Archive for the ‘刑事事件’ Category

公務執行妨害罪で逮捕

2019-07-05

公務執行妨害罪で逮捕

宮城県亘理町に住むAさん。
町内の道路を走行中、スピード違反をしたとして、亘理警察署の警察官に停車させられました。
たしかに制限速度はオーバーしていましたが、わずかなオーバーにすぎず、多くの車がこの程度のスピードは出しているので、切符を切られることに不満を感じたAさん。
「点数稼ぎのためにやってんのか」
と文句を言いましたが、相手にされませんでした。
警察官の態度に腹を立てたAさんは、パトカーを蹴りつけてしまい、公務執行妨害罪現行犯逮捕されました。
(フィクションです)

~パトカーを蹴っても「暴行」~

Aさんがパトカーを蹴った行為には、公務執行妨害罪が成立する可能性があります。

刑法95条1項
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

「暴行」というと、人に対して行う場合をいうのではないかと思われるかもしれません。
しかし、公務執行妨害罪における「暴行」とは、公務員の体に直接なされたものの他、物に対してなされたものであっても、公務員に物理的・心理的に影響を与えるようなものも含まれます。

パトカーを蹴りつける行為は、公務員に対し恐怖心を与え、スムーズな公務の執行を妨害しうるものです。
したがって少なくとも公務員に対し心理的に影響を与えるものとして、公務執行妨害罪の「暴行」に該当しうるといえます。

また、パトカーが破損していれば、器物損壊罪も成立します。

第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

なお、両方の罪が成立する場合、重い方の公務執行妨害罪で定められている範囲内で、刑罰が決まることになるでしょう(刑法54条1項参照)。

~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束されます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

なお、途中で釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて刑事裁判を受けるという流れになるでしょう。

これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことにより本人や家族の社会生活に過度の不利益が生じることなどを具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
また、検察官が起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴を選ぶ場合もあります。
そこで、ケガ人もおらず悪質性の低い犯行であること、反省していること、前科がないことなど、ご本人に有利な事情を出来る限り主張して、不起訴処分や略式起訴にするよう検察官に要請していきます。

~弁護士にご相談を~

突然逮捕されるとご本人やご家族は、どんな罪が成立するのか、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、既に釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料で受けていただけます。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

公務執行妨害罪器物損壊罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

大麻で逮捕

2019-07-04

大麻で逮捕

仙台市宮城野区に住むAさん。
数年前に友人から大麻をもらって使用したのがきっかけで、大麻を日常的に使用するようになりました。
ある時、大麻を使用後に自動車を運転していましたが、大麻の影響で蛇行運転となり、警察官に止められました。
Aさんの目がうつろであるなど薬物の使用を疑われる状態。
警察官が薬物使用の有無を問いただしたところ、観念したAさんは、隠し持っていた大麻をポケットから出し、大麻所持で現行犯逮捕されました。

~大麻所持で成立しうる犯罪~

大麻が合法な国もあり、日本でも合法化しようと主張している人もいます。
しかし現状、大麻所持は違法です。
大麻を所持した場合、大麻取締法違反となります。

大麻取締法第24条の2第1項
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。

また、Aさんは大麻を使用した状態で自動車を蛇行運転していました。
薬物の影響で正常な運転が困難となり、事故を起こして人を死傷させた場合、危険運転致死傷罪という大変重い罪に問われる可能性もあります。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
第1号
アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
第3条1項
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。

事故の被害者はもちろん、加害者である大麻の使用者も重い罰則が適用され、人生が大きく変わってしまいかねないのです。

~刑事手続きの流れと弁護士の活動~

逮捕されたAさんは、最大23日間、警察署等で身体拘束される可能性があります。
その後、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

弁護士は、ご本人に有利な事情を出来る限り主張し、保釈請求をするなどして釈放を目指したり、執行猶予を求めるなどの弁護活動を行います。
ご本人に有利な事情としては、初犯であることや、家族の監督が期待できること、薬物を売る人と連絡を取れないようにしておくこと、再犯しないよう病院の治療・カウンセリングに通いはじめる、あるいは釈放後すぐに通う準備をしておくことなどがあげられます。

ご本人も、本当はもう使いたくないと考えているケースが多いですが、二度と使わないと決意しただけで再犯を防ぐことは難しいのが薬物犯罪です。
単に今回の裁判で判決を軽くするためだけではなく、再犯防止のためにも、これらの方法を尽くすことは重要です。

~弁護士にご相談を~

逮捕されるとご本人やご家族は、どんな罪が成立するのか、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、事務所での法律相談は初回無料で行っておりますので、まだ逮捕されていないが今後逮捕されないか心配という方はこちらをご利用ください。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

大麻所持などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

特殊詐欺で弁護士に相談

2019-07-03

特殊詐欺で弁護士に相談

宮城県名取市に住むAさん。
ある日、友人からラインで、
「ちょっと仕事手伝わないか」
と連絡が来ました。
話を聞いてみると、特殊詐欺出し子の仕事のようでした。
「これはヤバイやつかな」とは思いつつ、お金のなかったAさんはやってみることにしました。
そして何件かの特殊詐欺に出し子としてかかわったAさんでしたが、バレて逮捕されるのではないかと不安になり、弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです)

~特殊詐欺で成立する犯罪~

オレオレ詐欺や還付金詐欺など、電話等で高齢者などに連絡をしてお金をだまし取るような詐欺を特殊詐欺といいます。
出し子とは、被害者に振込ませたお金を口座から下ろしてくる仕事をいいます。
仕事内容は簡単ですが、防犯カメラに顔が残るなどリスクも高く、主犯格の人物が他人にやらせることも多いようです。

出し子の仕事をすると窃盗罪が成立する可能性があります。

刑法第235条(窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

Aさんが行ったのは出し子の仕事であり、電話などで被害者をだます行為はしていません。
そこで、銀行が占有しているATM内の現金を不正に自分の占有下に移したとして、窃盗罪に問われる可能性があるわけです。

また、Aさんが単に指示されて受け子を行っただけではなく、特殊詐欺全体について共犯者と相談し偶然今回は受け子をするにとどまったというような、より積極的な関与をしていた場合には、詐欺罪の共同正犯となる可能性もあります。

第246条1項(詐欺)
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第60条(共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

窃盗罪と比べると、懲役は10年以下という部分は同じですが、罰金刑で終わる可能性がなくなります。

~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~

仮にAさんが逮捕されると、まずは最大3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。
そして裁判で無罪執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことによる本人や家族などの不利益を具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
また窃盗罪の場合、検察官が起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴を選ぶ場合もあります。
そこで、被害者に賠償をして示談を成立させたり、主犯格ではなかったなど有利な事情があれば出来る限り主張して、不起訴処分や略式起訴にするよう検察官に要請していきます。

そして起訴された場合も、本人に有利な事情を主張し、罰金執行猶予などの軽い判決で済むよう弁護していきます。

~弁護士に接見の依頼を~

逮捕されるとご本人やご家族は、どんな罪が成立するのか、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合は、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

特殊詐欺などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひご相談ください。

飲酒ひき逃げで逮捕

2019-07-02

飲酒ひき逃げで逮捕

宮城県富谷市に住むAさんは、居酒屋で酒を飲んだ後、自ら自動車を運転して自宅に向かっていました。
相当酔っていたAさんは、前を走っていたVさんの自動車に追突。
しかし飲酒運転がバレることが怖くなったAさんは、そのまま走り去ってしまいました。
この事故でVさんはむち打ちのケガを負いました。
被害者がAさんの自動車のナンバーを覚えていたことから、Aさんの犯行と発覚。
Aさんは大和警察署の警察官により逮捕されました。
(フィクションです)

~多くの犯罪が成立~

自動車同士の事故でも、ケガをした相手を置いて逃げた場合には救護義務違反、いわゆるひき逃げとなり、免許取消しは免れません。
また、飲酒により正常な運転が困難な状態で人身事故を起こして逃走した場合、以下のように多くの犯罪が成立する可能性があります。

①自動車運転処罰法3条1項の危険運転致死傷罪
 →被害者負傷12年以下の懲役、被害者死亡15年以下の懲役
②自動車運転処罰法2条1号の危険運転致死傷罪
→被害者負傷15年以下の懲役、被害者死亡1年以上20年以下の懲役
③過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱(自動車運転処罰法4条)
→12年以下の懲役
④救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条2項)
→10年以下の懲役または100万円以下の罰金
⑤報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
→3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

まずは①または②のどちらかが成立する可能性があります。
①は正常な運転に支障が生じるおそれがあるにとどまる状態で運転をはじめ、やがて正常な運転が困難な状態に陥って人身事故を起こした場合です。
②は最初から正常な運転が困難な状態で運転して人身事故を起こした場合です。
②の方が刑罰が重くなっています。

③は、飲酒運転で人身事故を起こしたが、飲酒運転だったことの発覚を防ぐため逃走し、アルコールが抜けるのを待つといった行為をした場合に成立します。
このような逃走を行った場合に、アルコールの影響が裁判で立証できないからと言って、より軽い自動車運転過失致死傷罪(7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金)でしか処罰できないのは不合理であることから、③の罪が定められています。

加えて、被害者を助けずに逃げた行為については④救護義務違反となります。
さらに、事故を警察に報告しなかったことから⑤報告義務違反にもなります。

~刑事手続きの流れ~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大で20日間の身体拘束がされます。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続きます。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

~弁護士に相談を~

飲酒運転で人身事故を起こした場合、どのような罪が成立するのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

飲酒運転で逮捕された、捜査を受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

下着泥棒が逮捕

2019-06-30

下着泥棒が逮捕

岩手県一関市に住むAさん。
自宅近くのアパートに住む女性の部屋に忍び込み、下着泥棒をしました。
被害者が一関警察署に被害届を提出し、捜査を開始。
同じアパートに住む別の住民が犯人らしき人を見ていたことや、近隣の防犯カメラの映像等から、Aさんの犯行が発覚。
Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)

~Aさんに成立する犯罪~

Aさんの行ったような下着泥棒は、悪いことだとはわかっていても、やめられないという状況に陥っている方もいるでしょう。
しかしAさんの行為には、住居侵入罪窃盗罪が成立します。

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

なおこの2つの罪は、窃盗という目的のために、住居侵入という手段を使ったという関係にあるので、刑法54条により、重い方の窃盗罪の法定刑(10年以下の懲役または50万円以下の罰金)の範囲内で刑罰が決められます。

第54条
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~

逮捕されたAさんは、まずは最大3日間、警察署等で身体拘束されます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。
そして裁判で無罪執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことにより本人や家族の社会生活に過度の不利益が生じることなどを具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
また、検察官が起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴を選ぶ場合もあります。
そこで、ご本人に有利な事情を出来る限り主張して、不起訴処分や略式起訴にするよう検察官に要請していきます。

ご本人に有利な事情としては、たとえば被害者に賠償をして示談を成立させたこと、性犯罪の再犯をしないよう病院の治療・カウンセリングに通いはじめたことなどがあげられます。
ただし、特に性犯罪では、被害者が加害者に直接会いたくないと言う場合も多いので、弁護士が間に入ることにより示談がスムーズに進むこともあります。
また、ご本人も再犯はしたくないと考えているケースが多いですから、その手助けのためにも、治療やカウンセリングを受けられる病院をご紹介することもあります。

~弁護士にご相談を~

逮捕されるとご本人やご家族は、どんな罪が成立するのか、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合は、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

住居侵入・窃盗などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

誘拐・監禁で逮捕

2019-06-29

誘拐・監禁で逮捕

仙台市青葉区に住むAさん。
ある日の夜、知人女性Vさんに対し、家まで送り届けると言い、自分の車に乗せました。
しかしAさんは、Vさんと無理矢理にでも性交するつもりで車に乗せたのでした。
Vさんの家ではなくAさんの家に向けて車を走らせるAさん。
途中で異変に気が付いたVさんは、Vさんの家に向かうようお願いしましたが、Aさんは無視。
その後、Aさんの家に近付いたところで、Vさんは隙を見て車から逃げ出すことができました。
しかしその際、転倒して打撲や擦り傷の軽傷を負いました。
その後Aさんは、仙台中央警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~わいせつ目的誘拐罪~

Aさんの行為には、225条のわいせつ目的誘拐罪が成立する可能性があります。

第225条(営利目的等略取及び誘拐)
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

「誘拐」とは嘘や誘惑を用いて、「略取」とは暴行・脅迫を用いて、人を生活環境から離脱させ、自己または第三者の事実的支配下に置く行為をいいます。
Aさんは性交目的を隠し、家まで送ると嘘をついて連れ去っているので、わいせつ目的誘拐罪が成立しうるわけです。

~監禁致傷罪~

さらにAさんには、監禁致傷罪も成立する可能性があります。

刑法第220条(逮捕及び監禁)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
第221条(逮捕監禁致死傷)
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

220条の「監禁」とは、人が一定の区域から出ることを不可能または著しく困難にして行動の自由を奪うことをいいます。
自動車に乗せられると、走行中に飛び降りるのは危険ですし、停車あるいは減速した時になんとか逃げ出せる可能性が出てくる程度です。
したがって、車内という一定の区域から出ることを著しく困難にしたとして、まずは監禁罪が成立する可能性があります。

また、Vさんが逃げるときにケガをしているので、より重い監禁致傷罪(221条)が成立することになるでしょう。
監禁致傷罪の法定刑は、監禁罪の法定刑と、傷害罪(204条)の法定刑(15年以下の懲役または50万円以下の罰金)とを比較して、下限も上限も「良いとこ取り」ならぬ「重いとこ取り」をして、3カ月以上15年以下の懲役となります。

なお、監禁致傷罪とわいせつ目的誘拐罪の両方が成立した場合、重い方の監禁致傷罪の法定刑の範囲内で刑罰が決まることになります(54条1項参照)。

~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~

逮捕されたAさんは、まずは最大3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことによる本人や家族などの不利益を具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
そこで、被害者の方と示談を成立させたり、被害者の傷害が軽いこと、家族の監督が見込めることなど、有利な事情があれば出来る限り主張して、不起訴処分にするよう検察官に要請していきます。

そして起訴された場合も、本人に有利な事情を主張し、執行猶予などの軽い判決で済むよう弁護していきます。

~弁護士に接見の依頼を~

逮捕されるとご本人やご家族は、どんな罪が成立するのか、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合は、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

わいせつ目的誘拐罪監禁致傷罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひご相談ください。

水をかけて暴行罪

2019-06-28

水をかけて暴行罪

宮城県栗原市に住むAさん。
行きつけの居酒屋で酒を飲んでいました。
Aさんは偶然居合わせた知らない客のVさんと話していましたが、ささいなことで言い争いに。
Vさんの態度に激高したAさんは、コップの水を相手の頭に浴びせてしまいました。
築館警察署の警察官が到着し、その場はいったん収まりましたが、後日Vさんが被害届を提出したこともあり、Aさんは取調べのために再度警察署に行くことになりました。
Aさんは今後どうなるのでしょうか。
(フィクションです)

~暴行罪~

Aさんの行為には暴行罪が成立します。

刑法第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪における「暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
通常、人に対しコップの水をかけることは許されることではないので、人の身体に対する不法な有形力の行使として「暴行」にあたります。

~今後の刑事手続きの流れ~

今回のようなケースでは、相手方にケガもなく比較的軽微な事件なので、逮捕されずに捜査が続くことが考えられます(在宅事件)。

一般的な在宅事件の場合、まずは警察が捜査をし、その後、捜査資料を検察官に送り(書類送検)、検察官が追加の捜査をした上で、被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
被疑者は自宅から警察署や検察庁、裁判所に出向いて、取調べや裁判を受けることになります。

~軽い処分にするには~

警察としては必要な捜査を終えた後に書類送検するのが原則ですが、軽微な事件では書類送検せずに事件を終わらせることもあります。
これを微罪処分(びざいしょぶん)といいます。
全ての事件を書類送検していると検察がパンクしてしまいますし、警察のお世話になった時点で被疑者が反省しており、さらに刑罰を科す必要はないという場合もあるからです。

微罪処分にするか否かは、犯行内容や被害額、被疑者の反省態度や被害者の処罰感情などを考慮して判断されます。
Aさんのケースでは、Vさんがケガをする危険があるような行為はしておらず、物損被害もない可能性があり、酔いが覚めたAさんが反省し、相手が処罰感情がなければ微罪処分となる可能性も考えられます。

ただし現状はVさんから被害届が出ており、処罰感情があるといえる状況ですので、Vさんと示談して損害賠償をし、被害届を取り下げてもらう必要があります。

また、書類送検されても、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、前科も付きません。
また、検察官が起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴を選ぶ場合もあります。
そして起訴にするか不起訴にするか、起訴するにしても通常の起訴か略式起訴かの判断においても、被害者の処罰感情の有無や強さは重要なポイントとなります。

そこでやはり、被害者と示談をして被害届を取り下げてもらうことが重要となります。

~弁護士に相談を~

とはいえ、示談交渉をどのように進めたらいいのか、自分の起こしてしまった事件では示談金額がいくらにすべきかなど、わからないことが多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談を初回無料で行っております。
また、逮捕されている事件では、ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
法律相談や接見では、示談に関する説明のほか、成立する犯罪や刑事手続の流れなどの説明や、取調べでの受ける際のアドバイスなどをさせていただきます。

暴行罪などで捜査を受けた、逮捕されたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

裸の自撮り要求で取調べ

2019-06-27

裸の自撮り要求で取調べ

宮城県角田市に住む30歳のAさん。
SNSで知り合った17歳の女性に対し、裸の写真を送ってほしいと頼みました。
女性は断りましたが、しつこく要求してくるAさんに恐怖心を抱き、親に相談。
親が警察に連絡したことから、角田警察署の警察官からAに対し、取調べを受けに来るよう電話が入りました。
Aさんはどうなるのでしょうか。
(フィクションです)

~自撮り画像を要求しただけでも犯罪~

18歳未満の者に対し、裸の自撮り画像などの児童ポルノ画像を送るよう要求すると、実際に送らせるに至らなくても、宮城県・青少年健全育成条例に違反する可能性があります。

宮城県・青少年健全育成条例
第31条の2
何人も、青少年に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第二条第三項に規定する児童ポルノ又は同法第七条第二項に規定する電磁的記録その他の記録をいう。以下同じ。)の提供を行うように求める行為
第2号 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うように求める行為
第41条4項
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
第8号 第三十一条の二の規定に違反して、青少年に対し児童ポルノ等の提供を行うように求めた者

これらの条文は2019年6月1日に施行されました。
後述の刑法や児童ポルノ禁止法に抵触しない要求行為についても取り締まることにより、早期に事件を解決し、被害の拡大を防ごうとするものです。
他の自治体でもこのような条例を制定する動きが広まっています。

青少年に拒まれたにもかかわらずなお要求したり、青少年の判断能力の未成熟に乗じた威迫等の不当な手段を用いて要求すると、30万円以下の罰金または科料となってしまうことになります。
なお、科料とは1000円以上1万円未満の金額を徴収する刑罰です。

~手段によっては刑法犯にも~

また、自撮り画像を要求する際に、例えば「送らなければ名前をばらすぞ」などと言って強い態様で迫った場合には、より重い刑法の強要未遂罪が成立する可能性もあります。

刑法第223条(強要)
第1項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
第2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
第3項 前二項の罪の未遂は、罰する。

~自撮り画像を送らせると~

そして実際に裸の画像などを送らせた場合、児童ポルノ禁止法違反となります。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第7条4項
前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。

児童ポルノ画像を送らせると、児童ポルノ画像を作り出したことになるので、「製造した」に該当することになります。
罰則は7条2項に記載されていますが、3年以下の懲役または300万円以下の罰金となります。

~弁護士に相談を~

警察から呼び出しを受けた場合、どのような罪が成立し、どのくらいの刑罰を受けるのか、どのような手続が進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらよいのか等々、不安が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料で行っております。
仮に逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、逮捕されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
接見や法律相談では上記のような不安点にお答え致します。

児童ポルノ画像の要求などで警察に呼び出された、逮捕されたといった場合には、ぜひご相談ください。

暴走族が逮捕

2019-06-26

暴走族が逮捕

宮城県富谷市に住む18歳のAさんは、バイク暴走族のメンバーです。
ある日の夜、仲間といつものように暴走行為をしていたところ、運転を誤り転倒。
歩道に突っ込み、歩いていた人に大けがを負わせてしまいました。
Aさんもケガをしていたことから病院に運ばれましたが、回復を待って取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

~道路交通法・自動車運転処罰法違反~

まず、暴走行為をした時点で、Aさんらの行為は道路交通法共同危険行為に当たる可能性があります。

道路交通法第68条(共同危険行為等の禁止)
二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
第117条の3
第六十八条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

また、歩行者にケガをさせた点につき、自動車運転処罰法危険運転致傷罪あるいは過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

自動車運転処罰法第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
第2号 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

この法律の「自動車」には、バイクも含まれます。
2条2号の危険運転致傷罪は、進行を制御することが困難な高速度で走行して人を負傷させた場合に成立します。
過失運転致傷罪よりも刑罰が重いことからもわかるように、危険運転致傷罪の方がより悪質な走行を想定した規定です。

いかなる場合に「進行を制御することが困難な高速度」といえるかは、スピードの他、現場が直線かカーブか、何車線の道路か、周りの車の数などの道路状況等を考慮して総合的に判断されることになるでしょう。

~少年事件の手続~

逮捕されたAくんは、まずは最大3日間拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
その後、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間、勾留と呼ばれる身体拘束期間が続く可能性があります。
勾留の代わりに、少年鑑別所での観護措置が採られ、少年の非行の原因の調査や、更生に向けていかなる措置を採るべきかといった調査がなされることもあります。

その後、家庭裁判所に送られ、家庭裁判所調査官が中心となって、さらに少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査を行います。

なお、逮捕されていない少年や途中で釈放された少年についても、家庭裁判所に出向いて家庭裁判所調査官による面談を受けるなどの調査が行われます。

~少年審判とは?~

調査官等による調査の結果、比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。

そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
少年審判の内容としては以下のものが考えられます。

①不処分
非行事実が認められない、あるいは認められるとしても反省し、再犯の可能性が低いような場合になされます。
成人事件における無罪判決や不起訴(起訴猶予)に近いものといえます。

②保護観察
保護観察所の指導・監督の下、少年を社会の中で生活させながら、更生させていくというものです。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。

③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
比較的非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により②の保護観察が行えないなどの場合に、各種福祉施設で生活させるなどしつつ、社会の中で更生させるというものです。
ただし、比較的低年齢の少年が入る場合が多いので、18歳のAさんはこの処分にはならないかもしれません。

④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、特別の事情のない限り外出が許されない環境で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は前述の条文に書かれた懲役の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。

⑤検察官送致(逆送)
凶悪事件などにおいて、成人の場合と同じ刑罰を受けさせるべきと判断された場合などになされるもので、改めて成人と同じ刑事裁判を受ける流れになります。
ただし、凶悪事件とはいえませんが、過失運転致傷罪などの場合、逆送された後に刑事裁判で罰金処分のみ受けるというパターンもあります。

~弁護士の活動~

弁護士は、少年の権利保護や更生に向けた環境作りのために活動します。

たとえば、家裁調査官や裁判官に対して、少年の非行内容が軽微であること、非行性が進んでいないこと、再犯の可能性が低いこと、被害者との示談が成立していることなどを事実に基づいて主張し、勾留や観護措置などによる身体拘束を防いだり、少年審判においてより軽い審判内容となるように活動していきます。

このうち、再犯の可能性に関しては、家庭環境など少年が今後生活していく環境が良好か否かといった点も重要視されます。
そこで弁護士は、少年と家族の関係に問題があるようなら、関係の修復に動くなどの環境調整活動も行ったりします。

少年の人生に大きくかかわってくることですので、一度弁護士にご相談されるのが良いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件や刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
また、逮捕されている場合には、ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
法律相談や接見では、今後の手続の流れや予想される処分、弁護士の活動などをご説明いたします。

道路交通法・自動車運転処罰法違反などの少年事件でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

窃盗するつもりが強盗で逮捕

2019-06-25

窃盗するつもりが強盗で逮捕

宮城県塩釜市に住むAさん。
万引きをしようと思い、コンビニに入店。
店員の目を盗んで商品をポケットに入れたつもりでしたが、店員の1人に気付かれていました。
店を出ようとしたとき、その店員に呼び止められ、慌てて走り出したAさん。
なおも追いかけてきた店員を突き飛ばし、ケガをさせてしまいました。
後日、防犯カメラの映像などからAが割り出され、塩釜警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~窃盗罪か強盗罪か~

Aさんは、追いかけてきた店員にケガをさせたことから、事後強盗致傷罪が成立する可能性があります。

第238条(事後強盗)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
第240条(強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

ただし、238条の「暴行」は、相手方の反抗出来なくなるほどの強い態様のものをいいます。
軽く払いのけただけのような場合には、事後強盗致傷罪は成立せず、窃盗罪傷害罪が成立するでしょう。

第235条(窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~

逮捕されたAさんは、まずは最大3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続く可能性があります。
そして裁判で無罪執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことによる本人や家族などの不利益を具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
また、窃盗罪と傷害罪が成立するにとどまった場合、検察官が起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴を選ぶ場合もあります。
そこで、被害者の方と示談を成立させたり、被害者の傷害が軽いこと、また暴行の態様も弱く事後強盗致傷罪は成立しないことなど、有利な事情があれば出来る限り主張して、不起訴処分略式起訴にするよう検察官に要請していきます。

そして起訴された場合も、本人に有利な事情を主張し、罰金執行猶予などの軽い判決で済むよう弁護していきます。

~弁護士に接見の依頼を~

逮捕されるとご本人やご家族は、どんな罪が成立するのか、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合は、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

窃盗強盗傷害などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひご相談ください。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら