爆発事故で成立する犯罪
先日、福島県郡山市で、改装中の店舗で爆発事故が発生しました。
このような事故で関係者に成立しうる犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
~骨組みしか残らない大爆発~
7月30日に起こった郡山市内での爆発事故。
ガス漏れが原因の可能性があるようです。
鉄骨の骨組みしか残らない強い爆発でした。
工事関係者や店舗周辺に偶然居合わせた通行人らのうち、1人が死亡、約20人が重軽傷を負いました。
このような事故が起こった場合、原因を作ってしまった人には、以下のような犯罪が成立する可能性があります。
~業務上過失致死傷罪~
まずは業務上過失致死傷罪です。
刑法211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
ガス漏れなど爆発の原因となるような事態が生じないよう安全対策をしておくべきなのに、それが不十分であったことに関し過失があるとして、業務上過失致死傷罪が成立する可能性があります。
~業務上過失激発物破裂罪~
次に、業務上過失激発物破裂罪という犯罪も成立する可能性があります。
第117条1項
火薬、ボイラーその他の激発すべき物を破裂させて、第百八条に規定する物又は他人の所有に係る第百九条に規定する物を損壊した者は、放火の例による。第百九条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第百十条に規定する物を損壊し、よって公共の危険を生じさせた者も、同様とする。
第117条の2
第百十六条又は前条第一項の行為が業務上必要な注意を怠ったことによるとき、又は重大な過失によるときは、三年以下の禁錮又は百五十万円以下の罰金に処する。
条文が長くて分かりづらいですが、この業務上過失激発物破裂罪は簡単に言うと、
①業務上、必要な注意を怠り、
②火薬・ボイラーなど元々爆発する危険性のあるものを爆発させて、
③建物などを壊した
という場合に成立します。
罰則は3年以下の禁錮または150万円以下の罰金となります。
人が死傷した場合には、前述の業務上過失致死罪も成立し、その刑罰(5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金)の範囲内で処罰されることになりますが、死傷者が出なかった場合には、業務上過失激発物破裂罪の刑罰である3年以下の禁錮または150万円以下の罰金の範囲内で処罰されることが予想されます。
~お困りの際は弁護士にご相談を~
わざと事故を起こしたわけではなくても、このように様々な犯罪に問われてしまう可能性があります。
もちろん、執行猶予が付く可能性も考えられます。
しかし、あなたやご家族が過失により人を死傷させたり、建物を損壊してしまった場合、逮捕されるのか、された場合はいつ釈放されるのか、裁判手続きはどう進んでいくのか、被害者の方々にどうやって謝罪・賠償をすればよいのか、どれくらいの判決を受けそうかなど、不安だらけだと思います。
事件の内容に応じたアドバイスや、全ての関係者の方々にとって最善の解決となるよう弁護活動をしてまいりますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
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