強制わいせつで逮捕

強制わいせつで逮捕

宮城県七ヶ浜町に住むAさん。
夜、街灯の少ない道を歩いていると、前から女性が歩いて来るのが見えました。
酒で酔っていたAさんは、
「ねえちゃんこの辺に住んでるの?ちょっと飲みに行かない?」
などと声を掛けました。
無視する女性に対し、Aさんはいきなり抱き付き、胸を揉むなどの行為に出ました。
女性は何とかAさんを払いのけ、逃げ出しました。
後日、女性の供述や防犯カメラ映像などからAさんの犯行が発覚。
Aさんは塩釜警察署の警察官により逮捕されました。
(フィクションです)

~条例違反と強制わいせつ~

一般に、路上で体に触った場合、電車内での痴漢と同様、①各都道府県の条例違反になる場合と、より重い刑法の②強制わいせつ罪が成立する場合があります。
どちらに該当するかは、触った際の方法などによります。

たとえば、すれ違いざまに服の上からお尻や胸を触ったというような場合は、①各都道府県の条例違反となる可能性が考えられます。
一方、服の中に手を入れて体に直接触ったような場合には、②強制わいせつ罪となる可能性が高いでしょう。

Aさんの行為はこの中間といったところでしょう。
服の上から触っているだけではありますが、抱き付いて胸を揉んだという方法は、ある程度強い態様での卑猥な行為をしたといえるので、②強制わいせつ罪となる可能性も十分考えられます。

宮城県の条例は、以下のような規定となっています。

宮城県・迷惑行為防止条例
第3条の2第1項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
第1号
衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。

罰則は、痴漢常習者ではない場合には、17条1項1号により、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
痴漢常習者の場合、同条2項により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
痴漢の前科がある場合には、常習者として処罰される可能性が上がるでしょう。

一方、②強制わいせつ罪は以下のような規定になっており、定められている刑罰もより重くなっています。

刑法第176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

~今後の刑事手続きの流れと弁護活動~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束されます。
そしてもし検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

なお、途中で釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて刑事裁判を受けるという流れになることが考えられます。

これらの手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことにより本人や家族の社会生活に過度の不利益が生じることなどを具体的事情に基づいて主張し、勾留を防ぎます。

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
そこで、被害者と示談が成立していること、本人が反省していること、前科がないこと、家族の監督が期待できることなど、ご本人に有利な事情を出来る限り主張して、不起訴処分などの軽い処分にするよう検察官に要請していきます。

特に示談を締結することは、検察官の処分や判決の重さに大きく影響する可能性があります。
したがってご本人に代わって示談交渉を行うことは、弁護士の大きな役割となります。

~弁護士にご相談を~

逮捕されるとご本人やご家族は、どんな罪が成立するのか、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか、示談はどう進めたらよいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

強制わいせつ罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら