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宮城県仙台市青葉区のひったくり事件
宮城県仙台市青葉区のひったくり事件
宮城県仙台市青葉区のひったくり事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、宮城県仙台市青葉区の商店街を原付バイクで走行中、バッグを肩にかけながら歩いているVさんを見つけました。
遊ぶお金が欲しかったAさんは、Vさんの後ろから原付バイクで近付き、バッグのショルダーストラップに手を掛け、そのままバッグを奪い去ろうとしました。
この時、Vさんはバッグを盗られないようにショルダーストラップを強く握ったため、バッグと一緒に数メートル引きずられ、全治2週間の擦り傷を負いました。
また、バッグもAさんに奪い去られてしまいました。
後日、Aさんが犯行現場の商店街を通りかかったところ、仙台中央警察署の警察官がパトロールをしており、任意同行を求められました。
(この刑事事件例はフィクションです)
【ひったくりは何罪に当たるのか】
刑事事件例は、いわゆる「ひったくり」と呼ばれる事件に当たります。
「ひったくり」とは、相手の不意を突いた暴行により、財布やバッグなどの財物を奪うことを言いますが、刑法には「ひったくり罪」という犯罪は規定されていません。
「ひったくり」事件は、窃盗罪と暴行罪または窃盗罪と傷害罪が成立することが多いと言われていますが、強盗罪・強盗致傷罪が成立する場合もあり得ます。
刑事事件例は、強盗致傷罪が成立する可能性が高い事案と言えます。
以下、簡単にその理由を説明します。
【強盗致傷罪とは】
刑法 240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
刑法 236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
刑法240条は、4つの類型について規定しています。
まず、強盗の際に故意に人を傷つけた強盗傷人罪と、強盗の際に故意に人を殺害した強盗殺人罪が刑法240条には規定されています。
次に、強盗の際に故意ではなく人を傷つけた強盗致傷罪と、強盗の際に故意ではなく人を殺害してしまった強盗致死罪も240条には規定されています。
前述したとおり、刑事事件例は強盗致傷罪が成立する可能性が高い事案と言えます。
刑事事件例において強盗致傷罪が成立するためには、①「強盗が」②「人を負傷させた」という強盗致傷罪の条文に明記されている要件と、強盗致傷罪の条文には明記されてはいませんが、③傷害の結果が強盗の機会に行われている必要があります(③の要件を「強盗の機会性」とここでは呼ぶことにします)。
以下で、刑事事件例において、強盗致傷罪の3つの要件が満たされているかについて説明します。
【強盗致傷罪の1つ目の要件である「強盗」について】
「強盗」とは、強盗犯人のことを言い、刑法236条の強盗罪の犯罪が完成した既遂の場合だけでなく、強盗罪の実行に着手したが強盗罪が未完成に終わった未遂の場合も含みます。
そのため、刑法240条の「強盗」とは、刑法236条の強盗罪の実行に着手した者のことを言います。
刑法236条の強盗罪についての実行の着手は、財布が入ったカバンなどの財物を奪うために暴行・脅迫を行った時点で認められることになります。
そして、この暴行・脅迫の程度は相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のものを言います。
刑事事件に即して説明すると、通行中のVさんが所持するバッグのショルダーストラップを掴んだまま原付バイクを進行させてVさんを引きずった行為は、Vさんの反抗を抑圧するに足りる程度の暴行に当たると言えるでしょう。
従って、強盗致傷罪の1つ目の要件である「強盗」の要件は満たすことになるでしょう。
【強盗致傷罪の2つ目の要件である「人を負傷させた」について】
「人を負傷させた」とは、犯人以外の人に傷害を与えることを言います。
刑事事件例においては、バッグを奪われたVさんは全治2週間の擦り傷を負っています。
従って、強盗致傷罪の2つ目の要件である「人を負傷させた」の要件は満たさされることになるでしょう。
【強盗致傷罪の3つ目の要件である「強盗の機会性」について】
「強盗の機会性」とは、前述したとおり、傷害の結果が強盗の手段である暴行・脅迫によって生じたことを言います。
刑事事件例では、Vさんの擦り傷は、通行中のVさんが所持するバッグのショルダーストラップを掴んだまま原付バイクを進行させてVさんを引きずったという強盗の手段である暴行から生じていると言えます。
従って、強盗致傷罪の3つ目の要件である「強盗の機会性」の要件も満たすと言って良いでしょう。
以上より、刑事事件例のAさんには、強盗致傷罪が成立する可能性が高いと言えます。
【ひったくり事件を起こしてしまったら】
ひったくり事件が窃盗罪と暴行罪または窃盗罪と傷害罪が成立するか、あるいは強盗罪・強盗致傷罪が成立するかは具体的な事実関係によって異なります。
そして、事実関係がどのようなものであったのかを確定するには証拠が必要になります。
この証拠のひとつとして、ひったくり事件を起こしてしまった方の供述があり、この供述もひったくり事件の事実関係を確定するための証拠として有力なものになり得ます。
そのため、ひったくり事件について警察署で取調べの際に、本当は窃盗罪と暴行罪または窃盗罪と傷害罪が成立するひったくり事件なのにもかかわらず、それらよりも罪が重い強盗罪・強盗致傷罪に当たるかのような供述を強いられてしまうといった危険性があります。
ひったくり事件について、そのような不当に重い処罰が科される危険性を回避するためには、ひったくり事件をはじめとした刑事事件に精通した刑事弁護人に事前に相談して、刑事事件の見通しを聞き、取調べの際のアドバイスを得ておくことが有益でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、ひったくり事件をはじめとした刑事事件に精通した刑事弁護人が在籍しています。
宮城県仙台市青葉区でひったくり事件を起こして仙台中央警察署で取調べが予定されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部まで一度ご相談ください。
遺失物横領事件の弁護士の選び方
遺失物横領事件の弁護士の選び方
遺失物横領事件の弁護士の選び方について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,宮城県宮城郡利府町の路上に落ちていた財布を拾ったまま交番に届けず,自分のものとしてしまいました。
後日,Aさんは,宮城県警察塩釜警察署の警察官により,遺失物横領罪の容疑で呼出しを受け,取調べを受けてしまいました。
Aさんは,家族に遺失物横領事件で捜査をされていることを伝えました。
(刑事事件例はフィクションです。)
【なぜ遺失物横領事件で弁護士が必要なのか】
刑事事件例の遺失物横領事件のように逮捕がされずに警察や検察の捜査が続く刑事事件のことを「在宅事件」といいます。
在宅事件の遺失物横領事件で,不起訴処分や執行猶予判決を得たいと思った場合,弁護士を雇う必要があります。
その理由は,以下の通りです。
在宅事件の遺失物横領事件で,不起訴処分や執行猶予判決を得たいと思った場合,検察官や裁判官に対して,相当な理由を付けて,不起訴処分や執行猶予判決といった寛大な処分・判決をするべきだと主張する必要があります。
これらの主張は在宅事件の遺失物横領事件の被疑者の方についた弁護士が行うのが通常であり,在宅事件の遺失物横領事件の被疑者の方自身が弁護士をつけずに自ら刑事弁護をしていくことは通常考えられません。
しかし,在宅事件の遺失物横領事件では,国選弁護士はつきません。
これは,起訴がされる前の段階では,勾留(逮捕に引き続く身体拘束)されている被疑者の方にしか国選弁護士はつかないからです。
そのため,在宅事件の遺失物横領事件で,不起訴処分や執行猶予判決といった寛大な処分・判決をするべきだと主張するには,国選弁護士ではなく私選弁護士を雇わなければならないのです。
【弁護士の選び方】
遺失物横領事件において,私選弁護士は,国選弁護士とは違い,在宅事件の遺失物横領事件の被疑者の方やそのご家族の方が自由に選ぶことができます。
国選弁護士は,裁判所による指名によって一方的に決まりますが,私選弁護士は,在宅事件の遺失物横領事件の被疑者の方やそのご家族の方が「この弁護士がよい」と思った弁護士と委任契約を結ぶことで,雇うことができます。
そう言われると,在宅事件の遺失物横領事件の被疑者の方やそのご家族の方のお気持ちとしては,「どの弁護士を私選弁護士として選べばよいのか」と疑問を抱くと思います。
そこで,遺失物横領事件の弁護士の選び方について解説します。
1.刑事事件を専門に扱っているなど刑事事件に詳しい弁護士かどうか
遺失物横領事件でつける弁護士には,刑事事件に関する知識と豊富な経験が必要とされます。
例えば,示談を締結するためには,遺失物横領事件の被疑者の方と弁護士が直接やり取りをして,示談条件を探っていくことになります。
このとき,遺失物横領事件の被害者の方が強い処罰感情を持っていた場合は,遺失物横領事件の被害者の方の感情をなだめつつ,妥当な示談ができるよう落としどころを探っていかなければなりません。
また,示談金をいくらにするかについても,これまでに受任してきた刑事事件の経験の中から,示談金の相場を見定めて,遺失物横領事件の被害者の方に対して示談金を提示していく必要があります。
このように,刑事事件の弁護士には,遺失物横領事件を含む刑事事件に関する知識と豊富な経験が必要とされるため,弁護士の選び方のポイントとしては,「刑事事件を専門に扱っているなど刑事事件に詳しい弁護士かどうか」という点が重要となります。
2.刑事事件の被疑者弁護に熱意をもっているかどうか
弁護士といっても,それぞれ専門としている分野があり,扱っている様々な分野の中でも弁護士本人が力を入れている分野とそうではない分野があるというのが現実です。
弁護士の中には,取扱分野として民事事件,行政事件,刑事事件などと様々な分野を挙げてこそいるものの,実は遺失物横領事件を含む刑事事件についてはあまり熱意や関心がないという人もいます。
遺失物横領事件の被疑者弁護では,例えば,示談交渉をどれだけ時間をかけて粘り強く交渉するのかによって,示談内容に大きな違いが生じます。
また,検察官に対して,どれだけの多くの書面を作成して説得的に訴えていくのかによって,遺失物横領事件で不起訴処分を得られるかどうかが決まります。
裁判官に対しても,どれだけ多くの時間を被告人質問や情状証人尋問の事前準備を当ててより説得的な法廷弁護活動を行うのかによって,遺失物横領事件で執行猶予付き判決を得られるかどうかが決まります。
そのため,遺失物横領事件を含む刑事事件の被疑者弁護に熱意をもっている弁護士を選ぶことが,不起訴処分や執行猶予判決といった寛大な処分・判決を得るために大切となるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
遺失物横領事件で弁護士をお探しの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
フリーダイヤルは,0120-631-881です。
今すぐお電話ください。
窃盗事件で家族を釈放する方法
窃盗事件で家族を釈放する方法
窃盗事件で家族を釈放する方法について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,宮城県名取市のスーパーで万引き事件を起こしてしまいました。
Aさんが窃盗事件で逮捕されたと連絡を受けたAさんの家族は,Aさんを釈放して,いつも通り仕事に行くことができるようにしてあげたいと考えています。
(刑事事件例はフィクションです。)
【窃盗事件で家族を釈放する方法】
窃盗事件で逮捕され,さらに勾留という逮捕の延長手続きが取られると,逮捕日から勾留の効力がなくなる日まで,最長で23日間もの期間,警察の留置所に収容され続けてしまいます。
この逮捕・勾留手続きの後,窃盗事件が刑事裁判にかけられることになった場合には,さらに2か月以上の間,警察の留置所や拘置所に収容され続けてしまいます。
このように長期間,社会生活をおくることができなくなると,当然,会社員やパートの方であれば仕事に向かうことはできず,学生の方であれば学校に出席することはできません。
長期間無断欠勤や無断欠席が続いてしまうと,会社からは懲戒解雇され,学校からは退学処分が出されてしまう可能性があります。
このように懲戒解雇や退学処分といった社会的不利益を避けるべく,窃盗事件で家族を釈放したいという場合は,弁護士を雇いましょう。
弁護士を雇った場合に,窃盗事件で家族を釈放するためにすることができる刑事弁護活動は,主に以下の4つあります。
【①弁護士に意見書を書いてもらう】
弁護士は,勾留という逮捕の延長手続きが取られないよう,その勾留手続きを申請し決定する検察官と裁判官に,意見書と題して,勾留手続きをすべきでないと書面を出すことができます。
この意見書の内容には,窃盗事件の被疑者の方が長期間勾留されてしまった場合,懲戒解雇されたり,退学処分が出されてしまったりするので,勾留手続きを取るのはやめてほしいというような記載がされることになります。
弁護士が提出した意見書を検察官や裁判官が読んで納得すれば,検察官や裁判官は勾留手続きを取らないという判断をすることになります。
その結果,窃盗事件の被疑者の方は留置所や拘置所から釈放されることになります。
【②弁護士に不服申立てをしてもらう】
この弁護士による不服申立ては,いったん裁判官が出した「勾留手続きをする」という判断に対して,「その判断はおかしい」と主張し,その裁判官が所属する裁判所に対して,判断を改めるよう訴えるものです。
この不服申立ての際にも,窃盗事件の被疑者の方が長期間勾留されてしまった場合,懲戒解雇されたり,退学処分が出されてしまったりするので,勾留手続きを取るべきでないという主張が書かれることになります。
弁護士が行った不服申立てを,裁判所が納得すれば,いったん裁判官が出した「勾留手続きをする」という決定は取り消されることになります。
その結果,窃盗事件の被疑者の方は留置所や拘置所から釈放されることになります。
【③弁護士に保釈をしてもらう】
この保釈は,窃盗事件が起訴されてしまった後に行うことができる手段です。
保釈は保釈金という一定の金額を裁判所に預けることにより,その保釈金を保証金・担保金として,留置所や拘置所から釈放してもらいます。
この保釈の請求の際にも,窃盗事件の被疑者の方が長期間勾留されてしまった場合,懲戒解雇されたり,退学処分が出されてしまったりするので,保釈を認めてほしいという主張が書かれることになります。
弁護士が行った保釈の請求を裁判所が認め,さらに保釈金を支払うことができれば,窃盗事件の被疑者の方は留置所や拘置所から釈放されることになります。
【④弁護士に示談をしてもらう】
示談とは,窃盗事件の被害店舗との間で,民事上又は刑事上の責任を免除したり軽減したりする約束をすることをいいます。
示談では,示談金という金額を窃盗事件の被害店舗に支払うことなどを条件に,窃盗事件の被害店舗に民事上又は刑事上の責任を免除したり軽減したりすることを認めてもらいます。
この示談で締結した示談書は,以上の窃盗事件で家族を釈放する方法①弁護士に意見書を書いてもらう,②弁護士に不服申立てをしてもらう,③弁護士に保釈をしてもらう際に添付書類として一緒に提出することになります。
窃盗事件の被疑者の方を釈放するかどうか判断する検察官や裁判官にとって,示談をしたという事実はとても重要ですので,すみやかに示談を進める必要があります。
【もし弁護士を雇いたいなら,一度弊所までお電話ください】
窃盗事件で家族を釈放したいとお考えで,もし弁護士を雇いたいなら,一度弊所までお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
窃盗事件でたくさんの被疑者の方を釈放し,被疑者の方とご家族の方の生活を守ってきた経験や実績があります。
窃盗事件で家族を釈放したい場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までお電話いただき,ご家族の方の事情をお教えください。
フリーダイヤルは,0120-631-881です。
今すぐお電話ください。
保険金目的の放火事件
保険金目的の放火事件
保険金目的の放火事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,宮城県岩沼市で,火災保険金目的で自宅を放火し全焼させたとして,非現住建造物等放火の疑いで逮捕されました。
出火当時,Aさんは一人暮らしであり,Aさん自身も「保険金目的で放火した」と話し,非現住建造物等放火罪の容疑を認めています。
Aさんは,宮城県警察岩沼警察署の警察官から保険金を得ようとした動機などについて詳しく捜査を受けています。
(2021年8月25日に鹿児島ニュースKTSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【保険金目的の放火事件は何罪になるのか】
刑法109条1項
放火して,現に人が住居に使用せず,かつ,現に人がいない建造物…を焼損した者は,2年以上の有期懲役刑に処する。
刑法109条2項
前項の物が自己の所有に係るときは,6月以上7年以下の懲役に処する。ただし,公共の危険を生じなかったときは,罰しない。
刑法109条1項は他人所有非現住建造物放火罪を,刑法109条2項は自己所有非現住建造物放火罪を規定しています。
条文をご覧頂ければ,それぞれの刑事罰は異なり,他人所有非現住建造物放火罪の刑事罰の方が,自己所有非現住建造物放火罪に比べて重くなっているのが分かるかと思います。
それでは,刑事事件例のような保険金目的の放火事件は,具体的に何罪になるのでしょうか。
ここで重要となるのは,Aさんが放火した家屋に保険が掛けられていたことです。
刑法では,自己所有物であっても,それが「差押えを受け,物権を負担し,賃貸し,又は保険に付したものである場合」には,刑法109条1項の他人所有非現住建造物等放火罪により処罰されるとされています(刑法115条)。
よって,刑事事件例のような保険金目的の放火事件では,刑法109条1項の他人所有非現住建造物等放火罪が成立すると考えられます。
【保険金目的の放火事件は詐欺罪になるか】
詐欺罪が成立するためには,実行行為(法益侵害の現実的危険性を有する行為)が必要であると考えられています。
ここで,保険会社は,保険金の支払いを求める請求があって初めて保険金を給付するかどうかを判断するといえます。
とすれば,保険金の給付には保険金の支払いを求める請求が必要であり,単なる放火行為だけでは,現実に保険金が給付されるおそれはないといえます。
よって,詐欺未遂罪(246条1項)の実行行為がないとして,詐欺罪は成立しないと考えられます。
【法律が分からない場合は】
このように,いかなる罪が成立し,いかなる刑事罰が予定されているのか,今後の手続き,見通しはどうなるのかといったことは,法律の知識がなければ正確に理解することが困難です。
法律が分からない場合や刑事事件についてお悩みを抱えている場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください(無料相談についてはこちらをご参照ださい)。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
保険金目的の放火事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
車のトラブルの暴行・器物損壊事件
車のトラブルの暴行・器物損壊事件
車のトラブルの暴行・器物損壊事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,宮城県名取市の交差点でタクシーの運転手(Vさん)を殴り車を壊す刑事事件を起こしてしまいました。
Aさんは,目の前に停まったタクシーの運転手に声をかけ,運転手が窓を開けたところ窓越しに顔を殴った上,ウインカーレバーを壊してしまいました。
Aさんが運転手(Vさん)に暴行するのを見かけた住民が110番通報し,駆け付けた警察官により現行犯逮捕されてしまったといいます。
Aさんは,暴行・器物損壊事件を起こしてしまった動機について,「タクシーが停車時に接近してきて危なかったから」といいます。
(刑事事件例はフィクションです。)
【暴行・器物損壊事件を起こした場合,刑務所行き確定?】
刑法208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときには,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
刑法261条(器物損壊罪)
…他人の物を損壊し,又は傷害した者は,3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
暴行事件を起こしてしまった場合,暴行罪の刑罰としては,「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」が科されます。
暴行罪の法定刑(刑法に規定されている刑事罰)のうち,「刑務所行き」となるのは,「2年以下の懲役」や「拘留」ですが,犯状や情状,刑事弁護活動の結果によっては「刑務所行き」を回避し,「30万円以下の罰金」や「科料」に刑事罰を軽くすることができ得るといえます。
また,器物損壊事件を起こしてしまった場合,器物損壊罪の刑罰としては,「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」が科されます。
器物損壊事件の法定刑(刑法に規定されている刑事罰)のうち,「刑務所行き」となるのは,「3年以下の懲役」ですが,犯状や情状,刑事弁護活動の結果によっては「刑務所行き」を回避し,「30万円以下の罰金」や「科料」に刑事罰を軽くすることができ得るといえます。
【車のトラブルを穏便に解決するには?】
①被害者の方(タクシーの運転手)と示談をする
刑事事件例のような暴行・器物損壊事件では,被害者の方(タクシーの運転手)と示談をすることが有効です。
その際,車の修理費などを含め示談金を提示し,刑事責任の軽減や,民事責任の軽減・回避を目指します。
②検察官や裁判官に訴えて,早期に釈放してもらう
暴行・器物損壊事件では,被疑者の方が逮捕されてしまうことがあります。
刑事事件例においても,Aさんは暴行・器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまっています。
暴行・器物損壊事件で逮捕されてしまった場合,その後,長期間にわたる勾留という身体拘束もかされてしまう可能性もあります。
そこで,刑事弁護士が暴行・器物損壊事件の被疑者の方の事情をお聞きし,検察官や裁判官に訴えて,早期に釈放するよう働きかけていきます。
③検察官や裁判官に訴えて,寛大な処分・判決にしてもらう
暴行事件を起こしてしまった場合,暴行罪の刑罰としては,「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」が科されます。
また,器物損壊事件を起こしてしまった場合,器物損壊罪の刑罰としては,「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」が科されます。
しかし,犯状や情状,刑事弁護活動の結果によっては刑事罰を軽くすることができ得るということは既に述べた通りです。
加えて,わが国の刑事司法制度では,起訴便宜主義(刑事裁判を提起するに足りる十分な犯罪の嫌疑がある場合においても,検察官の裁量により起訴しないことを認める制度)が採用されています(わが国の刑事司法制度・刑事事件の流れの概要について知りたい方はこちらをご参照ください)。
そこで,刑事弁護士が暴行・器物損壊事件の被疑者の方の事情をお聞きし,検察官や裁判官に訴えて,何とか不起訴処分にしてもらえないかと働きかけていくことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
車のトラブルの暴行・器物損壊事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
宮城県名取市の窃盗事件
宮城県名取市の窃盗事件
宮城県名取市の窃盗事件について、あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説致します。
【刑事事件例】
AさんとVさんは宮城県名取市内にあるマンションの一室で長年一緒に同居しているものの、婚姻届は提出していない、いわゆる事実婚(内縁関係)のカップルです。
Aさんは、自身の遊ぶためのお金欲しさに、Vさんが保管していた高級ブランド腕時計を宮城県名取市に店舗を構えるブランド品買取専門店に売り出すために、Vさんに無断で複数点持ち去って、それを売却してしまいました。
Vさんの高級ブランド腕時計を売却したお金で豪華に遊び周ったAさんはその後、我に返り、自身の行為が犯罪に当たるのではないかとの不安を抱き、岩沼警察署に自首をすることを検討し始めました。
(この刑事事件例はフィクションです)
【窃盗罪とは】
刑法 235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法235条は、窃盗罪について規定しています。
窃盗罪の成立要件については、大きく分けて2つあるといってよいでしょう。
窃盗罪の要件の1つ目は、窃盗罪の条文に明記されている要件として、「他人の財物を窃取した」という要件です。
窃盗罪の要件の2つ目は、窃盗罪の条文に明記されていない要件として「不法領得の意思」(財物の所有者を排除して,経済的な用法に従って財物を利用・処分する意思)という窃盗を犯してしまった人の内心に関わる要件です。
AさんがVさんの高級ブランド腕時計をVさんに無断で持ち去り売却した行為は、刑法235条が定める窃盗罪の上記2つの要件を満たしていると判断され、Aさんの行為は窃盗罪に当たる可能性が高いと言って良いでしょう。
もっとも、刑法235条が定める窃盗罪については、窃盗罪を犯した人の窃盗罪の刑を免除する特例があります。
この窃盗罪についての特例を親族相盗例といいますが、この窃盗罪の特例を定める親族相盗例の規定がAさんに適用されることになるのでしょうか。
以下で、詳しく説明します。
【親族相当例とは】
刑法 244条
1 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の3の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 前2項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
さきほど述べた窃盗罪の刑を免除する特例は、刑法244条1項に記載されています。
ここで、窃盗罪の刑を免除する特例となっている刑法244条1項の内容を詳しくみていきますと、刑法244条1項は、「配偶者、直径血族又は同居の親族との間」で窃盗罪の罪を犯した人の刑を免除するという内容になっています。
ここで、「配偶者」とは民法上婚姻関係にある夫から見た妻、あるいは妻から見た夫のことを指します。
それでは、民法上婚姻関係にあるとは言えない事実婚(内縁関係にある)状態のカップルの一方から見た他方、刑事事件例に即して説明すると、Aさんから見たVさんは「配偶者」にあたるのでしょうか。
この点について判断した最高裁判所の判例(最高裁判所平成18日8月30日決定)は、窃盗罪の特例を定める刑法244条1項の適用範囲は明確に定める必要があるとの理由で、事実婚(内縁関係にある)状態の方に対しては、窃盗罪の特例を定めた刑法244条1項は適用も類推適用もされないとの決定をしました。
窃盗罪の特例を定めた刑法244条1項の適用範囲について述べたこの最高裁判例に従うと、刑事事件例のAさんには窃盗罪の特例を定めた刑法244条1項が適用されないことになり、原則通り、窃盗罪について規定している刑法235条が適用され、窃盗罪の刑事責任を問われる可能性が高いといえるでしょう。
【窃盗罪で自首を検討されている場合は…】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件の加害者となってしまった方の刑事弁護を専門に扱う法律事務所です。
宮城県名取市の窃盗事件で自首を検討している方は、自首をなさる前に、あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談されることをお勧めいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部では、刑事事件に精通した刑事弁護士が在籍しております。
自首をした場合の刑事手続の流れについての説明や、自首をした後になされるであろう取調べに対する法的助言を刑事事件に精通した刑事弁護士から受けることができます。
宮城県名取市の窃盗事件で自首を検討している方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
恐喝未遂罪の少年事件
恐喝未遂罪の少年事件
恐喝未遂罪の少年事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさん(男子高校生,16歳)は,友達のBさん(女子高校生)と共謀し,SNSで性行為をすると誘い出し,現金を脅し取ろうと考えました。
そこで,二人はSNSで「宿泊先を探している」などと投稿した上,反応したVさん(50歳)に対して,性行為の内容や対価の金額を示しました。
後日,BさんとVさんが宮城県仙台市宮城野区にあるホテルから出てきたところを「未成年とホテルにいくのは犯罪だ。ばれたくなければ金をよこせ」と恐喝しました。
しかし,脅迫現場を見た通行人が宮城県警察仙台東警察署に110番通報をしたため,金銭を恐喝するまでには至らなかったといいます。
その後,Aさんは宮城県警察仙台東警察署の警察官により恐喝未遂罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(2021年7月27日に神戸新聞NEXTに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【恐喝未遂罪とは】
刑法249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
恐喝罪とは,人を恐喝して財物を交付させる財産犯のことをいいます。
恐喝罪の手段は,暴行・脅迫です。
厳密には,この恐喝罪の手段である暴行・脅迫は,恐喝事件(恐喝未遂事件)の被害者の方の反抗を抑圧するに至らない程度のもののことをいいます。
いま述べた恐喝事件の被害者の方の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行・脅迫により,恐喝事件の被害者の方が畏怖し(怖がり),財物が手渡されたという場合,恐喝罪が成立するのです。
刑法250条
この章の罪の未遂は,罰する。
刑法250条の「この章」とは,「第37章 詐欺及び恐喝の罪(刑法246条~251条)」のことをいいます。
したがって,恐喝罪の未遂は,恐喝未遂罪として処罰されることになります。
恐喝未遂罪は,恐喝事件の被害者の方の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行・脅迫を加えたものの,①恐喝事件の被害者の方が畏怖しなかった(怖がらなかった)という場合や,②恐喝事件の被害者の方が畏怖した(怖がった)ものの,財物が手渡されるまでには至らなかった場合に成立します。
刑法43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
恐喝未遂罪を含む未遂罪は,刑罰が減軽されることがあります。
ただし,必ず減刑されるわけではありません。
刑事事件例の恐喝未遂事件でいえば,「10年以下の懲役」という刑罰が減軽されることがあることになります。
【恐喝未遂罪の少年事件とは】
刑事事件例では,Aさんは宮城県警察仙台東警察署の警察官により恐喝未遂罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは16歳の男子高校生であり,Aさんによる恐喝未遂事件は,少年事件にあたります。
少年事件とは,捜査対象者が20歳に満たない少年・少女である事件を指します。
少年事件では,少年法が適用され,成人の刑事事件とは手続きや処分に大きな違いがあります。
特に,刑事事件例では,Aさんは既に恐喝未遂罪の容疑で逮捕されており,この後,少年事件特有の手続きである観護措置がなされる可能性があります。
観護措置とは,少年鑑別所への収容と,そこでの少年の性格,資質,精神状態,生活環境の調査のことをいいます。
また,刑事事件例において,恐喝未遂罪の少年事件が家庭裁判所に送られると,家庭裁判所による少年審判を経て,保護処分を下される可能性があります。
重い保護処分(例えば,少年院送致など)を避けるためには,少年の交友関係の整理や生活環境の改善をすることを訴えていくことが必要となるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
恐喝未遂罪の少年事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件
宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件
宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件について、あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県仙台市太白区在住のサイクリングが趣味のAさんは、フリマサイトにて、自分が欲しかった自転車ライトを見つけました。
このとき、Aさんは、この出品者Bさんが個人のアカウントであるにも関わらず、中古の自転車ライトを大量に出品していたことから、Bは盗んだ自転車ライトを大量出品しており、自分が欲しい自転車ライトも盗品の1つなのではないかと思っていました。
しかし、以前から欲しかった自転車ライトが相場価格よりも相当安く出品されていたことから、Bさんから自転車ライトを現金を支払って購入し、その後、自転車ライトはAさんのもとに配達されました。
後日、Aさんが購入した自転車ライトの本当の所有者Vさん(Aさんと同じく宮城県仙台市太白区在住)が仙台南警察署に盗品等有償譲り受け事件の被害届を出しました。
これを受けて盗品等有償譲り受け事件の捜査を開始した仙台南警察署の警察官から、Aさんに対して任意出頭に応じるよう連絡がきました
(この刑事事件例はフィクションです)。
【盗品等有償譲り受け罪とは】
刑法 256条
1 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。
刑法256条は、盗品等に関する複数の行為を処罰の対象にしています。
まず、刑法256条1項では、盗品等を無償で譲り受ける行為を処罰の対象にしています。
また、刑法256条2項では、盗品等を運搬、保管、有償で譲り受ける行為、有償処分のあっせんをする行為(あっせん行為それ自体は有償・無償を問いません)を、それぞれ処罰の対象にしています。
このうち、刑法256条2項に記載されている有償で譲り受ける行為が、盗品等有償譲り受け罪と呼ばれる犯罪です。
上で挙げた刑事事件例のAさんについては、この盗品等有償譲り受け罪の成立が問題になります。
この盗品等有償譲り受け罪が成立するためには、①「前項に規定する物を」、②「有償で譲り受け」るという要件を満たす必要があります。
また、盗品等有償譲り受け罪が定められている条文には記載されていませんが、③「前項に規定する物」が窃盗などの犯罪により取得された財物であることを認識していることが要件となります(この③の要件を、ここでは、「盗品性の認識」の要件と呼ぶことにしましょう。)。
以下で、これら盗品等有償譲り受け罪の成立要件について詳しく説明します。
【盗品等有償譲り受け罪の要件について】
①「前項に規定する物」=「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」
盗品等有償譲り受け罪を規定する刑法256条2項には、「前項に規定する物」との記述があります。
これは、刑法256条1項の「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」を意味しています。
そして、盗品等有償譲り受け罪の要件である「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」とは、具体的には、窃盗罪、強盗罪、詐欺罪、横領罪にあたる行為によって直接得た財物のことをいいます。
刑事事件例においては、Aさんが購入した自転車ライトはBさんが窃盗により得た財物であるので、この自転車ライトは、盗品等有償譲り受け罪の要件の1つである「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」と言えるでしょう。
②「有償で譲り受け」
盗品等有償譲り受け罪の2つ目の要件である「有償で譲り受け」とは、対価を払って、その財物を取得することをいいます。
また、「有償で譲り受け」たと言えるためには、その財物が実際に引き渡されていることを必要とします。
これを刑事事件例に即して説明すると、Aさんはフリマサイトで現金を支払って自転車ライトを購入し、この自転車ライトがAさんのもとに配達されていることから、盗品等有償譲り受け罪の「有償で譲り受け」という要件は満たされていると考えることができるでしょう。
③盗品性の認識
盗品等有償譲り受け罪が定められている条文には記載されていませんが、解釈上、盗品等有償譲り受け罪が成立するためには、その財物が窃盗罪などの何らかの犯罪行為により取得されたものであるという事情を認識していることが必要とされています。
刑事事件例では、Aさんは、Bさんが個人のアカウントで大量の自転車ライトを出品していたことから、自身が購入しようとしている自転車ライトが盗品であるとの疑いを持っています。
このことから、Aさんは、盗品等有償譲り受け罪の「盗品性の認識」要件を満たしているということができそうです。
以上より、刑事事件のAさんの行為は、刑法256条2項によって規定されている盗品等有償譲り受け罪に該当し、盗品等有償譲り受け罪で処罰される可能性があります。
【盗品等有償譲り受け罪を犯してしまったら…】
刑事事件例のように、盗品等有償譲り受け罪にあたる行為をしてしまったAさんは今後どのような対応をとればよいのでしょうか。
まず、任意の出頭に応じ、取調べに協力することが考えられます。
しかし、この際、どのような話を警察官にすればよいのかわからない、あるいは、警察官から厳しい盗品等有償譲り受け事件での取調べを受け、盗品等有償譲り受け罪の容疑での追及がなされるのが怖いといった、悩みや不安を持つことが通常でしょう。
こういった場合には、刑事事件に強い刑事弁護人に事前に相談することをお勧め致します。
刑事弁護人から、これまでの刑事事件に関する知識や経験に基づいた適切な法的助言を事前に受けておけば、取調べについての悩みや不安を解消することができ、万全の状態で取調べに臨むことが期待できるでしょう。
また、刑事弁護人を早急に付けることにより、刑事弁護人を通して盗品等有償譲り受け事件の被害に遭われてしまった方に対して、被害の弁償をすることで、早期に事件を解決し、刑事上の責任を軽減する刑事弁護活動も考えられます。
【最後に】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件の加害者となってしまった方の刑事弁護を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件に関する豊富な経験を有する刑事弁護人が,盗品等有償譲り受け事件の初回接見サービスや初回無料法律相談を行うことができます。
宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件でお困りの方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
窃盗事件(情報の不正入手事件)
窃盗事件(情報の不正入手事件)
窃盗事件(情報の不正入手事件)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県仙台市青葉区に本社を置くV株式会社に勤めるAさんは,競争会社に売りつける目的で,V株式会社から,V株式会社の企業秘密が書かれている小紙片一枚を持ち出してコピーした後,直ちにV株式会社に戻しておきました。
その後,AさんはV株式会社に上記窃盗(情報の不正入手)行為がばれてしまい,V株式会社から宮城県北警察署に窃盗罪で刑事告訴すると言われてしまいました。
(フィクションです。)
【窃盗罪とは】
刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は,他人の「財物」を「窃取」したときに成立する財産犯です。
【窃盗罪の成立要件①】
ここで,刑事事件例では,Aさんが無断で持ち出したのはV株式会社の企業秘密が書かれている小紙片一枚です。
単なる小紙片であれば経済的価値は非常に小さく,窃盗罪の「財物」には当たらないとも考えられます。
Aさんが無断で持ちだしたV株式会社の企業秘密が書かれている小紙片一枚は,窃盗罪の「財物」に当たるのでしょうか。
この点,確かに,小紙片を単体としてみると,財産的価値が乏しく,窃盗罪の「財物」には当たらないとも考えられます。
また,仮に窃盗罪の「財物」に当たるとしても,刑罰を科すほどの違法性がないと判断されるとも考えられます。
しかし,価値のある情報が化体されることによって媒体である小紙片の価値も上昇するため,情報の化体された媒体(小紙片)の財産的価値は,媒体と情報の全体の経済的価値によって判断されると考えられています。
刑事事件例のように,V株式会社の企業秘密という価値の高い情報が化体されており,全体としてみると,財産的価値があると考えられます。
そのため,刑事事件例において,Aさんが無断で持ちだしたV株式会社の企業秘密が書かれている小紙片一枚は,窃盗罪の「財物」に当たると考えられます。
【窃盗罪の成立要件②】
しかし,Aさんは,V株式会社から,V株式会社の企業秘密が書かれている小紙片一枚を持ち出してコピーした後,直ちにV株式会社に戻しておきました。
とすると,Aさんは,ごく短時間,一時使用しただけであるといえます。
一時使用目的の窃盗行為は窃盗罪が成立しないと考えられています。
そうすると,Aさんの窃盗行為もあくまで一時使用目的の窃盗行為として,窃盗罪には当たらないのでしょうか。
この点,企業秘密のような情報は,他に漏れないことが重要であり,それが競争会社に売り渡された場合には,企業秘密を有していた会社にとってその情報の利用価値が著しく低下してしまいます。
そのため,使用後すぐに元に戻したとしても,使用窃盗とは評価できないと考えられています。
以上から,Aさんは,V株式会社が占有していた「他人の財物」である小紙片を無断で持ち出し,窃取したとして,窃盗罪が成立すると考えられます。
【窃盗事件(情報の不正入手事件)を起こしたら】
刑事事件例のAさんのように,たとえ小紙片1枚,短時間の持出しであったとしても,その行為は窃盗罪にあたる可能性があります。
そして,窃盗罪を犯した者には,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられることになります。
刑事事件例では,現段階では,V株式会社が窃盗罪での刑事告訴を検討している段階であるため,刑事弁護士を選任した上での示談交渉によっては,窃盗罪での刑事告訴をしないような法的効力を持たせた示談を締結することにより,刑事事件化を避けることができる可能性があります。
しかし,いつまでもV株式会社が窃盗罪で刑事告訴をしない状態でいるという保証は何ら存在しませんので,すみやかに刑事弁護士を選任し,V株式会社と正式に示談交渉を開始することが大切でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
窃盗事件(情報の不正入手事件)でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
窃盗事件で逮捕された
窃盗事件で逮捕された
窃盗事件で逮捕された場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県多賀城市に住むAさんは,同市内のリサイクルショップにおいて,ノートパソコン1台(販売価格約10万円)を盗んだ疑いで,窃盗罪の容疑で,宮城県塩釜警察署の警察官により逮捕されました。
Aさんは「パソコンが欲しかった」と窃盗罪の容疑を認めています。
Aさんが窃盗事件で逮捕されたことを知ったAさんのご家族は,窃盗罪についてよく知る刑事弁護士を探しています。
(2020年7月28日に産経新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【窃盗罪とは】
刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は,刑法235条に規定された財産犯です。
窃盗罪を犯した者には,「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
【窃盗罪の成立要件とは】
窃盗罪は,「他人の財物」を「窃取」した場合に成立します。
窃盗罪の「他人の財物」は,他人の占有(事実上支配)する他人の財物を意味します。
また,窃盗罪の「窃取」とは,占有者の意思に反して自己の占有に移転させることをいいます。
さらに,窃盗罪が成立するためには,他人の財物を窃取すること(窃盗罪の犯罪事実)を認識・認容していること(すなわち,窃盗罪の故意があること)に加えて,「権利者を排除して,他人の物を自己の所有物として,その経済的用法に従い,利用し処分する意思」(不法領得の意思)が必要であると考えられています。
簡単に言えば,財物の所有者として振る舞う意思,財物を経済的に利用する意思が必要になります。
このように窃盗罪の成立要件として,財物の所有者として振る舞う意思,財物を経済的に利用する意思(不法領得の意思)が必要とされていることから,一時的に財物を借りただけというような場合や,財物を壊したり隠したりするために盗んだ場合には,窃盗罪は成立しないことになります。
【窃盗事件で逮捕されたら】
窃盗事件で逮捕されてしまった場合,窃盗事件を起こした被疑者の方は,逮捕に引き続く身柄拘束として勾留がなされる可能性があります。
勾留は,最長でも72時間しか効力がない逮捕とは異なり,延長された場合も含めれば最長で20日間効力が及ぶ長期間の身体拘束であるといえます。
このような長期間に及ぶ勾留をする前には,勾留の要件を満たすか(勾留の必要性があるか等)という審査(勾留の決定)が窃盗事件を担当する裁判官によりなされます。
この勾留の要件は,具体的には,窃盗事件の被疑者の方が証拠を隠滅する恐れがあるか,逃亡する恐れがあるか,勾留の必要性があるかなどです。
そこで,刑事弁護士は,窃盗事件を担当する裁判官に対して「被疑者の方を勾留する必要がない」と意見したり,一度勾留決定がなされた場合には「その勾留には不服だ」として勾留決定に対する不服申立て(準抗告)をすることができると考えられます。
さらにいえば,そもそも窃盗事件を担当する裁判官の審査にかけるのは,窃盗事件を捜査する検察官(すなわち,勾留の請求をするのは検察官)ですが,この窃盗事件を捜査する検察官に対しても「被疑者の方の勾留を請求する必要がない」と意見することができると考えられます。
このような身柄解放活動は,何といってもスピードが大切であるため,窃盗事件で逮捕されてしまった場合には,すみやかに刑事弁護士に身柄解放活動を依頼することが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
窃盗事件をよく知る経験のある刑事弁護士が,初回接見や初回無料相談などの刑事弁護活動を行っています。
窃盗事件で逮捕された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。