壁への落書きは犯罪になるのか(建造物損壊事件)

壁への落書きは犯罪になるのか(建造物損壊事件)

壁への落書きは犯罪になるのかという建造物損壊事件に関する疑問について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは宮城県仙台市若林区にある県立高校に通う高校生です。
Aさんは,同市のビル(V会社所有)の壁に塗料で落書きをしたとして逮捕されました。
Aさんは深夜,落書きしたビル付近の公園で,友人とたむろしていたところ,宮城県若林警察署の警察官により職務質問されました。
そして,その会話の中でAさんが壁への落書き事件に関与していたことが発覚してしまいました。
その後,宮城県若林警察署の警察官が捜査した結果,容疑が固まったとして,事件発生から3か月ほど経った後,逮捕されてしまったといいます。
Aさんによる壁への落書きは犯罪になるのでしょうか。
(2021年8月4日にHBC北海道放送に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【壁への落書きは建造物損壊罪にあたり得る】

刑法260条
他人の建造物…を損壊した者は,5年以下の懲役に処する。

建造物損壊罪は,刑法260条に定められている犯罪です。
建造物損壊罪の成立要件は,「他人の建造物」を「損壊」することです。

刑事事件例の壁への落書き事件では,Aさんは,V会社所有のビルに落書きをしており,建造物損壊罪の「他人の建造物」という要件は満たすと考えられます。

問題は壁への落書きが建造物損壊罪の「損壊」に当たるのかという点です。
この点,建造物損壊罪の「損壊」とは,効用の減少であると考えられています。
そして,この効用には,建造物の美観も含まれると考えられています。

この考え方と同じく,平成18年1月17日の最高裁判所決定では,公園の公衆トイレの壁にスプレーで「反戦」と大きく書いた行為について,「建物の外観ないし美観を著しく汚損し,原状回復に相当の困難を生じさせた」として建造物損壊罪の「損壊」に当たると判示されています。

この最高裁判所決定の考え方によって刑事事件例をみてみると,Aさんによる壁への落書きも建造物損壊罪の「損壊」に当たり得ると考えられます。

よって,Aさんには建造物損壊罪が成立すると考えられます。
壁への落書きは建造物損壊罪にあたり得るのです。

【壁への落書き事件(建造物損壊事件)と少年事件の関係】

壁への落書き事件(建造物損壊事件)を未成年(20歳未満)の少年が起こした場合,少年には少年法の規定が適用されます。

成年の刑事事件における刑事裁判が被疑事実があるか否か(被疑事実があれば,有罪となります)という点が問題となるのに対して,少年法が適用される少年事件では,①非行事実があるか否かと,②少年の保護が必要か否かという2点が問題となります。

刑事事件例で考えれば,①非行事実があるか否かということは,すなわちAさんが本当に壁への落書き事件(建造物損壊事件)を起こしたのかという問題を意味します。

一方,②少年の保護が必要か否かということは,少年の性格や環境に照らして将来再び非行を行ってしまう可能性があるのか,少年審判による保護処分によって将来再び非行を行ってしまうことを防ぐことができる可能性があるか,少年審判による保護処分が少年の更生に最も有効かつ適切かという問題を意味します。

刑事事件例で考えれば,Aさんが深夜,落書きしたビル付近の公園で,友人とたむろしていたことから,Aさんの環境は必ずしも良好であったとはいえなかったと考えられます。
そうすると,家庭裁判所は,少年の性格や環境に照らして将来再び非行を行ってしまう可能性があると考えてしまう可能性があり,その結果,少年の保護が必要であると考えられてしまう可能性があります。

少年事件では,壁への落書き事件(建造物損壊事件)を起こした背景等によっては,少年の要保護性(②少年の保護が必要か否か)が認められてしまう可能性があります。
この少年の要保護性を解消するためには,少年自身の改心やご家族の協力はもちろん,刑事弁護士による環境調整活動が大切となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
壁への落書き事件(建造物損壊事件)でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。

 

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