Archive for the ‘刑事事件’ Category
模造刀を携帯で銃刀法違反…正当な理由とは?
模造刀を携帯していて警察に検挙された事件を参考に、銃刀法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
参考事件
宮城県大崎市に住んでいる大学生のAさんは、趣味で購入した模造刀を自宅で所持していました。
Aさんは友人から模造刀を見せてほしいと頼まれて、友人の家に模造刀を持っていきました。
その帰り道、Aさんは巡回していた宮城県古川警察署の警察官から職務質問を受けました。
職務質問の際にAさんは警察に模造刀を持っていることが知られてしまったため、Aさんは銃刀法違反で検挙されてしまいました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
銃砲刀剣類所持等取締法(通称「銃刀法」)
上記の参考事件でAさんは銃刀法違反で検挙されています。
銃刀法とは略称であり、正式には銃砲刀剣類所持等取締法と言います。
模造刀には刃が付いていない刀剣なので銃刀法違反に当たらないと思うかもしれませんが、銃刀法には模造刀について定められた条文が存在します。
銃刀法の22条の4には「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣類(金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。)を携帯してはならない」と定めて模造刀の携帯を禁止しています。
携帯とは自宅及び住居以外の場所で模造刀を手に持っている状態、または模造刀を身体に帯びる等して使用し得る状態で身辺に置くことをいいます。
そして銃刀法の第35条には「次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、20万円以下の罰金に処する。」と定められており、次の各号の1つである第35条2号には22条の4が記載されています。
正当な理由とは
業務以外の「正当な理由」での携帯とは、購入した模造刀を持ち帰る際や修理、その他、展示会に出展するなどの際に、専用のケースに入れて携帯することでしょう。
遊ぶ目的などはもちろんですが、護身用であっても「正当な理由」にはなりません。
今回の場合、友人に見せるために持ち歩いていたようですが、この行為が正当な理由といえるかどうかは微妙ですが、少なくとも、専用のケースに入れておかなければいけないでしょう。
仙台市のアパートで死体遺棄 自首した二人を逮捕
仙台市のアパートで死体遺棄したとして自首した二人が逮捕された事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
事件内容
昨年末、宮城県仙台市内のアパートで、死体を損壊し遺棄したとして、青森警察署に自首した二人が逮捕されました。
最初に事件が報道された昨年末から、これまでの報道をまとめますと、当初遺体は仙台市内の別の場所に埋められていたようですが、その後、今回遺体が発見されたアパートに移されていたようで、逮捕容疑は死体損壊罪と死体遺棄罪だとされています。
死体損壊罪と死体遺棄罪
死体損壊罪も死体遺棄罪も、刑法第190条に規定されています。
刑法第190条
死体、遺骨、又は遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
死体損壊罪でいう「損壊」とは、遺体を物理的に損傷、破損させることを意味します。
そして死体遺棄罪でいう「遺棄」とは、社会通念上埋葬とは認められないような態様で放棄することです。
代表的な行為態様としては、遺体を埋めたり、何処かに隠したり、投棄する行為です。
殺人事件の端緒に…
死体遺棄罪は、殺人事件捜査の端緒になることがよくあります。
殺人事件は、遺体が発見されてから捜査が開始されるケースがほとんどで、そこで警察が殺人犯人を割り出していく中で、まず死体遺棄罪で犯人を逮捕し、その後、殺人罪で再逮捕することがよくあるのです。
自首
今回の事件は、犯人の二人が青森警察署に自首したことによって発覚しているようです。
自首とは、犯人自らが犯罪について捜査機関に申告することです。
自首が成立すると、裁判において刑を軽くしてもらえることがあります(刑法第42条第1項)。
そのため、自首は犯罪をしてしまった場合に有利なものといえます。
自首と出頭は違う
自首する際には、自らが捜査機関に出頭するケースが多いため、自首と出頭は同義であると思われる方は多いようですが、この2つには違いがあり、警察署に自ら出頭したからといって必ず自首として扱われるわけではないので注意が必要です。
ただ自首とされた場合は、刑事処分が軽くなったり、逮捕されるリスクを軽減できたりするといったメリットがあります。
ただこのメリットも必ず受けられるわけではないので、自首前に弁護士に相談することをお勧めします。
財布をネコババ 遺失物等横領罪と窃盗罪
財布をネコババした事件を参考に、窃盗罪と遺失物等横領罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
参考事件
宮城県多賀城市に住んでいる会社員のAさんは、同市内にあるスーパーに買い物に訪れていました。
買い物を終えたAさんが商品を袋に詰めていると、そこに財布が忘れられているのを見つけました。
Aさんは、その財布をカバンに隠してそのまま持ち帰ったのですが、財布の持ち主が警察に被害届を提出したらしく、それからしばらくしてAさんは、宮城県塩釜警察署に呼び出されて取調べを受けました。
Aさんは、自分の行為が「遺失物横領罪」と「窃盗罪」のどちらに抵触するのか分からず不安です。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
遺失物横領罪
遺失物等横領罪は、占有離脱物横領罪等と共に刑法第254条に規定されています。
刑法254条では「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と、遺失物等横領罪等が定められています。
占有とは、財物に対する事実上の支配ないし管理のことであり、その財物を支配、管理している人は占有者と呼ばれます
遺失物とは、占有者の意思によらないでその占有が離れ、誰の占有にも属さなくなったもののことであり、いわゆる「落とし物」を意味します。
漂流物とは、その中でも特に水中、または水面に存在する物のことをいいます。
その他占有を離れた他人の物は、例えば手違いで届けられた他人の郵便物や、風で飛ばされた洗濯物等がこれに該当します。
窃盗罪
参考事件のような状況では、場合により窃盗罪に該当する可能性も考えられます。
窃盗罪については刑法235条に、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
窃取とは、他人が占有する財物の占有を、占有者の意思に反して侵害し、自己または第三者の占有に移すことです。
ネコババは窃盗罪?それとも遺失物横領罪?
ケース1~遺失物横領罪~
Aさんのネコババした財布が、すでに持ち主の占有を離れていると考えれば、その財布は遺失物横領罪でいうところの、占有者の意思によらないでその占有が離れた物、つまり遺失物(落とし物)となり、その遺失物(落とし物)を持ち去るAさんの行為は、遺失物横領罪に抵触するでしょう。
ケース2~窃盗罪~
Aさんのネコババした財布が、まだ持ち主の占有を離れていない場合、つまりまだ財布の持ち主が近くにいたり、その場に置き忘れて間もない場合は、財布の占有は持ち主にあると考えられるので、Aさんの行為は、他人の占有する財物を窃取することとなり、窃盗罪に抵触するでしょう。
ケース3~窃盗罪~
Aさんはスーパーの店内にある遺失物(落とし物)の財布をネコババしています。
その場合、遺失物(落とし物)の財布の占有が、財布の持ち主から、その場所を管理するスーパーに移っていると考えられる場合があります。
このように店側の排他的支配性が認められれば、Aさんの行為は、スーパーの占有物を窃取したとして、窃盗罪が成立することになるでしょう。
刑事事件を専門とする弁護士事務所
遺失物等横領罪と窃盗罪のどちらが成立するかは専門的な知識がなければ見極めが難しいため、早期の解決を図るためにも弁護士に相談することが最善です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は刑事事件を専門に扱う弁護士事務所です。
法律相談を初回無料で実施しており、ご予約はフリーダイヤル0120-631-881となっております。
遺失物横領罪や窃盗罪などの刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部まで、お気軽にご相談ください。
会社のHP掲示板に書き込みが…名誉棄損事件に
会社位のHP掲示板への書き込みが名誉棄損事件となった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
仙台市内の会社に勤務するAは、インターネットの掲示板に「●●(同僚の名前)が会社のお金を使い込んでいる。」等といった、同僚の社会的信用を失墜させる内容の書き込みを繰り返しました。
同僚が名誉毀損罪で、宮城県泉警察署に告訴した事を知ったAは、仙台市内の刑事事件に強い弁護士に名誉毀損罪について法律相談しました。(フィクション)
名誉毀損罪
刑法第230条に名誉棄損罪が定められています。
この条文によりますと「公然と事実を適示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」と明記されています。
まず「公然と」とは、不特定多数人が認識できる状態を意味しますので、Aが書き込んだインターネットの掲示板が、誰でも閲覧可能な掲示板であれば、公然性は認められるでしょう。
続いて「事実を適示」についてですが、ここでいう事実は真実である必要はありませんが、内容については、人の社会的評価を害する、ある程度具体的なものでなければならないとされています。
事実の適示がされたか否かは、その有無によって名誉棄損罪と侮辱罪とが区別されることもあるので非常に重要な問題です。
ちなみに侮辱罪の罰則規定は、かつて「拘留又は科料」でしたが、刑法改定によって「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」と厳罰化されています。
また名誉棄損罪は親告罪ですので、被害者等の告訴権者の告訴がなければ起訴を提起できません。
インターネットの書き込みは匿名ということもあり、普段よりも攻撃的になってしまう場合があります。
何気なしにした書き込み、軽い気持ちでした書き込みが、名誉毀損罪に当たるとして警察の取調べを受けた方もいるので、インターネットを利用される方は十分に気を付けてください。
仙台市の刑事事件、名誉毀損罪で告訴されている方は、宮城県の刑事事件に強い弁護士、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までお気軽にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますのでお気軽にお電話ください。
年末年始に家族が逮捕された 即日対応可能な刑事弁護人
さて本日のコラムでは、年末年始に傷害事件を起こして逮捕された方の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
事件内容
会社員のAさんは、会社の忘年会に参加した帰り道で、タクシーの乗車を巡って若い男と口論になりました。
その男に胸倉を掴まれたことに激高したAさんは、男の顔面をげんこつで殴り、その場から逃走したのですが、自宅に着く直前で、警戒中の宮城県仙台南警察署の警察官に職務質問されて、先ほどの犯行が発覚してしまいました。
そしてその後Aさんは、傷害罪で緊急逮捕されてしまったのです。
(フィクションです。)
年末が近付き、お酒を飲む機会が増えてきますが、お酒を呼んで酔払うとどうしても気が大きくなり、些細なことが原因でトラブルが起こりやすくなります。
単なる口論で済んでいれば、警察が介入しても厳重注意を受けるだけで終わりますが、相手に手を出してしまうと、そうはいかず、場合によってはAさんのように逮捕されてしまうこともあります。
傷害罪で逮捕された後の流れ
Aさんのように傷害事件を起こして警察に逮捕されるとまず、警察署に連行(引致)されて取調べを受けます。
この取調べで事実を認め、留置する必要がない場合は、この取調べ後に釈放されることもありますが、そうでない場合は、取調べが終わると、留置場に収容されます。
そして逮捕から48時間以内に検察庁に送致されることとなり、検察庁では検察官の取り調べを受けます。
取調べ後に検察官が釈放を許可する場合もありますが、そうでない場合、検察官は送致から24時間以内に裁判所に勾留を請求します。
そして裁判官が勾留を決定すれば、その決定の日から10日~20日間は警察署の留置場に収容された状態で取調べを受けなければなりません。
逆に裁判官が勾留を決定しなければ、釈放されることとなるのです。
この流れは、年末年始の休暇中でも変わりません。
逮捕された場合の刑事手続きや、時間的な制限は、お正月等の特別な日でも平日と何ら変わりなく進みます。
傷害罪の弁護活動
早期釈放のために(身柄解放のための弁護活動)
上記したように、刑事事件を起こして警察に逮捕されると、手続きが進みますが、そのまま身体拘束をしたまま手続きを進めるのか、釈放して在宅捜査に切り替えて手続きを進めるのかは、警察、検察官、裁判官の順番で判断をくだしていきます。
そこで弁護士は、送致前であれば警察に、送致から勾留請求までの間であれば検察官に、そして勾留請求後は、裁判官に釈放を求める活動を行うことができます。
勾留決定に対する準抗告
また一度裁判官が勾留を決定した場合でも、その勾留決定に対して異議を申し立てることができます。
この申し立てを準抗告と言います。
弁護人が準抗告をすれば、裁判所は、勾留を決定した以外の複数の裁判官で、再度、勾留する必要があるか否かを判断します。
弁護人の準抗告が認められると、最初の勾留決定は取消されます。
示談活動等(処分軽減のための弁護活動)
傷害事件でどういった刑事罰が科せられるかは、被害者と示談を締結しているかどうかで大きく変わります。
被害者との示談があるからといって必ず刑事罰を免れれるわけではありあせんが、示談を締結することによって、最終的な刑事罰が軽減されることは間違いありませんので、傷害事件において、被害者と示談を締結することは、最も有効な弁護活動の一つです。
年末年始に家族が逮捕された方は
年末年始に急にご家族が逮捕された方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にご相談ください。
無料法律相談、初回接見サービスのご予約は フリーダイヤル 0120-631-881 までお気軽にお電話ください。
同級生と性交 強制性交等罪における被害者の同意②
~昨日の続き~
本日は、「強制性交等罪における被害者の同意」について解説します。
被害者の同意
強制性交等罪が成立するには、被害者が13歳以上の場合、「暴行又は脅迫」と「性交等」が必要です。
また強制性交等罪は相手方の性的自由を保護する犯罪で故意犯ですから、加害者は、被害者の同意がないことを認識している必要があります。
ここでいう被害者の同意とは、法益の帰属者たる被害者が、自己の法益(身体・生命の安全)を放棄し、その侵害に承諾又は同意を与えることをいいます。
かつては、この被害者の承諾によって、守るべき法益(保護法益)がなくなったことを根拠に、被疑者の行為の違法性がなくなり(違法性が阻却され)不可罰となる、と考えられていました。
しかし近年は、その「守るべき法益がなくなったこと」に加え、被疑者の行為の社会的相当性も必要とする、という考え方が主流です。
以上の考え方から、被害者の同意があったというためには
- 同意自体が有効なものであること
- 同意が内心にとどまらず、外部に表明されていること
- 同意が行為時に存在すること
- 同意に基づいてなす行為が、その目的、動機、方法、態度、程度等において国家・社会の倫理規範に違反せず、社会的相当性を有すること
という要件が必要です。
仮にこれらの要件を満たさない場合は、「被害者の同意はない」と判断されてしまう可能性が非常に高くなります。
同意がないことを認識しているかどうかが問題
では、仮に被害者の同意はない、とされた場合、直ちに強制性交等罪が成立するかといえばそうではありません。
さらに加害者が、被害者の同意がないことについて認識していること、が必要です。
つまり、加害者が被害者の同意がないことについて誤信していた場合(同意があると思っていた場合)は強制性交等罪が成立しない可能性があります。
強制性交等罪をはじめとする性犯罪ではこの点が争われることが多いです。
ただ、加害者が誤信していたかどうかは
- 性交等に至るまでの経緯
- 性交等の際の言動
- 性交等後の経緯
などを総合的に勘案して決せられます。
強制性交等罪に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、強制性交等罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
強制性交等罪は、警察に逮捕される可能性のある非常に厳しい犯罪です。
警察において、強制性交等罪で取調べを受けている方は、今すぐフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお電話ください。
公務執行妨害罪と傷害罪の関係 観念的競合とは
警察官を殴って怪我をさせた事件を参考に、公務執行妨害罪と傷害罪の関係(観念的競合)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
参考事件
宮城県亘理郡に住んでいる会社員のAさんは、お酒を飲んだ帰り道に公園のベンチで寝ていました。
そこに通りかかった巡回中の警察官が寝ているAさんを発見したため、Aさんを起こして職務質問をしようとしました。
まだ酔いが醒めておらず寝起きで機嫌の悪かったAさんは、警察官を殴ってしまい怪我をさせてしまいました。
Aさんは公務執行妨害罪と傷害罪の疑いで、宮城県亘理警察署に現行犯逮捕されることになりました。
公務執行妨害罪と傷害罪
上記の事件でAさんは公務執行妨害罪と傷害罪で現行犯逮捕されています。
刑法95条に公務執行妨害罪が定められており、その内容は「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」となっています。
「公務を執行するに当たり」に該当するのは、特定の職務の執行を開始してからこれを終了するまで、及び職務執行と時間的に接着し、切り離せない関係にあると見ることができる範囲内の行為を指します。
公務執行妨害罪における暴行は公務員に対して向けられた有形力(物理的な力)の行使であれば足り、公務員の身体に対して直接加えられていることまでは必要とされていません。
また、参考事件のAさんは警察官に暴力を行使した際に怪我をさせているため、傷害罪も同時に成立します。
刑法204条に傷害罪が定められており、その内容は「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」となっています。
傷害罪における傷害とは、人の生理的機能(生活機能)に傷害を与えることと、広く健康状態を不良に変更することを言います。
また、病気にかからせることや、昏倒させたり眠らせたり人の意識作用に障害を生じさせる行為も傷害に含みます。
参考事件のAさんは職務執行中の警察官に殴るという暴行を加え、さらに警察官に怪我をさせているので、公務執行妨害罪と傷害罪の両方が適用されるでしょう。
観念的競合
参考事件のような1つの行為が複数の罪にまたがる場合を観念的競合といいます。
Aさんは警察官を殴ることによって、警察官の公務を妨害(公務執行妨害罪)と、警察官の身体に傷害を負わせる(傷害罪)の、二つの犯罪に抵触しているので、典型的な観念的競合となります。
刑法54条1項には「1個の行為が2個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。」と記載されています。
そのため観念的競合は2つの罪を比較し、より重い法定刑が適用されることになります。
公務執行妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」となっていますが、傷害罪は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっているため、より重いと判断される傷害罪の法定刑が適用されることになります。
まずは弁護士にご相談ください
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は公務執行妨害事件などをはじめとする刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
弊所では被疑者が逮捕されている場合、逮捕された方のもとへ弁護士が直接赴く 初回接見サービス をご利用いただけます。
宮城県亘理郡の刑事事件でお困りの方は、刑事事件を専門に取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部に是非ご相談ください。
ホテルの朝食ビュッフェを無銭飲食 建造物侵入罪と窃盗罪で逮捕
ホテルの朝食ビュッフェを無銭飲食したとして、建造物侵入罪と窃盗罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
無職のAさんは、宮城県大崎市にあるホテルで実施している朝食ビュッフェの会場に紛れ込み、朝食ビュッフェを無銭飲食しました。
そのホテルでは宿泊客に、朝食ビュッフェを無料提供しており、宿泊客以外はお金を支払っても朝食ビュッフェを利用することはできません。
またビュッフェ会場には、接客担当の従業員は常駐しておらず、客はカウンターに陳列された食事を自由に取って、自分のテーブルで食事をするセルフサービスのシステムです。
そういったシステムを悪用して、Aさんはこれまでも何度か、ホテルの朝食会場に紛れ込んで、朝食ビュッフェを食べていたのですが、ある日、朝食ビュッフェ会場で食事していたところ、ホテルの従業員に声をかけられて、無銭飲食が発覚してしまったのです。
そしてホテルの従業員の通報で駆け付けた、宮城県古川警察署の警察官によって、建造物侵入罪と窃盗罪で逮捕されてしまいました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
建造物侵入罪
刑法130条には、「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し~(中略)~3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」と、建造物侵入罪等が規定されています。
そして同じ刑法第130条の後段には、不退去罪が規定されています。
刑法第130条(前段)に規定されている住居侵入罪、邸宅侵入罪、建造物侵入罪、艦船侵入罪は、人の住居、邸宅、建造物、艦船に、それらの住民や看守者の許可なく不法に侵入することによって成立する犯罪です。
ここでいう「建造物」とは、住居・邸宅以外の建物を指し、建造物のある塀や堀で囲まれた敷地(これを「囲繞地」と呼ぶ)も含まれます。
また「看守」とは建造物などを事実上管理、支配するための人的な、もしくは物的な設備を施すことを意味します。
窃盗罪
そして刑法235条に規定されているのが窃盗罪です。
窃盗罪は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
ここでいう「窃取」とは、他人が占有する財物の占有を、占有者の意思に反して侵害し、自己または第三者の占有下に移すことを意味します。
「占有」とは財物に対する事実上の支配、管理のことを指しています。
朝食ビュッフェを無銭飲食すると(牽連犯について)
飲食店での無銭飲食は詐欺罪が適用されるのが通常ですが、今回の事件は建造物侵入罪と窃盗罪が適用されています。
おそらく詐欺罪の成立に必要不可欠とされる「欺罔行為(人を騙す行為)」が認められなかったのでしょう。
今回の事件ように、複数の犯罪が手段と目的の関係にある場合を、「牽連犯」と言います。
牽連犯は、その複数の罪のうち、最も重い法定刑によって処断が決定されます。
Aさんの場合、無銭飲食(窃盗罪)するのが目的で、ホテルのビュッフェ会場に不法侵入(建造物侵入罪)しています。
建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」となっていますが、窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」なので、参考事件のAさんにはより重い窃盗罪の法定刑が適用されます。
まずは弁護士に相談を
警察に逮捕されたからといって、必ず刑事罰が科せられるわけではありません。
今後、Aさんがどういった刑事罰を受けるかは、これからどういった弁護活動をするかによって大きく変わってきます。
ですから、こういった刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部では、初回無料の法律相談や、逮捕された方のもとへ弁護士を派遣する 初回接見サービス のお申込みを、24時間体制で受け付けております。
まずは
フリーダイヤル 0120-631-881
までお気軽にお電話ください。
仙台市青葉区の児童福祉法違反事件 逮捕された方のもとに弁護士を派遣
仙台市青葉区の児童福祉法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【宮城県の児童福祉法違反】
Aさんは、SNSで「乱交パーティーをやる」などと投稿し、その投稿を見てAさんに連絡してきた17歳のVさんを仙台市青葉区内のアパートで成人男性3人と引き合わせ、性交させました。
Aさんは、児童福祉法違反の容疑で宮城県仙台中央警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕されたことを受け、刑事事件を扱う法律事務所の初回接見サービスに申し込みをしました。
(フィクションです。)
【児童福祉法違反】
児童に淫行をさせる行為をした者は10年以下の懲役もしくは300万円以内の罰金に処されるか、この両方を科されます(児童福祉法34条1項6号・60条1項)。
児童福祉法 第34条第1項
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
6号 児童に淫いん行をさせる行為
児童福祉法 第60条第1項
第34条第あ項第6号の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
ここでいう児童とは満18歳に満たない者をいいます。
よって、上記事件例Vさんは、17歳であるため、児童に当たります。
また、Aさんが行った、Vさんと男性3人を性交させる行為は、淫行させる行為に当たると考えられます。
児童福祉法違反事件の場合、示談の成立は、事件解決にとって非常に大きな意味を持ちます。
示談が成立すれば、不起訴処分や執行猶予判決を受けやすくなったり、逮捕・勾留されていても早期に釈放される可能性が高くなったりします。
そのため、早期の社会復帰・職場復帰を実現しやすくなるのです。
ただし、児童福祉法違反事件の場合、被害者は未成年なので基本的に示談交渉の相手となるのは、被害者の保護者ということになります。
一般的に被害者自身と示談交渉するのに比べて、その保護者と示談交渉する場合の方が交渉は難航します。
一般の方が自ら示談交渉に臨まれるのは得策ではありません。
児童福祉法違反事件における早期の事件解決、早期の身柄解放のためにも、示談交渉は法律の専門家である弁護士に任せることが効果的です。
刑事事件に強い弁護士に依頼をし、被疑者・被告人にとって有利となる事情を的確に主張していくことが、不当に重い刑罰を避けることに繋がります。
宮城県内で、ご家族が逮捕され、どうしたら良いかわからずお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部の初回接見サービスをご利用下さい。
初回接見サービスのお申込みは、フリーダイヤル0120-631-881にて、24時間受け付けておりますので、ご家族が逮捕されてしまった方はすぐにお電話下さい。
店舗に放火して逮捕 放火事件の種別
店舗に放火して逮捕された事件を参考に、放火事件の種別について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
参考事件
宮城県東松島市に住んでいる大学生であるAさんは、近所の飲食店でアルバイトをしていました。
Aさんは店長と仲が悪かったため、仕事を押し付けられるなどしていて不満が募っていました。
Aさんは全員が帰った後、誰もいない店舗に戻り、灯油を店内にまいてライターで火を付けました。
近隣住民が通報したことによって、消防隊が駆け付け火はすぐに消されました。
その後、防犯カメラの映像などからAさんの身元が割れ、Aさんは、非現住建造物等放火罪の容疑で宮城県石巻察署に逮捕されました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
非現住建造物等放火罪とは
上記の刑事事件例で、Aさんは非現住建造物等放火罪の疑いで逮捕されています。
非現住建造物等放火罪について、刑法109条は「放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。」と定めています。
非現住建造物等放火罪における「建造物」とは、家屋その他これに類似する建築物をいい、屋根があって壁または柱によって支持され土地に定着し、少なくともその内部に人が出入りしうるものを指しています。
「住居」とは、犯人以外の人が「起居の場所として日常使用」する建造物等のことを言います。
「現に人がいない建造物」とは、犯人以外の人が放火の際に現在しない建造物等を言います。
「焼損」とは火が媒介物を離れ目的物、つまり建造物の一部が独立して燃焼を継続しうる状態になることを意味します。
建造物の1部とは、「容易には取り外すことのできない状態にあるもの」を指します。
上記の刑事事件例でAさんは、現に人がいない建造物である飲食店の店舗内に灯油をまいて火を付けているため、非現住建造物等放火罪が成立します。
他方、人がいる建物へ放火した場合は、現住建造物等放火罪になります。
現住建造物等放火罪は刑法108条に「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と定められています。
現住建造物等放火罪は死刑の可能性もあり、非現住建造物等放火罪でも2年以上の有期懲役など、放火が非常に危険な事件として扱われていることが分かります。
放火の弁護活動
放火事件は法定刑が非常に重い罪であるため、減刑を求めるためにも早期に弁護士へ依頼することが重要です。
放火事件でご家族が逮捕されてしまいお困りの方は、刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部をご利用ください。
弁護士が逮捕、勾留中の方の留置先に直接伺う初回接見サービスを弊所では実施しております。
初回の法律相談は無料になっていますので、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部に是非ご連絡ください。