エアドロップ痴漢で逮捕

エアドロップ痴漢で逮捕

いわゆるエアドロップ痴漢をして逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県仙台市に住むAさん。
同市内を走行中の電車内で、iPhoneのエアドロップを使って、わいせつな画像を送信しました。
同じ車両に乗っていた女性が、その画像を受信してしまったことから、駅員に相談。
そのまま交番にも行って被害届を提出しました。
宮城県仙台中央警察署の捜査の結果、Aさんの犯行と発覚。
Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~エアドロップ痴漢とは~

iPhoneのエアドロップは、Bluetooth(無線)を使って、近くにいる人と画像や連絡先などを即座に共有できるとても便利な機能です。

しかし、設定によっては他人が送りつけた画像を不意に受信してしまうこともあります。
この欠点をついて、わいせつ画像を勝手に送り付けて楽しむという人がいます。
俗にエアドロップ痴漢などと呼ばれ、最近問題となっています、

~迷惑防止条例違反~

エアドロップ痴漢をすると、各都道府県が制定する迷惑行為防止条例に違反したり、刑法のわいせつ電磁的記録頒布罪などが成立する可能性があります。

まずは宮城県の迷惑行為防止条例を見てみましょう。

第3条の2第1項4号
前三号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

「前三号に掲げるもの」とは、痴漢や盗撮・のぞきを指します。
痴漢や盗撮・ぞのきの他、ひわいな言動をすると、この条文に違反する可能性があるのです。
わいせつな画像を送りつける行為も、ひわいな言動としてこの条文に違反すると判断される可能性があります。

罰則は、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
ただし、同種類の前科があるなど、常習者として扱われると1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

~わいせつ物頒布罪~

続いて、刑法のわいせつ電磁的記録頒布罪を見てみましょう。

刑法175条1項
わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

この条文の1文目は、わいせつな書籍や印刷された写真、わいせつ画像が記録された記録媒体を不特定または多数の者に配った場合に該当します。
一方、2文目は、インターネットなどの「電気通信」を使って、わいせつ画像などを不特定または多数の者に配った場合に該当します。

エアドロップ痴漢は、2文目に該当する可能性があるわけです。

罰則は、①2年以下の懲役、②250万円以下の罰金もしくは科料、③これら①と②の両方のいずれかとなります。
ちなみに科料と罰金は同じ種類の刑罰ですが、徴収される金額が1000円以上1万円未満の場合を科料、1万円以上の場合を罰金と呼んでいます。

基本的に迷惑行為防止条例違反の場合よりも重い刑罰となっています。

~弁護士にご相談を~

エアドロップ痴漢をして逮捕されたり、取調べを受けた場合、ご本人やご家族は、どんな犯罪が成立するのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、刑罰を軽くする方法はないのかなど、不安が大きいと思います。

事件の内容や前科の有無などを踏まえてアドバイス致しますので、ぜひお早めに、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

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