宮城県多賀城市の過失傷害・重過失傷害事件

宮城県多賀城市の過失傷害・重過失傷害事件

宮城県多賀城市の過失傷害重過失傷害事件について、あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説致します。

【刑事事件例】

宮城県多賀城市に住むAさんは、スケートボードを趣味にしていました。
宮城県多賀城市にスケートボード専用の公園がなかったことから、Aさんは近くの公園で練習していました。
練習中、たまたま近くにいたVさんに気が付かず、スケートボードに乗ったAさんはVさんに衝突してしまい、Vさんに全治3か月の怪我を負わせてしまいました。
怪我を負わせてしまった際、Vさんがどこかに連絡しようとしていたことから、Aさんは塩釜警察署に通報されるのではないかと思い、その場から立ち去ってしまいました。
(この刑事事件例はフィクションです)

【過失傷害罪・重過失傷害罪とは】

刑法 38条1項

罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

刑法 204条

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法 208条

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

刑法 209条

1 過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

刑法 211条
 
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

刑法38条1項本文が規定する通り、罪を犯す意思(故意)がない行為は処罰の対象になりません。
故意とは、犯罪事実を認識・認容していることを意味しています。
傷害罪について考えれば,傷害罪の故意とは,「人の身体を傷害」するという刑法204条に規定された事実を認識・認容していることをいいます。

傷害罪の故意がない行為は、刑法204条に規定する傷害罪として処罰の対象にはなりません。
なお、傷害罪の場合、刑法208条に規定される暴行罪の故意で傷害の結果を発生させ場合にも、傷害罪の故意犯が成立することになりますが、ここでも、暴行罪の故意がなければ、傷害罪の故意犯として処罰されることはありません。
 
もっとも、故意がない場合であっても、刑法38条1項ただし書に規定の通り、法律に特別の定めがある場合は処罰の対象になり得ます。
傷害罪について説明すると、過失傷害罪を規定している刑法209条や、業務上過失傷害罪重過失傷害罪を規定している刑法211条は、刑法38条1項後段に規定されている「法律」の「特別の定め」に当たることになります。
したがって、傷害罪の故意犯として処罰がなされない場合であっても、過失傷害罪業務上過失傷害罪重過失傷害罪のいずれかの罪で処罰される可能性はあることになります。

なお、ここで用いられている「過失」とは、犯罪の結果が予見できることを前提に、その結果を回避する義務(注意義務)に違反した行為のことを意味します。
 

【刑事事件例に沿って説明すると…】

刑事事件例のAさんは、Vさんに怪我を負わせてやろう、あるいは怪我を負わせても構わないという意思でVさんに怪我を負わせたわけではありません。
よって、刑事事件例の場合、刑法38条1項に定められている「故意」があるとは言えず、刑事事件例のAさんに傷害罪を規定する刑法204条が適用される可能性は少ないといえるでしょう。

もっとも、刑事事件例のAさんは、公園でスケートボードを練習するにあたって人に怪我を負わせてはならない注意義務を負っていると考えられるところ、そのような注意義務に違反してVさんに怪我を負わせたAさんには刑法209条が規定する過失傷害罪が成立する可能性が高いといえます。
さらに、刑事事件例においてスケートボードの練習中に人を怪我させるということが極めて容易に予見することができるなどの事情があった場合には、過失傷害罪ではなく、刑法211条の後段に規定している重過失傷害罪の責任が問われる可能性もあります。

【スケートボードの練習中に人を怪我させてしまったら】

過失傷害罪を定める刑法209条の2項に規定されているように、過失傷害罪は、親告罪と呼ばれる犯罪です。
親告罪とは、刑事告訴(被害に遭われてしまった方が犯人の処罰を求める意思を示すこと)がなければ起訴することができない犯罪のことをいいます。
起訴されることがなければ,当然,有罪判決が下って刑事罰を受ける可能性はないということになります。

したがって、過失傷害罪にあたる行為をしてしまった場合、まずは過失傷害事件の被害に遭われてしまった方と示談をし、過失傷害罪についての刑事告訴を取り下げてもらうという刑事弁護活動が最も重要であるといえるでしょう。

また、過失傷害罪ではなく重過失傷害罪の罪に問われている場合であっても、重過失傷害罪過失傷害罪とは異なり親告罪ではないものの、重過失傷害事件の被害に遭われてしまった方と示談しているという点は、その後の刑事手続の中で刑事罰を軽くさせる要素になりますので、示談に向けた刑事弁護活動は効果的なものと言えるでしょう。

このようにスケートボードの練習中に人に怪我をさせて過失傷害罪重過失傷害罪の罪に問われる場合の刑事弁護活動については、刑事弁護に精通した刑事弁護人にいち早く相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には刑事弁護に精通した刑事弁護人が在籍しております。

宮城県多賀城市でスケートボードの練習中に,人に怪我をさせ、過失傷害罪重過失傷害罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。 

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