Archive for the ‘刑事事件’ Category
展覧会妨害の強要未遂事件
展覧会妨害の強要未遂事件
展覧会妨害の強要未遂事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,宮城県仙台市宮城野区内である展示会が開催予定であることを知りました。
Aさんは,同展示会が開催されることに不満を持ち,同展示会を主催する委員会(法人)に架電し,「開催するなら徹底的に妨害してやる。代表者は夜道に気をつけろよ。」などと伝えました。
同委員会は,宮城県警察仙台東警察署に被害届を提出し,その結果,Aさんは,宮城県警察仙台東警察署の警察官により強要未遂罪の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)
【強要罪(強要未遂罪)とは】
刑法223条
生命,身体,自由,名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,又は暴行を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した者は,3年以下の懲役に処する。
生命,身体,自由,名誉若しくは財産に対して,害を加える旨を告知して脅迫し,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した場合,強要罪が成立します。
一方,結果として,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害するに至らなかった場合,強要未遂罪が成立します。
強要罪の手段(の1つ)は,脅迫です。
強要罪の「脅迫」とは,「害を加える旨」の「告知」のうち,一般人が畏怖するに足りる程度のものをいいます。
この害を加える対象は,「生命,身体,自由,名誉若しくは財産」です。
ここで,強要罪の被害者となり得るのは,自然人のみであると考えられています。
つまり,法人は強要罪の被害者とはならないと考えられています。
しかし,法人に対する脅迫が,結局は法人の代表者等として実際に脅迫を受けた人(自然人)自身の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して,害を加える告知をしたといえる場合があります。
この場合は,その脅迫を受けた人に対する強要罪の成立がすると考えられています。
刑事事件例でも,代表者に対する脅迫があったとして,強要罪(強要未遂罪)が成立し得ると考えられます。
【強要事件(強要未遂事件)でも示談ができるのか】
刑事事件例のように,ある組織や法人に対して強要事件(強要未遂事件)を起こしたと思われる場合であっても,代表者に対する脅迫があったとして,強要罪(強要未遂罪)が成立すると考えられるため,代表者を強要事件(強要未遂事件)の被害者となった方に対して示談交渉をしていくことが考えられます。
この場合,強要事件(強要未遂事件)の被害者となった代表者は,自らが主催する展示会が妨害されかねない事態に陥り,強要事件(強要未遂事件)の被疑者の方に対して,強い処罰感情を持っていたり,また何かされるか分からないと考えて接触を避けられてしまったりする可能性があります。
強要事件(強要未遂事件)の被害者の方が宮城県警察仙台東警察署に被害届を提出したのも,厳罰に処してもらいたいという意思や,もう関わってほしくない,警察に守ってもらいたいという意思が表れていると考えることができます。
しかし,強要事件(強要未遂事件)を穏便に収束させるためには,強要事件(強要未遂事件)の被害者の方と示談をまとめることが最善策であると考えられます。
そこで,刑事弁護士が第三者的立場,仲介者として,強要事件(強要未遂事件)の被疑者の方と被害者の方の間に入って,示談をまとめられるよう尽力します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
展覧会妨害の強要未遂事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
高校生集団による窃盗事件
高校生集団による窃盗事件
高校生集団による窃盗事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,同級生のBさん,Cさん,Dさんと共謀して,買い物かごごと商品を盗んでバイクで逃げるという「かごダッシュ」と呼ばれる方法で,スーパーから約2万円分の商品を盗んだとして,窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんら4人は,スーパーから盗んだ商品を,フリーマーケットアプリを用いて転売していました。
Aさんらは,他の店でも同じような高校生集団による窃盗事件を起こしていたといいます。
Aさんの両親は,Aさんが窃盗罪の容疑で逮捕されたと聞き,いそいで刑事弁護士を探しています。
(2021年7月29日にTBSNEWSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【逮捕はどれくらい長くなされるのか】
窃盗事件で逮捕された場合,まず,逮捕の効力として最長で72時間,身体拘束を受けます(すなわち,警察の留置施設に収容されます)。
次に,勾留という逮捕の延長手続きがとられた場合,勾留の効力として最長で20日間,引き続き身体拘束を受けます(同じく,警察の留置施設に収容されます)。
また,刑事事件例のような高校生集団による窃盗事件には,少年法が適用されるため,この後,観護措置という少年鑑別所への収容がなされる可能性があります。
この期間は,実務上4週間という運用が多くみられますが,最長で8週間に及ぶこともあります。
【逮捕はどこでなされるのか】
逮捕がなされると,被疑者の方は警察署に設けられた留置施設に収容されます。
ここで,刑事事件例の高校生集団による窃盗事件のように,共犯者がいる場合,逮捕された警察署(窃盗事件を捜査している警察署)ではなく,別の警察署の留置施設に収容される可能性があります。
これは,共犯者が同じ警察署の留置施設に収容されてしまうと,共犯者が施設内で口裏合わせをしたりすると考えられているからです。
また,すでに述べたように,刑事事件例のような高校生集団による窃盗事件には,少年法が適用されるため,この後,観護措置という少年鑑別所への収容がなされる可能性があります。
【少年審判では何が問題となるのか】
刑事事件例のような高校生集団による窃盗事件は,少年法が適用されることから,Aさんも少年審判が開かれる可能性があります。
少年審判で問題となることは,非行事実と要保護性の有無です。
刑事事件例の高校生集団による窃盗事件では,窃盗事件が転売目的でなされている上,余罪もあるため,適切な少年付添人活動を行わないと,犯情や情状について,家庭裁判所に悪い心証を与えてしまう可能性があります。
また,要保護性についても,窃盗事件が同級生らによってなされたものであり,交友関係の整理や生活環境の改善を行わなければ,家庭裁判所が少年鑑別所への収容などの重い保護処分を取らなければならないと考えてしまう可能性もあります。
そこで,刑事事件・少年事件に強い刑事弁護士・少年付添人を選任して,適切な少年付添人活動を行ってもらい,少年の社会復帰・更生に向けて尽力していくことが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
高校生集団による窃盗事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください(フリーダイヤルは0120-631-841です)。
恐喝未遂罪の少年事件
恐喝未遂罪の少年事件
恐喝未遂罪の少年事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさん(男子高校生,16歳)は,友達のBさん(女子高校生)と共謀し,SNSで性行為をすると誘い出し,現金を脅し取ろうと考えました。
そこで,二人はSNSで「宿泊先を探している」などと投稿した上,反応したVさん(50歳)に対して,性行為の内容や対価の金額を示しました。
後日,BさんとVさんが宮城県仙台市宮城野区にあるホテルから出てきたところを「未成年とホテルにいくのは犯罪だ。ばれたくなければ金をよこせ」と恐喝しました。
しかし,脅迫現場を見た通行人が宮城県警察仙台東警察署に110番通報をしたため,金銭を恐喝するまでには至らなかったといいます。
その後,Aさんは宮城県警察仙台東警察署の警察官により恐喝未遂罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(2021年7月27日に神戸新聞NEXTに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【恐喝未遂罪とは】
刑法249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
恐喝罪とは,人を恐喝して財物を交付させる財産犯のことをいいます。
恐喝罪の手段は,暴行・脅迫です。
厳密には,この恐喝罪の手段である暴行・脅迫は,恐喝事件(恐喝未遂事件)の被害者の方の反抗を抑圧するに至らない程度のもののことをいいます。
いま述べた恐喝事件の被害者の方の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行・脅迫により,恐喝事件の被害者の方が畏怖し(怖がり),財物が手渡されたという場合,恐喝罪が成立するのです。
刑法250条
この章の罪の未遂は,罰する。
刑法250条の「この章」とは,「第37章 詐欺及び恐喝の罪(刑法246条~251条)」のことをいいます。
したがって,恐喝罪の未遂は,恐喝未遂罪として処罰されることになります。
恐喝未遂罪は,恐喝事件の被害者の方の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行・脅迫を加えたものの,①恐喝事件の被害者の方が畏怖しなかった(怖がらなかった)という場合や,②恐喝事件の被害者の方が畏怖した(怖がった)ものの,財物が手渡されるまでには至らなかった場合に成立します。
刑法43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
恐喝未遂罪を含む未遂罪は,刑罰が減軽されることがあります。
ただし,必ず減刑されるわけではありません。
刑事事件例の恐喝未遂事件でいえば,「10年以下の懲役」という刑罰が減軽されることがあることになります。
【恐喝未遂罪の少年事件とは】
刑事事件例では,Aさんは宮城県警察仙台東警察署の警察官により恐喝未遂罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは16歳の男子高校生であり,Aさんによる恐喝未遂事件は,少年事件にあたります。
少年事件とは,捜査対象者が20歳に満たない少年・少女である事件を指します。
少年事件では,少年法が適用され,成人の刑事事件とは手続きや処分に大きな違いがあります。
特に,刑事事件例では,Aさんは既に恐喝未遂罪の容疑で逮捕されており,この後,少年事件特有の手続きである観護措置がなされる可能性があります。
観護措置とは,少年鑑別所への収容と,そこでの少年の性格,資質,精神状態,生活環境の調査のことをいいます。
また,刑事事件例において,恐喝未遂罪の少年事件が家庭裁判所に送られると,家庭裁判所による少年審判を経て,保護処分を下される可能性があります。
重い保護処分(例えば,少年院送致など)を避けるためには,少年の交友関係の整理や生活環境の改善をすることを訴えていくことが必要となるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
恐喝未遂罪の少年事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
入札談合等関与行為防止法違反・競売入札妨害事件
入札談合等関与行為防止法違反・競売入札妨害事件
入札談合等関与行為防止法違反・競売入札妨害事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,宮城県道路事務所が発注した国道補修工事設計事務の指名競争入札で,非公開であった予定価格を,設計事務所を経営しているBさんに漏洩しました。
この情報を得てBさんの設計事務所は不正に落札しました。
この結果,Aさんは入札談合等関与行為防止法違反の罪と競売入札妨害罪の容疑で逮捕されました。
(2021年7月26日に北海道新聞に掲載された記事を参考に作成されたフィクションです。)
【入札談合等関与行為防止法とは】
入札談合等関与行為防止法は,正式な名称を「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」といいます。
入札談合とは,国や地方公共団体などの公共工事や物品の公共調達に関する入札の際、入札に参加する事業者が事前に通謀して,受注する事業者や金額などを決めることをいいます。
この入札談合のうち,国・地方公共団体等の職員が関与するもののことを官製談合といいます。
【入札談合等関与行為防止法上の刑事罰とは】
入札談合等関与行為防止法8条(職員による入札等の妨害の罪)
職員が,その所属する国等が入札等により行う売買,貸借,請負その他の契約の締結に関し, その職務に反し,事業者その他の者に談合を唆すこと,事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により,当該入札等の公正を害すべき行為を行ったときは,5年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処する。
入札談合等関与行為防止法では,職員が,職務に反し,事業者に予定価格に関する秘密を教示すること等により,入札等の公正を害すべき行為を行うことを,「職員による入札等の妨害の罪」として規定しています。
刑事事件例でも,Aさんの行為は,事業者に予定価格に関する秘密を教示することにより,入札等の公正を害すべき行為であるとして,入札談合等関与行為防止法違反の罪にあたる可能性があります。
【刑法上の刑事罰とは】
刑法96条の6第1項(競売入札妨害罪)
偽計又は威力を用いて,公の競売又は入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした者は,3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
刑法では,偽計又は威力を用いて,公の競売又は入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をすることを,競売入札妨害罪として規定しています。
競売入札妨害罪の「偽計」の具体例は,特定の入札予定者に予定価格を伝えることが挙げられます。
そのため,刑事事件例のAさんによる行為も,偽計によって,公の入札の公正を害する行為であるとして,競売入札妨害罪にあたる可能性があります。
【入札談合等関与行為防止法違反の罪と競売入札妨害罪の関係】
入札談合等関与防止法違反の罪は,公務員が入札等の妨害に関与した犯罪であるため,厳罰が科されていると考えられます。
これは,入札談合等関与防止法違反の罪の刑罰が「5年以下の懲役又は250万円以下の罰金」であるのに対し,競売入札妨害罪の刑罰が「3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金」であることに表れています。
そして,入札談合等関与行為防止法違反の罪と競売入札妨害罪を犯したという場合,どちらの犯罪も成立こそしますが,刑を科する上では二つの犯罪のうち「最も重い刑」のみが科されることになります。
したがって,刑事事件例においても,入札談合等関与行為防止法違反の罪と競売入札妨害罪が成立し,「5年以下の懲役又は250万円以下の罰金」が科されることになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
入札談合等関与行為防止法違反・競売入札妨害事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
警察への偽計業務妨害事件で書類送検された
警察への偽計業務妨害事件で書類送検された
警察への偽計業務妨害事件で書類送検された場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,宮城県登米市の緑地において,『後ろから突然刃物で切り付けられた上,「金を出せ」と脅され,バッグを盗まれた』と自ら110番通報をしました。
宮城県登米警察官による捜査の結果,Aさんによる通報は全くの虚偽であり,刃物による切り傷も自作自演だったことが判明しました。
その後,Aさんは警察官による呼出しを受け,警察官からは「書類送検をする」と言われたといいます。
Aさんは,この後どうなってしまうのでしょうか。
(2021年7月26日にTBSNEWSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【偽計業務妨害罪とは】
刑法233条
虚偽の風説を流布し,又は偽計を用いて,人の業務を妨害した者は,3年以内の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
偽計業務妨害罪は,刑法233条に規定されています。
偽計業務妨害罪の成立要件は,「偽計を用いて,人の業務を妨害した」ことです。
偽計業務妨害罪のいう「偽計」とは,人を欺罔し(だまし),または人の不知(無知),錯誤(勘違い)を利用することをいいます。
また,偽計業務妨害罪のいう「業務」とは,職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務または事業のことをいいます。
この偽計業務妨害罪のいう「業務」には,警察の業務も含まれると考えられています(東京高等裁判所判決平成21年3月12日)。
さらに,偽計業務妨害罪のいう「妨害した」とは,業務遂行に混乱・支障が生じるおそれがあることをいいます。
刑事事件例では,これらの偽計業務妨害罪が成立するとみて,偽計業務妨害罪での取調べが行われたのだと考えられます。
【書類送検とは】
書類送検とは,検察官に対して刑事事件(の記録)を送り,警察官から検察官に捜査の担当者を代えることであるということができます。
書類送検については,刑事訴訟法246条が規定しています。
刑事訴訟法246条
司法警察員は,犯罪の捜査をしたときは,…速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。
この記事をお読み頂いている方のなかには,書類送検とは刑罰であると考えていた方もおられると思いますが,書類送検は刑罰ではなく,刑事事件の処理までの1つの手続きであるといえます。
【書類送検されるとどうなるのか】
すでに述べた通り,書類送検により,刑事事件の担当者が警察官から検察官に代わります。
検察官は,刑事事件を裁判にかけるかどうかの決定権限を持っています。
検察官による取調べの結果,検察官が「この被疑者は刑事裁判にかけて,有罪とすべきだ」と考えた場合,被疑者の方は起訴されることになります。
したがって,被疑者の方にとっては,書類送検後の検察官による取調べやその対応がとても大切になってくるのです。
より具体的に言えば,書類送検後に行われる検察官による取調べにおいて,良い心証を与え,刑事弁護士による寛大な処分を求める刑事弁護活動を受け,検察官に対して寛大な処分を求めていくことが大切になります。
被疑者の方のなかには,検察官による取調べに対して,不適切な対応をしてしまい,結果として検察官に悪い印象を与えてしまった刑事事件例も存在します。
そこで,刑事弁護士を選任し,検察官による取調べに適切な対応・応答ができるよう,法的助言を受けることがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
警察への偽計業務妨害事件で書類送検された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件
宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件
宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件について、あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県仙台市太白区在住のサイクリングが趣味のAさんは、フリマサイトにて、自分が欲しかった自転車ライトを見つけました。
このとき、Aさんは、この出品者Bさんが個人のアカウントであるにも関わらず、中古の自転車ライトを大量に出品していたことから、Bは盗んだ自転車ライトを大量出品しており、自分が欲しい自転車ライトも盗品の1つなのではないかと思っていました。
しかし、以前から欲しかった自転車ライトが相場価格よりも相当安く出品されていたことから、Bさんから自転車ライトを現金を支払って購入し、その後、自転車ライトはAさんのもとに配達されました。
後日、Aさんが購入した自転車ライトの本当の所有者Vさん(Aさんと同じく宮城県仙台市太白区在住)が仙台南警察署に盗品等有償譲り受け事件の被害届を出しました。
これを受けて盗品等有償譲り受け事件の捜査を開始した仙台南警察署の警察官から、Aさんに対して任意出頭に応じるよう連絡がきました
(この刑事事件例はフィクションです)。
【盗品等有償譲り受け罪とは】
刑法 256条
1 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。
刑法256条は、盗品等に関する複数の行為を処罰の対象にしています。
まず、刑法256条1項では、盗品等を無償で譲り受ける行為を処罰の対象にしています。
また、刑法256条2項では、盗品等を運搬、保管、有償で譲り受ける行為、有償処分のあっせんをする行為(あっせん行為それ自体は有償・無償を問いません)を、それぞれ処罰の対象にしています。
このうち、刑法256条2項に記載されている有償で譲り受ける行為が、盗品等有償譲り受け罪と呼ばれる犯罪です。
上で挙げた刑事事件例のAさんについては、この盗品等有償譲り受け罪の成立が問題になります。
この盗品等有償譲り受け罪が成立するためには、①「前項に規定する物を」、②「有償で譲り受け」るという要件を満たす必要があります。
また、盗品等有償譲り受け罪が定められている条文には記載されていませんが、③「前項に規定する物」が窃盗などの犯罪により取得された財物であることを認識していることが要件となります(この③の要件を、ここでは、「盗品性の認識」の要件と呼ぶことにしましょう。)。
以下で、これら盗品等有償譲り受け罪の成立要件について詳しく説明します。
【盗品等有償譲り受け罪の要件について】
①「前項に規定する物」=「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」
盗品等有償譲り受け罪を規定する刑法256条2項には、「前項に規定する物」との記述があります。
これは、刑法256条1項の「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」を意味しています。
そして、盗品等有償譲り受け罪の要件である「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」とは、具体的には、窃盗罪、強盗罪、詐欺罪、横領罪にあたる行為によって直接得た財物のことをいいます。
刑事事件例においては、Aさんが購入した自転車ライトはBさんが窃盗により得た財物であるので、この自転車ライトは、盗品等有償譲り受け罪の要件の1つである「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」と言えるでしょう。
②「有償で譲り受け」
盗品等有償譲り受け罪の2つ目の要件である「有償で譲り受け」とは、対価を払って、その財物を取得することをいいます。
また、「有償で譲り受け」たと言えるためには、その財物が実際に引き渡されていることを必要とします。
これを刑事事件例に即して説明すると、Aさんはフリマサイトで現金を支払って自転車ライトを購入し、この自転車ライトがAさんのもとに配達されていることから、盗品等有償譲り受け罪の「有償で譲り受け」という要件は満たされていると考えることができるでしょう。
③盗品性の認識
盗品等有償譲り受け罪が定められている条文には記載されていませんが、解釈上、盗品等有償譲り受け罪が成立するためには、その財物が窃盗罪などの何らかの犯罪行為により取得されたものであるという事情を認識していることが必要とされています。
刑事事件例では、Aさんは、Bさんが個人のアカウントで大量の自転車ライトを出品していたことから、自身が購入しようとしている自転車ライトが盗品であるとの疑いを持っています。
このことから、Aさんは、盗品等有償譲り受け罪の「盗品性の認識」要件を満たしているということができそうです。
以上より、刑事事件のAさんの行為は、刑法256条2項によって規定されている盗品等有償譲り受け罪に該当し、盗品等有償譲り受け罪で処罰される可能性があります。
【盗品等有償譲り受け罪を犯してしまったら…】
刑事事件例のように、盗品等有償譲り受け罪にあたる行為をしてしまったAさんは今後どのような対応をとればよいのでしょうか。
まず、任意の出頭に応じ、取調べに協力することが考えられます。
しかし、この際、どのような話を警察官にすればよいのかわからない、あるいは、警察官から厳しい盗品等有償譲り受け事件での取調べを受け、盗品等有償譲り受け罪の容疑での追及がなされるのが怖いといった、悩みや不安を持つことが通常でしょう。
こういった場合には、刑事事件に強い刑事弁護人に事前に相談することをお勧め致します。
刑事弁護人から、これまでの刑事事件に関する知識や経験に基づいた適切な法的助言を事前に受けておけば、取調べについての悩みや不安を解消することができ、万全の状態で取調べに臨むことが期待できるでしょう。
また、刑事弁護人を早急に付けることにより、刑事弁護人を通して盗品等有償譲り受け事件の被害に遭われてしまった方に対して、被害の弁償をすることで、早期に事件を解決し、刑事上の責任を軽減する刑事弁護活動も考えられます。
【最後に】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件の加害者となってしまった方の刑事弁護を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件に関する豊富な経験を有する刑事弁護人が,盗品等有償譲り受け事件の初回接見サービスや初回無料法律相談を行うことができます。
宮城県仙台市太白区の盗品等有償譲り受け事件でお困りの方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
宮城県仙台市青葉区の住居侵入事件
宮城県仙台市青葉区の住居侵入事件
宮城県仙台市青葉区の住居侵入事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、現在、別居中であり、なおかつ離婚訴訟中である妻Vさんの不貞の証拠写真を撮る目的で、Vさんが居住している宮城県仙台市青葉区にある家屋に合鍵を使って玄関から侵入しました。
このとき、Aさんの侵入に気づいたVさんが警察に通報し、駆けつけた宮城県警察北警察署の警察官にAさんは住居侵入罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
なお、Aさんが侵入した家屋の所有権はAさんにありましたが、Aさんが家屋を出ていく形で別居がはじまり、別居期間はすでに約2年6か月が経過していました。
また、AさんとVさんは、離婚の意思が固く、2人が再び同居する可能性が消滅してから、すでに1年5か月が経過していたとします。
(東京高判昭和58年1月20日を参考にしたフィクションです)。
【住居侵入罪とは】
(住居侵入等)
刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
住居侵入罪を規定している刑法130条は、やや複雑な構造をしています。
刑事事件例のAさんとの関係においては、①「正当な理由がないのに」、②「人の住居」に③「侵入」したという3つの要件が問題になるでしょう。
この住居侵入罪の3つの要件の意味については、下記で詳しく説明します。
【住居侵入罪の成立要件とは】
①「正当な理由がないのに」
住居侵入罪の「正当な理由がないのに」の要件についてですが、この言葉自体に特別な意味はありません。
住居への立ち入りは広く一般に行われているものですから、その中から、適法な立ち入りは住居侵入罪には当たらないということを確認的に規定したものと考えられています。
刑事事件例において、不貞の証拠写真を撮影する目的で、Aさんが宮城県仙台市青葉区にある家屋に立ち入った行為は適法なものとはいえないでしょうから、住居侵入罪の「正当な理由がないのに」という要件は満たすことになりそうです。
②「人の住居」
住居侵入罪の「人の住居」とは、自らが居住者ではない住居のことを意味します。
このことから、現在、居住している者は住居侵入罪の主体にはなりません。
もっとも、居住から離脱した人は、住居侵入罪の主体になり得ます。
刑事事件例に即して説明すると、Aさんが立ち入った場所は、Aさんが所有する家屋ではあるものの、既にその家屋を出てから2年6か月が経過し、Vさんと再度の同居の可能性が消滅してから1年5か月が経過したという事情の下では、Aさんは家屋の居住から離脱した人と評価され、Aさんが立ち入った家屋は、住居侵入罪の「人の住居」に該当する可能性が高いといえます。
③「侵入」
住居侵入罪の「侵入」とは、判例によると、住居権者あるいは管理権者の意思に反する立ち入りのことを意味します。
刑事事件例においては、住居権者であるVさんがAさんの立ち入りを認めなければ、Aさんの立ち入りはVさんの意思に反する立ち入りになるため、住居侵入罪の「侵入」の要件を満たすことになるでしょう。
以上より、刑事事件例におけるAさんの行為は住居侵入罪にあたる可能性が高いといえるでしょう。
【住居侵入罪の弁護活動】
住居侵入罪で逮捕されてしまった場合、どのような刑事弁護活動をすることができるのでしょうか。
そして、そのような刑事弁護活動にはどのような効果が期待できるのでしょうか。
まず、身体拘束の解放を目指す刑事弁護活動が考えられます。
刑事事件例の住居侵入事件では、逮捕の後には、勾留という身体拘束が続く可能性がありますが、早期に刑事弁護士が付くことによって、勾留がなされないよう検察官や裁判官に働きかけることができます。
また、仮に勾留決定がなされてしまった場合でも、刑事弁護士は勾留決定に対して不服を申し立てることができます。
この他にも、被害者の方との示談交渉を進めることで、刑事上の責任を軽減させる刑事弁護活動が考えられます。
具体的な刑事弁護活動については、事件の内容によって異なってきますので、住居侵入罪の容疑で逮捕された方の刑事弁護を希望されている方は、刑事事件専門の弁護士に相談し、住居侵入事件を起こしてしまった経緯や、逮捕・勾留の状況をお話することをお勧めいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件の加害者となってしまった方の刑事弁護を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件に関する豊富な経験を有する刑事弁護士が,住居侵入事件の初回接見サービスや初回無料法律相談を行うことができます。
宮城県仙台市青葉区の住居侵入事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台市支部までご相談ください。
部活のコーチによる傷害事件
部活のコーチによる傷害事件
部活のコーチによる傷害事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県太白区の中学校の野球部のコーチを務めるAさんは,同市内の運動場において,男子部員(Vさん)の顔面を足蹴りするなどし,Vさんの顔を赤く腫れさせるなど怪我を負わせたとして,宮城県仙台南警察署の警察官により,傷害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Vさんの顔が赤く腫れているのを不審に思った保護者がVさんから話を聞き,宮城県仙台南警察署に傷害事件の被害届を提出しました。
Aさんは,警察官による傷害事件の取調べに対して,「カッとなってしまった」と話し,傷害罪の容疑を認めています。
Aさんは,いつになったら警察署から出ることができるのでしょうか。
(2021年7月26日にテレビ熊本に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【傷害事件で逮捕されるときとは】
刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
Aさんは,宮城県仙台南警察署の警察官により,傷害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
実は,逮捕というものは,刑罰そのものではありません。
逮捕とは,証拠を隠滅するおそれがあるときや逃亡するおそれがあるときに,これらを防ぐためになされます。
【勾留とは】
勾留とは,上記の逮捕に引き続く身体拘束のことをいいます。
逮捕は最長で72時間なされる可能性があります。
これに対して,勾留は最長で20日間なされる可能性があります。
なぜ逮捕と勾留の2つの身体拘束があるのかと疑問に思う方もいると思います。
この点については,逮捕と勾留をする際には,裁判所が発行するいわゆる令状が必要となるところ,勾留という長期の身体拘束をする際に再度令状を必要とすることで,不当に長期間の身体拘束がなされないように審理・配慮しているのだと考えられます。
【勾留はいつ終わるのか】
勾留は原則として10日間,例外的に延長されてしまうと,最長で20日間なされる可能性があります。
勾留がなされている間は,傷害事件の被疑者の方は,当然ですが,仕事に行ったり,家族の方と自由に面会したりすることができません。
【身体拘束を解くためには】
それでは,勾留の期間が終わるまでずっと待っていなければ傷害事件の身体拘束からは解放されないのかというと,そうではありません。
すでに述べた通り,勾留は,逮捕に引き続く身体拘束として,傷害事件の証拠を隠滅するおそれがあるときや逃亡するおそれがあるときに,これらを防ぐためになされます。
とすれば,これらのおそれがないことを主張し,それが認められれば,勾留の期間満了前に傷害事件の身体拘束を解くことができます。
刑事弁護士は,「勾留請求に対する意見書」,「勾留決定に対する意見書」,「勾留決定に対する準抗告申立書」などの書面を通して,傷害事件を担当する検察官や裁判官に対して,傷害事件の証拠を隠滅するおそれや逃亡するおそれがないことを主張することができます。
傷害事件を含む刑事事件に強い刑事弁護士をつけて,早急な身柄解放を目指しませんか。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
部活のコーチによる傷害事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
宮城県仙台市泉区内の盗撮事件
宮城県仙台市泉区内の盗撮事件
宮城県仙台市泉区内の盗撮事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
宮城県仙台市泉区で会社員をしているAさん(35歳)は,職場において,同僚の30代女性の事務机の裏側に小型カメラを仕掛け,スカート内の下着を盗撮してしまいました。
盗撮事件の被害を受けた女性(Vさん)が,机の裏側に設置されていた小型カメラに気付き,宮城県泉警察署に盗撮事件の被害を訴えたことにより,Aさんによる宮城県迷惑行為防止条例違反事件(盗撮事件)が明らかになってしまったといいます。
Aさんは,「自分のために盗撮していた」という趣旨の話をし,自らの宮城県迷惑行為防止条例違反事件(盗撮事件)の容疑を認めたといいます。
(フィクションです。)
【宮城県迷惑行為防止条例違反の罪(盗撮の罪)とは】
宮城県迷惑行為防止条例3条の2第4項
何人も,正当な理由がないのに,集会場,事務所,教室その他の特定かつ多数の者が利用するような場所において,人の下着等を撮影してはならない。
宮城県迷惑行為防止条例3条の2第4項では,「事務所」「その他の特定かつ多数の人が利用するような場所において,」「人の下着等を撮影」すること(盗撮すること)を禁止しています。
刑事事件例のように,職場において,同僚の30代女性の事務机の裏側に小型カメラを仕掛け,スカート内の下着を盗撮する行為は,この宮城県迷惑行為防止条例3条の2第4項に触れると考えられます。
【盗撮事件を起こした場合の刑罰とは】
宮城県迷惑行為防止条例16条
次の各号のいずれかに該当する者は,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。 ②第3条の2第4項の規定に違反した者
宮城県迷惑行為防止条例3条の2第4項の規定に触れた(盗撮した)者は,「第3条の2第4項の規定に違反した者」であるので,「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられる可能性があります。
ここで,懲役とは刑務所において刑務作業に服することをいい,罰金とはその名の通り一定額の金銭を徴収されることをいいます。
そのため,宮城県迷惑行為防止条例3条の2第4項の規定に触れた(盗撮した)者は,1年もの間,刑務所で刑務作業を強いられたり,100万円という大金を聴取されたりする可能性があるのす。
興味本位,気軽な気持ちで盗撮行為をした場合においても,このような厳罰が科される可能性があるので,注意が必要です。
【宮城県迷惑行為防止条例違反事件と身柄解放活動】
宮城県迷惑行為防止条例違反事件(盗撮した)において,早期に盗撮事件での逮捕・勾留といった身体拘束から解放されたいという場合,刑事弁護士に身柄解放活動(刑事弁護活動)を行ってもらえないか助言を求めるのが良いでしょう。
身柄活動において早期に釈放されるかどうかは,その事件の具体的な事情に左右されますので,まずは刑事弁護士に事情を説明することから身柄拘束の第一歩がはじまります。
例えば,刑事事件例では,もしかしたらAさんが一家の大黒柱であるのかもしれません。
それにもかかわらず,Aさんが長い間,盗撮事件での逮捕や勾留をされ続けた結果,会社を解雇されてしまったという場合,AさんのみならずAさんのご家族も大きな不利益を被るかもしれません。
このような場合,刑事弁護士は,身体拘束を求める検察官や,身体拘束を決定する裁判官に対して,Aさんが盗撮事件での逮捕・勾留され続けると,Aさんのみならず,Aさん以外のご家族の人生までもが大きな影響を受けてしまうので,何とか長期の盗撮事件での逮捕・勾留はさけてもらえないかと主張していくことができると考えられます。
刑事弁護士がどのような論理で早期の釈放を求めていくのかは,こういった事件を取り巻く具体的な事情に大きく左右されますので,まずはお近くの刑事弁護事務所にご相談の上,現在,盗撮事件の被疑者の方がどのような状況におかれているのかといったことを整理できるようにすることが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
宮城県仙台市泉区内で盗撮事件を起こし,刑事弁護士を探しているという場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)
宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)
宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,宮城県仙台市青葉区のJR仙台駅の路上において,「ハグしましょう」などと声をかけ、女子高校生ら(V1さん,V2さん)に抱きつき,胸など体を触ったとして,宮城県仙台中央警察署の警察官により宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の容疑で逮捕されました。
Aさんは,「ハグをするのが目的だった」と宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の容疑を一部否認しています。
Aさんは,宮城県仙台中央警察署の警察官から,「同様の被害が数件があることは確認している」と言われています。
Aさんには宮城県迷惑行為防止条例違反が成立し,刑罰が科されてしまうのでしょうか。
(2021年7月13日にABCニュースに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【宮城県迷惑行為防止条例違反の罪とは】
宮城県迷惑行為防止条例3条の2第1項(卑わいな行為の禁止)
何人も,公共の場所又は公共の乗物において,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
1号 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
刑事事件例のAさんの行為は,宮城県迷惑行為防止条例のうち,特に宮城県迷惑行為防止条例3条の2第1項1号の「卑わいな行為の禁止」の規定に違反する可能性があります。
この宮城県迷惑行為防止条例違反の罪は,いわゆる痴漢を取り締まるための規定です。
【宮城県迷惑行為防止条例違反の罪の刑罰とは】
宮城県迷惑行為防止条例17条1項
次の各号のいずれかに該当する者は,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1号 第3条の2第1項から第3項までの規定に違反した者(前条第1項第1号の規定に該当する者を除く。)
宮城県迷惑行為防止条例17条2項
常習として前項第1号から第3号までの違反行為をした者は,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
宮城県迷惑行為防止条例3条の2第1項1号の痴漢の禁止規定(宮城県迷惑防止条例違反の罪)に違反した場合,「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」,つまり刑務所への服役や多大な罰金が強いられることになる可能性があります。
また「常習として」痴漢行為を行っていたうえで宮城県迷惑行為防止条例3条の2第1項1号の痴漢の禁止規定(宮城県迷惑防止条例違反の罪)に違反した場合には,「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が強いられる可能性があります。
すなわち,「常習として」痴漢行為を行った場合には,より長い期間刑務所に服役したり,最大100万円の納入が科されたりする可能性があるのです。
【宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)で逮捕された場合】
宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)で逮捕されてしまったが,これらの重い刑罰(懲役刑や罰金刑)を回避したいという場合は,何よりも宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)の方と示談をまとめることが重要です。
しかし,宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)の場合,特に刑事事件例のように被害者の方が未成年者である場合,示談交渉の相手方となる被害者の方のご両親は自分の子どもが痴漢事件の被害に遭ったことに対して,強い怒りや処罰感情を抱いている場合もあります。
このような場合において,宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)の加害者の方が被害者の方と直接連絡を取り,示談の話をすると,かえって被害者の方の感情を逆撫でてしまったり,示談交渉の経過を複雑にしてしまったりする可能性があります。
このような事態を避けるため,宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)の加害者の方と被害者の方との間を刑事弁護士が取り持ち,示談交渉が上手く進むようにしていくことができるでしょう。
また,このような示談交渉をする際には,一般に,その前提として犯罪の容疑,刑事事件例では宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の罪の容疑を認めることが必要であると考えられます。
これは,示談というものは,宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の罪という犯罪の容疑を認め,真摯に反省しているからこそ可能なものであるからです。
刑事事件例では,Aさんは,「ハグをするのが目的だった」と宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の容疑を一部否認していますが,仮にAさんが示談を望む場合には,刑事弁護士から宮城県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の容疑を認めることの法的意味や今後の見通しについてしっかりと説明を受けて,示談での事件解決を目指すことが大切であると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
宮城県迷惑行為防止条例違反事件(痴漢事件)でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。