
さらに腹を立てたBさんは、Aさんの顔面を右手で一発殴り、出血や打撲の傷害を負わせました。
AさんとBさんはそれぞれどのような罪に問われるでしょうか。
(フィクションです)

~自転車のAさんの罪~

まず、自転車で歩行者をケガさせてしまったAさんは、過失傷害罪重過失傷害罪に問われる可能性があります。

刑法
第209条1項(過失傷害)
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
第211条(業務上過失致死傷罪・重過失致死傷罪)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

過失傷害罪にとどまるのか、過失の程度が甚だしいとして重過失傷害罪になるかの判別は難しいところです。
ポイントとしては、たとえば接触して傷害を負わせることになることが容易に予測できたか否かが挙げられるでしょう。

また、これとは別に、道路交通法にも違反する可能性があります。
例えば、
①自転車が通行できない歩道を通行していた場合、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金(17条1項、119条1項2の2号参照)、
②自転車が通行できる歩道であっても、徐行や一時停止等をしなかったとして、二万円以下の罰金又は科料(63条の4、121条1項5号参照)、
となる可能性があります。

なお、②自転車が歩道を通行できるのは、道路標識等で通行可能とされている場合、運転者が13歳未満もしくは70歳以上、身体障害者である場合、安全確保のためやむを得ない場合となっています(63条の4第1項、道路交通法施行令26条参照)。

~殴ったBさんの罪~

Bさんは事故の被害者であり、Aさんの態度が悪かったという事情もありますが、殴ってはいけませんでした。
当然ながら傷害罪が成立すると考えられます。

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

もちろん、Aが殴りかかってくるような状況でなければ正当防衛(刑法第36条1項)も成立しません。
正当防衛は、暴行などの侵害が現に存在するか、少なくとも間近に差し迫っていることが要件の一つだと考えられているからです。

~刑事手続~

犯罪をした場合、逮捕勾留といった身体拘束がされることがあります。

ただ、自転車のAさんは、あくまでわざとではなく過失により傷害を負わせてしまったにとどまることから、身体拘束されず在宅のまま捜査される可能性も高いでしょう。
その後、軽微な事件だとして不起訴(起訴猶予)となり刑事裁判を受けずに済めば、罰則を受けなくて済みますし、前科も付きません。
起訴されても罰金刑にとどまる可能性も高いでしょう。

一方、Bさんはわざと殴ってけがをさせていることから、Aさんよりも重い処分となる可能性もあります。
もちろん、事故の被害者であること、Aさんの態度が悪かったことなどを考慮し、Aさんと同じような軽い処分となる可能性もあります。

~弁護士にご相談ください~

このように、犯行の内容の違いの他、前科があるか否かといったことにより、その後の流れが変わってくることになります。

身体拘束されなければ仕事や学校に通い続けることができますし、前科が付くか否かは就職活動や国家資格の取得の可否に関わるなど、その後の人生に大きく影響してきます。

弁護士であれば、事件の見通しをお示ししたり、取調べを受ける際のアドバイスをしたり、軽い処分で済むよう弁護活動をすることができるので、まずは一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事弁護を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
刑法や道路交通法違反で捜査を受けたら、ぜひ0120-631-881までご連絡ください。
(大河原警察署までの初回接見費用:41,600円)

居酒屋の個室で性行為(公然わいせつ罪)

2019-05-19

居酒屋の個室で性行為(公然わいせつ罪)

宮城県名取市に住むAさんは彼女のBさんと居酒屋に行きました。
その居酒屋は各テーブルが個室のような作りになっていますが、見ようとすれば通路から中の様子が見られるようになっていました。
お酒を飲んで酔っ払った二人。
酔った勢いで抱き合ったりしていましたが、歯止めが利かなくなり、性行為までしてしまいました。
その様子を偶然通路から発見した居酒屋の店員は警察に通報。
駆け付けた警察官によって公然わいせつ罪の疑いで事情聴取されることになりました。
(フィクションです)

~公然わいせつ罪~

居酒屋の他、カラオケボックスなどでも性行為をするケースがありますが、公然わいせつ罪が成立する可能性があります。

刑法第174条
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

「公然」とは、不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいいます。
具体的な店内の作りにもよりますが、居酒屋やカラオケ店で通路から個室内が見える状況なのであれば、他のお客さんや店員などの不特定または多数の人が認識できる状態にあるといいうるでしょう。
また、性行為が「わいせつな行為」にあたることは間違いないでしょう。
相手方であるBさんが同意していることは、公然わいせつ罪の成否には関係ありません。

したがって、AさんとBさんは「公然とわいせつな行為をした者」にあたり、公然わいせつ罪が成立する可能性があります。

~今後の刑事手続の流れ~

AさんとBさんの行為は犯罪に当たりうるものですが、凶悪犯罪といったものでもありません。
そこで、警察官から事情聴取されたとしてもその後は帰宅を許され、逮捕勾留といった身柄拘束をせずに在宅のまま手続が進む場合も多いでしょう。

犯行の内容や反省態度、前科の有無などを考慮し、不起訴処分(起訴猶予処分)に終わる可能性もあります。
そうなれば前科が付くことはありません。
一方、不起訴とならなかった場合、懲役刑を受ける可能性もありますが、略式裁判による罰金刑にとどまることも多いようです。

~少年の場合の手続~

AさんやBさんが20歳未満の少年だった場合はどうでしょうか。
居酒屋はともかく、カラオケボックスでの性行為は少年が行う場合も多いでしょう。

少年の場合は、警察官や検察官による捜査がなされることは成人の場合と同じです。
しかしその後、地方裁判所や簡易裁判所ではなく、家庭裁判所に事件が送致されるという違いがあります。

家庭裁判所では、家庭裁判所調査官などが中心となって、事件のことや少年の性格、生い立ち、家庭環境、犯罪傾向が進んでいるかといった調査がなされます。

その調査結果をもとにして、裁判官が軽微な事件と判断すれば、少年審判不開始決定がなされ、手続がすべて終了する可能性もあります(成人における不起訴処分(起訴猶予処分)に近いものです)。
一方、少年審判が開始されることになれば、さらなる調査等を経て、審判がなされることになります(成人の刑事裁判の判決に当たるものです)。

~不安点は弁護士に相談を~

AさんやBさんに成立する公然わいせつ罪も立派な犯罪です。
しかし、大きな損害を被る被害者がいない場合も多く、逮捕勾留されたり、重い処罰を受ける可能性は高くないかもしれません。

しかし事件の後日、警察官や検察官の取調べのために再び警察署や検察庁に呼び出される可能性もあります。
どのような点に気を付けて取調べを受ければいいのか、不安も大きいでしょう。
また、不起訴(起訴猶予)にならなければ、たとえ罰金刑にとどまったとしても、前科が付くことになります。国家資格の取得に制限が出るなど、今後の人生に影響が出て来うるものとなります。

このような様々な不安を解消するために、弁護士に相談してみるのが良いでしょう。
取調べに向けたアドバイスを受けることもできますし、少しでも軽い処分で済むように、弁護活動を受けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門とする弁護士法律相談が初回無料となっております。
公然わいせつ罪などで捜査を受けた場合には、ぜひ一度ご相談ください。
(塩釜警察署までの初回接見費用:38,800円)

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