ストーカー事件を示談で解決

ストーカー事件を示談で解決

先月まで男性Vさんと交際していたAさんは、Vさんから別れを告げられたことを受け入れられず、Vさんとなんとか復縁したいと考えました。
そこで、Aさんは、Vさんから拒まれていたにも関わらず複数回に渡りLINEで面会を迫るメッセージを送付しました。
LINEメッセージが「既読」にならないことから,直接会って自分の思いを伝えようと、Vさんの勤務先を見張る、Vさん宅付近でVさんの帰りを待ち伏せする等の行為をしたところ、通報を受けて駆け付けた宮城県仙台北警察署の警察官に,ストーカー規制法違反の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)

~ ストーカー行為 ~

ストーカー行為をした者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(ストーカー規制法18条)。
ストーカー行為とは、同一の者に対し,②つきまとい等を③反復してすることと定められています(ストーカー規制法2条3項)。
①  同一の者
ストーカー行為と言えるためには、同一の者に対する②つきまとい等の③反復である必要があります。

② つきまとい等
つきまとい等とは,(1)特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を満たす目的で,(2)当該特定の者又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対して,(3)ストーカー規制法2条1項各号に定める行為をすることをいいます。

つきまとい等とされる行為には,つきまといの他に,監視していると告げる行為,面会・交際の要求,乱暴な言動,無言電話等,汚物などの送付,名誉を傷つける行為,性的羞恥心を害する行為があります。
平成28年のストーカー規制法改正によって,(1)住居等の付近をみだりにうろつくことと,(2)拒まれたにもかかわらず,連続して,SNSを用いたメッセージ送信等を行うことや,ブログ,SNS等の個人のページにコメント等を送ることが新たにつきまとい等として規制対象になりました。

②  反復して
反復というためには、1回のつきまとい等では足りず、少なくとも2回以上のつきまとい等が必要です。
判例では、ストーカー規制法2条1項各号に掲げるつきまとい等のうち,いずれかの行為をすることを反復することをいい,特定の行為あるいは特定の号に掲げられた行為を反復する場合に限るものではないと判示しています(最決H17.11.25)。

(なお,つきまとい等を1回行った限りでは,ストーカー規制法による「ストーカー行為」にはあたらないため罰則対象にはなりませんが,警察署による警告等を受ける可能性はあります。)

~ 示談 ~

ストーカー事件では、被害者との示談が,刑事処分や量刑を決める上で重要な要素となります。
事例のAさんは、逮捕されてしまっていますが、示談をすることで釈放される可能性もあります。
示談によって早期の学校復帰・社会復帰を目指すことができます。

当事者間で示談が成立している場合、被害者の被害感情が一定程度収まっていること、行為者が一定の金銭の支出という「制裁」を受けているといったことを検察官が評価して、「不起訴処分」とすることがあります。
不起訴処分とは、今回の事件については裁判にかけることはしない、という処分のことです。

不起訴処分では済まずに何らかの刑事処罰は免れない場合でも、当事者間で示談が成立していると刑事処罰の内容を決める上で大いに影響します。
示談が成立していない場合に比べて、かなり刑事処罰の内容が軽くなることが多いです。

示談交渉は、捜査や刑事手続きに応じて迅速に進める必要があります。
示談交渉は、豊富な知識と経験を有する弁護士に依頼するのがお勧めです。

ストーカー事件で示談をご検討中の方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご用命ください。
逮捕・勾留による身柄拘束をご家族等が受けている場合は、初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県仙台北警察署までの初回接見費用:34,600円)

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