あおり運転で逮捕

あおり運転で逮捕

あおり運転で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県富谷市に住むAさん。
市内の国道を走行中に、前方を走るVさんの車に対してあおり運転をしました。
Vさんは道路の左端に寄り、道を譲る動きをしましたが、今度はVさんの車の前に出て、急ブレーキを踏むなどして進路を妨害しました。
まもなくAさんは立ち去りましたが、Vさんが警察に被害届を提出。
ドライブレコーダーの映像からAさんの犯行と発覚し、Aさんは大和警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~あおり運転で成立する犯罪は?~

最近、ニュースをにぎわせている、あおり運転。
あおり運転をする原因としては、怒りをコントロールできないなどの問題を抱えている場合もあり、医療的なケアが必要な場合もあります。

あおり運転をしてしまった場合、道路交通法違反の他、暴行罪過失運転致死傷罪危険運転致死傷罪などが成立する可能性もあります。

まずは、道路交通法の今回問題となる主な条文を見てみましょう。

第24条(急ブレーキの禁止)
車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。
第26条(車間距離の保持)
車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。
第70条(安全運転の義務)
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

かなり長くなってしまいましたが、あおり運転をすると、事故が発生するに至らなくてもこれらの条文に違反し、反則金納付や点数減点などになってしまう可能性があります。

~暴行罪も~

さらに、最近は刑法の暴行罪を適用することも増えているようです。

刑法208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪における「暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
「人の身体に対する」とはいっても、人に直接あたる必要はなく、人に危険を及ぼし得るような行為であれば「暴行」にあたる可能性があります。
たとえば人のすぐ横に石を投げつける行為なども「暴行」に当たります。

あおり運転も、人の車に自分の車を近づけ、運転手の身体に危険を及ぼし得る不法な有形力の行使と言えるので、「暴行」に当たる可能性があるわけです。

暴行罪は2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金ですので、前述の道路交通法違反の場合よりも罰則が重いものとなっています。

~事故になった場合は?~

あおり運転の結果、相手の車と衝突して相手にケガを負わせたり死亡させる事態になった場合、過失運転致死傷罪危険運転致死傷罪などの重い罪が成立する可能性があります。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
4号 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

カッとなってやってしまったあおり運転。
相手に重いケガや死亡という結果を生じさせてしまう可能性もあるので、あおった側も重い刑罰を受ける可能性があるわけです。

~弁護士にご相談を~

あおり運転などで逮捕されると、ご本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

あおり運転などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

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