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覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪②

2019-04-28

覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪②

=前回からの続き=
40代男性Aさんは、覚せい剤を使用して意識が朦朧としている状態で、帰宅するために宮城県塩釜市内の道路において自動車を運転していました。
蛇行運転状態になっていたAさんは、自車を歩道に乗り上げてしまい、歩行者のVさんと衝突する交通事故を起こしてしまいました。
Vさんは、Aさんの車にはねられた際の外傷が原因で搬送先の病院で亡くなりました。
通行人の通報で駆け付けた宮城県塩釜警察署の警察官は、Aさんの様子がどうもおかしく、Aさんが薬物を使用しているのではないかという疑いを持ちました。
覚せい剤を使用した状態で車を運転していたことをAさんが供述したため、警察官は、Aさんを危険運転致死罪覚せい剤の自己使用の罪の疑いで逮捕しました。
Aさんの家族は、Aさんの帰宅を待っていたところ、警察官からAさんを逮捕した旨の電話を受けました。
しかし、事件内容などについては、Aさんが交通死亡事故を起こしたことと、危険運転致死罪覚せい剤の自己使用の罪を疑われていること、裁判員裁判になる可能性があるということしか知らされていません。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士にAさんとの初回接見を依頼して、今後の事件対応のアドバイスをもらうことにしました。
(フィクションです。)

前回から4回にわたって上記Aさんの事案を参考に解説しています。

~初回接見を利用してご家族が事件内容を把握~

今回の事案のAさんのように、帰宅途中に刑事事件を起こして警察に逮捕される方は少なくありません。
自宅で帰りを待っているご家族は、警察に逮捕されているなんて考えてもいないため、大変なショックを受けることになります。

今回の事案では、Aさんのご家族は事件の内容をほとんど把握できていません。
実際に弊所にいただくお問い合わせの中でも、このようなケースはよく見受けられます。
逮捕の連絡を受けたご家族が警察官に事件の内容を聞こうとしても、「事件の内容や細かいことは話すことができない。」などと言って教えてもらえないことも多いためです。
それならばと、逮捕直後にご本人とご家族が面会して事件内容を聞こうとしても、逮捕の段階では家族による面会が許されないことが多いです。
(ご家族の面会が認められるのは基本的に「勾留」段階以降です。)
そのため、逮捕段階では、ご家族は事件の内容がほとんどわからないという状況に陥りやすいです。
そうした状況下で早期に事件の内容と流れを把握するためには、弁護士による初回接見が有用です。

初回接見では、逮捕されている方のもとへ弁護士が面会に行き、詳細に事件内容をお伺いすることができます。
そのうえで、今後の事件の見通しや取調べの対処方法・ご家族や職場からの伝言をお伝えすることができます。
逮捕された方は、誰も味方がいない状態で警察官や検察官などの取調べを受けることになります。
取調べの対応によっては自己を必要以上に不利にしてしまう場合もあるため、逮捕後のなるべく早い時期に弁護士から法的なアドバイスを聞けることは、逮捕されている方の権利擁護のためにとても価値があることです。
また、味方が存在するという大きな安心感を得るためにも重要なものといえます。

初回接見の後には、ご家族の方に対して接見の報告をおこないます。
依頼されたご家族等に対して、事件内容と今後の見通し、ご本人からのご伝言、職場等への対応に関するアドバイス等をお伝えするとともに、ご依頼いただいた場合の弁護方針をお話しいたします。
その後の弁護活動をご依頼いただくかは、弁護士からの報告をもとに検討いただくということになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ご本人からの無料法律相談や弁護のご依頼だけでなく、ご家族からの無料法律相談・初回接見サービス、弁護のご依頼も受け付けております。

~初回接見サービスの流れ~

ご家族が警察に逮捕された可能性のある方は、まず
0120-631-881(24時間受付中)
にお電話ください。

お電話いただきましたら、専門のスタッフが、ご家族の逮捕の有無と留置されている警察署を調査いたします。

※捜査をしている警察署と実際に留置されている警察署が異なる場合があること、検察庁や裁判所に送られている場合があることから、逮捕された方がどこに居らっしゃるのかあらためて調査をいたします。
※なお、「逮捕されていそうだが警察署が分からない」という場合であっても、ご家族からお伺いしたお話から留置されていそうな警察署を予想して調査し、留置先を見つけることができる場合もあります。

逮捕されている方の所在が明らかになって初回接見のご依頼をいただいた場合、速やかに刑事事件専門の弁護士を留置されている警察署等まで派遣して接見(面会)します。
接見後、初回接見をご依頼いただいたご家族様等にご来所いただいて、接見のご報告をおこないます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱っている法律事務所ですから、初回接見サービスのご依頼に速やかに対応できる体制を整えています。
刑事弁護は、いかにスピーディーに弁護活動を開始できるかが、その後の結果に影響しますので、ご家族が逮捕された場合はなるべく早めに初回接見サービスをご検討ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、宮城県塩釜警察署に逮捕された方の初回接見サービスに対応しています。
宮城県塩釜警察署への初回接見費用:38,800円

覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪①

2019-04-27

覚せい剤を使用した状態で交通事故を起こして危険運転致死罪①

40代男性Aさんは、覚せい剤を使用して意識が朦朧としている状態で、帰宅するために宮城県塩釜市内の道路において自動車を運転していました。
蛇行運転状態になっていたAさんは、自車を歩道に乗り上げてしまい、歩行者のVさんと衝突する交通事故を起こしてしまいました。
Vさんは、Aさんの車にはねられた際の外傷が原因で搬送先の病院で亡くなりました。
通行人の通報で駆け付けた宮城県塩釜警察署の警察官は、Aさんの様子がどうもおかしく、Aさんが薬物を使用しているのではないかという疑いを持ちました。
覚せい剤を使用した状態で車を運転していたことをAさんが供述したため、警察官は、Aさんを危険運転致死罪覚せい剤自己使用の罪の疑いで逮捕しました。
Aさんの家族は、Aさんの帰宅を待っていたところ、警察官からAさんを逮捕した旨の電話を受けました。
しかし、事件内容などについては、Aさんが交通死亡事故を起こしたことと、危険運転致死罪覚せい剤の自己使用の罪を疑われていること、裁判員裁判になる可能性があるということしか知らされていません。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士にAさんとの初回接見を依頼して、今後の事件対応のアドバイスをもらうことにしました。
(フィクションです。)

今回から4回にわたって上記Aさんの事案を参考に解説します。

~危険運転致死罪とは~

今回Aさんに嫌疑のかかっている、「危険運転致死罪」は、いわゆる危険運転行為を行って、それによって人を死亡させたときに成立します。
「危険運転」と聞くと、アルコールの影響で正常な運転が困難な状態で車を運転し、その結果人を死傷させたケースを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、危険運転行為に該当するのは、アルコールの影響下の場合だけではありません。
Aさんのように覚せい剤を使用した状態など、薬物の影響で正常な運転が困難であるのにもかかわらず自動車を運転する行為も、危険運転行為の1つとされています。

危険な運転を行った結果人を死傷させた場合は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転死傷行為処罰法」という)により、危険運転致死傷罪として一般的な交通事故よりも重い刑罰に処せられます。

次に掲げる行為を行い、よって、人を死亡させた者は、危険運転致死罪として1年以上20年以下の有期懲役に処されます(自動車運転死傷行為処罰法2条)。

(1)アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
(2)その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(3)その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
(4)人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近しかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(5)赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(6)通行禁止道路を進行しかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

また、自動車運転死傷行為処罰法第3条は,第2条より程度が軽微である飲酒・薬物運転や病気運転の場合を規定しています。
アルコールや薬物,あるいは一定の病気の影響により,その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で,自動車を運転し,よって,そのアルコール又は薬物,あるいはその病気の影響により,正常な運転が困難な状態に陥り,人を死亡させた場合には、15年以下の懲役に処されます(自動車運転死傷行為処罰法3条1項、3条2項)。

~今回のAさんは…~

今回のAさんも、覚せい剤の影響により蛇行運転状態でした。
Aさんについて、「覚せい剤の影響により正常な運転が困難な状況」であったといえれば、危険運転行為にあてはまってしまう可能性があるのです。
さらに、Aさんの事件ではVさんが死亡してしまっているので、危険運転致死罪となる可能性があります。
それだけでなく、今回のAさんは、覚せい剤の自己使用の罪も成立する可能性があります。
覚せい剤の自己使用の罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
(もし覚せい剤を所持していた場合には、さらに所持の罪も成立する可能性があります。)
危険運転致死罪は非常に重い犯罪ですが、覚せい剤の自己使用の罪も重い犯罪です。
この二つが合わさると、執行猶予のつかない実刑判決となって長期間刑務所に服役しなければならないなど、非常に重い刑事処罰を受ける可能性があります。

今回のAさんのような事件では、交通事件薬物事件、両方の専門的な弁護活動が必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所であり、覚せい剤事件と交通事件どちらの弁護活動も多数取り扱っております。
危険運転致死罪などでお困りの場合は、まずは、無料法律相談や初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県塩釜警察署への初回接見費用:38,800円)

知人のギターを横領

2019-04-26

知人のギターを横領

宮城県石巻市内に住むAさんは趣味でバンド活動を行う大学生です。
Aさんは使っていたギターを床に落として壊してしまいました。
Aさんは修理費用が出せない貧乏学生だったので、知人のVさんから、使っていないギターを少しの期間借りることにしました。
しばらくそのギターを使っていましたが、Vさんからそろそろ返してくれないかと言われました。
「自分のギターの修理費用もないし、返したらバンド活動できなくなるな…このまま借りパクできないかな」
そう考えたAさんは、「近いうちに返すよ」などと言ってはぐらかし、そのままギターを使い続けていました。
その後Vさんから何度も返還請求を受けたにもかかわらずギターを使い続けていたAさん。
ある日Vさんから、宮城県石巻警察署横領罪でAさんを告訴したと伝えられました。
「これはヤバいことになった…」
Aさんはこの後どうなってしまうのでしょうか。
(事実を基にしたフィクションです)

~横領罪~

本件のような、いわゆる「借りパク」のケースでは、横領罪が成立するか問題となります。
刑法には「自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。」(252条1項)と規定されています。

AさんにとってVさんのギターは「自己の占有する他人の物」にあたることは間違いありません。

では「横領した」とはどのような場合を指すのでしょうか。
専門的には「横領」とは、
①他人の物の占有者が委託の任務に背いて、
②その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思
を実現するすべての行為を指すといわれています(なお、①と②を合わせて不法領得の意思といいます)。

①については、「借りパク」のケースで「委託の任務」と言われてもピンと来ないかもしれませんが、今回のケースでは一時的にギターを借りて使うが、ある程度の期間が過ぎ、Vから返還請求されたら返すというのがAのなすべき行動、すなわち「委託の任務」といえるでしょう。

②については、Aはギターをまるで自分の物のように使い続けているわけですから、所有者のように使い続ける権限がないにもかかわらず、所有者でなければできないような処分をしているといえます。

以上により、Aさんの行為には横領罪が成立しそうです。

~逮捕されてしまう?~

宮城県石巻警察署が告訴状を受理したのであれば、Aさんは横領罪の被疑者として捜査対象となります。
ただ、いきなり逮捕されるとは限りません。
たとえばギターの時価が低いものであったり、Aさんに前科がなかったり、ギターを慌てて返したりといった事情があれば、警察としても軽微な事件と判断するかもしれません。
そうなれば警察の呼び出しに応じて自ら警察署に行き、取調べを受けることはあるかもしれませんが、強制的に身柄を拘束される逮捕まではされないことになるでしょう。
一方で、上記とは逆の事情が多い場合には、逮捕される可能性が上がってくるでしょう。

~裁判にかけられてしまう?~

逮捕という身体拘束を受けていなくても、刑事裁判にかけられてしまう可能性は別途生じます。
逃亡や証拠隠滅のおそれはないから身柄拘束までする必要はないが、悪いことをしたことに変わりはないのだから裁判は受けてもらう、という在宅起訴というものです。
裁判にかけられるかどうかについても、 ~逮捕されてしまう?~ という段落に書いた事情等を考慮し判断されます。
裁判にかけられて有罪判決が確定すれば前科がついてしまいますし、執行猶予がつかなければ刑務所に入ることになります。

~不安の解消のためにも無料法律相談を~

あなたがAさんの立場であれば、横領罪逮捕されるのか、裁判にかけられるのか、ギターを返せば済むのかなどなど、非常に不安な気持ちになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所無料法律相談では、今後の見通しや逮捕・起訴を免れる可能性を上げるための方法についてアドバイスさせていただきます。
初回相談無料ですので、ぜひお気軽にご連絡ください。
宮城県石巻警察署への初回接見費用:43,200円

痴漢事件で余罪取調べ

2019-04-25

痴漢事件で余罪取調べ

仙台市若林区に住む会社員のAさんは,勤務先から帰宅するため地下鉄に乗った際,乗客の女子高生の身体を触ったことで他の乗客に取り押さえられ,駆けつけた宮城県若林警察署の警察官によって現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんは以前にも同じ路線で痴漢行為をしたことがあったため,警察官に正直に話すべきか悩んでいました。
Aさんは,家族が初回接見を頼み,宮城県若林警察署へ面会に来た弁護士に相談しました。
(フィクションです)

~余罪が刑事処分にもたらす意味~

設例のAさんは痴漢行為を理由に現行犯逮捕されていますが,いわゆる痴漢行為は各自治体が定める迷惑防止条例によって処罰されます。
宮城県の場合,迷惑防止条例第3条の2第1項1号が痴漢行為を規制しており,罰則は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています(同条例17条1項1号)。

痴漢事件は余罪が問題となることも少なくありません。
逮捕の有無に関わらず,警察官,検察官は同種の余罪がないか,取調べを行います。
別機会に起こしてしまった事件は別罪として扱われるため,取調べを経て余罪が発覚すると,立件されて捜査の対象になることがあります。
捜査の対象になるということは,すなわち,逮捕や刑事処分がされるリスクが生じることを意味します。

迷惑防止条例違反で現行犯逮捕されたAさんは,逮捕の翌日ないし2日目までに,検察庁と裁判所に行き,検察官と裁判官からも事件について聴取されます。
警察から送られた事件記録やAさん自身の話を聞いて,検察官と裁判官は,その日のうちにAさんを釈放するか,勾留して引き続き留置所に拘束するかの判断を行います。
勾留決定がされなければAさんは釈放されますが,余罪があった場合,後日改めて逮捕される可能性があります。
逮捕はされなくても,余罪の存在も考慮したうえで勾留決定がされてしまうことも考えられます。
その場合,一律10日間,最大で20日間,留置所から出ることができなくなります。
また,余罪は多ければ多いほど罪が重くなるため,初犯であっても起訴されて刑事裁判を受けなければならなくなることもあります。
このように,余罪の有無は身体拘束や処分内容に影響を及ぼします。

~取調べ対応の正解は?弁護士からの助言の重要性~

それでは,設例のAさんは痴漢行為の余罪について黙秘することが正解なのでしょうか?
確かに,刑事事件の疑いをかけられている人(被疑者と呼びます)には黙秘権が認められており,刑事訴訟法198条2項も「前項の取調に際しては,被疑者に対し,あらかじめ,自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない」と,捜査段階で意思に反した供述が強制されないことを明記しています。
余罪を裏付ける証拠関係が脆弱な場合は,黙秘をすることで,結果的に身体拘束期間を短くしたり,刑事処分を軽くできたりすることもあります。

もっとも,余罪部分に限ってとはいえ,黙秘を行うことは,徒に勾留決定がされるリスクを高めることも否定はできません。
設例のAさんのような場合は,余罪部分についても正直に供述することで,早期の釈放につながることもあり得ます。
また,逮捕の原因となった痴漢行為の被害者と示談ができた場合,余罪の存在を考慮しても,検察官が不起訴処分とすることで,前科を回避できるケースもあります。

このように,余罪一つをとっても,黙秘をするべきか,正直に供述をしていくべきかは,状況によって大きく変わってきます。
そして,どこまで黙秘し,どこまで正直に供述するべきかを,逮捕された方が一人で考え出すことには困難が伴います。
逮捕直後,速やかに刑事事件の経験豊富な弁護士から適切な取調べ対応の助言を受けることができるのであれば,その後の早期釈放や再逮捕リスクの軽減,寛大な処分を求めていくうえでも,大きな違いがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件少年事件を専門に扱う弁護士事務所として,余罪も含めた適切な取調べ対応によるサポートを行います。
弊所では,逮捕直後,速やかに弁護士からアドバイスが得られるように,初回接見サービスを実施しております。
ご家族が痴漢事件逮捕されてしまい,余罪対応も見据えたサポートを希望される方は,まずは一度ご連絡ください。
(宮城県若林警察署への初回接見費用36,300円)

暴行罪から傷害罪に切り替え?

2019-04-24

暴行罪から傷害罪に切り替え?

仙台市泉区内の居酒屋において飲酒と食事をしていた自営業50代男性Aさんは、同店のホールスタッフVさんの接客態度に腹を立てて、「お前のその態度はなんだ!」と怒鳴って突然Vさんに向かって自分の飲みかけの味噌汁をかけました。
同店の店長の通報により駆け付けた宮城県泉警察署は、Aさんを暴行罪の容疑で逮捕しました。
その後、病院を受診したVさんは全治一週間のやけどと診断され、Vさんは担当の警察官に診断結果を伝えました。
そのため、警察は、Aさんの容疑を傷害罪に切り替えて捜査しています。
Aさんの家族は、暴行罪から傷害罪に容疑が切り替えられたのはなぜか、切り替わるとどうなるのか刑事事件の経験豊富な弁護士に問い合わせをしました。
(フィクションです。)

~暴行罪から傷害罪へ罪名が切り替わる?~

今回の事例のAさんは、当初、暴行罪の容疑で逮捕されましたが、その後、傷害罪に切り替えられて捜査されています。
Aさんが容疑をかけられていた暴行罪と現在捜査を受けている傷害罪について、刑法がこれらの犯罪をどのように規定しているのかを確認してみましょう。

第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪傷害罪も人の身体に不法な力を加えた時に成立する犯罪ですが、人の身体に傷害を負わせたかどうかという点で異なります。

「暴行」とは人の身体に対する不法な有形力の行使を意味します。

「傷害」とは,人の生理機能に障害を与えることを言います。
暴力を振るって怪我をさせることや、失神させる,飲酒させて急性アルコール中毒にさせる,騒音を鳴らし続けて頭痛を起こさせるといったことが傷害行為に当たると判断されています。
また,PTSD(心的外傷後ストレス障害)にさせることも傷害に当たる場合があります。

暴行罪は「人を傷害するに至らなかったとき」に成立するため,傷害が未遂に終わった場合の多くは暴行罪に当たります。

今回の事例のAさんの場合を見てみましょう。
Aさんは、Vさんに突然味噌汁をかけるという行為をしています。
この行為をした時点で、Vさんの身体に不法な有形力を行使している=暴行罪が成立していることになるため、Aさんは暴行罪の容疑で逮捕されたと考えられます。
その後、病院を受診したVさんは全治一週間のやけどと診断され、Vさんは担当の警察官に診断結果を伝えています。
つまり、VさんがAさんの暴行により全治一週間のやけどを負っている=傷害を負わされているということが捜査機関に発覚しているということになります。
(なお、傷害罪の「傷害」の定義は生理機能を害することなので,たとえ全治1週間のやけどであっても,「傷害」であることには変わりありません。)
以上のような流れで、Aさんに傷害罪の成立が疑われ、被疑罪名が暴行罪から傷害罪に切り替わったのだと考えられます。

今回のAさんは、居酒屋で飲酒と食事をしているときに事件を起こしてしまっています
酒に酔って気が大きくなった状態で,つい手が出てしまうこともあり得ます。
酒によって気が大きくなっていることが犯罪の成立に影響を及ぼすのではないかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、確かに、飲酒は犯罪が成立するために必要な責任能力に影響を及ぼすことがあります。
しかし、通常見られる単純酩酊では,犯罪の成立に影響は生じません。
そのため、酔ったうえでつい手を出してしまい相手を怪我させてしまえば,それはれっきとした傷害罪になることが多いでしょう。

暴行罪の場合は約30パーセントが起訴されて裁判を受けることになりますが、傷害罪の場合は、約40パーセントが起訴されて裁判をうけることになります。
暴行罪傷害罪は、被害者との示談を進めることが,起訴を回避するうえで重要になります。
仮に起訴されてしまっても、示談の成立は容疑をかけられている方にとって有利に働きます。
それゆえ、暴行罪傷害罪で捜査・逮捕されている場合は、すぐに弁護士に依頼することをお勧めします。

上記で見てきました通り、捜査が進んだことで、逮捕された時点で容疑をかけられていた犯罪名から、別の犯罪名に容疑が切り替わることがあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門で示談交渉に長けた弁護士が多数所属しており、罪名の切り替えについても対応が可能です。
暴行罪傷害罪でお悩みの方は、まずはお気軽に無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県泉警察署までの初回費用:34,800円)

示談交渉をしようとして証人等威迫罪

2019-04-23

示談交渉をしようとして証人等威迫罪

仙台市宮城野区に暮らすAさんは、傷害事件を起こしてしまい、宮城県仙台東警察署の捜査を受けています。
Aさんは、弁護士に頼らずに自分で被害者と示談交渉をしようと考えて、被害者Vさんのもとを訪れました。
しかし、Vさんが示談を渋ったため、Aさんは苛立って、「俺の言う通りにしないとお前と家族がどうなるかわかってるな。」と脅しました。
VさんはAさんを恐れてその場では承諾したものの、後日、Vさんが担当の警察官に対してAさんの行動を話したため、警察にAさんの行動が明らかになりました。
Aさんは証人等威迫罪の容疑で、宮城県仙台東警察署逮捕されました。
(フィクションです。)

~証人等威迫罪~

刑事事件における証人や参考人等の証言は、被告人や被疑者の今後の刑事処分を決める上で、非常に重要な判断材料です。
そこで、刑事事件の証人や参考人等に対する面会強請、強談威迫の行為を処罰して、刑事司法の適正な運用を確保しようとするとともに、証人等の私生活の平穏ないし自由という個人的法益の保護をも図ることを目的として設けられた犯罪類型が証人等威迫罪です。

証人等威迫罪は、刑法105条の2において、「自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する」と規定されています。

証人等威迫罪の対象は、自己または他人の刑事事件の捜査もしくは審判に必要な知識を有すると認められる者とその親族です。
「捜査若しくは審判に必要な知識を有する」とは、犯罪の成否・情状・犯人または証拠発見に役立つ知識などを有することです。
「必要な知識を有すると認められる者」と、「認められる者」という表現になっている意味は、現にその知識を有する者に限られず、具体的状況から、そのような知識を有すると認められるものであれば足りるためです。
現に捜査機関の取調べを受けている者や裁判の証人として呼ばれている者などでも、将来その可能性がある者でもよいとされています。
「捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者」には、当然、被害者が含まれます。

証人等威迫罪では面会の強請、強談、威迫が禁止されています。
「面会の強請」とは、面会の意図のないことの明らかな相手に対して面会を強要することをいいます。
「強談」は相手方に対し、言語により強いて自己の要求に応ずるよう迫ることをいい、「威迫」とは,言語・態度によって気勢を示し,不安・困惑の念を生じさせることをいいます。

証人等威迫罪にあたる行為は、逮捕勾留の要件にも含まれる罪証隠滅にあたる行為であるため、逮捕勾留をされてしまう可能性が高いです。

~示談交渉を弁護士に依頼した方がいい理由~

証人等威迫罪は、被害者に対して面会を強請し、又は強談威迫の行為をした場合にも適用されます。
ご本人やご家族が刑事事件を起こしてしまった場合、被害者の方に対して謝罪をしたい、示談交渉をしたいと考える方は多いです。
しかし、謝罪や示談交渉のためとはいえ、ご本人やご家族が被害者と直接接触する場合、行き過ぎた示談交渉となってしまい、今回のAさんのケースのように証人等威迫罪に問われてしまうこともなくはありません。
また、証人等威迫罪は他人の刑事事件を対象とする者についても適用されるため、ご本人の代わりに示談交渉しようとしたご家族が罪に問われることも考えられます。

証人等威迫罪にならないように示談交渉を試みるとしても、加害者が被害者に直接接触して示談交渉することはお勧めできません。
そもそも、被害者は加害者に対する怒りや恐怖から、加害者やその家族と連絡を取りたがらないことが多いです。
仮に、加害者が被害者に連絡をとれたとしても、当事者が直接話し合うと、被害者の加害者に対する恐怖や憎悪・怒りから交渉が難航したり、最悪の場合被害者の恐怖感や怒りの感情をさらに高めたりしてしまうおそれがあります。
また、無事に示談が成立したように見えるケースでも、法律の専門家ではない当事者による示談の場合は、示談に不備があって法的な効力が認められず、後日紛争が蒸し返されるということもあります。

このように、弁護士を通さない示談交渉では、さらなる刑事事件やトラブルに発展してしまうおそれがあります。
そのため、被害者への謝罪や示談交渉は、弁護士を通して行うことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまで多数の示談交渉をまとめ上げてきた弁護士が多数在籍しており、被害者と加害者双方が納得のいく示談締結を目指します。
弁護士による無料法律相談、初回接見をご希望の方はフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
初回法律相談:無料
宮城県仙台東警察署までの初回接見費用:36,900円

18歳未満をキャバクラで働かせて風営法違反

2019-04-22

18歳未満をキャバクラで働かせて風営法違反

40代男性Aさんは、仙台市青葉区で風営法の許可を得てキャバクラを経営しています。
Aさんは、同店の営業において、17歳女性Vさんを雇った上で、深夜に客に接待する業務を行わせていました。
ある日、宮城県仙台中央警察署の捜査が入り、Aさんは18歳未満の者に接待をさせたとして、風営法違反の疑いで逮捕され、後に勾留されました。
Aさんの家族は、風営法違反事件に強い弁護士に問い合わせして初回接見を依頼しようと考えています。
(フィクションです。)

~18歳未満の者を風俗店で働かせた場合~

今回の事例のAさんは18歳未満の者に接待をさせたとして、風営法違反の疑いで逮捕されています。
18歳未満の者(年少者)を風俗店で働かせると、以下のような犯罪に該当し、刑事責任を問われる可能性があります。

(1)風営法違反

「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、通称「風営法」は、風俗店や風俗営業に関する規制を定めています。
風営法で風俗営業とされているのは、接待行為をして客に遊興・飲食をさせる営業等です。
風俗営業を行う風俗店は、風営法の規制を守らなければなりません。
キャバクラは、客を接待して飲食させる営業(1号営業)となり、風営法の規制対象である風俗店となります。

風営法では、22条1項柱書において、許可を得て風俗営業を営む者に対する禁止行為を定めています。
その禁止行為の中に、同条同項3号の「営業所で、18歳未満の者に客の接待をさせること」があります。
18歳未満の者をキャバクラで働かせる行為は風営法違反となり、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金又はその併科が科される可能性があります。(風営法第50条1項4号)

また、風営法では、「客の接待」といえる行為まではさせていなくても、風俗営業を営む者が、「営業所で午後10時から翌日の午前6時までの時間において18歳未満の者を客に接する業務に従事させること」を禁止しています。
「客に接する業務」とは、客の案内や飲食の運搬が含まれ、直接に客の接待をしていなくても上記規定に違反することになります。

(2)労働基準法違反

労働基準を定める法律である労働基準法は、61条で、18歳未満の従業員を午後10時から朝5時までに勤務させることを禁止しています。

62条では、使用者が18歳未満の者を「福祉に有害な場所における業務」(危険有害行為)に就かせることを禁止しています。
ここでいう「福祉に有害な場所における業務」に、キャバクラ嬢の業務などが該当する「酒席に侍する業務」が含まれています。
つまり、18歳未満の年少者をキャバクラ店で働かせた場合や午後10時から朝5時までに勤務させることで労働基準法違反となりえることになります。

労働基準法第61条違反と第62条違反は、どちらも6月以下の懲役又は30万円以下の罰金となる可能性があります。

(3)児童福祉法違反

15歳未満の者をキャバクラなどの風俗店で働かせていた場合には、児童福祉法違反となり、3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は両方が科される可能性があります。

18歳未満の年少者をキャバクラなどの風俗店で働かせた場合、上記のように様々な犯罪に当てはまる可能性があります。
様々な犯罪に当てはまるような事件では、刑事事件に強い弁護士に相談されると心強いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が風営法違反事件でお困りの方のお力になることができます。
無料法律相談や初回接見サービスのご予約・お申込み等のお問い合わせは、0120-631-881でいつでも受け付けております。
風営法違反でご家族が突然逮捕されてお困りの方は、どうぞお気軽にお電話ください。
(宮城県仙台中央警察署への初回接見費用:34,100円)

酒気帯び運転で早期釈放のためのポイントは?

2019-04-21

酒気帯び運転で早期釈放のためのポイントは?

仙台市宮城野区に住む会社員のAさんは,職場で開かれた懇親会に参加して飲酒した後,運転代行を頼むのが面倒になり,酔った状態で自ら車を運転して帰宅しようとしました。
しかし,Aさんは途中で対向車と接触事故を起こしてしまい,通報によって駆けつけた宮城県仙台東警察署の警察官に,酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は,一日でも早く釈放が認められるように,弁護士事務所に宮城県仙台東警察署への初回接見を依頼しました。
(フィクションです)

~人身事故にならなくても逮捕されるおそれが~

設例のAさんは酒気帯び運転の疑いで逮捕されていますが,飲酒後の運転の禁止を定めているのは道路交通法です。
道路交通法65条1項は「何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と規定しています。
罰則については「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」とされています(同法117条の2の2第3号)。
酒気帯び運転に該当するかは,通常,警察官による呼気検査で一定以上の数値が示されたかによって判断されます。
また,歩行や会話能力にも影響が見られる場合,より重い酒酔い運転として処罰されることもあり得ます。
酒酔い運転に該当する場合,罰則は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」となります(同法117条の2第1号)。

酒気帯び運転にとどまる場合,逮捕はされずに,必要な時のみ警察署に呼び出されて取調べを受ける,在宅捜査として事件が進んでいくこともあります。
もっとも,設例のAさんのように,飲酒運転をしたうえで事故を起こしてしまった場合,臨場した警察官によって現行犯逮捕されてしまうことも少なくありません。
人身事故に至らず,車両同士の物損事故のみであった場合も,逮捕されてしまうおそれがあります。
また,人身事故になってしまった場合,酒気帯び運転とは別に,自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律,いわゆる自動車運転処罰法が定める過失運転致傷罪にも問われることになります。
過失運転致傷罪が成立する場合,罰則としては「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」と規定されています(同法5条)。

~逮捕から長期の勾留に移行するリスク!早期釈放に向けた弁護士による活動~

ひとたび逮捕されてしまうと,通常は警察署内の留置所に拘束され,家族を含め,外部への連絡が自由にできなくなります。
これだけでも大きな負担となりますが,より気をつけなければいけないのは,逮捕後に勾留決定がされてしまうことです。

勾留決定とは,逮捕に引き続いて留置所での身体拘束を継続することを指します。
勾留は検察官及び裁判官が関与して判断されますが,いったん勾留が決定してしまうと,一律で10日もの間,身体拘束が継続してしまいます。
弁護士による弁護活動によって身体拘束の期間が短縮することもありますが,特にそのような対応を行わない場合,通常は10日間丸々,身体拘束が継続することになります。

さらに厄介なことに,検察官と裁判官が勾留決定をするかの判断は,逮捕の翌日ないし2日後には早々に行われます。
勾留決定をつけずに釈放される可能性を高めるには,勾留決定が判断される前に,検察官,裁判官に有利な証拠を提出する必要があるため,逮捕直後に弁護士を依頼できるかは非常に重要となります。
とりわけ,酒気帯び運転の場合は,「酔っていてよく覚えていない」といった具合に曖昧な供述を警察官や検察官に行うことで,事実を争っていると解釈され,勾留決定がされやすくなってしまうおそれがあります。
検察官や裁判官に誤解されることがないためにも,逮捕直後に弁護士の接見(面会)を受けて,適切な取調べ対応のアドバイスを受けることが肝要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士事務所として,逮捕直後の速やかな接見を可能にするべく,初回接見サービスを実施しております。
酒気帯び運転のような交通事件にも幅広く取り組んでいますので,酒気帯び運転でご家族が逮捕されてお悩みの方は,まずは一度,弊所までご連絡ください。
(宮城県仙台東警察署への初回接見費用:36,900円)

薬物事件と違法捜査②

2019-04-20

薬物事件と違法捜査②

~前回からの続き~

ケース1
Aさんは覚せい剤の粉末の入ったポリ袋を上着の胸ポケットに入れて仙台市内の繁華街を歩いていました。
覚せい剤事犯等の多発地帯を巡回中のP巡査は、Aさんについて薬物中毒者に顕著な特徴が認められるという理由で職務質問をしました。
P巡査は、職務質問中、Aさんの承諾がないのに、Aさんの上着の胸ポケットを外から触ったところ、何か入っている感じでふくらんでいたため、ポケットの中身を出すよう求めました。
Aさんは、自らポケットの中身を出そうとはせず、長時間にわたる警察官の説得に対して黙ったままであったため、P巡査はAさんの上着のポケット内に手を差し入れて中身を掴みだすと、覚せい剤と思われる粉末が出てきました。
粉末を試薬によって検査すると覚せい剤と判明したため、Aさんは覚せい剤所持の現行犯として宮城県仙台中央警察署逮捕されてしまいました。
Aさんは任意の職務質問でポケットに手を入れられたことに不満を持っており、違法捜査ではないかと思っています。
(フィクションです。)

ケース2
ある日、仙台市青葉区覚せい剤の売人をしているBさんの自宅に、宮城県仙台北警察署の警察官が訪れました。
警察官はBさんに有無を言わさずにBさん宅内の捜索を開始しました。
Bさんの部屋の中から覚せい剤が見つかったため警察官は覚せい剤を差し押さえるとともに、Bさんを覚せい剤所持の容疑で現行犯逮捕しました。
Bさんは、自身が受けた捜査が違法捜査ではないかと思っています。
(フィクションです。)

ケース1のAさんとケース2のBさんは、自身が受けた捜査が違法捜査ではないかと思っています。

~ケース1について~

ケース1のAさんの事件について見てみます。

所持品検査とは、警察官が職務質問に付随して行う任意の手段であるため、原則は同意を得て所持品検査を行わなくてはいけません。
そのため、職務質問中、所持品検査を所持人の承諾なく行うことは適法であるかが問題になります。
判例では、「警職法二条一項に基づく職務質問に附随して行う所持品検査は、任意手段として許容されるものであるから、所持人の承諾を得てその限度でこれを行うのが原則であるが、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、たとえ所持人の承諾がなくても、所持品検査の必要性、緊急性、これによって侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況の下で相当と認められる限度において許容される場合があると解すべきである」とされています。
ケースに類似した事件(最高裁昭和53年9月7日判決)では、「警察官が、覚せい剤の使用ないし所持の容疑がかなり濃厚に認められる者に対して職務質問中、同人の承諾がないのに、上衣左側内ポケットに手を差し入れて所持品を取り出した上検査した行為は、一般にプライバシー侵害の程度の高い行為であり、かつ、その態様において捜索に類するものであるから、職務質問に附随する所持品検査の許容限度を逸脱し違法である」と判示されています。

所持品検査が違法であるとされた場合、つまり、証拠の収集手続が違法捜査にあたる場合、証拠の証拠能力が否定されることがあります。
証拠能力が否定されれば、その証拠は事実認定に用いることができない、つまり、その証拠を刑事裁判で用いることができなくなります。
そうなれば、検察官が有罪立証に失敗し無罪判決となる可能性があります。
ただし、証拠能力が否定されるには、「証拠物の押収等の手続に、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる」ことが必要であり、単に手続に違法があるというだけで、直ちに証拠能力が否定されるわけではありません。

ケース1のAさんの事件と類似した事件である最高裁昭和53年9月7日判決では、所持品検査をきっかけとして押収した「覚せい剤ようの粉末」につき、
(1)所持品検査として許容される限度をわずかに 超えたにすぎないこと
(2)警察官に令状主義を潜脱しようとする意図があったわけではなかったこと
(3)所持品検査に際し強制等のされた事跡も認められないこと
から証拠能力を肯定しています。

~ケース2について~

薬物事件逮捕される場合、逮捕の前に捜索差押えが先行する場合があります。
原則的に、捜索差押えは裁判所が発付した令状がなければできず、令状は捜索差押え時に処分を受ける者に呈示しなければなりません。
令状の呈示は、執行前にすることが原則とされていますが、薬物事件の場合は立入り後に呈示することも違法ではないとされています。
しかし、もし一切令状を呈示していないならば違法となる可能性があります。
また、捜索差押えに抵抗しようとして警察官に取り押さえられているような場合、警察官により過度の有形力が行使されていれば違法となる可能性もあります。

ケース1のAさん、ケース2のBさんのような場合、弁護士は、違法捜査の可能性を精査して、違法捜査が行われた場合は捜査機関への抗議を通じ、被疑者の利益のために、適正手続の実現に努めます。

違法捜査にあたるか、覚せい剤の証拠能力が肯定されるかについては、薬物事件に詳しい弁護士に相談されることがお勧めです。
捜査機関の活動に納得のいかない方、違法捜査ではないかとお困りの方は、薬物事件に詳しい弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県仙台中央警察署 初回接見費用:34,100円)
(宮城県仙台北警察署 初回接見費用:34,900円)

薬物事件と違法捜査①

2019-04-19

薬物事件と違法捜査①

ケース1
Aさんは覚せい剤の粉末の入ったポリ袋を上着の胸ポケットに入れて仙台市内の繁華街を歩いていました。
覚せい剤事犯等の多発地帯を巡回中のP巡査は、Aさんについて薬物中毒者に顕著な特徴が認められるという理由で職務質問をしました。
P巡査は、職務質問中、Aさんの承諾がないのに、Aさんの上着の胸ポケットを外から触ったところ、何か入っている感じでふくらんでいたため、ポケットの中身を出すよう求めました。
Aさんは、自らポケットの中身を出そうとはせず、長時間にわたる警察官の説得に対して職務質問に協力しないで黙ったままであったため、P巡査はAさんの上着のポケット内に手を差し入れて中身を掴みだすと、覚せい剤と思われる粉末が出てきました。
粉末を試薬によって検査すると覚せい剤と判明したため、Aさんは覚せい剤所持の現行犯として宮城県仙台中央警察署逮捕されてしまいました。
Aさんは任意の職務質問でポケットに手を入れられたことに不満を持っており、違法捜査ではないかと思っています。
(フィクションです。)

ケース2
ある日、仙台市青葉区覚せい剤の売人をしているBさんの自宅に、宮城県仙台北警察署の警察官が訪れました。
警察官はBさんに有無を言わさずにBさん宅内の捜索を開始しました。
Bさんの部屋の中から覚せい剤が見つかったため警察官は覚せい剤を差し押さえるとともに、Bさんを覚せい剤所持の容疑で現行犯逮捕しました。
Bさんは、自身が受けた捜査が違法捜査ではないかと思っています。
(フィクションです。)

~覚せい剤事件と法定刑~

薬物事件の大半を占めるのは、違法薬物の使用や単純所持の事件です。
覚せい剤取締法違反事件のうち全体の9割以上が使用や所持による検挙となっています。

ケース1のAさんとケース2のBさんは覚せい剤の所持で逮捕されています。
覚せい剤の所持に対して覚せい剤取締法は、10年以下の懲役と定めています(同法41条の2第1項)。
営利目的の所持であれば、1年以上の懲役で、情状により、500万円以下の罰金が併科されることがあります(同条2項)。

~薬物事件と捜査の適法性~

薬物事件では、犯人とされている方が、無理矢理所持品検査された、無理矢理警察署に連れていかれた等、捜査手続きの違法を訴えていることが少なくありません。
薬物事件では、薬物の存在または尿からの薬物成分の検出が検挙及び立証にとって不可欠であるため、警察はなんとかして薬物や尿を獲得しようとします。
しかし、犯罪を疑われている方、その中でも特に薬物の前科のある乱用者である方は、必死で薬物や尿を獲得されることを避けようとすることが多いです。
そのため、薬物事件では、捜査の適法性や違法捜査が問題となる事態が起きやすいと言われています。

捜査機関の活動に納得のいかない場合や違法捜査ではないかと思う場合は、薬物事件に詳しい弁護士に相談されることがお勧めです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
薬物事件刑事事件に詳しい弁護士が多数所属していることを強みとしており、どのような捜査手法が違法となり得るかについて精通しています。
違法捜査が行われた場合、捜査機関への抗議を通じて、被疑者の利益のために適正手続の実現に努めます。
まずは、フリーダイヤル0120-631-881にお問い合わせいただき、無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県仙台中央警察署 初回接見費用:34,100円)
(宮城県仙台北警察署 初回接見費用:34,900円)

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