Archive for the ‘刑事事件’ Category
宮城県での強盗・強制性交等で逮捕
宮城県での強盗・強制性交等で逮捕
強盗・強制性交等罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県内に住むAさん。
蔵王町の民家に窃盗目的で入りましたが、住んでいた女性と鉢合わせに。
持っていたナイフを首元に突きつけ、金を出すように要求。
現金を奪うとともに、女性をレイプした上で逃走しました。
その後、被害届の提出を受けた白石警察署の捜査により、Aさんの犯行が発覚。
Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)
~強盗罪と強制性交等罪~
Aさんは、強盗と強制性交の2つの罪を同時に行っています。
この場合、「強盗・強制性交等罪」という犯罪が成立します。
以下、順を追って解説していきます。
まず刑法には、強盗罪と強制性交等罪が別々に規定されています。
刑法第236条1項(強盗)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
第177条(強制性交等)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
両方とも、5年以上の有期懲役と定められています(上限は原則20年)。
~強盗・強制性交等罪とは~
しかし、両方の罪を同じタイミングで行った場合には、別の条文で定められている「強盗・強制性交等罪」という罪が成立します。
第241条1項(強盗・強制性交等)
強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強制性交等の罪(第百七十九条第二項の罪を除く。以下この項において同じ。)若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は強制性交等の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。
この条文は要するに、強盗と強制性交等の順序はどちらが先でもかまわないが、両方の罪を犯したとき(未遂に終わった場合も含む)は、無期または7年以上の懲役になるということです。
強盗と強制性交等罪を単独で犯したときには、それぞれ懲役の上限が原則20年、下限が5年でした。
しかし両方同時の犯したとなると重くなり、上限は無期懲役、下限が7年になるということです。
Aさんは、ナイフを首元に突きつけるという脅迫を用いて現金を奪う「強盗の罪」を犯し、続けて「強制性交等の罪」も犯しているので、強盗・強制性交等が成立することになるわけです。
~軽くなる場合と重くなる場合~
仮にAさんが、現金を奪えず、さらにレイプも未遂に終わった場合には、刑が軽くなる可能性があります。
第241条2項
前項の場合のうち、その犯した罪がいずれも未遂罪であるときは、人を死傷させたときを除き、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思によりいずれかの犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
強盗も強制性交も未遂に終わった場合には、被害者が負傷も死亡もしていない場合には、刑が軽くなる可能性があります(具体的には、3年半以上20年以下の懲役となります。刑法68条2号3号参照)。
特に、犯行途中で後悔して自らの意思で犯行を中止し、両罪とも未遂に終わったような場合には、減刑または免除のどちらかが必ずされることになります。
逆に、Aさんがナイフで被害者を刺すなどして、被害者が死亡してしまった場合、死刑または無期懲役のどちらかになってしまいます。
第241条3項
第一項の罪に当たる行為により人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する。
~弁護士に相談を~
逮捕されたAさんは、まずは最大で23日間の身体拘束がなされます。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続きます。
そして裁判で無罪や刑の免除とならない限り、刑罰を受けることになります。
逮捕された場合、今後の刑事手続きはどうなるのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。
強盗・強制性交等罪で逮捕された、捜査を受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。
宮城県での信用毀損で逮捕
宮城県での信用毀損で逮捕
信用毀損罪などで逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県大河原町に住むAさん。
長年、個人商店を営んでいましたが、近隣に大型スーパーが出来たことから売り上げが激減。
なんとか店を存続させようと努力してきましたが限界を迎え、閉店することになりました。
大型スーパーが出店してきたことに対する不満が消えないAさん。
同スーパーで購入した食品に自ら異物を混入して写真を撮り、その画像をインターネットに上げて、虚偽の異物混入を訴えました。
その結果、その商品が販売停止になるという事態にまで至りました。
スーパーや商品を製造したメーカーが調査しましたが原因がわからない上、スーパーやメーカーがAさんに話を聞いた際に不審な点があったことから、Aさんのでっち上げではないかと推測。
スーパーやメーカーが警察に相談し、大河原警察署の警察官らがAさんに事情を聞いたところ、自作自演であったことを自白。
Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)
~信用毀損罪とは~
長年営んできたAさんの店が閉店に追い込まれたことはかわいそうな面もあるかもしれません。
しかしAさんのやってしまったことは立派な犯罪であり、大ごとになってしまいました。
Aさんの行為には、信用毀損罪や偽計業務妨害罪が成立する可能性があります。
第233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
まずは信用毀損罪から解説します。
「虚偽の風説を流布」とは、ウソの噂を流すことをいいます。
また、「偽計を用いて」とは、人を欺くなどの不正な手段を用いることをいいます。
Aさんは、異物が混入したという虚偽の事実をインターネットに投稿しました。
これはウソの噂を流したとして「虚偽の風説を流布」に該当しうるものです。
また、スーパーやメーカー、消費者を欺く不正な手段を用いたとして、「偽計を用いて」にも該当しうるでしょう。
次に、「人の信用」とは、人の支払能力に対する社会的な信頼や、商品の品質に対する社会的な信頼をいいます。
このような信頼を失わせるような行為をすれば、「人の信用」を「毀損」したということになります。
Aさんは、食品に異物が入っていたとの噂を流して、販売停止に追い込んだわけですから、商品の品質に対する社会的な信頼を失わせるような行為をしたとして、「人の信用を毀損」したといえるでしょう。
よって信用毀損罪が成立することになるでしょう。
~偽計業務妨害罪~
信用毀損罪と同じ条文に、偽計業務妨害罪も規定されています。
Aさんの「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用い」た行為により、商品が販売停止となり、スーパーやメーカーは原因の調査などの本来不要だった業務をせざるを得なくなりました。
したがって、「業務を妨害した」として、偽計業務妨害罪も成立する可能性があります。
ただし、理論上は両方の罪に該当したとしても、実際には条文の記載通りの刑罰(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)の範囲内で罰せられることになるでしょう。
~弁護士に相談を~
今後の刑事手続きの流れについてはこちらをご参照ください。
https://sendai-keijibengosi.com/keijijikennonagare/
逮捕されたAさん本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
逮捕されると一気に手続が進んでいきます。
信用毀損罪や偽計業務妨害罪などで逮捕された、取調べを受けたといった場合には、ぜひお早めにご相談ください。
宮城県での虚偽診断書作成で逮捕
宮城県での虚偽診断書作成で逮捕
虚偽診断書等作成罪などで逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県岩沼市で開業医を営むAさん。
幼馴染の知人Bさんから、交通事故で全治6か月の重傷を負った旨の虚偽の内容の診断書を作成してくれないかと頼まれました。
Bさんはいわゆる当たり屋をしたようです。
診断書は、相手方やその保険会社に提出したり、場合によっては民事訴訟で裁判所に提出するために作成してほしいとのことでした。
Aさんは悪いことだと思いつつも、最近新しい医療機器をローンで導入したにもかかわらず、患者数が思うように伸びず不安を抱えていたことから、虚偽の診断書を作成してBさんに渡してしまいました。
その後、Bさんが詐欺などの容疑で逮捕されたことをきっかけとして、Aさんの関与も発覚。
Aさんは岩沼警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)
~虚偽診断書等作成罪とは~
虚偽の内容の診断書を作成した開業医のAさん。
まずは虚偽診断書等作成罪に問われることが考えられます。
刑法第160条
医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、三年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
この犯罪は「公務所に提出すべき」診断書等に虚偽の記載をしたときに成立します。
公務所とは公務員が職務を行う場所をいいます。
公務所に提出が予定されている診断書に虚偽の記載をすると、この罪が成立するわけです。
本事例では、裁判所に提出することも予定されていますから、本罪が成立するでしょう。
しかし仮に相手方や保険会社にしか提出予定がなければ、本罪は成立しないことになります。
~詐欺罪の可能性も~
さらに、AさんがBさんとともに保険金や損害賠償金をだまし取ろうとしたとして、詐欺罪の共犯の罪に問われる可能性もゼロではありません。
第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第60条
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
Aさんが、単に頼まれて診断書を作成しただけではなく、当たり屋をしてお金をだまし取る犯行全体の計画立案に関与していたり、だまし取ったお金の分け前を多くもらっていた場合ほど、詐欺罪にも問われる可能性が上がってきます。
~公立病院の医師ならさらに重い罪に~
Aさんは開業医なので虚偽診断書等作成罪(と場合によっては詐欺罪)に問われます。
しかし公立病院の医師で公務員の立場にある場合には、虚偽診断書等作成罪ではなく、より重い虚偽公文書作成罪に問われることになります。
第155条1項
行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
第2項・3項 省略
第156条
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。
155条は主に公務員以外の者が公務員または公共団体の名義を用いて文書偽造をした場合、156条は公務員が自分の名義を用いて虚偽の内容の文書を作成した場合を定めています。
公立病院の医師が自らの名義を用いて内容が虚偽の診断書を作成すれば、156条の虚偽公文書作成罪が成立することになります。
とはいえ、刑罰は他人の名義を用いた場合の155条と同じく、1年以上10年以下の懲役となります。
印章や署名がなければ罪が軽くなりますが、診断書には医師の名前が記載されていたり、押印がなされているのが普通なので、1年以上10年以下の懲役となってしまうのです。
一般的に役所や公務員が作成した公文書の方が、私文書よりも信頼性が高く、虚偽だった時の悪影響が大きいといった理由で、公文書の偽造の方が重く処罰されています。
ただ、少なくとも医師の診断書の場合、公立病院の医師と私立病院の医師とで信頼性が異なるとはいえず、刑が異なるのはおかしい気もしますが、このような制度になっています。
なお、虚偽公文書作成罪は、公務所に提出する予定の文書でなくても成立します。
また、公立病院の医師の場合も、別途、詐欺罪にも問われる可能性がある点は同じです。
~お早めに弁護士に相談を~
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逮捕されたAさん本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
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また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
逮捕されると一気に手続が進んでいくので、ぜひお早めにご相談ください。
親族宅への窃盗で共犯が逮捕
親族宅への窃盗で共犯が逮捕
親族宅への窃盗で共犯の1人が逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県仙台市に住むAさん。
10年前に亘理町の実家を家出同然で飛び出し、その後、両親とは疎遠になっています。
生活に困ったAさんは、実家から金目の物を盗むことにし、友人Bさんと共に亘理町に向かいました。
実家に到着後、両親が外出している様子だったので、持っていた鍵を使って家に忍び込み、Bさんと共に現金などを盗んで逃げました。
Aさんの両親から被害届の提出を受けた亘理警察署が捜査した結果、Aさんの犯行ではないかと考え、Aさんから事情聴取をしたところ、Aさんは犯行を認めました。
また、この事情聴取により、Bさんも犯行に加わったことも判明。
結果、Bさんのみが逮捕されました。
(フィクションです)
~本来は住居侵入窃盗が成立~
Aさんの実家に忍び込んで現金などを盗んだAさんとBさん。
本来は住居侵入罪と窃盗罪に問われることになります。
刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
ただしAさんに関しては、実家ですから、住居侵入罪は成立しない可能性もなくはありません。
130条の「侵入」とは、管理権者の意思に反する立ち入りをいいます。
管理権者である両親としては、子供が戻ってくること自体は望ましいと考えている可能性もあり、鍵を使って勝手に入ってきても、意思に反する立ち入りとまではいえないかもしれません。
一方で、お金を盗む目的であれば、いくら実の子供とはいえ許せないので、意思に反する立ち入りといえるかもしれません。
したがって、Aさんの住居侵入に関しては、両親との関係や両親の意思によって、成立するか否かが変わってくるでしょう。
~Bさんのみが逮捕された理由~
Aさんに住居侵入が成立するかは微妙ですが、両親の現金を盗んだことは確かであり、窃盗罪が成立します。
しかし、今回はBさんのみが逮捕されました。
これは以下のような規定があるからでしょう。
第244条1項
配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
第2項
前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第3項
前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
Aさんと両親は244条1項の「直系血族」に当たります。
したがって235条の窃盗罪を犯しても、刑罰が免除されるのです。
この規定を「親族相盗例」(しんぞくそうとうれい)といいます。
家族間の問題は家族内で解決した方がよいといった考えから、このような規定があるのです。
したがって、Aさんは窃盗罪で処罰できず、住居侵入罪が成立するかも微妙ということで逮捕されなかったと言えるでしょう。
一方で、Bさんは244条3項の「親族でない共犯」であり、刑が免除されないので、逮捕されたということになります。
~弁護士に相談を~
今後の刑事手続きの流れについてはこちらをご参照ください。
https://sendai-keijibengosi.com/keijijikennonagare/
逮捕されたBさん本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
また、Aさんも、自分が逮捕されないか、Bさんがどうなってしまうのか心配だと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
住居侵入罪や窃盗罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。
宮城県での名誉毀損で逮捕
宮城県での名誉毀損で逮捕
名誉毀損罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県内に住むAさん。
今度行われる県議選の候補者Bさんに当選してほしくないと思い、
「Bは前科がある」
「Bは不倫常習犯だ」
「警察が収賄で捜査している」
などの虚偽の内容の書き込みをインターネットで行ったり、ビラを作って選挙区内の住居のポストに入れるなどの行為をしました。
Bが被害届を提出し、宮城県警が捜査した結果、Aさんの犯行が発覚。
Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)
~名誉毀損罪~
Aさんの行った行為には、名誉毀損罪が成立しないか問題となります。
まずは条文を見てみましょう。
第230条1項
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
「公然」とは、不特定または多数人が認識できる状態をいいます。
ネットへの書き込みやビラの投函といった手段は、その内容を不特定または多数人が認識できますから、「公然」という要件をみたします。
また、単に「バカ」などの誹謗中傷をしたのではなく、前科や不倫、収賄といった事実を書いているので、「事実を摘示し」たといえます。
この「事実」は、人の社会的評価を下げるものであればよく、たとえ内容が真実であっても名誉毀損罪が成立しうるのが原則です。
しかし表現の自由への行き過ぎた制約とならないよう、以下のように刑法には例外規定が設けられています。
~名誉毀損罪が成立しない条件~
それでは条文を見てみましょう。
第230条の2
第1項
前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
第2項
前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
第3項
前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
第1項によると、表現行為が、
①公共の利害に関する事実に係り、
②表現行為の目的が専ら公益を図ることにあり、
③内容が真実であると証明される、
という条件を満たせば、名誉毀損罪は成立しないことになります。
さらに第3項を見ると、「公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合」には、真実であることの証明さえあれば、名誉毀損罪は成立しないことになります。
※「公選による公務員の候補者」とは選挙の候補者のことです。
候補者に関する表現行為は、第1項に書かれた3つの条件のうち、①を満たすことは明らかです。
また、このような表現行為は民主主義にとって極めて重要であることを考えると、②公益目的というのも満たされていってよいでしょう。
したがって、刑事裁判において①や②について検討しなくても、③真実であることさえ証明されれば名誉毀損罪は成立しないとして、選挙に関する表現行為を守っているわけです。
~Aさんは犯罪成立~
ここまでお読みいただいてもうお分かりかと思いますが、今回の事例のAさんは、Bさんに関する虚偽の内容の書き込み等をしており、真実であることの証明ができませんので、名誉毀損罪が成立してしまうことになります。
逮捕されると、ご本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
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名誉毀損罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。
宮城県での略取・監禁で逮捕
宮城県での略取・監禁で逮捕
わいせつ目的略取罪や監禁罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県石巻市に住むAさん。
好意を寄せていた女性に交際を申し込みましたが、断られました。
逆恨みしたAさんは、わいせつな行為をしてやろうと考え、帰宅途中の女性を待ち伏せし、自らの車に無理やり押し込んでAさんの自宅まで連れていき、部屋に施錠して閉じ込めました。
しかし女性は、Aさんが一瞬目を離した隙に窓から逃げ出しました。
逃げ出した際に女性は足にケガをしました。
その後Aさんは、女性からの通報を受けて駆け付けた石巻警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)
~わいせつ目的略取罪~
逆恨みからわいせつ行為をする目的で女性を車に押し込んで拉致したAさん。
わいせつ目的略取罪が成立するでしょう。
第225条
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
「略取」とは、暴行・脅迫を用いて他人を生活環境から離脱させ、自己または第三者の事実的支配下に置く行為をいいます。
Aさんは「わいせつ…目的で」、女性を車に押し込むという暴行を用いて「略取」したということになります。
なお、暴行・脅迫ではなく、だましたり誘惑などの手段を用いた場合を「誘拐」といいます。
~監禁致傷罪~
Aさんは女性を自室に閉じ込め、逃げようとした女性がケガをしたことから、監禁致傷罪も成立するでしょう。
第220条
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
第221条
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
「監禁」とは、人が一定の区域から出ることを不可能または著しく困難にして、行動の自由を奪うことをいいます。
今回は結果的に女性が逃げ出すことができていますが、少なくとも自室に施錠して女性が部屋から出ることを著しく困難にしたとして、「監禁」に当たる可能性は十分考えられます。
刑罰は監禁罪(220条)と傷害罪(204条)を比較して、上限も下限も重い方が基準となります。
傷害罪は15年以下の懲役または50万円以下の罰金ですので、結局、監禁致傷罪は、3カ月以上15年以下の懲役ということになります。
なお、自動車に押し込んで車を発進させると、女性が隙を見て逃げ出そうとしても大怪我のおそれがあります。
そうするとこの時点で、自動車という一定の区域から出ることを著しく困難にしたという余地があります。
したがって、仮に部屋に閉じ込める前に女性が逃げることができたとしても、監禁罪が成立する可能性もあるでしょう。
~逮捕後の手続~
逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
弁護士としてはまず、逃亡や証拠隠滅をする可能性が低いと言える理由を意見書にまとめ、検察官や裁判官に提出するなどして勾留を防ぎ、早期に釈放されることを目指していきます。
ただし、決して軽い罪ではないことから、刑罰から逃れるために逃亡のおそれがあると判断されたり、被害者を脅迫して供述を変えさせるなどの行為(供述証拠隠滅の一種)をする可能性があると判断され、勾留が続いてしまう可能性も高いです。
また、裁判においては、執行猶予などの比較的軽い判決となるように、被害者と示談交渉をするなどの弁護活動をしていくことになります。
~弁護士にご相談を~
Aさんの罪は軽くないかもしれませんが、弁護士が間に入ることによって被害者に賠償して示談を締結することができ、罪が軽くなる事情の1つとなる場合もあります。
当事者双方にとって良い結果となるよう、一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
略取や誘拐、監禁などで逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひご相談ください。
宮城県での保護責任者遺棄で逮捕
宮城県での保護責任者遺棄で逮捕
保護責任者遺棄等罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県七ヶ浜町に住む男性Aさん。
子供がいる女性Bさんと結婚しました。
しかし、Bさんの連れ子の存在がうとましくなり、殴ってケガをさせたり、食べ物を与えないなどの虐待行為に出るようになりました。
Bさんは虐待をやめさせたいと考えていましたが、Aさんからの暴力をおそれ、止めることができずにいました。
ある日、その子供がやせ細り、体にアザが出来ていることに学校の先生が気付き、警察や児童相談所に相談。
児相の職員がAさんやBさんに事情を聞くなどの対応に出ました。
しかし虐待が止まる様子がなかったことから、子供は児童相談所に保護されるとともに、Aさんは塩釜警察署の警察官により逮捕されました。
(フィクションです)
~虐待で成立する犯罪~
子供を虐待すると、様々な犯罪が成立する可能性があります。
まず、食事を与えず、健康状態を害することになれば、保護責任者遺棄等致傷罪が成立する可能性があります。
刑法第218条(保護責任者遺棄等)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
第219条(遺棄等致死傷)
前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
Aさんは、義理ではあるものの子供の父親の立場にあるわけなので、「幼年者」である子供を「保護する責任のある者」にあたることになるでしょう。
しかし、食事を与えるという「生存に必要な保護をしなかった」として、保護責任者遺棄等にあたることになります。
その結果、子供に健康被害が出れば、人に傷害を与えたということになります。
219条の「死傷」とは死亡または傷害という意味ですので、「前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた」ということになります。
したがって保護責任者遺棄致傷罪が成立するわけです。
刑罰は、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」とありますが、傷害罪と保護責任者遺棄等罪の刑罰と比較して、上限も下限も重い方となるという意味です。
結局、3カ月以上15年以下の懲役ということになります。
Aさんはもちろん、Aさんの暴力をおそれて子供を保護できなかったBさんも、同じ罪に問われる可能性もあります。
~傷害罪も~
Aさんは子供を殴ってアザが出来るなどの傷害を負わせているので、別途、傷害罪にも問われる可能性があります。
第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
Bさんも暴行を止めなかったことから、Aさんが暴行をするのが容易になったとして、傷害罪の幇助犯に問われる可能性が考えられます。
第62条1項
正犯を幇助した者は、従犯とする。
第63条
従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。
幇助犯の場合は実行犯の人よりも刑が半分に減軽されるので、7年半以下の懲役または25万円以下の罰金となります。
しかし、保護責任者遺棄等致傷罪と合わせると3カ月以上22年半以下の懲役ということになってしまいます。
~今後の刑事手続きの流れ~
逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
弁護士としては、罰金刑や執行猶予などの軽い結果となるよう弁護活動をしてまいります。
~弁護士にご相談を~
逮捕されると、ご本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
保護責任者遺棄等致傷罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。
宮城県での現場助勢で逮捕
宮城県での現場助勢で逮捕
現場助勢罪などで逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県大郷町に住むAさん。
友人数名と居酒屋で飲み会をした後、2軒目に行くために道路を歩いていました。
その時、Aさんの友人と、偶然すれ違った別のグループの人が、肩が触れたなどという理由で殴り合うなどのケンカを始めました。
Aさん自身は相手を殴ったりはしませんでしたが、
「やれやれ!負けるな!」
などと言って、周りからはやし立てました。
通報を受けて駆け付けた大和警察署の警察官により、喧嘩をした友人が逮捕されるとともに、Aさんも逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~現場助勢罪とは~
ケンカそれ自体には加わっていないAさんですが、警察に逮捕されてしまいました。
Aさんは現場助勢罪または傷害罪の幇助犯の容疑で逮捕されたということになるでしょう。
まずは現場助勢罪について条文を見てみます。
刑法第206条
前二条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
「前二条」というのは傷害罪と傷害致死罪です。
これらの犯罪が行われているときに、周りからはやし立てるなどして犯行の「勢いを助けた」場合には、「自ら人を傷害しなくても」、現場助勢罪という犯罪が成立してしまうことになります。
刑罰は1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料であり、さすがに傷害行為を自ら行った場合(15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)よりは軽いですが、処罰される可能性はあるわけなので、注意が必要です。
なお、科料は罰金と同じようなものですが、1000円以上1万円未満が科料、1万円以上が罰金と呼ばれています。
~傷害罪の幇助犯~
Aさんは、傷害罪の幇助犯に問われる可能性もあります。
第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第62条1項
正犯を幇助した者は、従犯とする。
第63条
従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。
友人をはやし立てるなどして鼓舞し、友人がケンカ相手に殴りかかりやすくなったという場合には、傷害罪の幇助犯が成立することになります。
現場助勢罪との区別は難しいところですが、実際に友人が鼓舞されケンカ相手への傷害行為をやりやすくしたといえる場合には、傷害罪の幇助犯が成立することになります。
一方、Aさんの声が友人に聞こえていない場合、あるいは、はやし立てる行為がなくても友人が同じ傷害行為をしていたであろう場合などは、現場助勢罪に問われることになるでしょう。
傷害罪の幇助犯の場合は63条が適用され、傷害の実行犯よりも刑が半分に軽くなりますが、それでも7年半以下の懲役または25万円以下の罰金となる可能性があります。
~傷害罪の教唆になるケースも~
ケンカが始まった後にはやし立てた場合には現場助勢罪や傷害罪の幇助犯が成立するにとどまります。
しかし、まだ始まっていない段階で、「やっちまえ」「殴れ」などと言って焚きつけて、ケンカを始めさせたような場合には、傷害罪の教唆犯が成立する可能性があります。
第61条1項
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
「正犯の刑を科する」とあるので、傷害罪の実行犯と同じく、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となってしまいます。
教唆犯は、犯罪を作り出した「黒幕」のような存在として、実行犯と同じ範囲で刑罰を受ける可能性があるのです。
~ぜひご相談ください~
逮捕されると、ご本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
現場助勢罪や傷害罪の幇助犯・教唆犯などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。
宮城県でのスピード違反で逮捕
宮城県でのスピード違反で逮捕
スピード違反で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県七ヶ宿町に住むAさん。
友人を乗せてドライブに出かけました。
夜遅い時間で、他の車が少なかったこともあり、スピードを出しまくったAさん。
制限速度を50キロもオーバーしてしまいました。
その直後、ハンドル操作を誤り、電柱に衝突。
友人にケガを負わせ、Aさん自身もケガをしました。
救急搬送され治療を受けたAさんと友人でしたが、数日間の入院をしただけで済みました。
しかし退院直後、Aさんは白石警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)
~スピード違反をすると~
スピード違反をして、同乗者にケガを負わせてしまったAさん。
まずはケガをさせた部分を除いて、スピード違反をしたこと自体についての刑事処分についてご説明いたします。
スピード違反等の交通違反をした場合、本来は裁判を受けて罰金刑や懲役刑になり、前科が付いてしまうのが原則的な形です。
しかし、交通違反は数が多いので、この形では検察庁や裁判所がパンクしてしまいます。
そこで、軽微な違反については反則金を支払うことによって、前科も付かずに手続を終了させるという制度が採られています。
しかしながら、重い違反の場合には原則通り、裁判で罰金や懲役となります。
スピード違反の場合には、一般道30キロ以上、高速道路が40キロ以上のオーバーで、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金になってしまいます(道路交通法118条1項1号、22条1項参照)。
したがってAさんが本当に50キロオーバーしていたのであれば、前科が付くことになるでしょう。
これに合わせ、50キロオーバーだと12点の違反点数が科されます。
違反歴がなくても90日間の免許停止となってしまいます。
反則金や違反点数について詳しくはこちらをご覧ください。
https://koutsu-bengo.com/kotsuihan_tensu_ichiran/
~ケガをさせた点について~
スピード違反を原因として同乗者にケガをさせてしまったAさんには、危険運転致傷罪または過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
2号 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
50キロもオーバーしていたとなると、「その進行を制御することが困難な高速度」に当たり、危険運転致傷罪が成立すると思われるかもしれません。
ただ、直線道路だったのかカーブだったのか、見通しが良いか、道幅が広いか、雨が降っていたかなどによっても変わりうるため難しいところです。
なお怪我をさせたことについても別途、違反点数が科されます。
点数は怪我の程度によりますので、詳しくは上記リンクをご覧ください。
~今後の刑事手続きの流れ~
逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
弁護士としては、まずは勾留を防いで早期釈放を目指し、罰金刑などの軽い処分となるよう弁護活動をしてまいります。
~弁護士にご相談を~
スピード違反などで逮捕されると、ご本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
スピード違反などの道路交通法違反で逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。
宮城県での傷害致死事件で逮捕
宮城県での傷害致死事件で逮捕
傷害致死罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
宮城県大衡村に住むAさん。
会社の部下Bさんが挨拶をしっかりせず、反抗的な態度を見せることがあるので、不満を募らせていました。
ある日、Bさんが仕事でミスをしたことからAさんが注意すると、Bさんは謝るどころか、
「うるせーなー」
と言いました。
その態度に激高したAさんは、Bさんを会社の建物の外に連れ出し、殴る蹴るの暴行を加えました。
当たり所が悪かったこともあり、Bさんは外傷性クモ膜下出血を発症。
搬送先の病院で死亡しました。
Aさんは大和警察署の警察官により逮捕されました。
(フィクションです)
~傷害致死罪~
Bさんに暴行を加えて傷害を負わせ、死亡に至らせたAさんには傷害致死罪が成立する可能性があります。
刑法第205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。
有期懲役は、余罪がない場合には上限が20年となります(12条1項参照)。
殺すつもりがなくても、死亡という重大な結果が生じていることから、重い刑罰が科される可能性もあるわけです。
~殺人罪の可能性も?~
AさんがBさんを殺すつもりまではなかったのであれば、傷害致死罪が成立するにとどまります。
しかし、殺すつもりがあった場合はもちろん、死ぬかもしれないがそれでも構わないなどと死亡することを容認していた場合にも、殺人の故意があるとして、殺人罪が成立することになります。
第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
殺人の故意があるかどうかは内心のことなので、客観的に判断することは難しいところがあります。
実際には、被疑者の供述の他、どのくらいの強さで、体のどの部分を、何回殴ったり蹴ったりしたのかという客観的事情から、被疑者の内心を推測していくことになります。
Aさんの暴行態様がかなり強い・悪質なものであったとすれば、Aさん自身が殺すつもりはなかったと供述しても、殺人の故意があると判断されて殺人罪となってしまう可能性も否定はできません。
~一命をとりとめた場合は?~
もし、Bさんが死亡は免れていた場合、殺人の故意があれば殺人未遂罪、故意がなければ傷害罪が成立することになります。
第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第203条
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
殺人罪は最高が死刑、最低が5年の懲役です。
しかし殺人未遂罪になると、最高が無期懲役、最低が2年半の懲役となる可能性があります(刑法43条・68条参照)。
被害者が一命をとりとめたか、殺人の故意があったか、という点はAさんへの判決に大きな影響があるわけです。
~今後の刑事手続~
逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
弁護士としては、証拠隠滅や逃亡のおそれがないといえる事情を裁判官に主張して、保釈が認められるように活動することが考えられます。
そして、Aさんが真に行ってしまった犯罪よりも重い犯罪で裁かれることのないよう、弁護活動をしてまいります。
~ご相談ください~
逮捕されると、ご本人やご家族としては、どのような罪が成立するのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。
傷害致死罪や殺人罪などで逮捕された、取調べを受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。
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