Archive for the ‘交通事件’ Category

信号無視の自転車をひいて裁判に【無罪】

2020-03-14

信号無視の自転車をひいて裁判に【無罪】

信号無視の自転車をひいて死亡させ、裁判になった事件がありました。

女子高生死亡事故で男性に無罪 徳島地裁「過失なし」
Yahoo!ニュース(共同通信提供)

無罪判決が出されたということなので、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~過失運転致死罪に問われた~

この裁判で自動車の運転手は、過失運転致死罪に問われていました。
条文を見てみましょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

もし有罪となれば、条文にある通り、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金という刑罰が科される可能性があります。

今回は、自転車の側が信号無視をしたわけなので、このような重い刑罰を受ける可能性が出てくるというのは腑に落ちない気もします。
しかし、相手が交通違反をしたのが事故の主たる原因だったとしても、こちらにも非があれば(=過失があれば)、こちらも罪の問われる可能性があるわけです。

~求刑は罰金30万円だった~

とはいえ、今回の事故は自動車の運転手の側に過失が認められるか微妙なところだったようです。

刑事裁判において検察官は、裁判にかけられた被告人にどれくらいの刑罰を受けさせるべきかという意見を述べますが(求刑)、この求刑は罰金30万円でした。
今回は有罪となれば最高で懲役7年を科すことも出来る犯罪ですが、求刑自体がだいぶ軽いものだったといえます。

仮に自動車の運転手にも過失があったとしても、悪質さは低いというのが検察官と弁護人の一致した意見だったと思われます。

~過失が認められず無罪に~

そして今回の裁判、自動車の運転手の過失が認められないとして無罪となりました。

判決理由では、

①自転車が赤に従って横断を差し控えるものと期待、信頼するのが通常
②前照灯の光や反射板を踏まえても、自転車の存在を予見できたか疑いが残る

といった理由が述べられたそうです。

①は、刑事裁判で時々用いられる、信頼の原則と呼ばれる考え方を示しています。
たしかに相手が交通違反をするかもしれないと注意深く運転していれば避けられたかもしれないが、このような注意を払うのにも限界があるので、相手が交通ルールを守ることを前提として信頼して運転していれば、事故が起こっても責任を負わなくて済むこともあるという考え方です(絶対に責任を負わないということではありません)。

この①は交通事故全般に当てはまる一般論に近いことを言っていますが、②は今回の事故を具体的に検討した結果を示しています。

すなわち、今回たしかに自転車が信号無視をしていたものの、自転車のライトや反射板が光っており、自転車の存在に気が付くことができたのだから、自動車の側で事故を避けることができたのではないかといった主張が検察官からなされていたのだと思われます。
しかし裁判所としては、自転車の存在に気付いて事故を避けられたとまでは言い切れないという判断をしたということになります。

~お困りの方は弁護士にご相談を~

今回の運転手は無罪となりましたが、裁判や取調べ対応などは大変だったでしょうし、仕事などにも影響が出たかもしれません。
また、人をひいて死亡に至ったということ自体が大きな心理的負担となったことでしょう。
さらに、主たる事故原因が相手にある場合でも、こちらにも非がある(過失がある)場合には有罪となってしまう可能性もあります。

普段、犯罪と縁がない人であっても犯罪者となってしまう可能性があるのが交通事故です。
運転は慎重に行うことが重要です。

もし、あなたやご家族が交通事故を起こして逮捕されたり、警察の取調べを受けるといった場合には、いつ釈放されるのか、被害者との示談はどうすればいいのか、どのくらいの刑罰を受けることになるのか、取調べでは何と答えたらよいのか、今後の刑事手続きの流れなど、わからない点が多いと思いますので、ぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件も含めた刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

死亡事故で無罪判決

2020-03-07

死亡事故で無罪判決

自動車で死亡事故を起こしたが、無罪判決がなされた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【参考ニュース】
女子高生死傷事故 被告に無罪判決 前橋地裁 予見「認められず」
上毛新聞

このニュースは、運転中に意識障害に陥り、被害者が死傷する事故を起こして過失運転致死傷罪に問われたが、無罪判決がなされたというものです。
意識障害が生じることを予見できなかったとして無罪となりましたが、どういうことなのか解説していきます。

~過失運転致死傷罪が成立する条件~

今回、無罪判決が出されたということは、過失運転致死傷罪の成立条件が満たされなかったということです。
成立条件を確認するために、まずは条文を見てみましょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

この条文から考えると、

①自動車の運転上必要な注意を怠り
②よって人を死傷させた

という場合に、過失運転致死傷罪が成立することになります。

②の「死傷」とは死亡と負傷をまとめた表現です。
今回の事故では事故により被害者1名が死亡、もう1名が負傷していることに争いはないので、②は明らかに満たされます。

裁判では①を満たすかどうかが争われました。

※ 条文の「ただし」以降は、被害者が軽いケガにとどまった場合に、過失運転致傷罪で有罪だけれども、懲役や罰金を免除できるというものです。今回の事故は死亡事故ですし無罪判決の事例ですので関係ありません。

~「自動車の運転上必要な注意を怠り」とは~

①自動車の運転上必要な注意を怠りという条件は、「過失があったかどうか」という言い方もできます。
この①を満たすためには、簡単に言うと、

(A)事故が起こることが予見(予想)できた
(B)事故を回避する行動を取れたのに取らなった

という、さらなる2つの条件を満たす必要があることになっています。

※ 過失運転致傷罪だけでなく、過失の有無が問題となる犯罪(業務上過失致死傷罪など)はすべて、(A)結果が予見できたか、(B)結果回避行動を取れたのに取らなかったのか、の2つが検討されます。

今回の裁判では(A)、つまり意識障害が生じて事故が起こることが予見できたか、という点が最大の争点でした。

予見できていたのであれば、(A)を満たします。
そして運転しないなどの事故を回避する行動を取れたのに取らなかったわけなので(B)も満たし、結局①が満たされることになります。
そして前述のように②も満たすので、有罪ということになります。

一方、意識障害が生じて事故が起こることを予見できなかったのであれば(A)を満たさず、結局①が満たされないので無罪ということになります。

前橋地裁は、服用していた薬の副作用による急激な血圧低下が原因となった可能性があるが、被告が医師からこのような副作用の説明を受けた証拠はないなどの理由により、意識障害が生じて事故が起こることを予見できず、(A)および①が満たされないという判断をしたことになります。

現時点で検察側が控訴するかはわかりませんが、このような理由により無罪判決が出されたわけです。

※ 条件を満たせば有罪と書きましたが、厳密には、条件を満たしても別途、責任能力がないとして無罪になる可能性があります。今回の裁判では、被告が認知症だったことからこの点も争われていましたが、そもそも上記条件を満たさない時点で無罪ですので、責任能力についての判断はなされなかったと思われます。

~交通事故でお困りの方はご相談ください~

このように、交通事故でも難しい法的判断が必要になることがあります。
仮にそれほど争いがない事故であっても、謝罪・弁償して示談を結ぶ方法や、取調べでの答え方などわからないことが多いと思います。

普段、まったく犯罪に縁がない人でも犯してしまう可能性がある犯罪は交通関係の犯罪です。
もし、あなたやご家族が交通事故を起こしてお困りの際は、弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

あおり運転の罰則を新設へ

2020-03-05

あおり運転の罰則を新設へ

あおり運転の処罰規定の新設などを内容とする道路交通法改正案が閣議決定されたことについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【参考ニュース】
あおり運転を規定し、罰則を創設。道交法改正案を閣議決定

近年、社会問題化したあおり運転。
これまでも、あおり運転によって人身事故が起きれば、過失運転致死傷罪危険運転致死傷罪に問うことができました。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
4号 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

しかし事故に至らない場合、現在の道路交通法では、急ブレーキ禁止違反や車間距離保持義務違反として反則金納付点数減点をするぐらいしかできません。
苦肉の策として、刑法の暴行罪(2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料)などに問う事例もありました。

しかし、罰則を適用しやすくするために、あおり運転そのものが処罰の対象として明確に規定されることになるようです。

~法改正の内容~

今回の改正により、急ブレーキや車間距離の不保持、急な車線変更などを、通行を妨害する目的で、交通の危険のおそれがある方法により行うと、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となる予定です。

また、高速道路や自動車専用道路でほかの車を停車させるなどの著しい危険を生じさせた場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となる予定です。

懲役や罰金とともに、免許取消し処分になる規定も設けられるとのことです。

まだ閣議決定の段階ですが、スムーズに法改正が進めば、2022年をめどに施行されるようです。

他にも今回の改正により、75歳以上で一定の交通違反をした人に、運転技能検査を義務づけ、合格するまで免許を更新できない制度なども新設される予定となっています。

~事故を起こしたら弁護士にご相談を~

もし交通事故を起こし、逮捕された、警察の取調べを受けたといった場合には、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやって行えばよいのかなど、わからないことばかりだと思います。

ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

ひき逃げと時効

2020-02-28

ひき逃げと時効

ひき逃げ事件と時効について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【参考記事】
ひき逃げ死亡事件 時効まであと1年「自首してください…」息子亡くした両親の涙
Yahoo!ニュース(柳原三佳さん執筆)

ひき逃げ犯人が見つからないまま時効が近付いたり、時効が成立してしまったというニュースを見ることがあるかもしれません。

この参考記事は、被害者が路上で倒れているのが発見され、その後死亡した事故に関するものです。
警察はひき逃げと判断しましたが、目撃者や証拠が乏しいためか加害者が見つかっていません。

救護義務違反(助けずに逃げた部分の罪)はすでに時効が成立し、過失運転致死罪(事故を起こして死亡させた部分の罪)についても時効が迫っているとのことです。

~成立する犯罪~

ここで、ひき逃げ事件で成立する犯罪を確認しておきます。

まずは、交通事故を起こしてしまい、被害者を死亡させたことについて、過失運転致死罪が成立する可能性があります。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

さらに、被害者を救助せず逃げてしまった場合、道路交通法に定められた①被害者を救護する義務と、②警察官への報告義務に違反したことになります。
それぞれ以下のような刑罰が定められています。

①救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条2項)
 →10年以下の懲役または100万円以下の罰金
②報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
 →3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

~時効期間が異なる~

前述のように参考記事の事故では、救護義務違反はすでに時効が成立し、過失運転致死罪についても時効が迫っています。
犯罪によって時効期間が異なるので、このような違いが生まれています。

時効制度について詳しくはこちらをご覧ください
昔の犯罪で逮捕【時効】

このリンク先の解説を前提に説明しますと、過失運転致死罪は、①人を死亡させた罪で、②禁錮以上の刑罰が定められており、③死刑は定められていない罪で、最大で懲役7年ですので、刑事訴訟法250条1項3号により、時効期間は10年ということになります。

一方、救護義務違反報告義務違反は、被害者が死亡したか否かに関わらず成立する犯罪ですし、死亡に至る傷害は自動車がぶつかったこと自体から生じたことから、①人を死亡させた罪には当たらないこととなっています。
したがって250条2項が適用されます。
そして、救護義務違反は最大で10年の懲役ですから、4号に該当し、時効期間は7年となります。
報告義務違反は最大で懲役3か月ですから、6号に該当し、時効期間は3年となります。

したがって事故から9年が経過している参考記事の事故では、救護義務違反と報告義務違反のすでに時効は成立しており、過失運転致死罪については時効まで1年を切ったことになります。

~危険運転致死罪なら時効期間は20年~

仮に、飲酒運転で正常な運転が困難な状態で運転していたり、進行の制御が困難な速いスピードで走行して死亡事故を起こしたといった特に悪質なケースでは、より重い危険運転致死罪(自動車運転処罰法2条)が成立する可能性も考えられます。

この罪は①人を死亡させた罪で、②禁錮以上の刑罰が定められており、③死刑は定められていない罪であり、最大で20年の懲役ですので、刑事訴訟法250条1項2号により、時効期間は20年となります。
そうすると、事故から9年が経過した今回の事故でも、時効まであと11年近くあることになります。

しかし、すでに9年経過していることから、たとえ加害者がわかったとしても、当時のアルコールの数値やスピードを証明できず、危険運転致死罪を適用することは難しいと思われます。

~事故を起こしたら弁護士にご相談を~

時効が問題となっている場合に限らず、あなたやご家族が交通事故を起こした場合には、ぜひお早めに弁護士にご相談ください。
謝罪・賠償・示談締結などにより、被害者の方の被害の回復を図るとともに、加害者の方の早期釈放や軽い処分・判決に向けて活動してまいります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されていない事件では無料法律相談を、逮捕されて身柄拘束中の事件では初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

脅迫で取調べ

2020-02-24

脅迫で取調べ

脅迫の容疑で警察から取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県角田市に住むAさん。
同市内を運転中に、後続車からクラクションを鳴らされました。
カッとなったAさんは車を降りて後続車の運転席横まで行き、
「なに鳴らしてんだ、ナンバー覚えたからな、若い者連れて痛い目にあわせるぞ」
などと怒鳴りつけました。
後日、被害者からの相談を受けた宮城県角田警察署からAさんに連絡が入り、
「事情を聞きたいから角田署まで来てくれますか」
と言われました。
急に不安になったAさんは、弁護士に相談することにしました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~脅迫罪の可能性~

クラクションを鳴らされカッとなり、脅し文句を言って怒鳴りつけたAさん。
脅迫罪が成立する可能性があります。
条文を見てみましょう。

刑法第222条1項
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

Aさんの「なに鳴らしてんだ、ナンバー覚えたからな、若い者連れて痛い目にあわせるぞ」という言葉は、被害者の身元を特定し、複数名で暴行を加えることを想像させ、恐怖を与えるものといえます。

したがって条文の中の、「身体…対し害を加える旨を告知して人を脅迫した」に該当し、脅迫罪が成立する可能性があるわけです。

~道路交通法違反や暴行罪の可能性も~

また、後続車の進路をふさいだり、いわゆるあおり運転などもしていれば、道路交通法の急ブレーキ禁止や車間距離保持義務、安全運転義務に違反したとして、点数減点反則金納付などを強いられる可能性もあります。

また最近では、悪質なあおり運転を処罰するために、刑法の暴行罪で摘発される例もありますので注意が必要です。

刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

~今後の刑事手続きは?~

今回のように、被疑者を逮捕せずに捜査を進める事件を在宅事件と言います。

在宅事件では、警察からの呼び出しに応じて警察署に出向き、取調べや現場検証などの捜査を受けます。
一通りの捜査が終わると、捜査書類が警察から検察に送られます(書類送検)。
書類送検を受けた検察官は、さらに取調べなどの捜査をした上で、その犯罪をしたと疑われている被疑者を、刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

このうち起訴には①正式起訴②略式起訴があります。
①正式起訴されると刑事裁判が開かれ、事件によって懲役刑の実刑判決執行猶予判決罰金刑の判決を受けたり、まれに無罪判決がなされることになります。
一方、②略式起訴は比較的軽い事件でなされることが多いです。
法廷での刑事裁判は開かれず、簡単な手続で罰金を納付して終わるということになります。

さらに、より軽い事件などでは検察官が不起訴処分として、前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。

~軽い結果を目指すには~

出来るだけ軽い結果になるためには、相手に謝罪・賠償して示談するといったことが重要です。
しかし相手にとって、脅迫した本人と示談交渉をするのは心理的負担が大きく、スムーズに進まない可能性もあります。
また、取調べにはどう対応したら良いのかといった不安も強いと思います。

刑事事件に詳しい弁護士がアドバイスさせていただきますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
無料法律相談を行っておりますので、ぜひご利用ください。
なお、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスをご利用ください。

交通事故で取調べ

2020-02-15

交通事故で取調べ

交通事故で人を死傷させ、警察の取調べを受ける場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県涌谷町に住むAさん。
自動車を運転中に、一時停止の標識を見落としてしまい、減速せずに直進。
歩行者をはねてしまい、1人を死亡、もう1人を負傷させてしまいました。
Aさんは駆け付けた宮城県遠田警察署の警察官により、一通りの事情聴取を受けました。
後日、再び警察署に呼ぶと言われたAさん。
心配になって弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです)

~過失運転致死傷罪に~

自動車を運転中に不注意で交通事故を起こした場合、被害者が負傷すると過失運転致傷罪に、死亡すると過失運転致死罪に問われる可能性があります。
条文を見てみましょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

この条文の1文目では、被害者の負傷と死亡を合わせて「死傷」と規定し、どちらも法定刑(法律に定められた刑罰)は同じですが、死亡の方が重い判決となる傾向にあります。
また2文目により、被害者が軽い負傷にとどまった場合には、運転者の不注意の程度なども考慮の上、刑罰が免除される可能性があります(執行猶予とは別の制度です)。

Aさんの場合には、死亡と負傷が1人ずつという結果です。
したがって、理論的には過失運転致死罪過失運転致傷罪が1つずつ成立することになります。

ただ、1つの事故で2人以上の人を死傷させた場合、重い方の過失運転致死罪の法定刑の範囲で処罰されることになるでしょう(刑法54条1項参照)。
したがって、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となり、刑罰が免除される可能性はありません。
執行猶予が付く可能性はありますが、猶予期間中に何らかの犯罪をした場合には、猶予が取り消され刑罰を受けることになるという点が、完全に刑罰を受けることがなくなる刑の免除と違う点です。

なお、この刑事処分とは別に、免許停止免許取消処分になる可能性もあります。
死亡事故を起こした場合、過去3年間の交通違反での処分歴がなく、今回の事故の過失(不注意の程度)が軽い場合には90日間の免許停止になりますが、それ以外の場合は免許取消となります。

詳しくはこちらのページをご覧ください。
交通違反点数制度と一覧表

~弁護士にご相談を~

今後Aさんは、自宅から警察署や検察庁に行って取調べを受けたのち、裁判所に行って裁判を受ける流れが予想されます。
このように逮捕されていない事件を「在宅事件」と言います。

在宅事件では、逮捕されないという大きなメリットがありますが、逆に裁判が始まるまでの期間は、国の費用で弁護士を付けてもらえる国選弁護人の制度を利用することができません。
しかし、取調べにはどう対応したら良いのか、謝罪や賠償、示談などはどうやったらいいのかなど、わからない点が多いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
在宅事件では無料法律相談を、万が一逮捕されている事件では初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

ポルシェ暴走で懲役8年判決【危険運転致死罪】

2020-01-27

ポルシェ暴走で懲役8年判決【危険運転致死罪】

スピードオーバーで死亡事故を起こし、危険運転致死罪で懲役8年の実刑判決が下った事件の弁護側の主張について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【参考事例】
ポルシェで医師が暴走・追突…トラック運転手死亡 「危険運転罪」認め懲役8年判決

この事故は、2018年に兵庫県内の阪神高速においてポルシェがトラックに追突して横転させ、トラックの運転手を死亡させたというものです。

検察側は、60キロ制限の道路であおり運転をして216キロで走行して追突しており、危険運転致死罪が成立するとの主張をしていました。
一方、弁護側は、カーナビを操作してわき見運転をしてしまったのであり、過失運転致死罪にとどまるとの主張をしていたようです。

神戸地方裁判所は、検察側の主張の通り危険運転致死罪が成立するとして、懲役8年の実刑判決を下しました。

~弁護側の主張の意味は?~

弁護側の主張を見ると、
「カーナビを操作してわき見運転をしていたというのは、どっちにしろ悪いじゃないか」
と感じるかもしれません。
いったい、どういう趣旨の主張なのか、条文をもとにして考えてみましょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 省略
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

2条に定められた危険運転致死罪が成立するためには、その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為「によって」人を死させたと言えることが必要です。
すなわち、事故の原因がスピード違反にあると言えることが必要なわけです。
そうすると、いくらスピードを出していたとしても、事故の直接の原因がわき見運転であれば、危険運転致死傷罪は成立しない可能性があるのです。

一方、より刑罰が軽い5条の過失運転致死傷罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に成立します。
わき見運転も、「自動車の運転上必要な注意を怠り」にあたることは間違いないので、弁護側の主張によっても過失運転致死罪は成立することになります。

つまり弁護側としては、何とか刑罰が軽い過失運転致死罪にとどめようとしていたと言えます。

神戸地裁の判決は、この弁護側の主張は退け、検察側の主張を採用したことになります。
もしかすると、弁護士たちも主張が認められる可能性は低いと考えていたかもしれません。
それでも、刑事弁護人としての役割を出来る限り果たそうとしたということだと思われます。

~交通事故でも弁護士にご相談を~

交通事故を起こした場合、被害者への対応や警察事情聴取にどう対応したらよいか、わからないことが多いと思います。
特に人身事故の場合には、被害者に謝罪・賠償しなければならない他、事故原因によっては逮捕されたり、刑務所に入れられる可能性も上がってしまいます。

弁護士は、被害者に謝罪・賠償して示談をするための仲介役をしたり、取調べの受け答えの仕方をアドバイスするなどの方法により、被害者の被った損害の回復を図るとともに、加害者早期釈放やできるだけ軽い判決を目指すといった弁護活動をしてまいります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ぜひ一度、初回接見サービス無料法律相談をご利用ください。

怖くなって逃げてしまったら~ひき逃げ~

2020-01-14

怖くなって逃げてしまったら~ひき逃げ~

人をひいて、怖くなって逃げてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部解説します。

逮捕の男(64)直後に洗車か 死亡ひき逃げ事件〈宮城・石巻市〉
YAHOO!ニュース(仙台放送提供)

この事件は、自動車で人をひいてそのまま逃走し、自動車を洗車したというものです。

この逮捕された方が、人をひいたことに気付いていたのか、気付いていたとしたらどういう理由で逃げたのか、なぜ事故直後に洗車したのかはわかりません。
しかし、たとえ怖くなって冷静な判断ができなくなり、逃げてしまったという場合であっても、すぐに被害者を助けた場合と比べると、重い責任を負うことになってしまいます。

~人を死亡させた点について~

まず、自動車で人をひき、死亡させたことについては、少なくとも過失運転致死罪が成立するでしょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

さらに、ひいてしまった原因が飲酒運転スピード違反などで、特に悪質なケースでは、より重い危険運転致死罪が成立する可能性も考えられます。

第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(以下略)

~逃げた点について~

さらに、被害者を救助せず逃げてしまった場合、道路交通法に定められた①被害者を救護する義務と、②警察官への報告義務に違反したことになります。
それぞれ以下のような刑罰が定められています。

①救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条2項)
 →10年以下の懲役または100万円以下の罰金
②報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
 →3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

仮に、単純に気が動転して逃げたのではなく、飲酒運転の発覚をおそれて逃げてしまった場合には、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪という犯罪が成立する可能性もあります。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第4条
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、十二年以下の懲役に処する。

このように、ひき逃げをすると様々な犯罪が成立し、重い処罰を受ける可能性が出てきてしまいます。

~免許取消しも~

上記の刑事処罰とは別に、救護義務違反(ひき逃げ)の違反点数が35点ですので、一発で免許取消しとなります。
また、欠格期間が3年ですので、免許再取得も3年間はできないことになります。

詳しくはこちらのページをご覧ください
交通違反点数制度と一覧表

~お早めにご相談を~

ひき逃げなどで逮捕されると、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、ご本人やご家族は不安な点が多いと思います。
また、被害者のご遺族に謝罪・賠償できれば、罪が軽くなる可能性があります。
弁護士
はこのような不安点に対するアドバイスや、謝罪・賠償に向けたサポートをすることができますので、ぜひ一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
 接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。

また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料を行っております。

逮捕されると一気に手続が進んでいきますので、ぜひお早めにご相談ください。

公務員が飲酒運転で現行犯逮捕

2020-01-07

公務員が飲酒運転で現行犯逮捕

公務員が飲酒運転をして現行犯逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県内の某自治体の職員であるAさん。
ある日の夜、友人と飲み会を行い、遅い時間まで多量の飲酒をしました。
翌日朝、職場に出勤するために自家用車を運転していたところ、前を走る車に軽く追突してしまいました。
駆け付けた宮城県警の警察官が、Aさんが少し眠そうな顔をしていたことから呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコールを検出。
Aさんは現行犯逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~酒が抜けずに飲酒運転~

飲酒をして、ある程度時間を空けたから大丈夫だと思って自動車を運転したところ、まだ酒が抜けきっておらず、飲酒運転となってしまうことがあります。
運転する予定が翌日であっても飲みすぎには注意ですし、同じ飲酒量でも人によって基準値を下回るまでの時間が違う点にも注意が必要です。

飲酒運転は、一般的には軽い方が酒気帯び運転、重い方が酒酔い運転となります。

酒気帯び運転(呼気1リットルにつき0.15mg以上)の場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります(道路交通法117条の2の2第3号)。

酒酔い運転(アルコールの数値に関わらず、正常な運転ができない状態での運転)の場合の場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となります(道路交通法117条の2第1号)。

ただし、体質によっては少量の飲酒であっても正常な運転ができない状態となり、酒酔い運転と判断され、重く処罰されてしまう可能性があるので注意が必要です。

~ケガ人が出た場合~

追突された車に乗っていた人などがケガをした場合、過失運転致傷罪などに問われることが考えられます。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

また、違反点数も、酒気帯びはアルコール数値により13点または25点、酒酔いは35点です。
ケガ人がいる場合は、ケガの程度に応じてさらに点数が加算されてしまいます。
いずれにせよ免許停止や取消しが避けられません。

違反点数について詳しくはこちらをご覧ください↓
交通違反点数制度と一覧表

~公務員という特殊性~

公務員が飲酒運転をした場合であっても、一般の方と比べた時に、判決などの重さが必ずしも不利になるわけではありません。

しかし、一般の方の場合よりも世間の目が厳しく、刑事処分以外の点で不利になりやすいです。
実名報道がされてしまう可能性も高くなりますし、懲戒免職などの厳しい処分を受けることが予想されます。

職場からの処分や、刑事処分をできるだけ軽くし、再就職へ向けてスタートを切るためには、早期に釈放されることを目指した上で、被害者へ謝罪や賠償をして示談を結ぶといった対応が必要となってきます。
弁護士はこういった点をサポートできますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。

また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。

0120-631-881まで、ぜひご連絡ください。

岩手県でのスピード違反で逮捕

2019-12-30

岩手県でのスピード違反で逮捕

スピード違反で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
岩手県北上市に住むAさん。
車が好きで、よくドライブに出かけていましたが、スピードを出すことが楽しいと感じていました。
この日もスピードを出しまくり、制限速度を30キロ以上オーバーしてしまいました。
その直後、ハンドル操作を誤り、対向車に衝突。
対向車に乗っていた人にケガを負わせてしまいました。
Aさんは北上警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~スピード違反のペナルティ~

スピード違反をして、人にケガを負わせてしまったAさん。
制限速度を大幅にオーバーすると、想定外のことが起こったときに対処が難しくなったりするので、事故が起こりやすくなります。

まずはスピード違反をしたこと自体についての刑事処分についてご説明いたします。

スピード違反等の交通違反をした場合、本来は裁判を受けて罰金刑懲役刑になり、前科が付いてしまうのが原則的な形です。
しかし、交通違反は数が多いので、この形では検察庁や裁判所がパンクしてしまいます。
そこで、軽微な違反については反則金を支払うことによって、前科も付かずに手続を終了させるという制度が採られています。

しかしながら、重い違反の場合には原則通り、裁判で罰金や懲役となります。
スピード違反の場合には、一般道30キロ以上、高速道路が40キロ以上のオーバーで、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金になってしまいます(道路交通法118条1項1号、22条1項参照)。
したがって30キロ以上オーバーしていたAさんには、前科が付くことになるでしょう。

これに合わせ、30キロ以上50キロ未満のスピードオーバーだと6点の違反点数が科されます。
違反歴がなくても30日間の免許停止となってしまいます。

反則金や違反点数について詳しくはこちらをご覧ください。
【交通違反点数制度と一覧表】

~ケガをさせたことへの罰則~

スピード違反を原因として人にケガをさせてしまったAさんには、危険運転致傷罪または過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
2号 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

30キロ以上のオーバーをしていたとなると、「その進行を制御することが困難な高速度」に当たり、危険運転致傷罪が成立すると思われるかもしれません。
ただ、危険運転致死傷罪は成立範囲が狭く解されている上、直線道路だったのかカーブだったのか、見通しが良いか、道幅が広いか、雨が降っていたかなどによっても変わりうるため難しいところです。
ただ、これからの季節だと道路が凍結しているので、少しのスピード違反でも危険性が高い運転だったと判断される可能性も否定できません。

なお怪我をさせたことについても別途、違反点数が科されます。
点数は怪我の程度によりますので、詳しくは上記リンクをご覧ください。

~お早めに弁護士にご相談を~

スピード違反などで逮捕されると、ご本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、事件の内容を聴き取った上で、今後の見通しなどをご説明致します。
接見後には、接見の内容などをご家族にお伝え致しますので、それを聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。

また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料を行っております。

岩手県の事件の相談も受け付けておりますので、捜査を受けているといった場合には、ぜひお早めにご相談ください。

【関連リンク】
刑事手続きの流れや国選弁護人と私選弁護人の違いなどについてはこちらをご覧ください
逮捕事件で弁護士を雇うメリット【私選弁護人】

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