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女装男性下半身露出で公然わいせつ罪①
女装男性下半身露出で公然わいせつ罪①
20代男性Aさんは、宮城県松島町の商業施設内で、女性Vさんに対して、履いていたスカートをまくりあげて下半身を露出した公然わいせつ罪の疑いで宮城県塩釜警察署に逮捕されました。
事件を起こしたとき、Aさんは、下着を身に着けずにスカートを履き、化粧やかつらをして女装していました。
同署管内では、スカート姿の男が下半身を露出しているという通報が相次いでおり、Aさんの服装と類似していることから、警察はAさんに余罪があると見て調べています。
(事実に基づいたフィクションです。)
~公然わいせつ罪~
公然わいせつ罪とは、「公然とわいせつな行為」をする犯罪のことです。
公然わいせつ罪の法定刑は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料です。
本罪の典型例は、事例のような公共の場で下半身を露出させるケースです。
ここでいう「公然」とは、不特定または多数人が認識することのできる状態のことを言います。
公共の場はもちろん、不特定多数が閲覧可能なインターネット上、路上等に駐車した自動車内でも周りから丸見えの状態であれば「公然」と考えられます。
事例における「商業施設」は、まさに不特定または多数の人がいる場所であるため、公然性は該当するでしょう。
ただし、実際に不特定または多数の人に認識されたことまでは必要ではなく、その時点では周囲に誰もいなかったとしても、いつ通行人の目に触れてもおかしくない状態であれば、公然性の要件に該当することになります。
公然わいせつ罪の保護法益は、健全な性秩序ないし性風俗です。
そのため、「わいせつな行為」とは、「その行為者またはその他の者の性欲を刺激興奮または満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するもの」とされています。(東京高判昭27・12・18)
「わいせつな行為」としては、性器や臀部、胸などを露出する、性行為や性行疑似行為などが該当します。
事例の「下半身を露出」する行為は、「わいせつな行為」に当たる可能性が高いでしょう。
なお、公共の場で身体の一部(尻など)を露出したが公然わいせつ罪が成立しない場合には、軽犯罪法第1条20号の身体露出の罪が成立する可能性があります。
身体露出の罪の罰則は、拘留または科料です。
~公然わいせつ罪の逮捕~
公然わいせつ罪は、公共の場で行われることが多い性質から、事件直後に逮捕される現行犯逮捕が一般的だと言われており、目撃者や現場近くの通行人、通報を受けて駆け付けた警察官に現行犯逮捕されることが多い傾向にあります。
しかし、「現行犯逮捕さえされなければ逮捕されない」というわけではありません。
防犯カメラや目撃者の証言を基に犯人を割り出し、逮捕状によって後日逮捕される「通常逮捕」もありえます。
・公然わいせつ行為を行なった後に逃亡に成功したとしても同じような目撃情報が相次いでいる場合
・ストリップ劇場などの風俗店が業としておこなっている場合
などは、警察による捜査が進められて、後日に通常逮捕されるケースもあります。
実際に弊所には、店でたびたび店員に陰部を露出して見せていた男性が、防犯カメラの映像と店員の証言が証拠となり逮捕されてしまったという相談も寄せられています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公然わいせつ罪で勾留を回避した実績のある弁護士が所属している刑事事件専門の法律事務所です。
最短即日対応の初回接見サービスや初回無料法律相談は24時間いつでも受付中です。
公然わいせつ罪に困った時は、弊所のフリーダイヤル0120-632-881まですぐにお問い合わせください。
次回の記事では、公然わいせつ罪と余罪の関係について触れていきます。
(宮城県塩釜警察署への初回接見費用:38,800円)
爆破予告で威力業務妨害罪
爆破予告で威力業務妨害罪
仙台市若林区在住のAさんは、仙台市役所に爆破を予告するメールを送信して仙台市役所の業務を妨害したとして、威力業務妨害罪の疑いで宮城県仙台中央警察署に逮捕されました。
Aさんは、ただの冗談のつもりで爆破予告メールを送信したのですが、逮捕されることになってしまって不安にかられています。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、刑事事件に詳しい弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)
~爆破予告で威力業務妨害罪~
今回の事例は、昨年11月に山形県米沢市役所に爆破を予告するメールが届いたという実際の事件に着想を得て作成しています。
実際に米沢市で起きた事件では、「市役所と市内の学校に爆弾を仕掛けた。21日から22日にかけて爆破させる」という内容のメールが米沢市役所に届きました。
出勤した職員がメールに気づき、警察に通報するとともに手分けして庁舎内や周辺を捜索したものの、不審物は見つからず、米沢市内の全ての小中学校でも同じく不審物は確認されなかったそうです。
山形県警察は、悪質な威力業務妨害事件として捜査を始めている、と報道されていました。
業務妨害罪とは、虚偽の風評を流布し、又は偽計を用いたり(刑法第233条:偽計業務妨害罪)、威力を用いたり(刑法第234条:威力業務妨害罪)して他人の業務を妨害することによって成立する犯罪のことです。
「業務」とは、職業その他の社会生活上の地位に基づいて反復継続する事務又は事業のことをいいます。
条文では、人の業務とありますが,個人の業務はもちろん法人の業務も含み、会社の経営などの営利目的や経済的な仕事だけに限られず、学校の運営や行事など精神的、文化的なものでもよいとされています。
業務妨害罪のうち、威力業務妨害罪(刑法234条)の成立要件は、「威力」を用いて「業務を妨害」することとされています。
「威力」とは,犯人の威勢・人数・四囲の状勢などからみて,人の自由意思を制圧するに足りる勢力を示すことをいうと解されており、暴行や脅迫よりも広い概念であるとされています。
偽計業務妨害罪との区別については、被害者に業務妨害となる障害を外見的に提示している場合は「威力業務妨害罪」、ことさら秘匿しているような場合は、「偽計業務妨害罪」が成立しているようです。
業務の妨害が暴力的態様で行われた場合,公然と行われた場合などは威力に当たると考えてよいでしょう。
爆破予告メールや電話は、威力業務妨害罪とされることが多いようです。
「爆破する」という内容のメールが市役所に届いた場合、市役所の職員が本来行う必要がない庁舎内や周辺の捜索を余儀なくされることが容易に想像できます。
そうすると、どのような業務を行うかの意思決定の自由が、Aさんの行為により制圧されているとして、威力業務妨害罪にあたると考えられるでしょう。
米沢市の事件では、子どもたちを避難させる、市役所の窓口業務がストップする、といった事態には至らなかったそうですが、警察に通報するとともに手分けして庁舎内や周辺を捜索が行われ、米沢市内の全ての小中学校でも点検が行われたと報道されています。
威力業務妨害罪の罰則は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
事例のAさんのように、冗談のつもりであったとしても,誰がどう見ても信じないような内容でもない限り、「ただの冗談のつもりだった。」と言う言い分は認められにくいでしょう。
冗談や悪戯のつもりでも犯罪になってしまうことがあるので、自分の投稿に不安がある場合には早めに弁護士に相談しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、威力業務妨害罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。
威力業務妨害罪で家族が逮捕された、威力業務妨害罪にあたりそうな行為をしてしまって不安という場合には、弊所の無料法律相談または初回接見をご利用ください。
(宮城県仙台中央警察署への初回接見費用:34,100円)
通貨偽造事件で裁判員裁判
通貨偽造事件で裁判員裁判
仙台市若林区に住むAさんは、お金に困って、自宅のカラープリンターで偽の一万円札20枚を製造し、このうちの1枚を同区内のスーパーで使用して商品を購入しました。
後からAさんの使用した一万円札が偽物であることに気付いた店員が宮城県仙台南警察署に通報し、店内の防犯カメラの映像によりAさんが犯人と特定されました。
Aさんは、通貨偽造・同行使の罪の疑いで、宮城県仙台南警察署により逮捕されてしまいました。
Aさんの両親からの依頼で、Aさんの初回接見に訪れた刑事事件に強い弁護士は、通貨偽造・同行使の罪は、「無期又は3年以上の懲役」という厳しい罰則が定められている罪だとAさんに説明しました。
(フィクションです。)
~通貨偽造・同行使の罪~
今回の事例のAさんが逮捕された通貨偽造・同行使の罪は、行使の目的で貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、偽造された貨幣等を行使する罪です。
刑法148条は、1項で通貨偽造等罪を、2項で偽造通貨行使等罪を規定しています。
刑法148条1項は、「行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は3年以上の懲役に処する。」と規定しています。
「通用する貨幣、紙幣又は銀行券」とは、日本で流通し、私たちがお金として使用しているお札や硬貨のことで、Aさんが使用した偽一万円札は、これに該当します。
作成された物は、一般人が、本物の通貨であると誤解してしまうような外観である必要があります。
一般人が注意して見れば偽物だとわかるような場合は、通貨偽造罪の「偽造」とはなりません。
今回の事例では、Aさんが偽一万円札を使用した際、その場ではスーパーの店員は偽造紙幣と気付いていません。
そのため、製造された偽一万円札は、一般人が、本物の通貨であると誤解してしまうような外観の程度に至っていると思われます。
権限のないAさんが通貨に似た外観のものを作成したとして、「偽造」にあたると考えられます。
「行使の目的」で「偽造」するとは、偽の通貨を真正な通貨として流通に置く目的、つまり、本物の通貨のように使用しよう、流通させようとして「偽造」することです。
教材用や作成技術の興味で作成した場合は行使の目的があるとはいえません。
事例のAさんに関しては、スーパーで商品を購入する際、真正な通貨として偽造の一万円札を使用し、これを流通に置いているという事情から、「行使の目的」も認められると思われます。
以上から、Aさんは「行使の目的で、通用する…紙幣…を偽造…した」として、Aさんには通貨偽造罪が成立する可能性が高いと思われます。
加えて、偽造した一万円札をスーパーで商品を購入するため使用した行為は、偽造通貨行使罪(刑法148条2項)。にあたり、Aさんには通貨偽造罪と同行使罪が成立すると思われます。
なお、少し難しい話にはなってしまいますが、通貨偽造罪と同行使罪は牽連犯(刑法54条1項)として処理されるため、Aさんの処断刑は無期又は3年以上の懲役となります。
通貨偽造・同行使の罪は、通貨に対する公共の信用と、取引の安全といった社会的法益を保護法益としていますが、同時に、国家の通貨発行権という国家法益に対する罪としても捉えられています。
そのため、通貨偽造・同行使の罪には、厳しい罰則が定められているのです。
通貨偽造・同行使の罪には無期懲役刑があるため、裁判員裁判の対象事件となります(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条1号)。
通貨偽造・同行使の罪は、厳しい処罰が定められている犯罪であり、起訴されれば裁判員裁判となってしまいます。
このような事件こそ、刑事事件専門の弁護士に依頼して、万全な弁護活動を行ってもらうことをお勧めします。
通貨偽造罪などの刑事弁護のご依頼は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご用命ください。
(宮城県仙台南警察署への初回接見費用:34,800円)
飲酒運転の取調べ前に
飲酒運転の取調べ前に
地方公務員のAさんは、宮城県角田市内の飲食店で飲酒した後、近くのコインパーキングに停めていた自分の車を運転して帰宅しようとしていました。
道中でカーブを曲がり切れずに自損事故を起こしてしまったことがきっかけで、飲酒運転が発覚し、酒気帯び運転の疑いで宮城県角田警察署にて取調べを受けることになりました。
同署によると、Aさんから酒のにおいがしたためアルコール検査をしたところ、呼気から基準値を超える数値が検出されたということです。
(フィクションです。)
~飲酒運転で犯罪に~
飲酒をして自動車やバイクなどを運転した場合に、飲酒運転となります。
飲酒運転をすると、道路交通法上の酒気帯び運転または酒酔い運転という犯罪が成立する場合があります。
酒気帯び運転は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(道路交通法117条の2の2第3号)となる可能性があります。
酒気帯び運転とは、体内のアルコール濃度が、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムを超えた状態で車を運転することを指します。
酒酔い運転は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金(道路交通法117条の2第1号)が科せられる可能性がある犯罪です。
酒酔い運転については、酒気帯び運転とは異なり、体内のアルコール濃度に関わらずアルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で運転をした場合に成立します。
酒酔い運転と酒気帯び運転では、酒酔い運転の法定刑の方がより重くなっています。
酒気帯び運転のアルコール濃度の基準については、例えば、体重70キロの方が缶ビール一本(350ml)を飲んだ程度で基準に達してしまうと言われています(個人差は有ります)。
対して、酒酔い運転については、アルコールに弱い人が飲酒運転をすれば飲んだお酒の量に関わらず酒酔い運転が成立するおそれがあります。
また、多量に飲酒すると半日程度たってもアルコールが残る場合があると言われています。
仮眠・休息後や翌朝の運転で検挙されている飲酒運転は数多く、「仮眠したから大丈夫」「水をたくさん飲んだから大丈夫」といった誤った認識が飲酒運転の一因になっているとされています。
酒気帯び運転や酒酔い運転は、危険性が高い悪質な犯罪行為なので、そのような恐れがある状態で車を運転することは絶対にやめましょう。
ただし、「やむにやまれぬ事情があって飲酒運転してしまった」「軽い気持ちで飲酒運転をしてしまったが今はすごく後悔している」という場合もあると思います。
そのような場合は、弁護士にご相談されて、少しでも刑事処分が軽くなるように弁護活動をおこなってもらうとよいでしょう。
弊所に寄せられる相談の中には、「警察に呼び出し(出頭要請)を受けて日程が決まっているが、今弁護士に相談しても間に合うか」という相談が時折あります。
出頭要請を受けてから弁護士に相談しても、決して遅くはありません。
警察や検察による取調べが控えている場合、可能な限り、取調べ前に弁護士のアドバイスを受けられることが望ましいです。
取調べでは、被疑者が警察官や検察官から事件について話を聞かれることになります。
取調べで被疑者が話したことは、全てのちの刑事裁判で証拠として使用されることになります。
取調べにおいてした供述が最終的な刑事処分に重大な影響を与えることから、取調べ対応を弁護士にあらかじめ聞いておくことが極めて重要なのです。
また、警察官や検察官による取調べを受ける際、被疑者が不当な不利益を被らないために、被疑者には法律上様々な権利が認められています。
これらの権利について弁護士に聞いておくことで、取調べを受けるときに権利を上手く利用してその後の刑事手続で不利な状況に追い込まれないようにすることもできます。
なお、警察や検察に出頭する日時を調整してもらうことになる場合でも、しっかりとした理由を説明して誠実に取調べに対応する意思があることを伝えられれば、逮捕される心配もなく、、不利な状況に追い込まれることもないので、ご安心ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、日々飲酒運転についての相談が寄せられています。
飲酒運転をして出頭要請を受けていてお困りの場合は、まずは無料法律相談をご利用ください。
(宮城県角田警察署への初回接見費用:44,200円)
オートバイ盗の少年事件
オートバイ盗の少年事件
宮城県白石市在住の17歳A君は、学校の友達とともにVさんの家の駐車場に停めてあったオートバイを盗みました。
ある日、宮城県白石警察署の警察官に呼び止められて職務質問をされた際、A君の乗っているオートバイが盗難車で、警察に被害届が提出されていることがわかりました。
A君は、宮城県白石警察署まで任意同行を求められ、逮捕はされなかったものの,在宅事件として、窃盗罪(オートバイ盗)の容疑で捜査される旨が告げられました。
後日再度取調べがあると警察官から言われたA君は、少年事件と刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所に無料相談しました。
(フィクションです。)
~オートバイ盗と少年非行~
オートバイ盗は、「二輪車盗」や「バイク窃盗」「バイク盗」「オートバイ窃盗」などとも呼ばれ、二輪車(オートバイ)の窃盗を行う犯罪のことです。
オートバイ盗は、刑法上の窃盗罪にあたります。
「オートバイ盗」、「万引き」、「自転車盗」、「占有離脱物横領」の4罪種・手口は、まとめて「初発型非行」と呼ばれています。
例えば、神奈川県の例ではありますが、神奈川県警察のホームページの「STOP!THE少年非行」というページによると、
平成29年中に神奈川県内で検挙・補導した刑法犯の少年のうち、万引き・占有離脱物横領・自転車盗・傷害・オートバイ盗で検挙・補導した少年(未成年者)は、刑法犯全体の68.4%を占めています。
刑法犯全体の28.8%を万引きが占め、占有離脱物横領13.4%、自転車盗13.1%、傷害6.6%、オートバイ盗6.5%と続きます。
また、乗り物盗(自転車盗、オートバイ盗及び自動車盗)で検挙・補導した少年は、少年の街頭犯罪の80.7%を占めているそうです。
万引きや乗り物盗は、出来心や遊びといった軽い気持ちでおこなってしまいやすいため、少年非行の入口となりやすいとされています。
これらの犯罪行為を行ううちに徐々に罪悪感が低下していくことで、やがて、悪い仲間からの誘いを断れず、薬物乱用や路上強盗、ひったくり等の非行に進む恐れがあります。
実際に、オートバイ盗で逮捕された少年は、「軽い気持ちで盗んだ。」と話す方がほとんどだと言われています。
ほとんどの少年は自分で使用する目的で犯行に及んでおり、転売等の譲渡目的で盗んだケースは稀だそうです。
オートバイ盗は、犯行形態が明らかであるため、犯行を認めている場合は、成人であれば逮捕されることなく、在宅で捜査される可能性が高いです。
しかし、犯人が未成年者の場合は、逮捕される傾向にあることには注意が必要です。
~少年事件の特徴~
少年が窃盗罪をはじめ、刑罰法令に該当する行為をしたときは、少年事件として少年法に基づいて手続が進められます。
犯してしまった罪の重さに応じて刑事罰を科すこと等が目的となる成人による刑事事件とは異なり、少年事件では、教育的観点からの矯正が重要視されます。
少年法は「少年の健全な育成を期し,非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う」ことを目的としており、少年事件では,この少年法の理念に基づいて手続を進めていきます。
どうすれば少年を更生させて再非行を防げるかを考えていくのが少年事件なのです。
少年事件では、犯した罪の大きさだけで処分が決まるのではなく、審判までに少年がどれだけ自分の問題点を自覚し、被害を実感したか、少年に再非行の危険性がどれほどあるかによって処分が違ってきます。
窃盗罪などの被害者のいる犯罪の場合、成人なら示談で被害弁償をすることで処分は軽くなります。
しかし、少年の場合は,生活環境や本人の性格等を考慮して再非行の危険性が高い場合,被害弁償をしたからといって,一概に処分が軽くなるとは限りません。
少年によっては、再非行性が高いとして、成人よりも処分が重くなることもありえます。
逆に、当初は少年に保護観察処分になる可能性も十分にありうるとされた少年事件でも、弁護士が被害者との示談交渉や少年の更生に向けた環境調整などを行い、意見書等において要保護性が解消されたことをしっかりと説明することで、審判不開始や不処分とされることもあります。
(審判不開始:家庭裁判所が調査の結果、審判を開始する必要がないと判断するときにおこなう審判を行なわないという決定のこと。)
少年事件では処分の見通しを考えるうえで,通常の成人の刑事事件と同様に考えるだけでは足りません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件だけでなく少年事件も多数取り扱う法律事務所です。
オートバイ盗の少年事件でお困りの場合は、まずは無料法律相談もしくは初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県白石警察署への初回接見費用:41,120円)
仙台空港の覚せい剤輸入事件
仙台空港の覚せい剤輸入事件
仙台市在住のAさんは、航空小包郵便物の中に覚せい剤5kgを隠して密輸したとして、仙台空港の宮城県岩沼警察署仙台空港警備派出所に覚せい剤の営利目的輸入の容疑で逮捕されました。
のちに、Aさんは覚せい剤取締法違反として起訴されて、裁判員裁判が開かれることとなりました。
覚せい剤の営利目的輸入の事件では、相当に重い刑罰を覚悟しなければならない、と聞いたAさんは、執行猶予付き判決か、実刑判決の場合刑期がなるべく短くなることを望んでいます。
そのために、Aさんは、刑事事件の弁護活動を専門とする弁護士を選任し、裁判員裁判へ向けての刑事弁護活動を依頼することにしました。
(フィクションです。)
~覚せい剤輸入~
覚せい剤の輸入・密輸を規制する主な法律は,
①覚せい剤取締法
②麻薬特例法(国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律)
③関税法があります。
今回覚せい剤を営利目的で輸入したとして覚せい剤取締法違反の疑いでAさんは起訴されています。
営利目的で覚せい剤を輸入した場合、同法41条2項により、「無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金」に処せられることになります。
(覚せい剤の輸入が営利目的でない場合については、法定刑が1年以上の有期懲役と規定されています。)
覚せい剤の輸入に関しては、営利目的にせよ、営利目的ではないにせよ、いずれも非常に重い刑罰が定められているといえるでしょう。
覚せい剤輸入について、このように非常に重い刑罰が定められている理由は、輸入行為が覚せい剤を新たに国内に出現させる行為であるためです。
日本で乱用されている覚せい剤の大部分は、海外から輸入されてきたものだと言われているため、覚せい剤が輸入されなければ、日本国内で所持や使用、譲渡、譲受といった覚せい剤事件も起こり得ません。
そのため、覚せい剤の輸入は、覚せい剤事件の大本となる行為だと言え、覚せい剤が社会に蔓延するのを防止するために、覚せい剤の輸入行為に対して非常に重い刑罰が定められているのです。
特に、営利目的で覚せい剤を輸入した場合、より違法性が大きいと考えられており、さらに重い刑罰が科せられます。
覚せい剤だけでなく、大麻など他の薬物でも同様の考え方で輸入が厳しく罰せられます。
覚せい剤に限らず、違法薬物を輸入してしまった場合は、重い刑罰を覚悟しなければならないと言えるでしょう。
~裁判員裁判~
今回のAさんは起訴されて、裁判員裁判が開かれることとなっています。
刑事裁判の中には、裁判官のみで開かれるこれまで通りの裁判と、裁判員と裁判官が一緒になって裁く裁判員裁判の2種類があります。
裁判員裁判の対象となるのは、
①死刑又は無期若しくは禁錮にあたる罪
②故意の犯罪により被害者を死亡させた罪
の事件の場合です。
覚せい剤の営利目的の輸入は、法定刑に無期刑が含まれているので、①により裁判員裁判の対象事件となります。
裁判員裁判では、連日にわたって集中した審理が行われるため、弁護士は入念な事前準備が必要になります。
また、裁判員裁判は通常の裁判官だけの裁判とは異なり、裁判員に分かりやすく説明する必要があります。
加えて、裁判員裁判の対象となるのは重い犯罪であるため、刑事弁護に詳しく裁判員裁判の経験がある弁護士に事件を依頼することをお勧めします。
覚せい剤輸入事件などで裁判員裁判の弁護活動に長けた弁護士をお探しの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご用命ください。
裁判員裁判の経験を持つ弁護士が、執行猶予付き判決及び減刑に向けた活動を全力で行います。
(初回法律相談:無料)
窃盗(置引き)で後日逮捕
窃盗(置引き)で後日逮捕
宮城県大崎市在住のAは、近所のスーパーに買い物に出かけた際、スーパーの駐輪場に停めた自転車のカゴに鞄を置いたままVさんが15m先のスーパー入口に入っていくところを見ました。
Aさんは、Vさんがスーパーに入店したことから、Vさんの鞄を置引きしてもどうせバレないだろうと思って、Vさんの鞄を持ち去りました。
Vさんは、スーパーに入って1分後、スーパーの入口から10m進んだところで、鞄を自転車のカゴに置き忘れたことに気付き、慌てて自転車まで戻りましたが、既に鞄はAさんによって持ち去られた後でした。
Vさんは宮城県鳴子警察署に被害届を提出し、防犯カメラの映像等からAさんがVさんのカバンを置引きした犯人であることが発覚し、Aさんは窃盗罪の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)
~置引きは窃盗罪または占有離脱物横領罪に問われる~
本件のAさんは窃盗罪で逮捕されていますが、置引きは、窃盗罪または占有離脱物横領罪に問われることになります。
では窃盗罪か占有離脱物横領罪のどちらになるかどのように決まるのでしょうか。
窃盗罪と占有離脱物横領罪の分かれ目となるのは、置引きした物が持ち主の占有下にあったかどうかです。
「占有」とは、財物が人の事実上の支配下におかれている状態のことをいいます。
持ち主の占有があった場合は、占有を侵害したとして窃盗罪、占有が無ければ占有を離れた他人の物を横領したとして、占有離脱物横領罪が成立します。
占有は、占有の事実という客観的要素と占有の意思という主観的要素から成り立ち、占有の有無は、占有の事実と占有の意思の相関関係より、社会通念に従って判断されます。
刑法上占有があるといえるためには、物に対する現実の所持又は監視を必要とするものではなく、物が所有者の支配力の及ぶ場所に存在すればよいとされました。
そして、占有者の支配内にあるか否かは、通常人ならば確かにその人の所有物だと納得出来るかどうかによって決まるとされています。
具体的にどのような事情から判断されるかというと、物が置かれている場所の性質や物から離れていた時間や距離、占有者が意識して置いたのか置き忘れたのかなどの事情から判断されます。
実際の裁判例では、公園のベンチにポシェットを置き忘れ、被害者がベンチから27メートル離れた時点でそれを置引きしたという事例において、窃盗罪の成立が認められています。
他の判例として、バス待ちの行列中にカメラを置き忘れた者が、約5分後約20m離れたところで気づいて引き返した場合について、カメラに対する被害者の占有が認めれ、窃盗罪が成立するとした例もあります。
本件では、Vさんは、スーパーの駐輪場に停めた自転車のカゴに鞄を置いたまま15m先のスーパー入口に入っており、スーパーに入って1分後、スーパーの入口から10m進んだところで鞄を置き忘れたことに気付いています。
本件の場合はVさんが鞄を占有していたと評価され、カバンを置引きしたAさんには窃盗罪が成立するとされる可能性があるものと思われます。
~後日逮捕~
窃盗罪は、犯行現場において現行犯逮捕されることが多い犯罪です。
一方で、犯行から時間が経ってから、後日逮捕(通常逮捕)される例もあります。
被害者の被害届が提出されており、防犯カメラの映像や目撃情報、被害現場や遺留品から検出された指紋・DNAなどの証拠が捜査過程で出てきた場合、後日逮捕される恐れが高まります。
特に昨今防犯カメラの設置の広まりや画像の高画質化により、防犯カメラの映像から検挙されるケースは年々増えています。
ただし、このような証拠がある場合でも、まずは逮捕せずに任意同行や任意出頭を求め、事情聴取するケースも多いです。
しかし、確たる証拠があるにもかかわらず容疑を否認する、任意同行や任意出頭を求められた場合に応じずに逃亡を図ったり証拠隠滅したりする可能性があるとみなされると、後日逮捕される可能性が高くなってしまいます。
置引き事件では、窃盗罪に当たるか占有離脱物横領罪に当たるのかの見極めは難しく、両者には量刑上大きな差があるため、どちらの犯罪に問われるのかが被疑者にとって重要な問題です。
どちらの罪に当たるのかによって、逮捕後身柄拘束を受ける可能性も異なります。
後日逮捕されるか不安な場合、ご自身の事件で疑問がある場合は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談してみてください。
(宮城県大崎市の事件の初回法律相談:無料)
外国人の売春防止法違反(周旋)
外国人の売春防止法違反(周旋)
仙台市青葉区のX国籍のAさんは、風俗店を持たず、風俗嬢を派遣する事業形態であるデリバリーヘルス(通称デリヘル)を経営しており、オプションとして本番行為ありのサービスを打ち出して、売春を行った従業員から売春の利益の一部を受け取っていました。
Aさんは、従業員に売春の客を周旋していたとして売春防止法違反の疑いで宮城県仙台中央警察署に逮捕されました。
Aさんと同じくX国籍を有するAの夫は、Aの日本語があまり流暢ではないことを心配しており、今後もAさんとともに日本で生活を送るためにはどうしたらよいか、刑事事件専門の弁護士に相談をすることにしました。
(フィクションです。)
~売春防止法違反~
売春防止法は、売春をすること、及び、その相手方となることを禁止しています(売春防止法第3条)。
「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手と性交することをいいます。
売春をする事も買春をする事も違法な行為となります。
しかし、単なる売春・買春を行うことに対する罰則は定められていないため、刑罰が科されることはありません。
その理由は、売春に陥った者は、刑事罰よりも福祉の救済を必要とする者であるという観点で本法が立法されていること、判断能力を十分に備えた者の性に関する行為はあえて刑罰の対象としなくてよいと考えられることなどが言われています。
売春防止法において、処罰対象となる行為には、売春を助長する行為等です。
・公衆の目に触れる方法での売春勧誘
・売春の周旋
・困惑等により売春をさせる行為やそれによる対償の収受
・売春をさせる目的での利益供与
・人に売春をさせることを内容とする契約を結ぶ行為
・売春を行う場所の提供
・人を自己の管理下において売春をさせることを業とする行為
・売春場所の提供を業とすること
・管理売春業のために資金等を提供する行為
などがあります。
今回の事例で、Aさんが疑われている売春の周旋は、同法6条で禁止されています。
「周旋」とは、仲立ちをして取り持つこと、間に入ってやり取りをスムーズにさせることを言います。
今回の場合、売春をする人と買春をする人の間を取り持つことを言います。
売春防止法に違反して売春の周旋を行うと、2年以下の懲役又は5万円以下の罰金となります(売春防止法6条1項)。
~外国人による刑事事件~
今回の事例のAさんは、X国籍をもつ外国人です。
逮捕された方が外国人であっても、刑事手続きは日本人に対するものと同様に進められます。
日本の刑事手続はすべて日本語で行われるため、外国人が逮捕されて取調べを受ける場合、大きな問題となるのが言葉です。
日本語がある程度話せる方ならそれほど問題にはなりませんが、今回の事例のAさんの夫は、Aさんの日本語があまり流暢ではないことを心配しています。
警察官や検察官の取調べにおいては、捜査機関の付した通訳もしくは通訳なしで進められます。
通訳が付されたとしても、捜査機関が付した通訳では公平な立場から通訳がされている保証はありません。
被疑者が手続きを理解するためや取調べにあたって、通訳が適切になされることは非常に重要であり、一言一句毎に正確に通訳される必要があります。
正確に通訳されなければ、被疑者の主張が正しく伝えられないことになってしまいます。
そもそも、外国人に限らず、ほとんどの方にとって、逮捕されて取調べを受けることはなかなか経験することではありません。
まして外国人の場合、母国と日本の文化や刑事手続きの違いに戸惑うことも多いでしょう。
言葉の問題以外にも、外国人の刑事事件の場合、在留資格や退去強制が問題となります。
刑罰法令違反により一定以上の有罪判決を受けた場合、退去強制手続に付され、いわゆる強制送還されることとなる可能性があります。
外国人事件で有罪判決が見込まれる場合で、かつ、事件後も日本での生活を望んでいる場合には、この退去強制手続に付されるか否か、在留資格の更新ができるかが非常に重大な問題となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、日本語でのコミュニケ―ションに不安がある方に対して、通訳人を手配して通訳をお付けすることが可能です。
初回接見をご依頼いただいた場合、弁護士が通訳人とともに逮捕された方のもとへと接見に伺うことも可能です。
逮捕されている方が外国人の場合でも、まずはフリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。
(宮城県仙台中央警察署への初回接見費用:34,100円)
少年鑑別所送致の家族をサポート
少年鑑別所送致の家族をサポート
宮城県角田市在住の16歳高校生Aさんは,友人らとともに傷害事件を起こし、宮城県角田警察署に逮捕されました。
逮捕後Aさんには、勾留決定が出て、宮城県角田警察署の留置場に勾留されましたが、事件が家庭裁判所に送致されると、Aさんの身柄は仙台少年鑑別所に移されました。
Aさんは、最近はほとんど通学しておらず、友人らと深夜まで遊び歩く日が多くなっていました。
Aさんの両親は、注意してもAさんが生返事ばかりを返すこと、Aさんが荒れることが多くなったことから、Aさんを避けるようになっていました。
Aさんの両親は、事件を機に、Aさんにしっかり向き合いたいと考えています。
Aさんの両親は、宮城県内で少年事件に強い弁護士に相談して、少年鑑別所とは何か、なぜ少年鑑別所に移されたのか、Aさんの更生のために両親ができることは何か、尋ねました。
(フィクションです。)
~宮城県角田警察署の留置場から仙台少年鑑別所へ移されたのはなぜか?~
今回の事例のAさんは、逮捕後に勾留決定が出て、宮城県角田警察署の留置場に勾留されていましたが、事件が家庭裁判所に送致されると、仙台少年鑑別所に移されています。
Aさんの傷害事件が家庭裁判所に送られるまでの間は捜査段階と呼ばれます。
捜査段階では、少年は警察官や検察官の取調べを受ける等の捜査を受けることになります。
捜査段階では、捜査の必要性が高いこと、捜査機関の都合もあって,Aさんのような少年であっても成人と同様に警察の留置場に勾留(身柄拘束)されることが多いです。
一方、事件が家庭裁判所送致された後は,少年の更生や少年審判に向けて,少年の資質や性格,家庭環境,保護者の監督能力の調査,環境の整備等に主眼が置かれます。
送致を受けた家庭裁判所は、審判を行うため必要があるときは、観護措置として、家庭裁判所調査官の観護に付する(1号)ことの他、少年鑑別所に送致することができます(17条1項2号)。
少年鑑別所とは、犯罪、非行を犯した少年を、医学、心理学、社会学、教育学等の専門的な知識に基づいて、資質、及び環境の調整(鑑別)を行う施設です。
少年が被疑者のときに逮捕・勾留されていた場合、多くは家庭裁判所送致の際に少年鑑別所に送致されます。
少年鑑別所は、基本的に一都道府県に一ヶ所設置されており、宮城県内では、仙台市若林区に仙台少年鑑別所が設置されています。
少年鑑別所に収容する期間は2週間、特に継続の必要があるときは1回だけ更新することができるため、最長で4週間の間少年鑑別所に収容される可能性があります。
~少年鑑別所と少年院の違い~
少年鑑別所と、よく混同される施設に少年院がありますが、少年鑑別所と少年院とは全く性質の異なる施設です。
少年院とは,家庭裁判所で少年院送致という保護処分が出た後に収容される施設です。
少年院は、少年をその特性に応じた適切な矯正教育その他の在院者の健全な育成に資する処遇を行うことにより、在院者の改善更生及び円滑な社会復帰を図ることを目的とする施設です(少年院法1条)。
一方、少年鑑別所とは,家庭裁判所で保護処分が出る前に、保護処分の決定をするために必要がある場合に収容される施設です。
少年審判に向けて,少年の資質や性格などの調査を行うことを目的しており、調査結果は、「鑑別結果通知書」として家庭裁判所に送られ、少年審判での保護処分の決定のための資料として活用されます。
少年鑑別所は少年の鑑別を行う施設であるため、警察署の留置場や、少年院ほどは規則が厳しくなく、日中は、学習や、読書、運動、教官との面談をして過ごします。
テレビの視聴や購入した菓子類を食べることもでき、平日の決められた時間であれば家族と面会することができます。
~少年の更生のために両親ができること~
少年事件では、どうすれば少年を更生させて再非行を防げるかが重要視されます。
そのため、審判までに少年がどれだけ自分の問題点を自覚し、被害を実感したか、少年に再非行の危険性がどれほどあるかによって処分が違ってきます。
例えば、被害が小さくても、少年の周囲の環境に問題がある場合は、非行をする原因となった環境をそのままに少年を元の生活に戻してしまったのでは、再び非行をする可能性があります。
少年事件で軽い処分を望む場合には、ご両親が少年と向き合って、非行をした原因を見つけて改善していかなくてはなりません。
非行の原因が家庭環境にあることもありますが、その場合、少年や両親だけでは改善することが難しいかもしれません。
そのような場合こそ、少年事件に詳しい弁護士に依頼することをご検討ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、ご両親が少年と向き合うお手伝いから、少年が更生するための環境改善の提案、環境調整まで、少年の更生の手助けを行うことができます。
少年事件でお困りなら、まずは、無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
(宮城県角田警察署への初回接見費用:44,200円)
ネグレクトで保護責任者遺棄致死罪
ネグレクトで保護責任者遺棄致死罪
宮城県栗原市に1歳の長女Vと暮らすシングルマザーのAは、Vの育児に疲れ果てて、Vに十分な食事や水分を与えないようになりました。
ある雪の降る寒い日、暖房をつけていない部屋にVを残して、Aが丸1日外出して帰宅したところ、Vはひどく衰弱していました。
翌日病院に連れて行こうとAは考えていましたが、翌朝にはVが動かなくなっていました。
Aは、消防署と警察署に連絡して、消防職員によってVの死亡が確認されました。
Aは、保護責任者遺棄致死罪の疑いで宮城県警察若柳警察署に逮捕されました。
(フィクションです。)
~ネグレクトと保護責任者遺棄罪~
昨年12月13日、盛岡地裁で、当時1歳9か月の長男に対して十分な食事や水分を与えないまま自宅に放置して死なせたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた父親に対する裁判の判決公判が開かれ、懲役5年の実刑判決が言い渡されました。
裁判長は「妻と別居状態で唯一の保護責任者だったにも関わらず、最低限の保護すら尽くさず犯行態様は悪い」と述べた上で、「逮捕当初から犯行を認め反省の言葉を述べている」などとして懲役6年の求刑に対し、懲役5年の実刑判決を言い渡したそうです。
今回の事例や、盛岡地裁で判決が言い渡された事件のように、幼い子どもに十分な食事や水分を与えないまま放置して死なせてしまうという痛ましい事件が時折報道されます。
子供が健康に生活していくための衣食住の世話や保護をせずに,親としての責任を放棄して子供を放置しておくことは、ネグレクトや育児放棄と呼ばれます。
具体的には、食事を与えない,着替えや入浴をさせずにひどく不潔にする、家に閉じ込める、病気の子どもを病院に連れて行かない、などの行為がネグレクトに当たるとされます。
ネグレクトは保護責任者遺棄罪に当たる可能性があります。
保護責任者遺棄罪は、保護義務のある人が扶助を必要とする人(幼児や高齢者、身体障害者、病人など)を遺棄する、あるいはその人が生存に必要な保護をしない場合に成立しうる犯罪です。
ここでいう保護責任が認められるのは、典型例としては親の子に対する義務、夫婦間の扶助義務、看護契約・事務管理により重病人を看護する義務がある場合です。
ここで言う「遺棄」とは、保護を要する人を保護のない状態に置くことにより、その生命・身体を危険にさらすことを指しています。
保護すべき人を場所的に移動させる行為(移置)だけでなく、置き去りのように危険な場所に放置する行為も含んでいます。
保護責任者遺棄罪には、保護すべき者に対して、生存に必要な保護をしない行為(不保護)も含まれています。
今回のAのケースについて検討してみます。
1歳の子供にとって扶助は必要であり、Aはシングルマザーであるため、AがVの唯一の保護責任者だと考えられます。
その子供に十分な食事や水分を与えず、雪の降る寒い日に暖房をつけていない部屋にVを残して丸1日外出するというのは、保護すべき者に対して生存に必要な保護をしなかったという「不保護」に当てはまると考えられます。
そして、Aの「不保護」の結果、長女Vは亡くなっていますので、保護責任者遺棄致死罪に問われる可能性が高いと思われます。
保護責任者遺棄致死罪は、刑法第219条において、傷害の罪と比較して重い刑により処断するとされているため、3年以上の有期懲役と非常に重い刑が科せられることになります。
~殺人罪との区別~
保護責任者遺棄致死罪の場合には、殺人罪との区別が問題となる場合があります。
事例のように、子どもに食事を与えず死亡させた行為形態の場合、保護責任者遺棄致死罪ではなく殺人罪が成立する場合もあります。
殺人罪か保護責任者遺棄致死罪になるかは、保護をしなかった者にどのような認識があるのかという点で区別されます。
助けを必要とする者が、死んでもよい、ないしは、死んでもしかたないという風に考えていた場合には、未必の殺意があるとして殺人罪が成立します。
これに対し、死んでしまうとは考えていなかったような場合には、保護責任者遺棄致死罪が成立します。
~保護責任者遺棄致死罪に問われたら~
保護責任者遺棄致死罪の刑事事件では、不起訴処分となる見込みは極めて薄く、ほぼ間違いなく検察官によって起訴され、裁判(公判)が開かれることが見込まれます。
行為態様や被害者との関係などによっては、かなり長期の実刑判決が言い渡されることも珍しくありません。
保護責任者遺棄致死罪は、成立するかどうか難しい犯罪であり、法的な評価など多岐にわたる点が争いになりえます。
加えて、保護責任者遺棄致死罪は,裁判員裁判で審理されることになります。
そのため、刑事事件と裁判員裁判に対する豊富な知識と経験、スキルが要求される犯罪類型といえます。
不当に重い量刑を避ける、執行猶予付きの判決を得るためには、刑事事件及び裁判員裁判に精通した弁護士に依頼して、被告人にとって有利になる事情をしっかりと主張し、公判で認定してもらうことが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、裁判員裁判の経験豊富な弁護士が多数在籍しています。
保護責任者遺棄致死罪など裁判員裁判対象事件でお困りの場合は、まずは、無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
