宮城県色麻町の少年が放火

宮城県色麻町の少年が放火

色麻町で15歳の少年が自宅を放火し、家族2人が死亡した事件がありました。

少年「こんなことになるとは…」色麻町住宅全焼2人死亡 1階の少年の部屋が火元か〈宮城〉
Yahoo!ニュース(仙台放送提供)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~現住建造物等放火罪に~

この事件を知った皆さんは、少年が自宅へ放火した動機などが気になるところかと思います。
しかし、現時点では報道を見てもわからない状況なので、今回は法律的な解説をしていくことにします。

家族も住む自宅に放火して全焼させた少年には、現住建造物等放火罪が成立します。

刑法第108条
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

木造建築の多い我が国では、放火は人が死亡する危険も高い悪質な犯罪であるということで、殺人罪と同じ重い刑罰が定められています。

犯人が20歳以上の場合にはこの範囲内で刑罰を受けることになります。
しかし今回放火したのは15歳の少年
20歳未満の少年が犯罪をした場合には少年法が適用されるので、処分の内容や手続きが大きく異なってきます。

~少年事件の手続は?~

成人事件でも少年事件でも、犯罪をしたとして逮捕されると、警察が取調べをした後、身柄が検察庁に送られます。
リンク先の3月9日時点のニュースでも、少年は検察庁に送られた段階のようです。

この後、検察官の取調べを受けた後、成人事件の場合には地方裁判所において刑事裁判を受けるのが基本的な流れになります。

しかし少年の場合には家庭裁判所の管轄となり、全く別の手続が進んでいきます。
少年事件の場合、更生の可能性が高い、あるいは生育環境など外部的要因も大きいといった理由から、単に犯罪を責めるのではなく、環境を整えて更生させることを目指して別の制度が設けられているのです。

家庭裁判所に事件が送られると、最初に4週間程度、少年鑑別所に入れられて調査を受けることが想定されます。
少年鑑別所では、面接、心理検査、行動観察などが行われます。
その結果もふまえ、家庭裁判所調査官が中心となって、少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の判断が行われます。

調査官の判断をふまえ、少年審判を開くか否かの判断を、裁判官が行います。
比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。

そうでない場合は、少年審判が開始されます。

~少年審判の結果にはどんなものが?~

少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
少年審判
を経て、裁判官が審判結果を決めることになります。
審判結果としては以下のものが考えられます。

①不処分
少年審判が終わる頃には反省の態度が見られるようになり、再犯の可能性が低いような場合になされます。
審判不開始決定と同じく、成人事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものであり、ここで手続が終了となります。

②保護観察
保護観察所の指導・監督を受けつつ、少年を社会の中で生活させながら更生させていきます。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。

③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により帰る場所がなく②の保護観察が行えない等の場合に、福祉施設に住ませつつ、社会の中で生活させ更生を目指すというものです。

④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、原則として外出が許されない少年院で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は刑法などの法律に書かれた懲役・禁錮の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。

⑤検察官送致(逆送)
凶悪事件については、成人と同じ刑罰を受けさせるべきと判断されると、家庭裁判所から検察庁に事件が戻されます。
その後、追加の取調べなどの捜査がなされた上で、成人と同じ刑事裁判を受けるという流れになります。

今回の現住建造物等放火罪はかなり重い犯罪ですので、重い結果となることも考えられます。
しかし放火に至った原因やその後の反省の様子などをふまえ、柔軟に処遇が決められることになります。

~お困りの際はご相談を~

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
少年の更生に向けて最大限のサポートをしてまいりますので、少年が事件を起こしてお困りのご家族の方はぜひご相談ください。

 

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