奥州警察署が逮捕

奥州警察署が逮捕

トイレの盗撮で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

岩手県金ヶ崎町に住むAさん。
Aさんの職場のトイレは男女兼用となっていました。
Aさんは女性を盗撮する目的でトイレに小型カメラを仕掛け、盗撮を繰り返していました。
しかし職場のある女性がカメラの存在に気が付き、警察に通報。
捜査の結果、Aさんの犯行が発覚したことから、Aさんは奥州警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~迷惑行為防止条例違反に~

職場のトイレを盗撮したAさんは、岩手県の「公衆に著しく迷惑をかける行為等の防止に関する条例」に違反したことになります。
条文を見てみましょう。

(卑わいな行為の禁止)
第8条
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安を生じさせ、若しくは嫌悪の情を催させる方法で、卑わいな行為であって次に掲げるものをしてはならない。
(1)(2)省略
(3) みだりに、着衣で覆われている他人の下着等を撮影し、若しくは撮影する目的で当該下着等を撮影することができる位置に写真機等を差し出し、又は写真機等を使用して着衣で覆われている他人の身体を透視する方法により、裸体(その一部を含む。)の映像を見、若しくは撮影すること。
(罰則)
第 12 条第1項
第8条又は第9条の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処する。
第2項
常習として第8条又は第9条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は 100 万円以下の罰金に処する。

Aさんの行為は8条(3)に該当したことになります。

罰則は、盗撮の常習者ではない場合が6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
常習者の場合には倍の1年以下の懲役または100万円以下の罰金ということになります。
盗撮の前科がある場合には常習者として扱われる可能性が上がります。
Aさんは盗撮を繰り返していましたが、前科がなければ常習者としては扱われない可能性が十分考えられます。

~刑事手続きの流れは?~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

なお、途中で釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて刑事裁判を受けるという流れになることが考えられます。

~弁護士の活動~

上記の手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留許可をしなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由を具体的事情に基づいて意見書にまとめ、検察官や裁判官に提出するなどして勾留を防ぎます。
同時に、ご家族が今後しっかり監督していくといった内容の上申書を提出することが多いです。
これらの活動によって、勾留がされずに釈放となるケースも数多くあります。

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑に処する略式起訴を選ぶこともあります。
そこで、被害者と示談が成立していること、本人が反省していること、前科がないこと、家族の監督が期待できること、性犯罪防止のための治療やカウンセリングに通い始めたことなど、本人に有利な事情を出来る限り主張して、不起訴処分や略式起訴にするよう検察官に要請していきます。

特に示談を締結しておくことは重要です。
しかし性犯罪の被害者の方は、加害者本人と会うのは心理的負担が大きく、示談交渉してくれないことも多いです。
そこで弁護士が代わって示談交渉することで、スムーズな示談締結を目指していきます。

~弁護士にご相談を~

逮捕されると、ご本人やご家族は、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか、どのくらいの処罰を受けるのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、刑事弁護の経験が豊富な弁護士が、上記の不安点などにお答えいたします。

盗撮で逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひご相談ください。

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