服を取り上げて監禁罪

服を取り上げて監禁罪

宮城県美里町に住む20代女性Aさんは、知人女性のVさんとトラブルになっています。
Aさんは、VさんをAさんの自宅に呼びだして、Vさんに服を脱ぐよう脅して裸にさせ、Vさんから服を取り上げて、Aさんの自宅から出て行けないようにしました。
騒音を聞いた近隣住民からの通報により、Aさんは宮城県遠田警察署監禁罪の被疑者として逮捕されてしまいました。
警察から連絡を受けたAさんの両親は、刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼しました。
(フィクションです。)

~監禁罪~

監禁罪は、不法に人を監禁した場合に成立する犯罪です。
監禁罪逮捕罪と同じ刑法220条に規定されており、人の行動の自由を侵害する犯罪です。

刑法220条
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

監禁罪で規定する「監禁」行為とは、人が一定の区域から出る事を不可能若しくは著しく困難にし、その行動の自由を奪い、人の行動の自由を場所的に拘束することを指します。
鍵をかけて部屋に閉じ込める行為が典型的ですが、物理的に部屋に閉じ込めて隔離する行為以外にも,物理的には脱出が容易でも暴行・脅迫や偽計などの心理的な方法によってその場から立ち去ることが著しく困難である場合も含まれます。
具体例としては、暴行・脅迫により畏怖させ脱出の気力を失わせて逃亡しえないようにする行為、入浴中の人の衣服を隠して羞恥心を生じさせて浴室から出られなくする行為、親のところに連れて行ってやるとだまして車に乗せる行為、出口に爆発装置があって逃げ出そうとすると爆発するなどとだまして脱出を妨げる行為などで、監禁罪が成立する可能性があります。

また、監禁する場所は必ずしも区画された場所である必要はありません。
判例では、被害者をバイクの荷台にのせたまま走行を続ける行為について、脱出を著しく困難にするものとして、「監禁」にあたり、監禁罪が成立するとしたケースがあります。

脱出の可否及び困難性は,物理的障害の有無・程度,被害者の年齢・性別・体力・性格・犯人との関係などの事情を考慮して判断されます。

~事例のAさんについて~

監禁罪の成立には、被害者が身体を拘束されて一定の限られた場所から脱出することが不可能、あるいは著しく困難であったことが必要ですが、物理的に脱出を困難にすることだけでなく、心理的に脱出を困難にした場合にも、監禁罪が成立する可能性があります。
Aさんは、Aさんの自宅に女性Vさんを呼び出して、Vさんを裸にして服を取り上げています。
Vさんが羞恥心のためにAさんの自宅から出られなくなった場合、施錠の有無にかかわらず監禁罪が成立すると考えられます。

~監禁罪の弁護活動~

監禁罪は、法定刑が「3月以上7年以下の懲役」と懲役刑しか規定のない、大変重い犯罪です。
監禁罪は、被害者がいる犯罪であるため、被害者への謝罪や示談交渉等が、身柄解放活動や不起訴執行猶予付き判決を目指すために重要となります。
監禁罪は親告罪ではないため、被害者と示談が成立したからといって必ず刑事罰を免れる事ができるというわけではありません。
しかし、検察官が起訴するか否かを判断する上で、被害者の処罰意思は大きく考慮されます。勾留期間中に被害者と示談する事ができれば、不起訴となる可能性を上げることができますし、例え起訴されたとしても、執行猶予付き判決になるなど軽い処分が予想されます。

第三者である弁護士を介することによって,被害者の怒りや不安を和らげて処罰感情を抑えながら,示談交渉をスムーズに進めることができます。
ご家族等が監禁罪逮捕されて被害者への謝罪や示談交渉を希望される方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスをお申込みください。
(宮城県遠田警察署への初回接見費用:43,220円)

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