Archive for the ‘性犯罪’ Category

集団で強制性交をして逮捕されたが示談

2019-06-17

集団で強制性交をして逮捕されたが示談

仙台市青葉区に住むAさん。
SNSで知り合った女性Vを誘い出し、友人数名でレイプしようと計画しました。
Vと待ち合わせし、車に乗せたAさん。
そのまま人気のない山奥に連れて行き、友人たちと合流。
Vを集団でレイプしました。
後日、Vさんは勇気を出して被害届を仙台中央警察署に提出。
AさんはVに対し偽名を使っていましたが、Vさんが車のナンバーを覚えていたことからAさんらの犯行が発覚。
Aさんらは逮捕されました。
(フィクションです)

~強制性交等罪~

Aさんらの行為には強制性交等罪あるいはVにケガもさせていれば強制性交等致傷罪が成立します。

刑法第177条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
第181条2項
第百七十七条、第百七十八条第二項若しくは第百七十九条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。
第12条1項
懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上二十年以下とする。

有期懲役は最長で20年なので、強制性交等罪は5年以上20年以下の懲役強制性交等致傷罪無期懲役または6年以上20年以下の懲役ということになります。

~原則として執行猶予にはならない~

執行猶予は、3年以下の懲役の場合に付される可能性があります。

第25条1項
次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
(以下略)

しかし、上述のように強制性交等罪は最低でも5年以上の懲役、強制性交等致傷罪は最低でも6年以上の懲役となっていますので、刑事裁判になった場合は原則として執行猶予は付かず、実刑判決となります。

~被害者と示談すれば不起訴はありうる~

さきほど、「刑事裁判になった場合には」執行猶予は付かないといいました。
しかし、刑事裁判にならなければ、そもそも懲役を受ける可能性はなく、前科も付きません。

すなわち、犯罪をした人が逮捕された場合、最大で23日間の身体拘束がされ、取調べ等の捜査を受けた後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか否かを判断します。
比較的軽い犯罪であったり、被害者が処罰を望んでいないときには、本人が犯行を認めていれば刑事裁判にかけないという判断をすることもあります(不起訴処分)。

強制性交等罪強制性交等致傷罪は決して軽い犯罪ではありませんが、刑事裁判となると被害者も法廷で証言したりなど、大きな負担を強いられる可能性があります。
そのような負担をするくらいなら、加害者と示談して損害賠償を受け取り、事件を終結させた方が良いと考える被害者の方もいらっしゃいます。

そこで、すみやかに被害者と示談締結し、その示談書の中に、被害者は加害者の処罰を求めない旨の文言(宥恕条項-ゆうじょじょうこう)を入れていただくことが考えられます。
このような示談書を検察官に提出すると、検察官としても被害者が裁判にしたくないのに無理に裁判にすることは出来ないと考え、不起訴処分とする可能性があります。。

したがって、刑事裁判になれば実刑を免れるのが難しい以上、被害者の方と示談をすることも有力な方法となります。

~示談を弁護士に依頼する~

しかしながら、本人が逮捕されていれば被害者の方と示談交渉できません。
仮に逮捕されていないとしても、性犯罪の被害者の方々は加害者本人と会うことに抵抗があるため、示談交渉が出来ないことも多いです。
ご家族が代わりに示談交渉を行うことも考えられますが、交渉の方法や金額の相場、示談書の文言など、わからない点が多いでしょう。

そこで、弁護士に示談締結などの弁護活動を依頼してみるのが一つの手段といえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていなければ、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。

接見や法律相談では、今回どういった罪が成立するのか、今後の刑事手続きの流れなどの説明や、取調べにどう受け答えしたらよいかといったアドバイスをさせていただきます。
その後、正式にご依頼いただければ、示談交渉を含めた刑事弁護活動を行います。

強制性交等罪強制性交等致傷罪などで逮捕された、捜査を受けたという方は、ぜひ一度ご相談ください。

職場の盗撮で逮捕

2019-06-13

職場の盗撮で逮捕

宮城県登米市に住むAさんは、職場のトイレに小型カメラを設置し、盗撮を繰り返していました。
ある日、トイレを利用した女性が偶然カメラを発見。
登米警察署に被害届を出しました。
捜査の結果、Aさんの犯行であることが発覚。
Aさんは登米警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~迷惑行為防止条例違反~

トイレでの盗撮は、宮城県の迷惑行為防止条例違反となります。

第3条の2第3項
何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。

罰則は以下のようになります。

第16条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第1号 第三条の二第一項(第三号に係る部分に限る。)、第二項又は第三項の規定に違反して撮影した者
第2号 省略
第2項
常習として前項の違反行為をした者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第17条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第1号 第三条の二第一項から第三項までの規定に違反した者(前条第一項第一号の規定に該当する者を除く。)
第2号以下 省略

盗撮を行った場合、16条1項1号により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
また、常習的に盗撮を行っていた場合にはより重く、16条2項により、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
一方、カメラを設置はしたものの、撮影には至らない段階で発見されたといった場合には、17条1項1号により、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

~建造物侵入罪に問われる可能性も~

Aさんの行為には、刑法の建造物侵入罪も成立する可能性があります。

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

Aさんは自分の勤務先のトイレで盗撮しているので、建造物侵入罪が成立するのは不思議な感じもします。
しかし、同罪の「侵入」とは、管理権者の意思に反する立ち入りをいいます。
仕事をする目的だけでなく盗撮の目的をも持って建物に侵入することは、建造物の管理者(建物の所有者など)は許さないと思われます。
したがって、管理権者の意思に反する立ち入りとして「侵入」にあたり、建造物侵入罪が成立しうるわけです。

~弁護士に接見や示談を依頼する~

逮捕されると、最大で23日間の身体拘束がなされ、その後に刑事裁判がスタートし、上述のような刑罰を受ける可能性があります。

しかし、犯行を認めていたり、前科がなかったりといった場合の他、被害者と示談が成立しているといった事情があれば、早期に釈放されたり、罰金刑などの軽い処分ですむ可能性が上がります。

ところが、犯罪被害者と示談交渉をどのように進めていけばよいのかわからない方が多いでしょう。
特に性犯罪では、被害者の方が加害者側と連絡を取ることを嫌がる傾向にあり、示談交渉がうまく進まないおそれがあります。

しかし、弁護士を通してであれば、直接加害者と接触する必要がないことから、被害者が示談に応じてくれる可能性も上がります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご依頼いただければ、示談交渉を進めるなどの弁護活動を行います。

また、その前段階として、ご家族などからご依頼いただければ、留置されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合や、すでに釈放されている場合には、事務所での法律相談を初回無料で受けていただけます。

接見や法律相談では、示談の話の他、今後の刑事手続の詳しい説明や、取調べにどのように受け答えしたらよいかについてのアドバイス、今回どのような処分になる可能性があるかといった見通しを説明させていただきます。

盗撮などで逮捕された、捜査を受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

買春で会社員が取調べ

2019-06-07

買春で会社員が取調べ

仙台市泉区に住む会社員のAさん。
SNSで知り合った女性と性行為をするために会いました。
SNSに書かれたプロフィールでは、女性は成人しているはずでしたが、会ってみるとやや顔が幼いようにも感じたAさん。
年齢を確認したところ、女性は18歳と答えました。
安心したAさんは女性に口淫(フェラチオ)をしてもらいました
後日、Aさんの下に泉警察署から連絡があり、児童買春のことで話を聞きたいと言われました。
どうやら女性は17歳だったようです。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)

~児童買春の罰則~

売春防止法により相手が何歳であっても売買春は禁止されています。

売春防止法第3条
何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。

ただし、この法律で禁止されているのは性交だけですし、そもそも売買春について罰則規定はありません。
しかし、18歳未満の者との買春は児童ポルノ規制法に罰則規定がある上、規制の対象は性交のみに限られません。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第2条
第1項
この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
第2項
この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
1号 児童
2号 児童に対する性交等の周旋をした者
3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
第4条
児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

性交に限らず、2条2項に記載されている性行為であれば、児童買春として処罰の対象となります。
Aさんのケースの口淫(フェラチオ)も、「児童に自己の性器等を触らせること」に該当します。
なお、2条2項2号・3号にあるように、買春の対価を児童本人ではなく、買春を周旋(斡旋)した者や、児童の保護者等に支払った場合も処罰の対象です。

罰則は4条にあるように5年以下の懲役または300万円以下の罰金ですので、Aさんもこれらの処罰を受ける可能性が出てきます。

~18歳未満と知らなかったのに処罰される?~

過失犯処罰がある場合を除き、犯罪は故意がなければ成立しません。

刑法38条1項
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

故意(上記条文の「罪を犯す意思」)とは、簡単に言うと「わざとやった」ということです。
ただし、もしかしたら犯罪に該当するかも、という程度でも故意があるものと扱われます(未必の故意があると言います)。

Aさんの場合、女性に対し年齢を確認し、18歳との回答を得ているので、まったく何も確認しなかった場合に比べれば、故意がないとして犯罪が成立しない可能性は高くなるでしょう。
しかし、女性が嘘をつくことも当然予想できますので、上記確認をしたからといって、ただちに故意がないということにはならないので注意が必要です。

~弁護士に相談を~

児童買春は、児童が積極的に被害を警察に申し出るということは少ないでしょう。
しかし、警察が買春に関するSNSの書き込みをサイバーパトロールにより探し出して事件が発覚したり、児童が他の買春等の事件で携帯電話を警察に押収されて内容を確認された結果発覚したり、児童の保護者が被害を警察に申出て発覚するといったことが考えられるでしょう。

Aさんのケースは既に警察に発覚していますが、現状発覚していない、あるいは発覚しているのかわからないケースもあり、今後処罰されるのか、されるとしたらどの程度の懲役・罰金になるのか、執行猶予が付くのか、逮捕されてしまうのか等々、不安点が多いかもしれません。

あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
事務所での法律相談は初回無料となっており、上記のような不安点に対する見通しをお答えいたします。

買春を相手が18歳未満だったかもしれない、児童買春で捜査を受けた、といった方はぜひ一度ご相談ください。

東北本線での痴漢で逮捕

2019-06-01

東北本線での痴漢で逮捕

宮城県利府町に住むAさん。
いつものように、通勤のためJR東北本線を乗車していました。
仙台駅に近付くにつれて混雑する車内。
意図せず、Aさんの手が隣に立っていた女性のおしりに当たりました。
「意外といけるんじゃないか」
そう考えてしまったAさんは、今度は意図して、女性のおしりを触りました。
しかし、女性がすぐさま「この人痴漢です」と声を出し、あえなく現行犯逮捕となりました。
(フィクションです)

~強制わいせつ罪・迷惑行為防止条例違反~

痴漢をした場合、各都道府県の条例違反になる場合と、より重い刑法の強制わいせつ罪が成立する場合があります。
どちらに該当するかは、痴漢の方法によります。

Aさんのように、服の上から痴漢をした場合、各都道府県の条例違反となることが多いですが、具体的な態様によっては強制わいせつ罪が成立する可能性がないとはいえません。
また、スカートや下着の中に手を入れて触ったというようなケースでは、強制わいせつ罪が成立する可能性が高いでしょう。

宮城県の条例は、以下のような規定となっています。

宮城県・迷惑行為防止条例
第3条の2第1項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
第1号
衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。

罰則は以下のようになっています。

第17条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第1号
第三条の二第一項から第三項までの規定に違反した者(以下略)
第2項
常習として前項第一号から第三号までの違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

Aさんが痴漢常習者ではない場合、17条1項1号により、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金になる可能性があります。
Aさんが痴漢常習者の場合はより重く、同条2項により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金になる可能性があります。

一方、強制わいせつ罪は以下のような規定になっており、定められている刑罰もより重くなっています。

刑法第176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

~手続きの流れ~

痴漢で逮捕された場合でも、犯行を認めているなどの事情により、その日のうちに釈放されるケースもあります。
釈放された場合でも、
①後日、刑事裁判が開始され、自宅から裁判所に行き裁判を受ける場合と、
②起訴猶予処分(不起訴処分)となり、前科も付かない場合
があります。

一方、犯行を否認している場合や常習者の場合などには、すぐに釈放されないことも考えられます。
そうなると、最大23日間の身体拘束がなされ、その後に刑事裁判が開始されるという流れになる可能性もあります。

どのような流れになるのかは、今回の犯行内容、犯行を否認しているか、常習者かどうか、被害者と示談が成立しているか(あるいは成立する見込みがあるか)といった様々な事情を考慮して判断されます。

~弁護士に相談を~

痴漢で逮捕された場合、どの罪が成立するのか、今後の手続の流れがどうなるか、懲役や罰金はどれくらいになりそうか、執行猶予が付くのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいか、被害者との示談はどうしたらよいか等々、不安な点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼頂ければ、留置されている警察署等に速やかに接見に伺い、上記のような不安点についてお答えいたします。
また、特に性犯罪などの被害者の場合、加害者と直接の連絡を取りたくないと考えるケースもあり、弁護士が間に入ることで示談がスムーズに進んでいくこともあります。

痴漢で逮捕された場合には、ぜひご連絡ください。

居酒屋の個室で性行為(公然わいせつ罪)

2019-05-19

居酒屋の個室で性行為(公然わいせつ罪)

宮城県名取市に住むAさんは彼女のBさんと居酒屋に行きました。
その居酒屋は各テーブルが個室のような作りになっていますが、見ようとすれば通路から中の様子が見られるようになっていました。
お酒を飲んで酔っ払った二人。
酔った勢いで抱き合ったりしていましたが、歯止めが利かなくなり、性行為までしてしまいました。
その様子を偶然通路から発見した居酒屋の店員は警察に通報。
駆け付けた警察官によって公然わいせつ罪の疑いで事情聴取されることになりました。
(フィクションです)

~公然わいせつ罪~

居酒屋の他、カラオケボックスなどでも性行為をするケースがありますが、公然わいせつ罪が成立する可能性があります。

刑法第174条
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

「公然」とは、不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいいます。
具体的な店内の作りにもよりますが、居酒屋やカラオケ店で通路から個室内が見える状況なのであれば、他のお客さんや店員などの不特定または多数の人が認識できる状態にあるといいうるでしょう。
また、性行為が「わいせつな行為」にあたることは間違いないでしょう。
相手方であるBさんが同意していることは、公然わいせつ罪の成否には関係ありません。

したがって、AさんとBさんは「公然とわいせつな行為をした者」にあたり、公然わいせつ罪が成立する可能性があります。

~今後の刑事手続の流れ~

AさんとBさんの行為は犯罪に当たりうるものですが、凶悪犯罪といったものでもありません。
そこで、警察官から事情聴取されたとしてもその後は帰宅を許され、逮捕勾留といった身柄拘束をせずに在宅のまま手続が進む場合も多いでしょう。

犯行の内容や反省態度、前科の有無などを考慮し、不起訴処分(起訴猶予処分)に終わる可能性もあります。
そうなれば前科が付くことはありません。
一方、不起訴とならなかった場合、懲役刑を受ける可能性もありますが、略式裁判による罰金刑にとどまることも多いようです。

~少年の場合の手続~

AさんやBさんが20歳未満の少年だった場合はどうでしょうか。
居酒屋はともかく、カラオケボックスでの性行為は少年が行う場合も多いでしょう。

少年の場合は、警察官や検察官による捜査がなされることは成人の場合と同じです。
しかしその後、地方裁判所や簡易裁判所ではなく、家庭裁判所に事件が送致されるという違いがあります。

家庭裁判所では、家庭裁判所調査官などが中心となって、事件のことや少年の性格、生い立ち、家庭環境、犯罪傾向が進んでいるかといった調査がなされます。

その調査結果をもとにして、裁判官が軽微な事件と判断すれば、少年審判不開始決定がなされ、手続がすべて終了する可能性もあります(成人における不起訴処分(起訴猶予処分)に近いものです)。
一方、少年審判が開始されることになれば、さらなる調査等を経て、審判がなされることになります(成人の刑事裁判の判決に当たるものです)。

~不安点は弁護士に相談を~

AさんやBさんに成立する公然わいせつ罪も立派な犯罪です。
しかし、大きな損害を被る被害者がいない場合も多く、逮捕勾留されたり、重い処罰を受ける可能性は高くないかもしれません。

しかし事件の後日、警察官や検察官の取調べのために再び警察署や検察庁に呼び出される可能性もあります。
どのような点に気を付けて取調べを受ければいいのか、不安も大きいでしょう。
また、不起訴(起訴猶予)にならなければ、たとえ罰金刑にとどまったとしても、前科が付くことになります。国家資格の取得に制限が出るなど、今後の人生に影響が出て来うるものとなります。

このような様々な不安を解消するために、弁護士に相談してみるのが良いでしょう。
取調べに向けたアドバイスを受けることもできますし、少しでも軽い処分で済むように、弁護活動を受けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門とする弁護士法律相談が初回無料となっております。
公然わいせつ罪などで捜査を受けた場合には、ぜひ一度ご相談ください。
(塩釜警察署までの初回接見費用:38,800円)

下着泥棒で少年事件に

2019-05-09

下着泥棒で少年事件に

19歳専門学校生A君は、深夜に宮城県栗原市の女性Vさんの自宅のベランダに忍び込み、干してあったVさんの下着を盗みました。
Vさんが被害届を提出して宮城県若柳警察署が捜査をおこなった結果、A君が下着泥棒事件の容疑者として浮上しました。
宮城県若柳警察署から出頭要請を受けたA君は、出頭要請に応じて宮城県若柳警察署窃盗罪住居侵入罪の容疑で取調べを受けました。
しかし、下着泥棒をしたことを誰にも知られずに隠したいと思ったため、取調べでは「自分は下着泥棒をしていない。」と容疑を否認しました。
取調べを担当した警察官からは、「容疑を認めるなら早く認めたほうがいい。」と言われました。
A君は、逮捕されずに済み、帰宅を許されましたが、捜査が終わったわけではなく、今後も継続して捜査を受けることになると言われています。
このまま容疑を否認し続けない方がよいのか困ったA君は、一人で刑事事件専門の法律事務所に無料法律相談に行きました。
(フィクションです。)

~下着泥棒事件~

下着泥棒とは、他人の家(室内だけでなくベランダや庭も含む)やコインランドリーなどで、下着を盗む泥棒のことを言います。
下着泥棒は、「色情ねらい」とも呼ばれます。

今回の事例では、下着泥棒をしたとしてA君に窃盗罪住居侵入罪の容疑がかけられています。
下着泥棒をした場合(例えば,他人の敷地内に立ち入り,下着を持ち去った場合など)には,他人の敷地内に立ち入った行為につき住居侵入罪が,下着を持ち去った行為については窃盗罪が成立します。
窃盗罪は他人の財物を窃取することで成立します。
住居侵入罪は、他人の家(住居)又はマンションやアパートなどの共同住宅に無断で侵入した場合などに成立する犯罪です。
住居侵入罪については、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金が、窃盗罪については、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が、それぞれ法定刑として定められています。

今回の事例のA君は、下着泥棒の容疑で捜査を受けていますが、下着泥棒をしたことを誰にも知られずに隠したいと思ったため、警察署での取調べで否認しています。
性犯罪や下着泥棒のような目的が性的なものである事件の場合、自身の性癖も絡んだ事件となります。
そのため、素直に話せなかったり、家族や周囲に事件が発覚することをおそれたりして、容疑を否認してしまうケースがあります。
一方で、同じ理由から、警察官には容疑を認めたものの、両親などの家族に対しては否認してしまう、というケースもあります。

このような場合は、刑事事件少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件少年事件の手続の流れ、今後の見通し、逮捕・勾留等の身体拘束をされた場合への対応方法、示談、その他、刑事事件少年事件に関する不安や心配事、疑問点など何でもご相談いただけます。
第三者である弁護士だからこそ、家族や身内に言いづらい内容でも相談できますし、どうしたらよいか一緒に考えてもらうことができます。

また、今回の事例のA君は20歳未満の少年であるため、原則的には少年事件として扱われることになり、刑罰を受けることは基本的にはありません。
少年事件では少年の環境が更生に適しているかどうかが重視されます。
そのため、少年が信頼できて相談しやすい弁護士が少年の更生をサポートしていくことが重要です。
ただ、A君の年齢は19歳であるため、手続き途中に成人してしまい、刑事事件としての扱いに切り替わる可能性があります。
今回のA君のように19歳の方の少年事件では、弁護士は、下着泥棒という犯罪の性質を踏まえた活動はもちろん、少年事件としての付添人活動、刑事事件としての手続きに切り替わる可能性のある少年事件としての活動も意識しなければなりません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件も多く取り扱っており、犯罪の性質を踏まえた弁護活動、刑事事件少年事件それぞれの特徴を踏まえた活動をおこなっています。
下着泥棒少年事件等でお困りの方は、まずは弊所弁護士までご相談ください。
ご来所いただいての法律相談は初回無料です。

児童ポルノ所持で不起訴処分

2019-05-08

児童ポルノ所持で不起訴処分

30代男性Aさんは、インターネットの児童ポルノ販売サイトを利用して、同サイトから児童(18歳未満の者)が他人と性交する場面等の映像が映されたDVD5枚を購入しました。
AさんがDVDを購入したしばらく後に、この販売サイトを運営していた会社が宮城県古川警察署に摘発され、会社が所有していた顧客名簿が押収されました。
Aさんの名前や住所が顧客名簿にあったことから、Aさんは自宅の家宅捜索を受け、購入した児童ポルノを押収されました。
警察官からは、「後日、児童ポルノ単純所持罪の取調べのために警察署まで来てもらう」と言われています。
不安になったAさんは、刑事事件に強い弁護士無料法律相談を申込み、不起訴処分を獲得できないか相談しました。
(フィクションです。)

~ 児童ポルノ ~

児童ポルノの所持については,「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、この頁では「法」と書きます。)で禁止されています。

児童ポルノ」とは,写真,電磁的記録に係る記録媒体(BL,DVD等)その他の物で,法2条3項各号に掲げる姿態を描写したものと定義されています。
以下のような写真や電子記録が「児童ポルノ」に該当します。

・児童との性交渉・性交類似行為にあたるもの
・児童が性器を触るなどの行為を撮影したもの
・服の一部を着ていない状態で、性器や臀部・胸部などが強調されたもの

~ 児童ポルノ所持罪は所持の目的によって罰則が異なる ~

児童ポルノ所持罪と言っても、法では,以下のように,所持の目的によって異なる罰則を設けています。
1 自己の性的好奇心を満たす目的での所持:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(7条1項)
2 児童ポルノの提供目的での所持:3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(7条3項)
3 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供する目的での所持:5年以下の懲役も若しくは500万円以下の罰金,又は併科(7条7項)
このうち、1の「自己の性的好奇心を満たす目的での所持」は、一般的に「児童ポルノ単純所持罪」と呼ばれています。
平成27年の法改正によって、それまで処罰の対象となっていなかった児童ポルノの単純所持も刑事罰の対象となりました。

近年、児童ポルノ関連の取締りが厳しくなってきています。
児童ポルノ単純所持事件の場合、事例のように、販売元が摘発されたことによりその購入者の児童ポルノ所持が警察に発覚することがあります。
Aさんのように販売元からDVDを購入したケースでなく、ダウンロード購入した場合であっても、サイトへのアクセス履歴をたどって個々のダウンロード購入者にまで捜査の手が及ぶ場合があります。
児童ポルノを所持してからある程度の期間を置いて事件が発覚する可能性があるため、児童ポルノを所持している本人が捜査されていることに気づかぬまま、ある日突然,警察が家宅捜索や逮捕にやってくるという事態がありえるのです。

~ 不起訴獲得のための情状主張 ~

刑事処罰が下されることはなく、したがって前科も付かずに刑事手続きを済ませたいという場合は、不起訴処分を獲得するのが一つの方法です。
不起訴処分とは、検察官が裁判にかけることはしないという処分のことです。
事実関係に争いがない事件で不起訴処分の獲得を目指すのであれば、容疑をかけられている人にとっての有利な事実(情状)を、担当する検察官に対してアピールする必要があります。
児童ポルノ単純所持罪において勘案される事実としては,犯情(犯罪にかかわる情状)に関わる事実として、所持に至った経緯,動機,児童ポルノの内容,所持数,児童への被害の有無・程度などがあります。

一般情状(犯情以外の情状)に関わる事実としては、反省の程度、再発防止策・適切な監督者の存在、(事案によりますが)被害弁償や示談成立の有無、社会的制裁の有無などといった点が考えられるでしょう。

不起訴処分の獲得のためには、犯情や一般情状について検察官に適切に主張していくことが必要です。
ただ、容疑をかけられている本人が取調べの際にそうした事情を話しても、なかなか捜査機関は聞いてくれないといったことがありえます。
そのような場合は、弁護士に依頼することで、弁護士からしっかりと書面にまとめて提出する、必要な場合は検察官と協議するなどして確実に伝えていくことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件専門の法律事務所であり、これまでの多数の不起訴処分を獲得してきました。
児童ポルノ所持事件などで不起訴処分を獲得したいなどとお考えの方は,無料法律相談や初回接見サービスのご利用をご検討ください。

弁護士による取調べ対応の重要性(公然わいせつ罪)

2019-05-03

弁護士による取調べ対応の重要性(公然わいせつ罪)

宮城県登米市に住む会社員のAさんは,深夜のコンビニエンスストアの駐車場に停めた自分の車の中でズボンを降ろしていたところ,目撃者に通報され,駆けつけた宮城県佐沼警察署の警察官によって公然わいせつ罪を理由に現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は,Aさんが重い処分を受けてしまうのか心配になり,弁護士事務所に宮城県佐沼警察署への初回接見を依頼しました(フィクションです)。

~余罪の疑いがかかりやすい公然わいせつ~

公然わいせつ罪について定めているのは刑法174条です。
そこでは「公然とわいせつな行為をした者は,6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と規定されています。
罰則のみを見ると,例えば強制わいせつ罪(6月以上10年以下の懲役。刑法176条)や痴漢行為(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金。宮城県における迷惑行為防止条例)よりは法律上定められている刑罰は軽いと言えます。
事案によりますが,これまで刑事裁判を受けたことや罰金処分を科せられたことのない初犯者であれば,刑務所に服役することのない執行猶予付判決や罰金処分にとどまることもあります。

もっとも,公然わいせつ罪で気をつけなければいけない事情として,余罪の疑いがかかりやすいことが挙げられます。
実際に複数回,同様のわいせつ行為をしていることもあり得ますが,より注意が必要なのは,自身と無関係の事件の疑いまでかけられてしまうケースです。
公然わいせつ事件が発生した場合,被疑者(刑事事件を起こした疑いのある人を指します)の逮捕に至らなくても,目撃者の通報により,同時期に起きた事件を警察がリストアップしています。
設例のAさんのように,公然わいせつ罪逮捕されてしまうと,「〇月×日の事件もお前がやったのではないか」と警察官による取調べで追及されることも多々あります。

ひとたび逮捕されてしまうと,家族を含む外部との連絡は自由にとれなくなり,警察官による長時間の取調べを受けることになります。
逮捕されたことによる動揺で,警察官に言われるがままに,やってもいない公然わいせつ事件まで認めてしまうと次のような問題が起こります。
まず,公然わいせつ罪に限らず,事件は個々の事実ごとに扱われるため,うっかり認めてしまった事件で更なる逮捕・勾留(逮捕に引き続いて身体拘束を行うことを指します)がされて,長期間の身体拘束をされるおそれがあります。
また,余罪は多ければ多いほど,検察官が下す処分も重くなるため,初犯であっても罰金処分では済まずに,起訴されて正式裁判を受けなければならないことにもなりかねません。

~早期の弁護士依頼により適切な取調べ対応を~

身に覚えがない事件であっても,ひとたび認めて供述調書が作成されてしまうと,事後的に争うには困難が伴います。
特に,逮捕直後はある程度の時間をかけて取調べがされるため,取調べ対応は初動対応が何よりも重要になってきます。
しかし,一般の方が単独で警察官や検察官を相手に適切な取調べ対応を行うには限度があります。

長期間にわたる身体拘束や重い刑事処分を回避するには,逮捕直後の時点から,法律の専門家である弁護士による助言を得て,適切な取調べ対応を行う必要性が高いと言えます。
初動対応で弁護士による速やかなサポートが得られた場合,早期の釈放や刑事処罰の軽減にもつながっていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件少年事件を専門に扱う弁護士事務所としての経験を活かし,適切な取調べ対応を行います。
弊所では,弁護士が警察署等に直接赴き,逮捕勾留されている方と面会し助言を行う初回接見サービスを実施しております。
ご家族が公然わいせつ罪逮捕されてお悩みの方,弁護士による速やかな取調べ対応を希望される方は,まずは一度,弊所までご連絡ください。
(宮城県佐沼警察署への初回接見費用:フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。)

痴漢事件で余罪取調べ

2019-04-25

痴漢事件で余罪取調べ

仙台市若林区に住む会社員のAさんは,勤務先から帰宅するため地下鉄に乗った際,乗客の女子高生の身体を触ったことで他の乗客に取り押さえられ,駆けつけた宮城県若林警察署の警察官によって現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんは以前にも同じ路線で痴漢行為をしたことがあったため,警察官に正直に話すべきか悩んでいました。
Aさんは,家族が初回接見を頼み,宮城県若林警察署へ面会に来た弁護士に相談しました。
(フィクションです)

~余罪が刑事処分にもたらす意味~

設例のAさんは痴漢行為を理由に現行犯逮捕されていますが,いわゆる痴漢行為は各自治体が定める迷惑防止条例によって処罰されます。
宮城県の場合,迷惑防止条例第3条の2第1項1号が痴漢行為を規制しており,罰則は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています(同条例17条1項1号)。

痴漢事件は余罪が問題となることも少なくありません。
逮捕の有無に関わらず,警察官,検察官は同種の余罪がないか,取調べを行います。
別機会に起こしてしまった事件は別罪として扱われるため,取調べを経て余罪が発覚すると,立件されて捜査の対象になることがあります。
捜査の対象になるということは,すなわち,逮捕や刑事処分がされるリスクが生じることを意味します。

迷惑防止条例違反で現行犯逮捕されたAさんは,逮捕の翌日ないし2日目までに,検察庁と裁判所に行き,検察官と裁判官からも事件について聴取されます。
警察から送られた事件記録やAさん自身の話を聞いて,検察官と裁判官は,その日のうちにAさんを釈放するか,勾留して引き続き留置所に拘束するかの判断を行います。
勾留決定がされなければAさんは釈放されますが,余罪があった場合,後日改めて逮捕される可能性があります。
逮捕はされなくても,余罪の存在も考慮したうえで勾留決定がされてしまうことも考えられます。
その場合,一律10日間,最大で20日間,留置所から出ることができなくなります。
また,余罪は多ければ多いほど罪が重くなるため,初犯であっても起訴されて刑事裁判を受けなければならなくなることもあります。
このように,余罪の有無は身体拘束や処分内容に影響を及ぼします。

~取調べ対応の正解は?弁護士からの助言の重要性~

それでは,設例のAさんは痴漢行為の余罪について黙秘することが正解なのでしょうか?
確かに,刑事事件の疑いをかけられている人(被疑者と呼びます)には黙秘権が認められており,刑事訴訟法198条2項も「前項の取調に際しては,被疑者に対し,あらかじめ,自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない」と,捜査段階で意思に反した供述が強制されないことを明記しています。
余罪を裏付ける証拠関係が脆弱な場合は,黙秘をすることで,結果的に身体拘束期間を短くしたり,刑事処分を軽くできたりすることもあります。

もっとも,余罪部分に限ってとはいえ,黙秘を行うことは,徒に勾留決定がされるリスクを高めることも否定はできません。
設例のAさんのような場合は,余罪部分についても正直に供述することで,早期の釈放につながることもあり得ます。
また,逮捕の原因となった痴漢行為の被害者と示談ができた場合,余罪の存在を考慮しても,検察官が不起訴処分とすることで,前科を回避できるケースもあります。

このように,余罪一つをとっても,黙秘をするべきか,正直に供述をしていくべきかは,状況によって大きく変わってきます。
そして,どこまで黙秘し,どこまで正直に供述するべきかを,逮捕された方が一人で考え出すことには困難が伴います。
逮捕直後,速やかに刑事事件の経験豊富な弁護士から適切な取調べ対応の助言を受けることができるのであれば,その後の早期釈放や再逮捕リスクの軽減,寛大な処分を求めていくうえでも,大きな違いがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件少年事件を専門に扱う弁護士事務所として,余罪も含めた適切な取調べ対応によるサポートを行います。
弊所では,逮捕直後,速やかに弁護士からアドバイスが得られるように,初回接見サービスを実施しております。
ご家族が痴漢事件逮捕されてしまい,余罪対応も見据えたサポートを希望される方は,まずは一度ご連絡ください。
(宮城県若林警察署への初回接見費用36,300円)

監護者わいせつ罪と監護者性交等罪

2019-04-17

監護者わいせつ罪と監護者性交等罪

仙台市青葉区在住の40代男性Aさんは、内縁の妻であるBさんとその連れ子であるVさん(15歳)と共に暮らしています。
Aさんは、BさんとVさんに対して経済的支援を行う傍ら、Bさんが留守にしている間に、Vさんの陰部を触るなどのわいせつな行為を繰り返していました。
Aさんは暴力を振るったり脅迫をしたりしてこれらの行為を行っていたわけではなく、またVさんも、特に抵抗するそぶりを見せていたわけではありませんでした。
数か月我慢していたVさんですが、耐えかねて学校の教員に相談し、児童相談所からの通報で、Aさんは宮城県仙台中央警察署に、監護者わいせつ罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの両親は、刑事事件・性犯罪事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~ 監護者わいせつ罪 監護者性交等罪 ~

今回の事例では、Aさんは内縁の妻Bさんの娘であるVさんにわいせつな行為をしたとして、監護者わいせつ罪で逮捕されています。

監護者わいせつ罪,監護者性交等罪は平成29年の刑法改正で新設された犯罪です。

刑法179条1項は、「18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による」とし、監護者わいせつ罪を定めています。
なお、2項では「18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条の例による」とし、監護者性交等罪を定めています。
これらはそれぞれ、176条の強制わいせつ罪における「わいせつ」行為、177条の強制性交等罪(旧強姦罪)における「性交等(旧姦淫)」の行為に対応しています。

監護者わいせつ罪の法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6月以上10年以下の懲役」、監護者性交等罪の法定刑は強制性交等罪と同じ「5年以上の有期懲役(最高20年)」に規定されています。

改正前の刑法では、強姦罪や強制わいせつ罪で、13歳以上の女子に対する行為を罰するためには、その行為の手段として被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行・脅迫を用いている必要がありました(もしくは被害者が抗拒不能に当たる必要がありました。)

そのため、監護者による18歳未満の者に対するわいせつ行為や性交等については,暴行・脅迫や抗拒不能に当たらない場合,法定刑の低い児童福祉法違反等で対処せざるを得ませんでした。

(児童福祉法違反の「児童に淫行をさせる行為」の罪の法定刑は「10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金,又は併科」です。)

しかし、家庭内での性的虐待では、親などがその影響力を利用した場合、子供は暴行や脅迫がなくとも逆らったり抵抗することができず、性犯罪の被害者になってしまうことが少なくありません。

そこで、親などの監護者が支配的な立場を利用して18歳未満の者と性的行為を行った場合は、たとえ暴行・脅迫がなかったとしても処罰できるように、新たに監護者わいせつ罪と監護者性交等罪が設けられたのです。

この改正によって、これまでは児童福祉法違反で処罰されていたような事件がより法定刑の重い監護者わいせつ罪、監護者性交等罪の規定で処罰可能になりました。

今回の事例では、AさんはVさんに対して暴行や脅迫をしておらず、またVさんも特に抵抗するそぶりを見せていたわけではありません。
しかし、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、親などの監護者が支配的な立場を利用して18歳未満の者と性的行為を行った場合は、18歳未満の者が同意していた場合も成立します。

また、日頃からわいせつな行為や性交等をしていたからといって罪が成立しないといったことはありません。

なお,監護者とは,18歳未満の者を現に監督する者をいいます。
民法820条の親権規定と同様に監督・保護する者であり,法律上の監護権に基づかなくても事実上現に18歳未満の者を監督し保護する者であればこれに当たります。
監護者に当たるかどうかは,同居の有無や居住状況,指導や身の回りの世話などの生活状況,生活費の負担などの経済状況,被害者に関する諸手続の情況などを考慮して判断されます。

今回のAさんのように、養子縁組していない者であっても,同居し子供の寝食の世話をして指導・監督しているのであれば「現に監督する者」にあたりえます。

被害者のいる性犯罪では、示談を成立させることが重要ですが、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪では被害者が家族あるいは身内であるため、示談を行うことが難しい場合が考えられます。
また、家族関係の維持が困難になることも考えられるため、弁護活動においては、加害者・被害者双方への配慮が求められます。
性犯罪の中でも、監護者わいせつ罪、監護者性交等罪の事件においては、他の性犯罪とは異なる対応が求められますし、最近の刑法改正によって新設された犯罪であるため、前例の数がそこまで多くありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所であり、このような前例の少ない刑事事件についても安心してご相談いただけます。

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪でお困りの場合は、まずはフリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。
(宮城県仙台中央警察署への初回接見費用:34,100円)

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