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接触していなくても危険運転致死罪
接触していなくても危険運転致死罪
割り込み運転をして事故を誘発したとして書類送検された事件がありました。
車の前に割り込み事故誘発か 運転手の男性は死亡 割り込んだ男性を書類送検 愛知県名古屋市
Yahoo!ニュース【メ〜テレ(名古屋テレビ)】
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~割り込みで事故を誘発~
この事故は割り込み運転により、割り込まれた車が単独事故を起こし、その運転手が死亡したというものです。
2台の車は接触していませんでしたが、割り込み運転により事故を誘発したとして、割り込んだ車の運転手に危険運転致死罪の疑いがかけられています。
まずは、危険運転致死罪の条文を見てみましょう。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
4号 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
今回の事件では、まさに2条4号の行為が問題となっています。
2条4号は、相手と接触することまでは要求していません。
したがって接触していなくても、割り込み運転などを行い、その結果として人を死亡させれば、危険運転致死罪が成立することになります。
ただし、割り込み運転などをしたとしても、別の原因で死亡した場合は、危険運転致死罪は成立しません。
たとえば割り込まれた側が元々猛スピードを出していたことこそが死亡の原因であるといった場合には、割り込み運転と死亡との間の因果関係がなく、危険運転致死罪は成立しないことになります。
今回の事件でも、割り込んだ運転手は割り込み運転と相手の死亡との因果関係を否認しているとのことです。
今後、どのような判断がされるのか注目です。
いずれにしろ、たとえ接触していなくても、事故を誘発するような運転をした場合には重い罪に問われる可能性があるわけですので、危険な運転はしないようにしましょう。
~逮捕はされず書類送検に~
今回の事件では、割り込み運転をした被疑者は、書類送検されたとのことです。
この「書類送検」とは何でしょうか。
通常、犯罪が発生すると最初に警察官が捜査し、その後に検察官が捜査を引き継ぎます。
警察が事件を検察に送ることを「送検」と言います。
被疑者が逮捕されている事件では、警察は被疑者の身柄と捜査書類を検察官に送ることになりますが、逮捕されていない事件では捜査書類だけを送ることになります。
これを「書類送検」と言います。
今回のニュースによると運転手は書類送検されたということですので、逮捕もされていないということになるでしょう。
犯罪をしても逮捕されないというケースはよくあります。
逃亡や証拠隠滅のおそれがない場合には、逮捕はされないことになっているのです。
今回の事件のように容疑を認めていない事件では、逃亡や証拠隠滅の可能性が高いとして逮捕されるケースが多くなりがちです。
しかし、詳しいことは報道からは分かりませんが、今回の事件では逮捕までは不要と判断されたようです。
なお、逮捕されていなくても無罪放免ということではありません。
自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて裁判を受け、有罪の場合には執行猶予にならないかぎり刑罰を受けることになります。
~弁護士にご相談を~
意図的な割り込み運転に限らず、あなたやご家族が交通事故を起こして取調べを受ける、あるいは逮捕されたといった場合には、今後どうなってしまうのかわからず不安だと思います。
普段、犯罪に縁がない方であっても、突然犯罪者になってしまう可能性があるのが交通事故です。
事件の見通しのご説明を丁寧に致しますので、ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
自転車でひき逃げ
自転車でひき逃げ
自転車事故でひき逃げをした場合に成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
【事例】
宮城県仙台市に住むAさん。
自転車で走行中に誤って歩行者をはねてしまい、ケガを負わせてしまいました。
気が動転してしまったAさんは、その場から逃げてしまいました。
事故現場周辺の防犯カメラ映像からAさんが犯人だと割り出され、Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~ひいてケガをさせた点について~
歩道を高速で走っている自転車をみかけることがよくあります。
また、雨の日の傘さし運転をしている人や、ちょっとブレーキを踏んだら雨でスリップして転倒するのではと心配になる運転をしている人もいます。
このような運転をしていると、人身事故を起こして犯罪が成立して処罰される可能性が上がってしまいます。
Aさんのように誤って自転車で人をはねてしまうと、過失傷害罪または重過失傷害罪が成立する可能性があります。
刑法209条1項
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
209条1項の過失傷害罪は、わざとやったわけではなく、被害者も死亡していないということで、最高でも30万円の罰金となっており、懲役刑になる可能性はありません。
しかし、211条の重過失傷害罪は、わざとではないとはいえ、重大な過失があった場合(重い落ち度がある場合)に成立する犯罪です。
被害者死亡の場合も含めての刑罰ではありますが、条文上は最高で5年の懲役まで科される可能性があるわけです。
どういった場合に重い落ち度があるとして重過失傷害罪となるのかは具体的な状況により、ますが、たとえば、歩行者が多い中スピードを出しすぎていた、ながら運転をしていた、傘さし運転をしていた、無灯火だったなどの事情があればあるほど、重過失傷害罪に問われる可能性が高くなってしまいます。
~逃亡した点について~
自転車で歩行者に衝突し、ケガをさせたにも関わらず、その場から逃げてしまったAさん。
この点には別途、道路交通法に定められた救護義務違反や、警察官への報告義務違反に問われることになるでしょう。
①救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条の5第1号)
→1年以下の懲役または10万円以下の罰金
②報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
→3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
①の救護義務違反は、自動車の場合には10年以下の懲役または100万円以下の罰金なので、10分の1に軽くなっています。
しかし、逃げなかった場合に比べると、判決が重くなることが予想されます。
~お早めに弁護士にご相談ください~
このように、自転車の場合も事故を起こすと様々な犯罪に問われるおそれがあります。
あなた自身やご家族が、交通事件を含め何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合には、どんな犯罪が成立するのか、いつ釈放される見込みなのか、処分・判決の内容はどうなりそうか、刑事手続きの流れはどうなるのかなど、不安な点が多いと思います。
事件・事故の内容をお聞き取りした上で、それに応じたご説明を致しますので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

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反則金を納付せず逮捕【スピード違反】
反則金を納付せず逮捕【スピード違反】
スピード違反をしたのに反則金を納付をせず、逮捕されてしまったという事件がありました。
速度47キロで運転の男逮捕…速度超過の疑い 反則金未納、出頭せず「まさか逮捕されるとは」/県警
Yahoo!ニュース(埼玉新聞)
この事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~スピード違反も犯罪~
この事件は、時速30キロ制限の道路を17キロオーバーの47キロで走行したとして、警察に検挙されたものです。
「17キロオーバー」や「47キロで走行」という文字をそれぞれ見ると、大きな違反ではない気がする方もいらっしゃるかもしれません。
しかし元々の制限が30キロですから、オーバーした割合で言うとなかなかのスピード違反だったことになります。
スピード違反は道路交通法に違反する犯罪ですから、刑罰を受けて前科が付くのが本来的な形ではあります。
道路交通法
第22条1項
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
第118条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
1号 第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
このように、法律上は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科される可能性のある犯罪なわけです。
~反則金制度~
しかし、比較的悪質性が低く件数も多い交通違反を、他の犯罪と同じ手続きで処理しようとすると、警察・検察・裁判所がパンクしてしまいます。
そこで、皆さんご存知の反則金という制度が設けられているわけです。
すなわち、軽い交通違反に限り、簡易な手続で反則金を支払えば、これ以上刑罰を受けることなく、前科も付かずに終わるという制度になっているのです。
※ 別途、違反点数は引かれます。
※ 反則金のことを罰金と言う方も多いと思いますが、法律上は別物です。罰金は裁判を経て科される刑罰であり、前科も付きます。
しかし、あくまでも反則金は刑罰の代わりになるものです。
もし納付しなければ原則通り、他の犯罪と同じ手続きがスタートして刑罰が科されることになります。
つまり、逮捕される可能性もありますし、刑事裁判で懲役刑の判決を受けて刑務所に入れられたり、反則金より高い金額の罰金を支払うことになる上、前科も付くことになります。
~支払いや出頭を拒否していた~
今回のニュースの逮捕された男性は12,000円の反則金を支払わず、警察署からの再三の出頭要請にも応じなかった模様。
逮捕後には、「仕事が忙しくて時間がなかった。まさか逮捕されるとは思わなかった」と供述しているそうです。
素直に支払っておけば12,000円の出費のみで済んだのに、逮捕された上、より高額な罰金を支払うことになるでしょう。
前科があるなどの事情があれば懲役刑となる可能性もあります。
また、逮捕されたとなれば、職場を解雇されるといった社会的な影響も出てくる可能性があります。
反則金の支払いには、素直に応じるようにしましょう。
~交通違反も弁護士に相談を~
仮に交通違反はしていないはずで、反則金の納付するのは納得いかないという場合には、あえて反則金を納付しないで裁判で争うという方法などを採ることになります。
その場合でも、逮捕まではされないようにして、自宅から警察署や検察庁に行って取調べを受けたり、裁判所に出向いて裁判を受けるという在宅事件として扱ってもらうようにしなければなりません。
また、取調べや裁判において、違反していないといえる根拠を出来る限り示していくことも重要となってきます。
さらに今回のニュースの男性のように、単純に反則金を納付せずに、すでに通常の刑事手続きに移行してしまったケースでも、取調べや裁判への対応、釈放に向けた手続きなどを採る必要が出てきます。
ご本人やご家族だけでは対応が難しいと思いますので、ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。

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私有地での飲酒運転
私有地での飲酒運転
私有地での飲酒運転には道路交通法が適用されないとの記載があるニュースを見つけました。
カメラが捉えた! “罪に問えない飲酒運転” 現役運転手「みんな分かって飲んでいる」 福岡県
Yahoo!ニュース(テレビ西日本提供)
このニュースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~道路交通法は適用されないが~
このニュース映像では、愛媛県の松山港でトラックの運転手が飲酒運転をしている様子が映し出されています。
場所が私有地内なので道路交通法が適用されず、酒気帯び運転の罪や酒酔い運転の罪などに問われないので、飲酒運転をしている人がいるということです。
たしかに私有地であれば道路交通法が適用されないのが原則です。
しかし、私有地であっても不特定または多数の人が乗り入れる場所では道路交通法が適用される可能性があります。
たとえばショッピングセンターの駐車場などでは道路交通法が適用され、飲酒運転も処罰される可能性があります。
さらに、人身事故を起こした場合には、純粋な私有地であっても、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪で処罰される可能性があります。
これらの罪は道路交通法ではなく自動車運転死傷行為処罰法という別の法律で定められており、私有地内でも適用されるからです。
実際に貨物船の中で飲酒運転をしたトレーラーの運転手が誘導員をひいて死亡させ、過失運転致死罪に問われている事故もあります。
公道でないため道路交通法が適用できず…飲酒運転事故で息子を亡くした両親が訴える法整備の必要性
FNN PRIME(テレビ西日本)
このような事故を起こした場合の罰則はどれくらい深く酔っていたかにもよりますが、正常な運転が困難なほど深く酔った状態で運転して人を負傷させると15年以下の懲役に、死亡させると1年以上の有期懲役(上限は20年)となる可能性があります。
(参考)
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
第3条1項
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
~飲酒運転してしまったら~
私有地でも公道でも飲酒運転は絶対にいけません。
しかし、飲酒運転に限らず、普段は犯罪に縁がない人でも犯罪に当たる行為をしてしまう可能性があるのが交通事故です。
あなたやご家族が何らかの交通事故を起こし、警察に逮捕された、取調べを受けているといった場合には、分からないことが多いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
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飲酒運転で弁護士が書類送検
飲酒運転で弁護士が書類送検
飲酒運転をして物損事故を起こし、弁護士が書類送検された事件がありました。
60歳弁護士 “酒酔い運転”で書類送検 物損事故の後 現場から立ち去る 福岡市
テレビ西日本
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~成立する犯罪は?~
弁護士がこのような事件を起こすのは恥ずかしい限りですが、まずは成立する犯罪を確認しておきましょう。
どれくらい酔っていたかによって、成立する犯罪は変わってきます。
呼気1リットルにつき0.15mg以上のアルコールが検出されると、酒気帯び運転の罪となります。
罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です(道路交通法117条の2の2第3号)。
アルコールの数値に関わらず、正常な運転ができない状態での運転をすると、酒酔い運転の罪となります。
罰則は5年以下の懲役または100万円以下の罰金です(道路交通法117条の2第1号)。
酒酔い運転の方が罰則が重いことからもわかるように、通常は、より強く酔っている場合に酒酔い運転が成立することになります。
しかし、酒酔い運転の方は基準値が明確に決まっているわけではないので、酒に弱い人であれば、アルコール濃度が低くても、酒酔い運転に該当してしまうおそれもあります。
これらの刑罰とは他に違反点数も引かれます。
酒気帯びはアルコール数値により13点または25点、酒酔いは35点ですので、免許停止や取消しが避けられません。
違反点数について詳しくはこちらをご覧ください↓
交通違反点数制度と一覧表
~なぜ逮捕されなかった?~
この事件で飲酒運転をした弁護士は逮捕されず、在宅事件として捜査を受けています。
なぜでしょうか。
成立する犯罪にもよりますが、逮捕するためには、その人が犯罪をした可能性が高いということの他に、逃亡や証拠隠滅をするおそれがあるという条件が必要とされています。
裁判で有罪が確定するまでは無罪が推定され、出来るだけ一般人と同様に扱うべきという原則があることから、逮捕の条件が絞られているのです。
報道によると今回の事件でも警察は、弁護士を逮捕しなかった理由について、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断したからという旨を述べています。
では、逃亡や証拠隠滅のおそれはどうやって判断するのでしょうか。
まず、犯罪の重さが重要となります。
重い犯罪ほど、重い刑罰を受ける可能性が上がるため、逃げたくなったり証拠隠滅したくなるのではないかということで、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されやすくなります。
今回の事件の弁護士は物損事故を起こしていますが、人身事故を起こさなかったため、過失運転致死傷罪などのより重い犯罪には問われないことから、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断される事情の1つになったと思われます。
似たような事情として、前科の有無も影響してきます。
前科の内容にもよりますが、前科があると、今回はより重い処罰が予想されるので、逃亡や証拠隠滅のおそれが高まると判断されやすくなります。
また、共犯者がいるような事件では、相談して証拠隠滅をするおそれがあるのではないかと判断されることもあります。
たとえば、オレオレ詐欺や還付金詐欺などに代表される特殊詐欺などでは、グループで犯行に及ぶことから、逮捕されやすいといえるでしょう。
今回の事故はそういった共犯者がいるような事件ではないでしょうから、証拠隠滅のおそれがないと判断される事情の1つになった可能性があります。
また、被疑者の職業や家族の有無なども影響する可能性があります。
たとえば、ほとんど仕事をしていない方に比べると、安定した職業の人の方が、逃亡や証拠隠滅をしないだろうと考えられる可能性があります(どこまで正しいかはわかりませんが)。
また、家族がいる場合には、家族を捨ててまで逃亡しないだろう、あるいは家族がしっかり監督されるだろうから逃亡や証拠隠滅をしないだろうなどと判断される可能性もあります。
よくネットなどで、上級国民だから逮捕されないなどという書き込みがあります。
弁護士が上級国民かはわかりませんし、今回の事件ではそもそも人身事故に至っていないという点が、逮捕に至らなかった理由として大きいかもしれません。
しかし一般論として、身元がしっかりしている方が、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断される可能性が上がるという意味では、必ずしも間違いとは言い切れない書き込みであるともいえます。
~弁護士にご相談ください~
あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕された、取調べを受けたといった場合には、釈放させられるのか、逮捕を防げるのか、どんな刑事手続きが待っているのか、どれくらいの処罰を受けるのかなど、不安点が尽きないと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

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警察官が犯人隠避罪で書類送検
警察官が犯人隠避罪で書類送検
秋田県警の警察官らが、警察署職員の犯罪を隠ぺいし、犯人隠避罪(ハンニンインピザイ)で書類送検された事件がありました。
車検切れの車運転隠蔽 秋田県警警部ら4人、犯人隠避容疑で書類送検
毎日新聞
この事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~犯人隠避罪とは~
この事件の発端は、秋田県警の職員が、自家用車の車検が切れていることを出先で気が付きましたが、そのまま運転して帰宅したことでした。
車検が切れていることを知りながら乗り続けることは道路運送車両法に違反する犯罪であり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となります(同法108条1号・58条1項参照)。
しかし、車検切れと知らなければ処罰の対象外となっています。
そこで、運転した職員からの自主的な報告を受けた警察官らは、業務が増えることを避けるといった理由で、車検切れを知った後は乗っていないというウソの供述調書を作成するなどして、犯罪をもみ消してしまったのです。
しかし、この犯罪をもみ消した行為が別の警察官に発覚し、犯人隠避罪が成立するとして捜査を受けることとなったのです。
犯人隠避罪の条文を見てみましょう。
刑法103条
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
「蔵匿」とは、場所を提供してかくまうことを言います。
「隠避」とは、蔵匿以外の方法により、捜査機関による逮捕や発見を妨げる行為を言います。
今回は、ウソの調書の作成という方法を用いているので、「隠避」に当たるということになります。
罰則は3年以下の懲役または30万円以下の罰金ですから、車検切れに気付きながら運転してしまった職員よりも重い罪に問われていることになります。
~虚偽公文書作成罪の可能性も~
また、虚偽の内容の供述調書を作成したことには、虚偽公文書作成罪も成立する可能性があります。
刑法156条
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。
今回の事件の場合、「公務員」である警察官が、取調べをしてその内容を書面に残すという「職務に関し」、内容が正しい書面として他の警察官らに見せるといった「行使の目的で」、車検切れを認識した時点以降は運転していないという内容の「虚偽の文書…を作成」したものとして、虚偽公文書作成罪が成立する可能性もあるわけです。
罰則については、「印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による」とあります。
供述調書には、作成した警察官の署名・押印がなされるので、署名・押印がなされた公文書の偽造に関する155条1項と同じく、1年以上10年以下の懲役ということになります。
押印や署名がある文書の方が正式な内容・手続きで作られた文書であると認識されやすく、それが虚偽だった場合の影響がより大きいということで、押印や署名がない文書の場合より重く処罰されることになっています。
~今後の刑事手続は?~
今回のニュース記事は、警察官らが書類送検されたというものです。
犯罪が起こると、①最初に警察官が捜査し、②次に検察官が捜査し、③その後に裁判が始まるというのが基本的な流れです。
書類送検というのは、比較的軽い事件で被疑者が逮捕されていない事件について、①で作られた捜査書類が、②のために検察官に送付されることを言います。
※ 逮捕されている事件について、身柄と捜査書類が両方送られることは単に「送検」と呼ばれます。
したがって今回関与した警察官らは今後、②検察官の取調べを受け、不起訴処分とならない限り、③裁判を受けるという形になるでしょう。
ただ、罰金刑で済ますのであれば、簡易な手続で罰金刑にする略式裁判の手続が採られ、公開の法廷での刑事裁判は開かれない可能性もあります。
~弁護士にご相談を~
あなたやご家族が、犯人隠避罪や虚偽公文書作成罪など何らかの犯罪で捜査を受けた、逮捕されたといった場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
「スマホを見ていただけなのに」では済まされない
「スマホを見ていただけなのに」では済まされない
スマホゲームをしながら自動車を運転し、歩行者をはねて死亡させた事件で、懲役2年4か月の実刑判決が出されました。
ながらスマホ運転の男に実刑 新潟、ゲーム中に死亡事故
Yahoo!ニュース(共同通信提供)
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~過失運転致死罪~
この運転手は、過失運転致死罪に問われていました。
条文を見てみましょう。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
この犯罪が成立するのは、わざと人を死傷させたわけではない場合ですが、それでも最長で7年の懲役となる可能性もあるわけです。
今回の判決でも、スマホを3~5秒程度見ていたと指摘し、過失の程度は重く、危険で悪質な運転だと評価して、実刑判決を下しました。
普段、犯罪とは縁のない人であっても、実刑判決を受けて刑務所に入れられる可能性があるのが交通事故です。
被害者を出さないためにも、運転には十分注意しましょう。
~ひき逃げまですると~
仮に、被害者を救助せず逃げてしまった場合、道路交通法に定められた①被害者を救護する義務と、②警察官への報告義務に違反したことになります。
それぞれ以下のような刑罰が定められています。
①救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条2項)
→10年以下の懲役または100万円以下の罰金
②報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
→3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
①救護義務違反は、10年以下の懲役になる可能性もあるので、過失運転致死罪よりも重い罪です。
当然、実刑判決になる可能性も上がってしまいます。
人をひいてしまった場合は、気が動転するとは思いますが、被害者のためにも冷静に対処する必要があるわけです。
~お早めに弁護士にご相談を~
ひき逃げなどで逮捕されると、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、ご本人やご家族は不安な点が多いと思います。
また、被害者のご遺族に謝罪・賠償して示談できれば、判決が軽くなる可能性があります。
弁護士はこのような不安点に対するアドバイスや、示談に向けたサポートをすることができますので、ぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料を行っております。
逮捕されると一気に手続が進んでいきますので、ぜひお早めにご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
タイヤ落下死亡事故で不起訴処分
タイヤ落下死亡事故で不起訴処分
トラックのスペアタイヤが走行中に落下したことを原因として母娘2人が死亡した事故で、トラックの運転手らが不起訴処分になりました。
営業所長と運転手を不起訴 中国道タイヤ落下事故で岡山地検
山陽新聞
不起訴処分となった理由について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~過失運転致死罪などに問われた~
この事故は、走行中のトラックのスペアタイヤがキャリアの腐食により落下し、母娘2人が乗る自動車に衝突しました。
しかし母娘2人は衝突自体で死亡したのではありませんでした。
衝突後に2人が路肩に避難していたところ、後続のトレーラーが脱落したタイヤに乗り上げ横転。
これに巻き込まれた2人が死亡するという痛ましい事故でした。
この事故では、タイヤが脱落したトラックの運転手と、横転したトレーラーの運転手が過失運転致死罪に問われていました。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
また、タイヤが脱落したトラックの運送会社の所長も、トラックの整備を怠ったなどとして業務上過失致死罪に問われていました。
刑法211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
しかし、3人ともが不起訴処分となりました。
~不起訴処分とは~
そもそも不起訴処分とは何でしょうか。
犯罪が起こると、まずは警察が一通りの捜査をします。
その後、検察に事件が送られ、検察官が取調べ等の捜査をします。
そして検察官はこれらの結果を踏まえ、犯罪をしたと疑われている被疑者を、裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)を判断します。
不起訴処分になれば、前科も付かずに刑事手続きが終わります。
不起訴処分は、①軽い犯罪などで今回は大目に見るという意味などでなされるパターン(起訴猶予)と、②そもそも犯罪をしていないと判断されたパターン(嫌疑なし)、③犯罪をしたと言い切れないと判断されたパターン(嫌疑不十分)があります。
今回、運転手2人と所長は、③嫌疑不十分を理由として不起訴処分となりました。
~不起訴処分の理由は?~
【タイヤが脱落したトラックの運転手について】
今回問題となっている過失運転致死罪は、わざとやった犯罪(故意犯)ではなく、間違ってやった犯罪(過失犯)です。
過失犯は、(A)悪い結果が生じることを予見でき、(B)その悪い結果を防ぐことも出来たのに、(C)防ぐ行動を取らなかった場合に成立します。
しかし今回は、(A)悪い結果が生じることを予見できたとは言い切れないと判断されました。
今回の事故での「悪い結果」というのはタイヤが脱落することです。
しかしスペアタイヤを取り付けているキャリアごと腐食により脱落することは、運転手が予見するのは難しいと判断されました。
絶対に予見が不可能とまでは言い切れないと判断したのか、過失運転致死罪が絶対に成立しないという②嫌疑なしとまではしなかったようですが、犯罪が成立すると言うのは困難だとして③嫌疑不十分のパターンの不起訴処分になったようです。
【後続のトレーラー運転手について】
トレーラーの運転手についてどういった理由で不起訴処分となったのか、報道からは詳しくはわかりません。
たとえば今回は、 (A)タイヤを発見後に、このまま衝突すれば事故になることを予見し、(B)減速・停止するなどにより衝突を回避できたのに、(C)回避行動を適切に取らなかった場合などに過失が認められることになります。
しかし今回の事故では、たとえば、(B)タイヤを発見してからでは衝突を避けることはどうやっても不可能な状況だった可能性があるといった理由により、③嫌疑不十分のパターンによる不起訴処分になったものと思われます。
【運送会社の所長について】
所長については、(A)スペアタイヤが脱落して事故が起こることを予見できたかが問題となります。
しかし事故当時、運送業者に義務付けられていた3カ月ごとの法定点検の項目に、スペアタイヤの固定状況は含まれていなかったことなどから、予見はできたとは言い切れないとして、③嫌疑不十分の不起訴処分となりました。
~弁護士に相談を~
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件も含めた刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
不起訴処分や無罪が見込まれる事件かどうかに関わらず、もしあなたやご家族が、交通事故などで逮捕されたり、取調べを受けるという場合には、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
示談対応、釈放活動、取調べ対応などの必要な弁護活動をさせていただきます。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

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当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
信号無視の自転車をひいて裁判に【無罪】
信号無視の自転車をひいて裁判に【無罪】
信号無視の自転車をひいて死亡させ、裁判になった事件がありました。
女子高生死亡事故で男性に無罪 徳島地裁「過失なし」
Yahoo!ニュース(共同通信提供)
無罪判決が出されたということなので、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~過失運転致死罪に問われた~
この裁判で自動車の運転手は、過失運転致死罪に問われていました。
条文を見てみましょう。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
もし有罪となれば、条文にある通り、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金という刑罰が科される可能性があります。
今回は、自転車の側が信号無視をしたわけなので、このような重い刑罰を受ける可能性が出てくるというのは腑に落ちない気もします。
しかし、相手が交通違反をしたのが事故の主たる原因だったとしても、こちらにも非があれば(=過失があれば)、こちらも罪の問われる可能性があるわけです。
~求刑は罰金30万円だった~
とはいえ、今回の事故は自動車の運転手の側に過失が認められるか微妙なところだったようです。
刑事裁判において検察官は、裁判にかけられた被告人にどれくらいの刑罰を受けさせるべきかという意見を述べますが(求刑)、この求刑は罰金30万円でした。
今回は有罪となれば最高で懲役7年を科すことも出来る犯罪ですが、求刑自体がだいぶ軽いものだったといえます。
仮に自動車の運転手にも過失があったとしても、悪質さは低いというのが検察官と弁護人の一致した意見だったと思われます。
~過失が認められず無罪に~
そして今回の裁判、自動車の運転手の過失が認められないとして無罪となりました。
判決理由では、
①自転車が赤に従って横断を差し控えるものと期待、信頼するのが通常
②前照灯の光や反射板を踏まえても、自転車の存在を予見できたか疑いが残る
といった理由が述べられたそうです。
①は、刑事裁判で時々用いられる、信頼の原則と呼ばれる考え方を示しています。
たしかに相手が交通違反をするかもしれないと注意深く運転していれば避けられたかもしれないが、このような注意を払うのにも限界があるので、相手が交通ルールを守ることを前提として信頼して運転していれば、事故が起こっても責任を負わなくて済むこともあるという考え方です(絶対に責任を負わないということではありません)。
この①は交通事故全般に当てはまる一般論に近いことを言っていますが、②は今回の事故を具体的に検討した結果を示しています。
すなわち、今回たしかに自転車が信号無視をしていたものの、自転車のライトや反射板が光っており、自転車の存在に気が付くことができたのだから、自動車の側で事故を避けることができたのではないかといった主張が検察官からなされていたのだと思われます。
しかし裁判所としては、自転車の存在に気付いて事故を避けられたとまでは言い切れないという判断をしたということになります。
~お困りの方は弁護士にご相談を~
今回の運転手は無罪となりましたが、裁判や取調べ対応などは大変だったでしょうし、仕事などにも影響が出たかもしれません。
また、人をひいて死亡に至ったということ自体が大きな心理的負担となったことでしょう。
さらに、主たる事故原因が相手にある場合でも、こちらにも非がある(過失がある)場合には有罪となってしまう可能性もあります。
普段、犯罪と縁がない人であっても犯罪者となってしまう可能性があるのが交通事故です。
運転は慎重に行うことが重要です。
もし、あなたやご家族が交通事故を起こして逮捕されたり、警察の取調べを受けるといった場合には、いつ釈放されるのか、被害者との示談はどうすればいいのか、どのくらいの刑罰を受けることになるのか、取調べでは何と答えたらよいのか、今後の刑事手続きの流れなど、わからない点が多いと思いますので、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件も含めた刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
死亡事故で無罪判決
死亡事故で無罪判決
自動車で死亡事故を起こしたが、無罪判決がなされた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【参考ニュース】
女子高生死傷事故 被告に無罪判決 前橋地裁 予見「認められず」
上毛新聞
このニュースは、運転中に意識障害に陥り、被害者が死傷する事故を起こして過失運転致死傷罪に問われたが、無罪判決がなされたというものです。
意識障害が生じることを予見できなかったとして無罪となりましたが、どういうことなのか解説していきます。
~過失運転致死傷罪が成立する条件~
今回、無罪判決が出されたということは、過失運転致死傷罪の成立条件が満たされなかったということです。
成立条件を確認するために、まずは条文を見てみましょう。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
この条文から考えると、
①自動車の運転上必要な注意を怠り
②よって人を死傷させた
という場合に、過失運転致死傷罪が成立することになります。
②の「死傷」とは死亡と負傷をまとめた表現です。
今回の事故では事故により被害者1名が死亡、もう1名が負傷していることに争いはないので、②は明らかに満たされます。
裁判では①を満たすかどうかが争われました。
※ 条文の「ただし」以降は、被害者が軽いケガにとどまった場合に、過失運転致傷罪で有罪だけれども、懲役や罰金を免除できるというものです。今回の事故は死亡事故ですし無罪判決の事例ですので関係ありません。
~「自動車の運転上必要な注意を怠り」とは~
①自動車の運転上必要な注意を怠りという条件は、「過失があったかどうか」という言い方もできます。
この①を満たすためには、簡単に言うと、
(A)事故が起こることが予見(予想)できた
(B)事故を回避する行動を取れたのに取らなった
という、さらなる2つの条件を満たす必要があることになっています。
※ 過失運転致傷罪だけでなく、過失の有無が問題となる犯罪(業務上過失致死傷罪など)はすべて、(A)結果が予見できたか、(B)結果回避行動を取れたのに取らなかったのか、の2つが検討されます。
今回の裁判では(A)、つまり意識障害が生じて事故が起こることが予見できたか、という点が最大の争点でした。
予見できていたのであれば、(A)を満たします。
そして運転しないなどの事故を回避する行動を取れたのに取らなかったわけなので(B)も満たし、結局①が満たされることになります。
そして前述のように②も満たすので、有罪ということになります。
一方、意識障害が生じて事故が起こることを予見できなかったのであれば(A)を満たさず、結局①が満たされないので無罪ということになります。
前橋地裁は、服用していた薬の副作用による急激な血圧低下が原因となった可能性があるが、被告が医師からこのような副作用の説明を受けた証拠はないなどの理由により、意識障害が生じて事故が起こることを予見できず、(A)および①が満たされないという判断をしたことになります。
現時点で検察側が控訴するかはわかりませんが、このような理由により無罪判決が出されたわけです。
※ 条件を満たせば有罪と書きましたが、厳密には、条件を満たしても別途、責任能力がないとして無罪になる可能性があります。今回の裁判では、被告が認知症だったことからこの点も争われていましたが、そもそも上記条件を満たさない時点で無罪ですので、責任能力についての判断はなされなかったと思われます。
~交通事故でお困りの方はご相談ください~
このように、交通事故でも難しい法的判断が必要になることがあります。
仮にそれほど争いがない事故であっても、謝罪・弁償して示談を結ぶ方法や、取調べでの答え方などわからないことが多いと思います。
普段、まったく犯罪に縁がない人でも犯してしまう可能性がある犯罪は交通関係の犯罪です。
もし、あなたやご家族が交通事故を起こしてお困りの際は、弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、仙台市を拠点に、宮城県、秋田県、岩手県、山形県、福島県など東北地方全域で刑事事件・少年事件に注力しています。
刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士弁護士が、取調べに対するアドバイスや、被害者との示談交渉、刑事裁判など、依頼者様の不安な点に、親身になってお答えいたします。
当事務所では、初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。