Archive for the ‘少年事件’ Category

恐喝未遂罪の少年事件で観護措置回避

2021-04-02

恐喝未遂罪の少年事件で観護措置回避

恐喝未遂罪少年事件観護措置回避を考えている場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

宮城県仙台市青葉区の高校に通うAさん(17歳)は、同区内の住宅街において、別の高校に通うVさん(16歳・同区内在住)に「しばかれたいんか。金払うんか。どっちか選べ。」などと脅し、金品を脅し取ろうとしました。
しかし、Vさんがなかなか金品を渡さなかったため、Aさんは金品を得ずにその場を立ち去りました。
その後、Vさんは宮城県仙台北警察署に恐喝未遂事件の被害を訴えました。
その結果、Aさんは恐喝未遂罪の容疑で逮捕・勾留されました。
Aさんは「警察から少年事件では少年鑑別所に収容される可能性があると聞いた。自分はどうなるのか。」と不安に感じています。
(2021年2月23日に産経新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【恐喝未遂罪とは】

刑法249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

刑法250条
この章の罪の未遂は、罰する

人を「恐喝」したが、財物を「交付」させるに至らなかったとき、上記恐喝行為をした者には、恐喝未遂罪が成立します。

恐喝未遂罪が成立する「恐喝」とは、財物を交付させる手段として行われる暴行・脅迫であって、被害者の方の反抗を抑圧するに至らない程度のものをいいます。

刑事事件例では、Aさんは、Vさんに対して、「しばかれたいんか。金払うんか。どっちか選べ。」と言っています。
宮城県仙台北警察署の警察官は、このAさんの行為が被害者の方の反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫といえる、すなわち恐喝未遂罪の「恐喝」に当たると考えられたのだと思われます。

そして、結果としてAさんはVさんから金品を受け取ることができなかったため、財物を「交付」させるに至らなかったといえます。

よって、Aさんには、恐喝未遂罪が成立すると考えられます。

【恐喝未遂罪の少年事件の観護措置回避活動】

恐喝未遂罪少年事件逮捕された場合、被疑者の方(少年)はその後どのような手続きを取られるのでしょうか。

この点、少年42条では、「検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、…これを家庭裁判所に送致しなければならない。」と規定されています。

少年事件では、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思慮するときは、事件が家庭裁判所に引き継がれる(送致される)ことになるのです。

そして、逮捕・勾留されている少年事件については、観護措置(少年鑑別所に収容する措置)が取られる可能性があります。
観護措置決定がなされる要件は、少年が非行を犯したと疑うに足りる相当な理由、観護措置の必要性があること等が挙げられます。
観護措置の必要性は、具体的には、証拠隠滅の恐れや逃亡の恐れがあること、緊急的に少年の保護が必要であること、少年を少年鑑別所に収容して心身鑑別を行う必要があることといった事由がある場合に認められます。

実際に観護措置が取られると、長期間(実務上4週間という運用が多くみられます)、少年鑑別所に収容されることになります。

そこで、刑事弁護士少年付添人)としては、観護措置に必要性がないと考えられる場合や観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置を避けるための刑事弁護活動観護措置回避活動)をすることができます。
具体的には、観護措置に関する意見書や保護者の身元引受書、上申書(保護者の方から少年の生活状況や今後の監督方法等について聴取した書面)等を作成し、家庭裁判所に提出することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
恐喝未遂罪少年事件観護措置回避を考えている場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。

大麻共同所持で女子高生らが逮捕

2021-02-19

大麻共同所持で女子高生らが逮捕

大麻を共同所持したとして、女子高生らが逮捕された事件がありました。

大麻共同所持疑い、青森市の女子高校生ら逮捕/青森署
Yahoo!ニュース(デーリー東北新聞社)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~16歳と20歳が逮捕~

この事件は、青森市内のコンビニの駐車場で深夜、車に乗っていた20歳の男性と16歳の女子高生に対し、パトロール中の警察官が職務質問したところ、車内から大麻や吸引道具である巻紙が発見されたので、大麻の共同所持で2人を現行犯逮捕したという事件です。
青森県警組織犯罪対策課によると、過去5年で高校生が大麻取締法違反で逮捕された例はないということです。

男性は、
「自分が吸うために持っていた」
という趣旨の供述をしているとのこと。

男性の供述の趣旨が、女子高生は大麻に関係がなく、自分だけが吸うために持っていたということであれば、そしてこの供述が真実であれば、女子高生には犯罪が成立しないことになります。
つまり、女子高生にとってみれば、たまたま付き合いのあった男性が大麻を所持していただけで、自分自身は大麻と関係がないということになります。

実際にその可能性もあると判断されたのかはわかりませんが、女子高生は逮捕翌日に釈放され、任意での捜査がされているとのことです。

真相は上記報道だけではわかりませんが、ここで、大麻取締法の条文を見てみましょう。

大麻取締法
第24条の2第1項
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。

このように、大麻を所持などすると、5年以下の懲役となる可能性があります。
大麻は、依存性が低く、場合によっては体に良い影響もあるなどとして、合法化されている国や州もあります。
しかし現状、日本では違法で、逮捕されて刑務所に入れられる可能性があるわけです。

~逮捕後の手続きは?~

犯罪をして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身柄を拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判を受け、執行猶予とならない限り、そこで判断された刑罰を受ける流れになります。

ただし、20歳未満の少年の場合には、検察官が起訴して刑事裁判になるのではなく、家庭裁判所に事件が送られます。
家庭裁判所調査官や裁判官が、少年の更生のためにどのような措置をするのが適切かを判断します。

比較的軽い事件である、しっかり反省している、非行が進んでいないといった事件では、今回はおとがめなしという形で終わることもあります(審判不開始不処分)。
もちろん、事件によっては少年院送りなどの厳しい判断が下ることもあります。

少年事件の手続きや、弁護士に依頼するメリットなどについて、詳しくはこちらをご覧ください。
少年事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人・付添人】

~弁護士にご相談ください~

あなた自身やご家族が、何らかの犯罪で逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、どんな罪に問われているのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやってすればよいのかなど、わからないことが多いと思います。

事件の具体的な事情をもとに、最もいい事件解決のためにどう動いていくべきかをご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

客のクレジットカードを不正利用して逮捕

2020-07-17

客のクレジットカードを不正利用して逮捕

客のクレジットカードを不正利用した少年が逮捕されたという事件がありました。

「カードが不正利用されている」で発覚 給油所のバイト高校生、客の番号盗む
Yahoo!ニュース(琉球新報)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~割賦販売法違反で逮捕~

この事件は、沖縄県の給油所で働いていた17歳の男子高校生が、お客のクレジットカード番号を精算時に不正に入手したというものです。
カードが不正に利用されていることに気が付いたお客が警察に相談し、逮捕に至ったようです。

番号を入手した具体的な手口については捜査中とのことですが、お客の目を盗んでスマホでカードの写真を撮るなどの方法が考えられるでしょう。
ネットショッピングでは暗証番号が不要なので、カードに表示された番号や名義などを控えてしまえば、不正利用できてしまう怖さがあります。

ところでこの少年は、割賦販売法に違反したとして逮捕されています。
この法律は、商品のローンでの購入者やクレジットカード利用者の保護などを目的として作られている法律です。

今回の事件で少年が違反したと思われる条文を見てみましょう。

割賦販売法49条の2第1項
クレジットカード番号等取扱業者若しくはクレジットカード番号等取扱受託業者又はこれらの役員若しくは職員若しくはこれらの職にあつた者が、その業務に関して知り得たクレジットカード番号等を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で、提供し、又は盗用したときは、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

クレジットカード会社やその加盟店などの職員や職員であった者などが、カード番号を不正に盗用した場合に、3年以下の懲役または50万円以下の罰金という処罰を受けてしまう可能性があるわけです。

~詐欺罪などの可能性も~

また、今回の少年は不正に取得したカード番号を使って買い物などをしていたようです。
あたかも自分のクレジットカードであるかのようにふるまい、買い物をする行為には別途、詐欺罪などが成立する可能性があります。

刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

カード番号を盗んだ場合は最高で懲役3年でしたが、詐欺罪の方は最高で懲役10年です。
罰金で済む可能性もありません。
カード番号を盗んだ段階とは違い、実害が出てしまっている段階であるといった理由により、より重い処罰を受ける可能性が高いということになります。

なお、ネット通販で不正利用した場合には、電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)という罪名になる可能性がありますが、10年以下の懲役であることに変わりはありません。

~弁護士にご相談を~

少年事件の手続きについて詳しくはこちらをご覧ください。
少年審判の流れ

あなたやご家族が逮捕された場合、どんな犯罪が成立するのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのかなど、不安が大きいと思います。

事件内容に応じてアドバイスいたしますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

検察官送致を回避

2020-06-26

検察官送致について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~
宮城県登米警察署は、宮城県登米市で起きた強盗致傷事件の容疑者として、少年Aくん(18歳)とBくん(18歳)を逮捕しました。
Aくんの母親は、警察からAくんについて事情を聴かれた際、悪ければ検察官送致もあり得ると言われ、対応に困っています。
(フィクションです。)

少年事件における終局決定

捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると判断する場合、及び、犯罪の嫌疑はないが、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると判断する場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致します。
事件を受理した家庭裁判所は、当該少年の保護事件について少年審判を開始するか否かを判断します。
少年審判を開始するのが相当であると認めるときは、家庭裁判所は審判開始決定をしなければなりません。
その後、調査官による調査を経て、少年審判が開かれ、審理を終えると、少年に対して決定が言い渡されます。

家庭裁判所が行う決定には、「終局決定」と「中間決定」の2種類あります。

「終局決定」は、少年の最終的な処分を決める決定であり、「中間決定」は、終局決定前の中間的な措置としてなされる決定です。

「終局決定」には、①審判不開始、②不処分、③保護処分、④検察官送致、⑤都道府県知事または児童相談所長送致の5種類あります。

検察官送致

終局決定の1つである「検察官送致」とは、(1)調査あるいは審判の結果、少年が20歳以上であることが判明したとき、及び、(2)死刑、懲役または禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質および情状に照らして刑事処分相当と認めるときは、家庭裁判所は事件を検察官に送致する決定をしなければなりません。

(1)年齢超過を理由とする検察官送致

審判時に少年が20歳以上に達している場合、少年法の適用対象ではなくなるため、家庭裁判所は審判をすることも、保護処分をすることもできなくなります。
そのため、このような場合には、家庭裁判所は検察官送致の決定をしなければなりません。

(2)刑事処分相当を理由とする検察官送致

家庭裁判所は、「死刑、懲役又は禁固に当たる罪」を犯した少年について、「その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき」は、検察官送致することができます。
また、行為時16歳以上の少年で、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」に当たる事件の場合には、検察官送致の決定をしなければなりません。
ただし、そのような原則検察官送致となる事件であっても、「犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」は検察官送致以外の処分をすることができます。

検察官送致となれば、刑事手続に移行し、起訴された場合には公判審理を経て判決により刑罰が科される可能性があります。
判決までの間、保釈制度を利用して釈放されることはありますが、拘置所に勾留されることも多く、長期間に及ぶ身体拘束を強いられる場合もあります。
また、公判は公開審理であるため、少年のプライバシーが侵害されるおそれもあります。
公判の結果、少年に実刑が科された場合、少年は少年刑務所に収容されることになります。
少年刑務所は、刑罰を執行する行刑施設であり、矯正教育施設である少年院とは目的が異なるため、少年刑務所で行われる教育的処遇は不十分だと言われています。

少年が事件を起こした背景には様々な要因が複雑に絡み合っていることが多く、どのような処分が少年の更生に適するかをしっかりと検討していく必要があります。
少年の更生の支援者として、弁護人・付添人である弁護士の役割は大きいと言えるでしょう。

お子様が事件を起こし対応にお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

少年の在宅事件における弁護活動

2020-06-05

少年在宅事件における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~事例~
宮城県登米市に住む中学生のAくん(14歳)は、市内の商業施設で盗撮をしたとして、宮城県佐沼警察署から出頭要請を受けています。
AくんとAくんの両親は、今後の流れや取調べでどのように答えればよいのかわからず、不安で仕方ありません。
警察署に出頭する前に、少年事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

少年の在宅事件における弁護活動

あなたが何らかの罪を犯したとしましょう。
事件が捜査機関に発覚し、どうやらあなたが行ったと疑うに足りる証拠も出てきました。
捜査機関は、あなたを刑事事件の被疑者として取調べるようになります。
捜査を行うにあたって、あなたが逃亡したり、証拠を隠滅してしまうようなおそれがあると判断される場合には、捜査機関はあなたを逮捕することがあります。
しかし、逮捕の理由も必要性もないのであれば、捜査機関はあなたの身柄を拘束しないまま事件の捜査を続けます。
被疑者の身柄を拘束しないまま行う捜査を「在宅捜査」、在宅捜査となる事件を「在宅事件」と呼びます。

被疑者が少年であっても、成人の場合と同様に、逮捕されることもありますし、在宅事件となることもあります。

身柄が拘束されていない在宅事件といえども、捜査機関による取調べなどの捜査は行われます。
在宅事件の場合、身柄が拘束されていないことや、捜査の進みが身柄事件よりも遅いこともあり、少年も保護者も事の重大さを実感していないことも少なくありません。
しかし、捜査機関による違法・不当な取調べや、自己に不利な供述をしてしまうおそれもあります。
また、少年事件は、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されますので、捜査段階から環境調整を行う必要性もあります。

1.取調べ対応

少年であっても、被疑者として捜査機関から取調べを受けることになります。
そのため、黙秘権をはじめとする権利や供述調書の意味について、少年や保護者もしっかりと理解する必要があります。
例えば、作成された供述調書の内容を確認し、少年の供述内容と異なる供述調書が作成されていた場合には、署名押印を拒否すべきです。
基本的には、素直に取調べに応じるのが良いのですが、少年の意思に反した供述がとられることのないよう留意しなければなりません。
また、違法・不当な取調べを受けた場合には、捜査機関に対して毅然として争う必要があります。

2.逮捕の回避

出頭要請に応じていた場合でも、捜査の進展や取調べの状況などによって捜査機関が逮捕に踏み切ることもあります。
身体拘束によって少年が被る不利益は小さくありません。
逮捕の可能性が考えられる場合には、捜査機関に対して、逮捕の必要性がないことを説得的に主張し、逮捕の回避に努めなければなりません。

3.被害者対応

成人の刑事事件では、被害者への被害弁償や示談が成立している場合には、起訴猶予で事件が終了するということがあります。
しかし、少年事件では、そのような効果はなく、被害者対応をしている場合でも、捜査終了後には家庭裁判所に送致されます。
だからといって、被害者対応が少年事件において何の効果もないのかと言えばそうではありません。
近年、少年審判でも被害者の意向が重視される傾向にあります。
被害者への対応を行う中で、少年が如何に事件と向き合い、被害者の気持ちを理解しようと努めたのかといった点で重要であり、少年審判の審理対象でもある要保護性の解消との関係で重視されるのです。
ですので、捜査段階から、被害者対応に着手することが求められます。

4.環境調整活動

環境調整は、少年がきちんと更生することができるように少年の周囲の環境を整えることです。
環境調整は、少年審判で審理される要保護性の解消にも重要な役割を果たします。
少年の内省を促すことの他、被害者対応や家庭環境・学校環境の調整、交友関係の見直しなど行うことは多岐に渡ります。
家庭裁判所に送致された後からでは環境調整を行う十分な時間がないこともありますので、捜査段階から着手し、じっくり丁寧に環境調整活動を行うことは望ましいでしょう。

以上のような活動を、少年や保護者だけで行うことはそう容易なことではありません。
少年事件での対応にお困りであれば、少年事件に精通する弁護士にぜひご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

自販機に放火して窃盗未遂

2020-03-20

自販機に放火して窃盗未遂

仙台市内で少年2人が、自動販売機に火を付けて現金を盗もうとしたとして、窃盗未遂の容疑で書類送検される事件がありました。

自販機を燃やし 現金盗もうとした疑い…17歳の少年2人 書類送検〈仙台市・泉区〉
Yahoo!ニュース(仙台放送提供)

成立する犯罪などについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~窃盗未遂罪~

少年2人は、自動販売機の中の現金を盗もうとして火を付けましたが、盗めずに終わったということで、窃盗未遂罪に問われています。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第243条
第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。

少年事件の場合はそもそも刑事手続きや処遇が成人事件と異なりますが、成人の場合は窃盗未遂罪も条文上は懲役10年にすることもできる重い犯罪です。

~放火にはならない?~

少年らは自動販売機に火を付けています。
状況によっては、建造物等以外放火罪という犯罪が成立する可能性もありました。
条文を見てみましょう。

第110条1項
①放火して②前二条に規定する物以外の物③焼損し④よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

実際の条文には①~④の数字は振られていませんが、建造物等以外放火罪が成立するためには、①から④の条件を満たす必要があります。
今回の事件では満たすのか検討してみます。

少年らは火を付ける行為をしたでしょうから、①放火してに該当するでしょう。
また、②前二条に規定する物以外の物とは、住居や建造物等以外の物のことを指すので、自動販売機も該当します。

しかし、③焼損とは、ある程度継続して火が燃え上がり続ける状態になることを言います。
たとえば今回、自動販売機に火を付けようとしたがそれほど燃上がらず、少し焦げたくらいで終わったのであれば、③焼損に該当しないでしょう。

また、④よって公共の危険を生じさせたとは、不特定または多数人の生命・身体・財産に対し脅威が及ぶ状態にしたことを言うとされています。
仮に今回、周りに燃え移るような建物や物がなく人もいなかったような場合や、ほとんど自動販売機が燃え上がらなかった場合には、このような脅威が生じたとはいえず、④よって公共の危険を生じさせたとは言えないことになるでしょう。

このような理由から、建造物等以外放火罪には問われていないものと思われます。

ただし、自動販売機が正常に使えない状態になっていれば、器物損壊罪は成立することになるでしょう。

第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

~弁護士にご相談ください~

少年事件の手続などについて、詳しくはこちらをご覧ください。

少年事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人・付添人】

今回の事件の少年らは逮捕まではされていないようです。
警察が一通りの捜査を終えて、捜査資料を検察に送る書類送検の段階にあります。
この後は、検察官も必要な取調べをした後、事件は家庭裁判所に送られ、少年の処遇が決められるということになります。

もしあなたのお子さんが犯罪をしたとして逮捕されたり、警察の取調べを受けたといった場合には、今後のお子さんの人生に関わるところですので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

宮城県色麻町の少年が放火

2020-03-10

宮城県色麻町の少年が放火

色麻町で15歳の少年が自宅を放火し、家族2人が死亡した事件がありました。

少年「こんなことになるとは…」色麻町住宅全焼2人死亡 1階の少年の部屋が火元か〈宮城〉
Yahoo!ニュース(仙台放送提供)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~現住建造物等放火罪に~

この事件を知った皆さんは、少年が自宅へ放火した動機などが気になるところかと思います。
しかし、現時点では報道を見てもわからない状況なので、今回は法律的な解説をしていくことにします。

家族も住む自宅に放火して全焼させた少年には、現住建造物等放火罪が成立します。

刑法第108条
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

木造建築の多い我が国では、放火は人が死亡する危険も高い悪質な犯罪であるということで、殺人罪と同じ重い刑罰が定められています。

犯人が20歳以上の場合にはこの範囲内で刑罰を受けることになります。
しかし今回放火したのは15歳の少年
20歳未満の少年が犯罪をした場合には少年法が適用されるので、処分の内容や手続きが大きく異なってきます。

~少年事件の手続は?~

成人事件でも少年事件でも、犯罪をしたとして逮捕されると、警察が取調べをした後、身柄が検察庁に送られます。
リンク先の3月9日時点のニュースでも、少年は検察庁に送られた段階のようです。

この後、検察官の取調べを受けた後、成人事件の場合には地方裁判所において刑事裁判を受けるのが基本的な流れになります。

しかし少年の場合には家庭裁判所の管轄となり、全く別の手続が進んでいきます。
少年事件の場合、更生の可能性が高い、あるいは生育環境など外部的要因も大きいといった理由から、単に犯罪を責めるのではなく、環境を整えて更生させることを目指して別の制度が設けられているのです。

家庭裁判所に事件が送られると、最初に4週間程度、少年鑑別所に入れられて調査を受けることが想定されます。
少年鑑別所では、面接、心理検査、行動観察などが行われます。
その結果もふまえ、家庭裁判所調査官が中心となって、少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の判断が行われます。

調査官の判断をふまえ、少年審判を開くか否かの判断を、裁判官が行います。
比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。

そうでない場合は、少年審判が開始されます。

~少年審判の結果にはどんなものが?~

少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
少年審判
を経て、裁判官が審判結果を決めることになります。
審判結果としては以下のものが考えられます。

①不処分
少年審判が終わる頃には反省の態度が見られるようになり、再犯の可能性が低いような場合になされます。
審判不開始決定と同じく、成人事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものであり、ここで手続が終了となります。

②保護観察
保護観察所の指導・監督を受けつつ、少年を社会の中で生活させながら更生させていきます。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。

③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により帰る場所がなく②の保護観察が行えない等の場合に、福祉施設に住ませつつ、社会の中で生活させ更生を目指すというものです。

④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、原則として外出が許されない少年院で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は刑法などの法律に書かれた懲役・禁錮の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。

⑤検察官送致(逆送)
凶悪事件については、成人と同じ刑罰を受けさせるべきと判断されると、家庭裁判所から検察庁に事件が戻されます。
その後、追加の取調べなどの捜査がなされた上で、成人と同じ刑事裁判を受けるという流れになります。

今回の現住建造物等放火罪はかなり重い犯罪ですので、重い結果となることも考えられます。
しかし放火に至った原因やその後の反省の様子などをふまえ、柔軟に処遇が決められることになります。

~お困りの際はご相談を~

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
少年の更生に向けて最大限のサポートをしてまいりますので、少年が事件を起こしてお困りのご家族の方はぜひご相談ください。

傷害で少年が取調べ

2020-02-22

傷害で少年が取調べ

傷害の容疑で少年が取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県仙台市に住む17歳の高校生Aくん。
同級生を殴ってケガを負わせてしまいました。
仙台中央警察署取調べを受けることになったAくん。
心配になった両親は、弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~傷害罪などが成立~

同級生を殴ってケガを負わせてしまったAくん。
まずは傷害罪が成立することになるでしょう。

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

Aくんがいじめをしていた場合には、傷害罪のほかにも、脅し文句を言ったなどとして脅迫罪、嫌がることを無理やりさせたとして強要罪、脅してお金を奪ったとして恐喝罪などに問われる可能性もあります。

第222条1項(脅迫)
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第223条1項(強要)
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
第249条1項(恐喝)
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

~少年事件の手続は?~

子供同士のケンカであれば、加害者が被害者に謝り、学校内で処理されて大ごとにならずに済むケースも多いです。
しかし、悪質なケースなどでは警察が介入するなどの大ごととなる可能性もあります。

ここからは、警察が介入したが、逮捕まではされていないケースについて解説いたします。
※ 逮捕されたケースについてはこちらをご覧ください。

20歳未満の未成年が犯罪を行うと、まずは警察官の取調べなどの捜査を受け、続いて検察官の取調べを受けます。
ここまでの流れは、成人事件でも同じです。

その後、成人事件であれば地方裁判所や簡易裁判所での刑事裁判になりますが、少年の場合は家庭裁判所の担当となります。

家庭裁判所では、家庭裁判所調査官という人が少年と面談するといった方法により、少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査・判断が行われます。

これらの取調べや調査官面談は、日程調整の上、自宅から警察署や検察庁、家庭裁判所に出向いて受けることになります。

~少年審判の内容は?~

これらの取調べや調査官による調査の結果等をふまえ、裁判官が少年の処遇を決めることになります。

比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、少年審判が開かれずに手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴処分に近いものといえます。

そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものですが、非公開で行われます。
少年審判での審理の結果、事件によって以下のような判断がなされます。

①不処分
少年審判が終わる頃には反省の態度が見られるようになり、再犯の可能性が低いような場合になされます。
審判不開始決定と同じく、成人事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものであり、ここで手続が終了となります。

②保護観察
保護観察所の指導・監督を受けつつ、少年を社会の中で生活させながら更生させていきます。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。

③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により帰る場所がなく②の保護観察が行えない等の場合に、福祉施設に住ませつつ、社会の中で生活させ更生を目指すというものです。

④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、原則として外出が許されない少年院で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は刑法などの法律に書かれた懲役・禁錮の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。

⑤検察官送致(逆送)
凶悪事件については、成人と同じ刑罰を受けさせるべきと判断されると、家庭裁判所から検察庁に事件が戻されます。
その後、追加の取調べなどの捜査がなされた上で、成人と同じ刑事裁判を受けるという流れになります。

逮捕されていない事件は比較的軽い事件が多いでしょうから、④や⑤などの重い処分になる可能性は低いでしょう。

~弁護士にご相談ください~

お子様が事件を起こしたとして警察沙汰になってしまうと、逮捕されるのか、少年院に入れられるのか、刑事手続はどう進んでいくのか、被害者とどうやって示談がしたらよいのか、学校からはどのような処分が下されるのかなどなど、不安な点が多いと思います。

弁護士は、これらの不安に対するアドバイスのほか、捜査機関や家庭裁判所への対応を行い、お子様がしっかりとした人生を歩んでいけるようサポート致しますので、ぜひ一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。

窃盗で女子高生が逮捕【放火の疑いも】

2020-01-21

窃盗で女子高生が逮捕【放火の疑いも】

窃盗容疑で女子高生が逮捕され、現住建造物等放火罪の疑いもかけられている事件について、
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【参考事例】
窃盗容疑で女子高校生逮捕 連続放火に関連か
YAHOO!ニュース(KHB東日本放送提供)

この事件は、17歳の女子高生が仙台市泉区のコンビニで、オイル缶2本とライター2本、ガスボンベ1本を盗んだという窃盗罪の疑いで逮捕された事件です。
これらの商品が、付近の県営住宅で相次いでいた不審火の現場に落ちていたものと同じ物だったことから、放火にも関与しているのではという疑いをかけられています。

つまり、窃盗罪現住建造物等放火罪という2つの罪の責任を負う可能性があるということになります。
条文を見てみましょう。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第108条
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

235条の窃盗罪は、最高で10年の懲役となる可能性が理論上はありえます。
しかし今回の被害金額は2000円程度だったようなので、これだけであれば重い判決が下るとは考えにくいです。

ところが、今回は県営住宅という「現に人が住居に使用し」ている「建造物」「放火」しているので、現住建造物等放火罪が成立することが予想されます。
命の危険が伴う犯罪であり、死刑を含めた重い刑罰が規定されていることから、一般的には重い判決となることが予想されます。

※1月23日追記
上記ニュースには県営住宅での不審火である旨が書かれていましたが、より正確には、県営住宅内にある廃棄物集積用のカゴの中の木片などにライターで火を付け、隣接する工事現場の事務所を焼いたとのことでした。
女子高生は、現住建造物等放火罪再逮捕されました。

万引き容疑の女子高校生「放火容疑」で再逮捕
YAHOO!ニュース(KHB東日本放送提供)

火が燃え移った工事現場の事務所は人が住んでおらず、放火当時に中に人もいなかったとして、少し刑罰が軽い現住建造物等放火罪での再逮捕となったのでしょう。

第109条1項
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。

~被疑者が未成年者の場合~

今回の事件は被疑者が17歳であり、少年法が適用される「少年」ということになります。
少年の場合、大人の事件とは大きく異なる手続がとられます。

まず、警察検察が事件を捜査する点は同じです。
その後、成人事件では地方裁判所簡易裁判所が判決を下す流れになることが1つのパターンとして考えられます。
一方、少年事件では家庭裁判所が、様々な調査の末に少年の処遇を決めることになります。

処遇の内容も、必ずしも懲役刑を受けさせるのではなく、少年院送致児童福祉施設に送るなど、各少年に合わせた様々な処遇がなされることになります。

少年事件の手続や、弁護士をどうするかといった点について、詳しくはこちらをご覧ください。
少年事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人・付添人】

~ぜひ弁護士にご相談ください~

少年が更生の道を歩んでいくためには、被害者に謝罪・賠償する他に、少年が抱えている生きづらさなどを取り除いていくことが重要となります。
弁護士はこれらのことについてサポートしてまいりますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。

また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。

0120-631-881まで、ご連絡をお待ちしております。

身内が逮捕されたら

2020-01-04

身内が逮捕されたら

家族や親戚などの身内が逮捕された場合の対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県内に住むAさん。
ある日、宮城県警警察官が自宅を訪れ、
「息子さんに話を聞きたい」
と言われました。
自宅にいた息子が玄関に出てきたところ、逮捕状を示され、そのまま連れて行かれました。
また、数名の警察官が息子の部屋などを捜索していきました。
寝耳に水のAさんは、今後どうなってしまうのか心配でたまりません。
(事実をもとにしたフィクションです)

~家族にとっては突然やってくる~

弊所は刑事事件少年事件を専門としている弁護士事務所です。
弊所に依頼いただくのは、犯罪をしてしまったご本人の場合もあります。
しかし、本人が逮捕されていたり、本人が少年の場合などは、ご家族からご依頼いただくことも多いです。

本人は、犯罪をしてしまった認識を持っていることが多いですが、ご家族にとっては、警察が家に来て本人が逮捕されたり、家宅捜索をされたタイミングで初めて知ることも多いです。
全く予兆も感じずに逮捕されてしまうことも多いことから、
「まさか自分の家族が…」
と驚いたり、悲しみや不安が一気に襲ってくることになります。

~心配が尽きない~

ご家族としては、本人が悪いことをしてしまったのであれば、しっかり罪を償わなければならないことはわかりつつも、本当はやっていないんじゃないか、きつい取調べをされるんじゃないか、やったことに釣り合わない重い刑罰を受けるのではないかなど、不安は尽きない状態になってしまいます。

また、職場に解雇されるのか、学校は退学になるのか、今後の生活はどうなってしまうのか、といった心配も強いでしょう。

本人が国家資格を取ろうとしている、あるいは資格を使って仕事をしているという場合には、資格を取れなかったり、取り消される心配も出てきます。

薬物性犯罪万引きなど、一部の犯罪では依存症のような状態になってしまっており、再犯を防ぐことにも気を配る必要が出てきます。

被害者がいる犯罪では、どうやって謝罪したらいいのか、示談交渉はどうやって行えばいいのか、示談金はいくらにしたらよいのか、そもそも示談に応じてくれるのか、といった心配も出てきます。

~弁護士に相談を~

これらすべての心配事に対し、ご家族のみで対応するのは難しいでしょう。
ぜひ、専門家である弁護士にご相談いただければと思います。

本人が逮捕されている事件では、国の費用で弁護士を付けてもらえる国選弁護人の制度がありますので、こちらを利用するのも良いでしょう。

もし、万全を尽くしたい、セカンドオピニオンを聞きたいといった場合には、弊所の初回接見サービスをご活用ください。
拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。

また、逮捕されていない在宅事件の場合や、すでに釈放された場合には、裁判が始まるまでは国選弁護人の制度が使えませんので、弁護士の力を借りる場合には、自費で弁護士を雇う必要が出てきます。
しかし、いきなり依頼するのもご心配でしょうから、ぜひ初回無料の法律相談をご予約ください。

ご本人やご家族のその後の生活に大きく関わってくるところですので、ぜひ弁護士を最大限活用していただければと思います。

【関連リンク】
刑事手続の流れや、国選弁護人との違いなどについて、詳しくはこちらをご覧ください
逮捕事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人】
在宅事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人】
少年事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人・付添人】

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