見張り役の少年が傷害罪に

見張り役の少年が傷害罪に

宮城県大崎市に住む高校生のAくん。
やんちゃな性格で、度々けんかをして相手にケガをさせたり、自分もケガをしたりすることがありました。
ある日、いつもつるんでいるグループのリーダー格の少年Bから、「Vをこらしめるから、今日の夜9時に集まれ」と言われました。
集合場所に行き、BやグループメンバーのCと打ち合わせをした結果、Aくんは見張り役をすることになりました。
その後、Vが現れたことから、BとCはVをボコボコにし、傷害を負わせました。
Vが古川警察署に被害届を提出したことから、BとCはもちろん、Aくんも傷害罪の疑いで逮捕されました。

~暴行行為の実行犯には傷害罪の共同正犯が成立~

実際にVに暴行を加えて怪我をさせたBとCには、傷害罪の共同正犯が成立します。

刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第60条(共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

複数の人が共謀の上、その共謀に基づき実行行為をすれば、その人たちは共同正犯(60条)となります。
共同正犯になると、犯行の一部のみを実行した人であっても、他の人が実行した犯行部分についても責任を負います(一部実行・全部責任の原則)。

たとえば、リーダー格のBの暴力によってVが傷害を負ったが、CはVを押しただけでケガはさせていないという場合(つまり、Cの行為だけを見ると暴行罪にとどまる場合)であっても、Cも傷害罪の共同正犯となります。
ただし、犯行内容やグループでの役割に応じて刑罰の重さ(量刑)などに差が出ることはあります。

~見張り役のAくんにも傷害罪の共同正犯が成立?~

Aくんは見張り役をしていただけで、暴行自体には加わっていません。
しかし、Aくんにも傷害罪の共同正犯が成立する可能性はあります。

さきほど、一部実行・全部責任の原則をご紹介しました。
誰からもバレずにVに暴行を加える上で、Aくんの見張りも重要な役割となっている可能性があります。
そうすると、Aくんも今回のVへの傷害事件の犯行を「一部実行」したと判断され、傷害罪の共同正犯が成立し、「全部責任」を負う可能性があるわけです。

もちろん量刑がBやCよりも軽くなる可能性はあります。
また、見張り役の重要性が低かったり、AくんはVへの暴行に乗り気でなく嫌々付いていっただけといった事情がある場合には、傷害罪の幇助犯にとどまり、刑が軽くなる可能性はあります。

刑法第62条
第1項 正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
第2項 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。
第63条 従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

~少年事件のおおまかな流れ~

逮捕されたAくんは20歳未満の少年なので、成人の事件とは異なる手続が進められることになります。

逮捕勾留により最大23日間の身体拘束をされ、その間に取調べなどの捜査を受ける可能性があるのは成人の場合と同じです。
その後、成人の場合は地方裁判所や簡易裁判所で刑事裁判となりますが、少年の場合は家庭裁判所に事件が送致されます。

家庭裁判所では、犯行の内容や少年の性格、生い立ちなどが調査されます。
この調査には、4週間程度、少年を少年鑑別所に収容する観護措置という手続が伴うこともあります。
調査の結果は、家庭裁判所の裁判官と共に少年事件と向き合う家庭裁判所調査官がまとめます。

裁判官は、調査官の意見も参考にしながら、少年審判で少年の処分を決めます。
少年審判の処分内容としては、事件の重大さやご本人の反省度合い、家庭環境等に応じて、少年院児童自立支援施設に入れるといった処分や、保護観察(成人事件における執行猶予に近い)、不処分(無罪判決または不起訴(起訴猶予)に近い)といった処分まで様々考えられます。

もちろん、比較的軽微な事件ではそもそも逮捕されずに、呼び出しに応じて警察・検察の捜査や家庭裁判所の調査を受ける場合もあります。
また、事件の重さやご本人の反省度合いによっては、家庭裁判所の審判が開かれずに終わる(審判不開始)ということもあります(こちらも成人の事件における不起訴(起訴猶予)に近いものといえます)。

~弁護士に相談を~

少年事件逮捕されると、ご本人はとても動揺するでしょうし、ご家族としてもとても心配でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
また、逮捕されている場合にはご家族から依頼頂けば、すみやかにご本人が留置されている警察署等に接見に伺います。

法律相談や接見では、今後の手続の流れや考えられる処分内容についてご説明したり、取調べにどのように受け答えしたらよいのかアドバイスさせていただきます。

その後、正式に弁護活動をご依頼頂いた場合には、少年の身柄が解放されるように、また、軽い処分が下されるように活動致します。

傷害罪の共同正犯などで捜査を受けたら、ぜひ弊所の弁護士にご相談ください。
(古川警察署への初回接見費用:0120-631-881にお問い合わせください)

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら