覚せい剤所持再犯の執行猶予
会社員Aさんは、自分で使用する目的で仙台市内の密売人から覚せい剤を購入しました。
その帰り道に、職務質問されたAさんは、所持品検査の結果、隠し持っていた覚せい剤が見つかってしまいました。
その場で警察官が、覚せい剤の簡易鑑定した後、Aは、覚せい剤所持で現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕の連絡を受けたAの家族は、5年前の覚せい剤の使用事件で前科のあるAさんに再犯でも執行猶予を付けてくれる弁護士を選びたいと考えています。
(フィクションです。)
~覚せい剤取締法(覚せい剤所持)~
覚せい剤取締法第41条の2第1項では、覚せい剤を、みだりに所持することが禁止されています。
①「みだりに」とは
社会通念上正当な理由が認められないという意味です。
覚せい剤を正当な理由が認められて適法に所持できる法定の除外事由については、覚せい剤取締法第14条第1項及び第2項に列挙されています。
主に覚せい剤を取り扱う施設や機関に勤務する医師や研究者の他、法令に基いてする行為につき覚せい剤を所持する司法警察員や鑑定技師等が挙げられています。
②「所持」とは
人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為で、必ずしも物理的に把持する必要はありません。
覚せい剤の存在を認識してこれを管理しうる状態であれば足りるとされています。
例えば、第三者に保管を依頼している場合、トランクルームなどに覚せい剤を隠していて、その鍵を所持している場合等であっても、覚せい剤を間接的に所持していたとして、覚せい剤の所持違反が成立する可能性が高いです。
③所持の故意
覚せい剤の所持罪が成立するには、所持にかかる物が覚せい剤であるという認識と、覚せい剤を所持したという行為にあたる事実の認識と認容が必要です。
覚せい剤取締法において、単純に自己使用目的で、覚せい剤を所持した場合は、10年以下の懲役に処せられると定められています。
一方で、営利目的で覚せい剤を所持したり、使用した場合は、1年以上の懲役または1年以上の懲役及び500万円以下の罰金に処せられます。
覚せい剤所持事件における量刑は、営利目的で覚せい剤を所持した場合は、初犯であっても実刑判決となる場合があります。
Aさんのような、単純な自己使用目的での覚せい剤所持事件の場合、初犯であれば、執行猶予付きの有罪判決を受けることがほとんどです。
しかし、覚せい剤事件は非常に再犯率の高い犯罪と言われています。
単純な自己使用目的での覚せい剤所持事件であっても、2回目や3回目といった再犯の場合、執行猶予付きの判決を受けることができず、実刑判決を受けて刑務所に服役することになる可能性が高くなってしまいます。
ただし、再犯だからと言って絶対に実刑になるとも限りません。
前の事件の判決内容や、判決からの期間、また今回の刑事事件での情状や、本人の更生見込み等によって再犯でも執行猶予付の判決となることもあります。
例えば、前刑から10年近く経過しての再犯であった場合や、再犯であるものの常習性が極めて低い場合、家族等の監督能力が認められた場合、医療機関で診察を受ける等して本人の更生意欲が高い場合等は、再犯であっても執行猶予が付く可能性があります。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、覚せい剤取締法違反(所持)等のご相談を24時間いつでもお受付しています。
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(宮城県仙台南警察署への初回接見費用:34,800円)