Archive for the ‘刑事事件’ Category

花火で過失傷害

2019-06-16

花火で過失傷害

仙台市青葉区に住む19歳大学生のAさんとBさん。
サークル棟の部室で酒を飲み、酔った状態で部室のベランダで花火を始めました。
地面に置いて火花を散らせるタイプの花火を、ベランダの柵のヘリ部分に置いて火を付けるなど、危ない使い方をしていたAさんとBさん。
途中で火のついた状態の花火がベランダから落下してしまい、下を歩いていたVさんの頭部にやけどを負わせてしまいました。
救急車やパトカーが駆け付ける騒ぎとなり、AさんとBさんは仙台中央警察署の警察官に取調べを受けました。
彼らはどうなってしまうのでしょうか。

~成立する犯罪~

Aさん・Bさんの行為には過失傷害罪または重過失傷害罪共同正犯が成立する可能性があります。

刑法第209条(過失傷害)
第1項
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
第2項
前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第211条(業務上過失致死傷等)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
第60条(共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

209条が過失傷害罪で、211条の2文目に重過失傷害罪が規定されています。
今回どちらが成立するかは微妙ですが、不安定なところに花火を置いていることから、落下して人にケガを負わせてしまうことも容易に予見できたとして、重過失傷害罪が成立する可能性もあるでしょう。

また、60条の共同正犯が成立すると、他の共犯者が行った行為についても責任を負う可能性が出てきます(一部実行全部責任の原則)。
たとえば、ベランダの柵のヘリに花火を置くという危険な行為をしたのがAさんであっても、BさんもVさんの傷害結果について責任を負う可能性があるということです。

なお、未成年なのに飲酒をしていた点について犯罪は成立しませんが、(重)過失傷害罪を犯してしまった経緯として、裁判官らが悪い方向に考慮する可能性は否定できません。

~少年事件の手続~

AさんとBさんは20歳未満ですので、少年事件の手続がとられることになります。

一般論としては、少年事件の場合も成人事件と同様に逮捕され、まずは最大3日間拘束され、取調べ等の捜査を受ける可能性があります。
その後、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間、勾留と呼ばれる身体拘束期間が続く可能性があります。
勾留の代わりに、少年鑑別所での観護措置が採られ、少年の非行の原因の調査や、更生に向けていかなる措置を採るべきかといった調査がなされることもあります。

その後、家庭裁判所に送られ、家庭裁判所調査官が中心となって、さらに少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査を行います。

なお、逮捕されていない少年や途中で釈放された少年についても、家庭裁判所に出向いて家庭裁判所調査官による面談を受けるなどの調査が行われます。

~少年審判とは?~

調査官等による調査の結果、比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。

そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
審判内容としては、不処分・保護観察・児童自立支援施設送致・少年院送致などが考えられます。

~不安点解消のため弁護士に相談を~

とはいえ、似たような行為をしてしまった場合に、どのような犯罪が成立するのか、どのような手続が進んでいくのか等々、わからない点が多く不安だと思います。

また、被害者の方に損害賠償をして示談締結をすることは、審判不開始になるかといった点に影響する可能性がありますが、実際にいくら賠償すればよいのか、示談交渉をどう行えばよいのかはわかりにくいところかと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっており、上記のような不安点や疑問点に対し、弁護士の見通しをお伝えいたします。

また、正式にご依頼いただければ、被害者の方と示談交渉を行ったり、審判不開始決定や軽い処分がなされるよう家庭裁判所の裁判官に働きかけたりといった活動を行います。

過失傷害、重過失傷害、少年事件などでお困りの方は、ぜひ一度ご相談下さい。

アクセルとブレーキを踏み間違えて事故

2019-06-15

アクセルとブレーキを踏み間違えて事故

宮城県涌谷町に住む80歳のAさん。
買い物などに出かけるときに、自動車の運転をしています。
ある日、自動車で大型ショッピングセンターに出かけ、駐車場に車を止めようとしたところ、アクセルとブレーキを踏み間違えて急加速。
歩いていた買い物客を跳ねてしまい、骨折の重傷を負わせてしまいました。
Aさんはどのような罪に問われるのでしょうか。
(フィクションです)

~自動車運転処罰法違反~

高齢ドライバーによる事故が多く報道されています。
今回の事例のAさんも80歳という設定ではありますが、若いドライバーであっても踏み間違いは起きますので、注意が必要です。

さて、アクセルとブレーキの踏み間違いにより人を死傷させた場合、自動車運転処罰法過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

元々は自動車事故の場合、刑法の業務上過失致死傷罪で処罰されていましたが、世論の流れを受け、独立した法律が制定されました。
法定刑も業務上過失致死傷罪は5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金ですが、自動車運転過失致死傷罪は7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金となっており、重罰化されているといえます。

一方、事故の内容も様々ですので、被害者の傷害の程度が軽いときは、刑を免除することが出来るとされています。
ただ、実際に刑の免除になったケースは少ないようですし、Aさんのケースでは被害者が骨折の重傷を負っているので、刑の免除はされないと思われます。

なお、飲酒運転や意図した暴走行為によって事故を起こし、人を死傷させた場合は、より重い危険運転致死傷罪(2条・3条参照)が成立する可能性があります。

~どの程度の刑罰を受ける?~

条文上は、一番重くて7年の懲役・禁錮一番軽くて罰金(下限1万円)までが科される可能性があります。
この範囲内でどの程度の重さの判決にするか決める際には、事故の直接の原因、日頃の運転の様子(加齢により事故を起こすことが予想されていたかなど)、過去に事故を起こしていたか、被害者の傷害の程度、事故後の運転者の反省態度、被害弁償や示談締結がされたか等々、様々な事情を考慮して決められます。

Aさんのケースでは被害者が死亡していないことなどから、数十万円程度の罰金刑にとどまる可能性も考えられます。

~刑事手続きの流れ~

制度上は、逮捕・勾留により最大23日間の身体拘束がされ、その後に刑事裁判がスタートし、裁判中も保釈が認められない限り身体拘束が続くという可能性があります。

ただ、自動車運転過失致死傷罪はわざと行った犯罪ではなく、一般的には逃亡や証拠隠滅の可能性も低く、罰金刑で終わることも多いことから、逮捕されずに手続が進むことも十分考えられます。

その場合、警察署や検察庁に自宅から出向いて取調べを受け、裁判も自宅から裁判所に行き受けるという流れになります。
また裁判手続きは、事実を認めていれば略式裁判という簡易な手続により、1日で罰金刑の命令を受けて終わる可能性もあります。

~弁護士に相談を~

事故を起こしてけがをさせてしまった場合、どのような犯罪が成立し、その程度の刑罰を受けるのか、どのような手続が進んでいくのか等々、不安が大きいと思います。
また、被害者と示談が成立しているかどうかは、刑事処分にも影響してきうるので重要ですが、被害者にはいくら賠償すればよいのか、示談締結はどのように行えばよいのか等々、わからないことが多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
上記のような不安点に対する見通しをお答えいたします。

また、正式にご依頼いただいた際には、示談交渉を行ったり、検察官に働きかけるなどして軽い処分で終わるよう弁護活動を致します。

自動車事故を起こしてしまったら、ぜひ一度ご相談ください。

酔って公務執行妨害と傷害

2019-06-14

酔って公務執行妨害と傷害

宮城県女川町に住むAさんは、居酒屋で友人と酒を飲んだ後、徒歩で自宅に向かっていました。
しかし泥酔していたAさんの足取りはおぼつかなく、交番の近くを通りかかったところで転倒してしまいました。
その様子に気付いた警察官はAさんに、「大丈夫ですか」と声をかけました。
Aさんは、「大丈夫だ」と言っていますが、立ち上がろうとしてもふらふらでうまく立ち上がれず、とても大丈夫には見えません。
警察官は、「危ないので家まで送りますよ」と言いましたが、Aさんは拒否。
とはいえ放っておくわけにもいかない警察官は、家まで送り届けるのでパトカーに乗るよう説得しました。
しかしAさんは、「警察の世話にはならん!」などと大声で叫びだし、手に負えない状況に。
その後、警察官はAさんを抱きかかえて立ち上がらせようとしました。
するとAさんは、「触るな!」と大声で叫び、警察官の顔面をこぶしで殴打。
現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~公務執行妨害罪・傷害罪~

Aさんが警察官を殴った行為には、公務執行妨害罪傷害罪が成立する可能性があります。

刑法95条1項(公務執行妨害)
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

Aさんに殴られた警察官がケガをしなかった場合は、公務執行妨害罪のみが成立します。
一方、警察官がケガをした場合には、公務執行妨害罪傷害罪の両方が成立します。
ただし、1つの行為で2つの犯罪が成立する場合、最も重い罪で処罰されるので、今回はより重い懲役刑罰金刑が定められている傷害罪で処罰されることになります。

第54条1項
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

~今後の刑事手続~

逮捕されると、最大3日間身体拘束されます。
逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとされれば、さらに勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束が最大20日間続き、その後に刑事裁判がスタートするという流れになる可能性があります。
勾留検察官が請求し、裁判官が許可すれば行われます。

ただ、酔って過ちを犯すことは、犯罪の中では軽い部類に入ることが多いです。
したがって、罪を認めて反省の態度を示せば、警察官の傷害の程度によっては、検察官勾留請求せず、逮捕翌日に釈放されることも考えられます。

しかし、釈放されたとしても、自宅から検察庁に出向いて取調べを受けるなどした後、被疑者刑事裁判にかけるか否かの決定権限を持っている検察官が刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判を受けることになります。
裁判も自宅から裁判所に出向いて受けることになります。

~弁護士に相談を~

逮捕された場合、自分の行為にどんな罪が成立するのか、刑事裁判を受けることになるのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、身体拘束がいつまで続くのか、会社は解雇されるのか等々、不安が大きいと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事弁護を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、留置されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、すでに釈放されている場合には、当事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では上記の不安点に対する見通しなどをご説明いたします。

その後、正式に弁護をご依頼いただいた場合には、検察官勾留請求起訴をしないように、あるいは軽い判決で済むように弁護活動をしてまいります。

公務執行妨害罪傷害罪で逮捕されたら、ぜひ一度ご相談ください。

職場の盗撮で逮捕

2019-06-13

職場の盗撮で逮捕

宮城県登米市に住むAさんは、職場のトイレに小型カメラを設置し、盗撮を繰り返していました。
ある日、トイレを利用した女性が偶然カメラを発見。
登米警察署に被害届を出しました。
捜査の結果、Aさんの犯行であることが発覚。
Aさんは登米警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~迷惑行為防止条例違反~

トイレでの盗撮は、宮城県の迷惑行為防止条例違反となります。

第3条の2第3項
何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。

罰則は以下のようになります。

第16条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第1号 第三条の二第一項(第三号に係る部分に限る。)、第二項又は第三項の規定に違反して撮影した者
第2号 省略
第2項
常習として前項の違反行為をした者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第17条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第1号 第三条の二第一項から第三項までの規定に違反した者(前条第一項第一号の規定に該当する者を除く。)
第2号以下 省略

盗撮を行った場合、16条1項1号により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
また、常習的に盗撮を行っていた場合にはより重く、16条2項により、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
一方、カメラを設置はしたものの、撮影には至らない段階で発見されたといった場合には、17条1項1号により、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

~建造物侵入罪に問われる可能性も~

Aさんの行為には、刑法の建造物侵入罪も成立する可能性があります。

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

Aさんは自分の勤務先のトイレで盗撮しているので、建造物侵入罪が成立するのは不思議な感じもします。
しかし、同罪の「侵入」とは、管理権者の意思に反する立ち入りをいいます。
仕事をする目的だけでなく盗撮の目的をも持って建物に侵入することは、建造物の管理者(建物の所有者など)は許さないと思われます。
したがって、管理権者の意思に反する立ち入りとして「侵入」にあたり、建造物侵入罪が成立しうるわけです。

~弁護士に接見や示談を依頼する~

逮捕されると、最大で23日間の身体拘束がなされ、その後に刑事裁判がスタートし、上述のような刑罰を受ける可能性があります。

しかし、犯行を認めていたり、前科がなかったりといった場合の他、被害者と示談が成立しているといった事情があれば、早期に釈放されたり、罰金刑などの軽い処分ですむ可能性が上がります。

ところが、犯罪被害者と示談交渉をどのように進めていけばよいのかわからない方が多いでしょう。
特に性犯罪では、被害者の方が加害者側と連絡を取ることを嫌がる傾向にあり、示談交渉がうまく進まないおそれがあります。

しかし、弁護士を通してであれば、直接加害者と接触する必要がないことから、被害者が示談に応じてくれる可能性も上がります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご依頼いただければ、示談交渉を進めるなどの弁護活動を行います。

また、その前段階として、ご家族などからご依頼いただければ、留置されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合や、すでに釈放されている場合には、事務所での法律相談を初回無料で受けていただけます。

接見や法律相談では、示談の話の他、今後の刑事手続の詳しい説明や、取調べにどのように受け答えしたらよいかについてのアドバイス、今回どのような処分になる可能性があるかといった見通しを説明させていただきます。

盗撮などで逮捕された、捜査を受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

犯人をかくまって取調べ

2019-06-12

犯人をかくまって取調べ

宮城県大衡村に住むAさん。
東京に出て行った高校時代の友人が突然Aさんの家に来ました。
Aさんが、
「久しぶりだな。どうしたんだ急に。」
と聞くと、
「実は人の家に盗みに入ってな。仲間が捕まったからヤバいと思って逃げてきたんだ」
と言いました。
昔から悪だった友人に呆れつつも、Aさんはしばらく友人を家にいさせることにしました。
しかし1週間ほどして友人がAさんの家にいることが警察に発覚し、友人は逮捕されました。
そしてAさん自身も犯人をかくまっていたとして取調べを受けました。
犯罪になると思っていなかったAさんは不安になり、弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです)

~犯人蔵匿罪~

犯罪をした友人を自宅にいさせたAさん。
犯人をかくまっていたとして、犯人蔵匿罪が成立する可能性があります。

刑法第103条
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

友人が犯したであろう窃盗罪(235条)や住居侵入罪(130条)は、刑罰として懲役と罰金が定められていますので、友人は「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」にあたります。

そして「蔵匿」とは、逮捕を免れるために場所を提供して犯人をかくまうことをいいます。
Aさんは、窃盗をして逮捕を免れるために逃げてきた友人を、Aの自宅という場所を提供してかくまっており、「蔵匿」にあたるでしょう。

したがってAさんの行為には犯人蔵匿罪が成立すると思われます。

~今後の刑事手続きの流れ~

①身体拘束される場合
一般に刑事事件では、被疑者が逮捕され、最大3日間の身体拘束がされる可能性があります。
そして、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間、身体拘束がされる可能性があります。

勾留期間が終わるまでに、検察官は、被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴するか)を判断します。
起訴しないとなれば、刑事裁判を受けることもなく、前科も付かずに事件が終了することになります。
起訴されると刑事裁判を受けることになりますが、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。

②身体拘束されない場合
一方、軽微な事件などでは、身体拘束されずに捜査が続く可能性もあります。
その場合は、明確な期間制限がないので、手続の流れがゆっくりになることが多いです。
警察官や検察官の求めに応じて、取調べを受けるために警察署や検察庁に行くということになります。
取調べ等の捜査が済んだ後、検察官が起訴・不起訴の判断をします。
起訴するという判断をすれば刑事裁判を受けることになりますが、裁判も自宅から裁判所に行って受けるという流れになるでしょう。

~不安点は弁護士に相談を~

Aさんのようなケースでどのような手続になるかはわかりませんが、窃盗自体には全くかかわっていないこと、一方で窃盗犯人とわかっていながらかくまったこと、Aさんが犯行を認め反省しているか、Aさんの前科の有無など様々な事情を考慮した上で、逮捕されるか、勾留請求されるか、起訴されるか、どのような刑罰を受けるかが決まることになります。

ご自身が犯人蔵匿罪を犯してしまった場合には、今後どのようになってしまうのか不安なことでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
また、すでに逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、身体拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。

その後、正式にご依頼いただければ、逮捕・勾留・起訴を避けられるよう、あるいは起訴されても罰金や執行猶予など軽い判決で済むよう、弁護活動を行います。

犯人蔵匿罪などで捜査を受けた方はぜひ一度ご相談ください。

傷害事件での正当防衛

2019-06-11

傷害事件での正当防衛

Aさんは宮城県気仙沼市内で車を運転中、後方から来たVさんにあおり運転をされました。
「何だアイツ…」
頭にきたAさんは車を止め、後ろに停車したVさんに文句を言いに行きました。
すると車を降りてきたVさんと口論になり、カッとなったVさんから殴られました。
この時点でAさんが負った傷は打撲程度でしたが、Vさんはなおも追撃しようとしています。
「このままではやられてしまう。」
そう考えたAさんはVさんが動けなくなるまで反撃し、Vさんに骨折の重傷を負わせました。
Aさんは駆け付けた気仙沼警察署の警察官により傷害罪逮捕されました。
(フィクションです)

~傷害罪~

AさんがVさんを骨折させた行為は、それを単独で見ると、「人の身体を傷害した」 (刑法204条)ものとして、傷害罪が成立しそうです。
傷害罪が成立すると「十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」(同条)に処せられてしまう可能性があります。
しかしAさんの行為はVさんの殴り掛かってきた行為に触発されたものです。そこで正当防衛は成立しないのでしょうか。

~正当防衛~

正当防衛が成立するためには、

①急迫不正の侵害に対して
②自己又は他人の権利を防衛するため
③やむを得ずにした行為

に当たる必要があります(刑法36条1項)。

①急迫不正の侵害については、Vさんが殴り掛かってきているので認められると思われます。
ただしAさんが、自分の身を守る目的ではなく、この機会に乗じてVさんを痛めつける目的のみで反撃したといった場合には、急迫不正の侵害が認められません。

②自己又は他人の権利を防衛するためについては、Aさんが「このままではやられてしまう。」と考えて反撃していることから、自己の権利を守るために反撃したものと認められる可能性が高いです。

③やむを得ずにした行為については、(1)防衛行為に出る必要性(2)防衛行為の相当性が認められるかがポイントになります。

(1)防衛行為に出る必要性については、例えば容易に助けを呼べる状況にあったり、逃げ出すことが出来る状況にあれば認められる可能性が低くなります。Aさんもケースでもそのような事情があれば防衛行為の必要性が認められる可能性が低くなります。
「けんかで逃げ出すなんてプライドが許さない」と思っても、むやみに反撃に及ばない方が良いでしょう。

(2)防衛行為の相当性については、反撃の方法や量が問題となります。
反撃の方法については、例えば相手が素手で攻撃してきたのに対しナイフなどの武器を用いて反撃した場合に相当性が否定されやすくなります。
自分が負った傷害よりも重い傷害を相手に与えたとしても、ただちに相当性が否定されるわけではありません。
Aさんの場合も相手により重い傷害を与えていますが、反撃方法は素手なので、ナイフで反撃した場合などに比べると有利だと考えられます。
ただし、AさんがVさんよりも体力面で大きく勝る場合などには、素手での反撃でも相当性が否定される可能性はあります。

反撃の量については、Aさんの反撃によってVさんが攻撃不可能になっているにもかかわらず、さらに反撃を続けていた場合には、反撃の量が多すぎるとして相当性が認められない可能性があります。

以上のような検討をした結果、正当防衛の成立が認められればAさんは無罪となります。
一方、正当防衛が認められなかった場合は傷害罪が成立します。
しかし緊迫した場面ではついついやりすぎてしまうということも理解できるため、過剰防衛(刑法36条2項)として、懲役や罰金が軽くなったり、免除される可能性があります。
また、今回のケースはVのあおり運転が根本的な原因なので、この点もAに課せられる刑罰の重さを判断するうえで有利に働くかもしれません。

~弁護士に相談を~

このように傷害罪正当防衛を主張して無罪を勝ち取る、または過剰防衛として刑罰を軽くするためには様々な点を考慮する必要があります。
起訴を免れたり、起訴されたとしても有利な判決が得られる可能性が上げるためにも、刑事事件に強い弁護士に相談することをおすすめ致します。
刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は初回相談無料ですので、ぜひ一度ご相談ください。

賭けマージャンで逮捕

2019-06-10

賭けマージャンで逮捕

仙台市宮城野区に住むAさん。
昔からギャンブル好きで、パチンコ、競馬、競輪、競艇など、様々な賭け事に興じてきました。
これら適法な賭け事にとどまればよかったものの、1年ほど前から賭けマージャンを始め、1回で数万円から10万円程度の金銭が動くこともありました。
賭けマージャン仲間が別の犯罪で逮捕されたことをきっかけとして、賭けマージャンにAさんもかかわっていることが警察に発覚。
Aさんは仙台東警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~賭け事に成立する犯罪~

賭けマージャンをしたAさんには、賭博罪、あるいは常習賭博罪が成立する可能性があります。

刑法第185条
賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。
第186条1項
常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
第2項
賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

賭けマージャンを1回しただけ、あるいはごくたまに、何度かやったことがある程度であれば、185条の賭博罪で済む可能性があります。
しかし、繰り返し行っているような状況だと、186条1項の常習賭博罪が成立し、懲役刑になる可能性も出てきます。

なお、185条にあるように、「一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるとき」に犯罪は成立しません。
たとえば常識的な金額の範囲内のご飯代をかけるといった程度であれば、賭博罪や常習賭博罪は成立しないでしょう。
しかし、Aさんのように何万円も賭けると、賭博罪や常習賭博罪が成立する可能性が高いです。

~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~

逮捕されたAさんは、まずは最大3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされます。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続きます。
そして判決が確定すれば、刑罰を受けることになります。

これらの手続に関し弁護士は、以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことによる本人や家族などの不利益を具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。
それでも勾留されてしまった場合には、準抗告という不服申し立て続きを行って、釈放を目指すこともあります。

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
そこで、本人が反省していること、会社を解雇され社会的制裁を受けていることや前科がないことなど有利な事情を出来る限り主張して、不起訴処分にするよう検察官にお願いしていきます。

起訴されてしまった場合には、釈放を目指して保釈申請を行います。
そして、裁判においても、本人に有利な事情を主張し、執行猶予などの軽い判決で済むよう弁護していきます。

~ぜひ弁護士に相談を~

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、身体拘束されていない場合は、事務所での法律相談を初回無料で行っております。

接見や法律相談では、今後の刑事手続の見通しや、取調べでの受け答えの仕方のアドバイスなどを致します。
賭博罪や常習賭博罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひご相談ください。

盗品をもらい自首

2019-06-09

盗品をもらい自首

岩手県奥州市に住むAさんは、高校時代の暴走族仲間であるBさんの家で酒を飲んでいました。
現在、Aさんは会社員として働いていますが、Bさんは暴力団事務所に出入りしています。
Bさんは話の流れで、「こないだ盗みに入ってな。これ盗ってきたんだ。お前には昔から世話になってるからやるよ」と言い、民家から盗んできた貴金属の中の一つをAさんに差し出しました。
Aさんは、「自分が盗ってきたわけじゃないし」という軽い気持ちで、その貴金属をもらって帰りました。
後日、Bさんが窃盗逮捕されたことを聞き、急に不安になったAさん。
弁護士の無料相談を利用してみることにしました。
(フィクションです)

~Aさん・Bさんに成立する犯罪~

まず、Bさんには住居侵入罪窃盗罪が成立するでしょう。

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一方、窃盗によって盗まれた品をもらったAさんにも、盗品無償譲受罪が成立します。

第256条1項
盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
第2項
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

第256条1項に盗品無償譲受罪が規定されています。
自分が盗んだ物ではなくても、それを譲り受けることは犯罪になるわけです。

また、仮にAさんがBさんに貴金属の対価となる金銭などを支払っていた場合には、より重い刑罰が定められている第2項の盗品有償譲受罪が成立します。
有償で譲り受ける方が、Aさんにとって金銭的メリットが少ないので、悪質性が低いとも思えます。
しかし、お金を払って盗品を買ってくれる人がいると、窃盗などの犯罪を助長する結果となりうるため、より重く罰することとして犯罪を防ごうとしているわけです。

なお、Aさんは、「自分が盗ってきたわけじゃないし」という軽い気持ちで盗品を譲り受けており、これが犯罪になることを知らなかった可能性があります。
しかし、盗品であることを知っていた以上、法律を知らなかったとしても、犯罪が成立することに変わりはありません(刑罰が軽くなる可能性はあります)。

第38条1項
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。(以下略)
第3項
法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

~自首を検討~

逮捕されたBさんは、警察官や検察官の取調べを受けることになります。
その際、盗んだ品の行先も聞かれるでしょう。
もしBさんが、Aさんに譲ったことを供述すれば、Aさんも捜査対象になり、逮捕される可能性も出てきます。
もしかすると、Aさんは盗品を譲られただけにとどまらず、住居侵入窃盗共犯であるとの疑いをかけられてしまう可能性も否定できません。

Aさんのように盗品を譲り受けてしまったら、すみやかに被害者への盗品の返還や自首を検討すべきです。
Aさんの関与が警察に発覚する前に自首すれば、刑が軽くなる可能性も出てきます。

第42条1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

~弁護士に相談を~

色々ご説明しましたが、まだまだわからないことが多いかと思いますので、ぜひ一度弁護士に相談することをおすすめします。

あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
仮にすでに逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。

どのような犯罪が成立するか、逮捕されてしまうのか、窃盗共犯者としては処罰されないよう取調べではどのように受け答えすればよいのか、どのくらいの刑罰を受けることになる可能性があるか、自首や被害者への盗品の返還はどう行えばよいのかといった疑問に対し、弁護士としての見通しの説明や、アドバイスをいたします。

盗品無償譲受をしてしまったら、ぜひご相談ください。

元本保証して出資金を集め逮捕

2019-06-08

元本保証して出資金を集め逮捕

仙台市太白区に住むAさんは、IT関連のベンチャー企業の社長を名乗る30代男性。
ある目ぼしい投資案件を見つけたので投資したいと思いましたが、資金が足りません。
そこで、知人やその紹介者など多くの人に声をかけ、出資をお願いしました。
Aさんは、出資をお願いする際、元本保証、高配当をうたって言葉巧みに相手をその気にさせ、多くの資金を集めていきました。
集めた資金を使って投資をしていたAさん。
最初はうまくいき、約束した配当も支払えていましたが、そのうち大きな損失を出すようになりました。
新たな出資者を募って得た資金で、既存の出資者への配当を支払うなど、自転車操業に陥っていました。
結局、配当が支払えなくなったことから、出資者たちが警察に被害届を出し、Aさんは仙台南警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~出資法違反~

出資法では、出資を募る際、元本保証をすること自体を禁じています。

出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律
第1条
何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。

元本保証をうたって出資金を集めた時点で、その後約束通りの配当を支払っているか否かに関係なく、出資法1条違反になるわけです。
元本保証をしている時点で違法なわけですから、もしこのような勧誘をされた場合には、投資はしないという判断をすべきです。

元本保証して出資金を集めた場合の罰則は以下のようになっています。

第8条3項
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第1号
第一条、第二条第一項、第三条又は第四条第一項若しくは第二項の規定に違反した者

3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの両方が科される可能性があります。
なお、法人の代表者や従業員等が元本保証をして資金を集めた場合、法人等も300万円以下の罰金に処せられる可能性があります(9条1項3号)。

~詐欺罪も成立する可能性~

出資法違反の他、元本返金や配当を約束通りに出来ないとわかっていながら出資金を集めたような場合には、刑法の詐欺罪が成立する可能性もあります。

刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

~早い段階で弁護士に相談を~

犯罪をしてしまった場合、被害者に対し弁償をすることにより、必ずではありませんが、刑罰が軽くなったり、執行猶予となったり、起訴猶予となる可能性が上がります。
しかし、このような投資絡みのケースでは、約束通りの配当が支払われている段階では被害届が出されないため、事件が明るみになった段階では弁償する資金がない場合も多いようです。

そこで、心当たりのある方は、出来るだけ早く弁護士に相談されることをお勧めします。
また、すでに弁償できなくなり、事件化が避けられない状況となっていても、可能な範囲で処分・判決が軽くなるよう弁護活動をします。

さらに、取調べの受け答えの仕方、今後の刑事手続の流れ、成立する犯罪や刑罰の重さなど、不安点を解消するために弁護士による接見法律相談を受けるだけでも意味はあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、留置されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、まだ逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で受けていただけます。
ぜひ一度ご連絡ください。

買春で会社員が取調べ

2019-06-07

買春で会社員が取調べ

仙台市泉区に住む会社員のAさん。
SNSで知り合った女性と性行為をするために会いました。
SNSに書かれたプロフィールでは、女性は成人しているはずでしたが、会ってみるとやや顔が幼いようにも感じたAさん。
年齢を確認したところ、女性は18歳と答えました。
安心したAさんは女性に口淫(フェラチオ)をしてもらいました
後日、Aさんの下に泉警察署から連絡があり、児童買春のことで話を聞きたいと言われました。
どうやら女性は17歳だったようです。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)

~児童買春の罰則~

売春防止法により相手が何歳であっても売買春は禁止されています。

売春防止法第3条
何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。

ただし、この法律で禁止されているのは性交だけですし、そもそも売買春について罰則規定はありません。
しかし、18歳未満の者との買春は児童ポルノ規制法に罰則規定がある上、規制の対象は性交のみに限られません。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第2条
第1項
この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
第2項
この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
1号 児童
2号 児童に対する性交等の周旋をした者
3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
第4条
児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

性交に限らず、2条2項に記載されている性行為であれば、児童買春として処罰の対象となります。
Aさんのケースの口淫(フェラチオ)も、「児童に自己の性器等を触らせること」に該当します。
なお、2条2項2号・3号にあるように、買春の対価を児童本人ではなく、買春を周旋(斡旋)した者や、児童の保護者等に支払った場合も処罰の対象です。

罰則は4条にあるように5年以下の懲役または300万円以下の罰金ですので、Aさんもこれらの処罰を受ける可能性が出てきます。

~18歳未満と知らなかったのに処罰される?~

過失犯処罰がある場合を除き、犯罪は故意がなければ成立しません。

刑法38条1項
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

故意(上記条文の「罪を犯す意思」)とは、簡単に言うと「わざとやった」ということです。
ただし、もしかしたら犯罪に該当するかも、という程度でも故意があるものと扱われます(未必の故意があると言います)。

Aさんの場合、女性に対し年齢を確認し、18歳との回答を得ているので、まったく何も確認しなかった場合に比べれば、故意がないとして犯罪が成立しない可能性は高くなるでしょう。
しかし、女性が嘘をつくことも当然予想できますので、上記確認をしたからといって、ただちに故意がないということにはならないので注意が必要です。

~弁護士に相談を~

児童買春は、児童が積極的に被害を警察に申し出るということは少ないでしょう。
しかし、警察が買春に関するSNSの書き込みをサイバーパトロールにより探し出して事件が発覚したり、児童が他の買春等の事件で携帯電話を警察に押収されて内容を確認された結果発覚したり、児童の保護者が被害を警察に申出て発覚するといったことが考えられるでしょう。

Aさんのケースは既に警察に発覚していますが、現状発覚していない、あるいは発覚しているのかわからないケースもあり、今後処罰されるのか、されるとしたらどの程度の懲役・罰金になるのか、執行猶予が付くのか、逮捕されてしまうのか等々、不安点が多いかもしれません。

あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっており、上記のような不安点に対する見通しをお答えいたします。

買春を相手が18歳未満だったかもしれない、児童買春で捜査を受けた、といった方はぜひ一度ご相談ください。

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