犯罪は国家資格の欠格事由

犯罪は国家資格の欠格事由

犯罪と国家資格への影響について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県富谷市に住む20歳のAさん。
医師を目指して医学部で学んでいます。
ある日、同級生と居酒屋で飲み会をして店を出ましたが、偶然すれ違ったVさんと肩がぶつかったことをきっかけとして言い争いになりました。
酔っぱらって気が大きくなっていたAさん。
Vさんの言葉にカッとなり、Vさんを一発殴ってケガを負わせてしまいました。
やがて警察官が到着し、Aさんは逮捕されてしまいました。
連絡を受けて驚いたAさんの両親は、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

~傷害罪が成立~

まずはAさんに成立する犯罪を確認しておきます。
当然ながら傷害罪が成立することになります。

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

ちなみに、翌朝になって事件のことを覚えていないという方もいらっしゃいますが、それだけで心神耗弱や心神喪失に該当するとして刑罰が軽くなったり免除となることはめったにありません。

第39条1項
心神喪失者の行為は、罰しない。
第2項
心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

~国家資格の欠格事由~

Aさんは、犯罪行為をしてしまった以上、懲役や罰金刑を受け、前科が付いてしまう可能性があります。
ところがAさんは医学部生であり、医師免許取得を目指しています。
医師免許などの国家資格では欠格事由が定められており、該当すると資格が与えられない可能性があります。

医師法の条文を確認してみましょう。

医師法
第3条
未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、免許を与えない。
第4条
次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

3条に該当する場合は、医師免許は絶対に与えられません(絶対的欠格事由)。
一方、4条に該当する場合は、「免許を与えないことがある」と書いてある通り、絶対に与えられないわけではありません(相対的欠格事由)。

Aさんが今回問題となっているのは、4条3号の「罰金以上の刑に処せられた者」に該当してしまう可能性があるということです。
これは相対的欠格事由ですので、Aさんが罰金以上の刑に処せられたとしても、絶対に医師免許が取得できなくなるわけではありません。
しかし、取得できなくなる可能性がある以上、できるだけ罰金になることも避けたいところです。

~罰金を避けるには~

罰金を避けるためには、不起訴処分を目指すことになります。

詳しくご説明します。
犯罪をして逮捕されるとまずは最大3日間、警察署等で身体拘束されます。
次に、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間身体拘束がされ、取調べ等の捜査を受けます(この期間の身体拘束を「勾留」と呼びます)。
そして、検察官が、被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
起訴されれば、その後に開かれる刑事裁判で無罪とならない限り、罰金以上の刑に処せられることになってしまいます
しかし不起訴となれば、刑に処せられることなく、前科も付かずに、刑事手続は終了となります。

真に犯罪をした場合であっても、比較的軽微な事件であれば、前科の有無や被害者に賠償して示談が成立しているかといった事情にもよりますが、不起訴処分となることは意外に多くあります。
「おおごとになって反省しているだろうから、今回は見逃してやる」ということです。

今回のような傷害事件でも、被害者のケガの程度にもよりますが、不起訴処分となる可能性は考えられます。
したがって、罰金以上の刑に処せられることを防ぐために、不起訴処分になることを目指していくことになるわけです。

~弁護士に相談を~

不起訴処分になるためには、被害者と示談が成立しているか否かは非常に重要なポイントとなります。
しかし、ご本人や親御さんから示談をお願いしようにも、どうやってお願いしたらよいか、示談金はいくらにしたらよいか、示談書の文言はどうしたらよいかなど、わからないことが多いと思います。

また、逮捕・勾留されて身体拘束が続いている間は学校に行けず、学校から処分を受けてしまう可能性も上がってしまいます。
そこで早期に釈放されるよう、検察官や裁判官に要請し、勾留を防ぐというのも重要となってきます。

そこで、一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。

傷害罪などで逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひご相談ください。

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