守秘義務違反で取調べ

守秘義務違反で取調べ

秘密漏示罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県白石市の薬局で薬剤師として働くAさん。
知り合いのVさんが来店し、ある病気の処方箋を受け取っていきました。
後日、別の知人と食事しているときに、Vさんが薬を受け取っていったことを、病名も交えて話してしまいました。
その後、AさんからVさんの薬のことを聞いた知人は、直接Vさんに対し、
「○○の病気で治療してるんだってね?がんばってね!」
などと声をかけました。
病気のことを口外していなかったので不審に思ったVさんが確認したところ、Aさんが話してしまったことを知りました。
病気をばらされてショックを受けたVさんは、警察に告訴状を提出。
Aさんは、白石警察署の警察官から事情を聞かれることになりました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~守秘義務違反は犯罪になることも~

医療関係者や弁護士などには、職務の過程で知ることになった個人情報をもらしてはいけないという守秘義務があります。
この守秘義務に違反して情報を漏らした場合、民事上は慰謝料等の賠償責任を負う可能性があるほか、秘密漏示罪(ヒミツロウジザイ)という犯罪まで成立してしまうこともあります。

条文を見てみましょう。

第134条1項
医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2項
宗教、祈祷とう若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。

条文にあるように、医師、薬剤師、弁護士や宗教関係者などの職にある人、または過去にこれらの職にあった人が、業務上知ることとなった人の秘密を、正当な理由なく外部に漏らすと、秘密漏示罪が成立してしまいます。

ここでいう「人の秘密」とは、少数の人にしか知られていない事実で、一般的な感覚からして、人に知られたくないと感じるようなものをいいます。
今回のような医療関係者による情報漏洩の場合、たとえば風邪薬を処方されていたという程度の事実であれば犯罪が成立しない可能性もありますが、基本的には成立するものと思っておいた方がよいでしょう。

~親告罪なので示談が重要~

秘密漏示罪は、被害者が警察に告訴してはじめて処罰することができます。

第135条
この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

このような犯罪を「親告罪」(シンコクザイ)といいます。
被害者が、秘密が広まることを恐れるなどの理由により大ごとにしたくないのに、裁判などの事態になることを防ぐために親告罪とされています。

逆に言えば、被害者に謝罪・賠償して示談を締結して告訴を防いだり、既にした告訴を取り下げてもらえれば、処罰されないということになります。

しかし、示談交渉しようにも、なんと言ってお願いすれば良いか、示談金はいくらにすればよいのか、示談書には何と書けばよいのかなど、わからないことが多いと思います。
そこで一度弁護士に相談された方がよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
弁護士事務所での法律相談は初回無料で行っております。
万が一逮捕されている場合には、ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等に出来る限りすみやかに面会(接見)にまいります。

法律相談や接見後の結果報告を聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけますので、ぜひ一度ご連絡ください。

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