威力業務妨害事件の自首

威力業務妨害事件の自首

ある日、宮城県石巻市役所に「○月〇日○時に爆弾をしかけて石巻市役所を爆破する」という内容の手紙が届きました。
石巻市役所では、職員や市民が避難して多数の警察官が警戒に当たりましたが、実際には上記日時前後には何も起きませんでした。
爆発物も見つからなかったため、宮城県石巻警察署では威力業務妨害罪の容疑で捜査を開始しました。
犯人はまだ特定されていません。
(フィクションです)

~威力業務妨害罪~

威力を用いて人の業務を妨害した場合、「威力業務妨害罪」が成立します。
威力業務妨害罪で起訴された場合は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」になる可能性があります。
「威力」とは、人の意思を制圧するに足る勢力のことで、暴行・脅迫にとどまらず、そこまでに至らない行為であっても、およそ人の自由な意思を制圧するような勢力の一切を含んでいます。
そのため、上記事例のような場合は、偽計業務妨害罪との判別が難しい所ですが、爆破予告は、「威力」であるとされることが多く、威力業務妨害罪にあたる可能性が高いです。

~自首~

上記事例では、爆破予告に対して捜査機関による捜査が開始されることになるでしょう。
しかし、上記事例では、まだ犯人が特定されていません。
このようなケースで、犯人が名乗り出た場合には、「自首」が成立するのでしょうか?

罪を犯した人が、自ら捜査機関に対して、自分が犯した罪を自発的に申告し、その処分を求める意思表示をすることを「自首」といいます。

(自首等)
第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

自首の成立要件は、実務では、以下の4点となっており、これらの要件を充たしている場合に、はじめて自首が成立するとされています。
(1)犯罪を起こした本人自らが自発的に犯罪事実を申告していること
(2)犯罪を行った本人が自身の罰則や処分を求めていること
(3)捜査機関に申告していること
(4)捜査機関が犯罪事実や犯人を特定していない段階で申告していること

刑の減軽については刑法第68条が定めています。

第六十八条 法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による。
一 死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は十年以上の懲役若しくは禁錮とする。
二 無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、七年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
三 有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。
四 罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。
五 拘留を減軽するときは、その長期の二分の一を減ずる。
六 科料を減軽するときは、その多額の二分の一を減ずる。

上記事例のケースで、犯人に対して威力業務妨害罪が成立する場合について考えてみます。
有期懲役なら長期及び短期の2分の1に、罰金なら多額及び寡額の2分の1に減軽されるので、1年6か月以下の懲役又は25万円以下の罰金の範囲内で刑罰が科される可能性があることになります。

刑事事件を起こしてしまった場合、自首が成立すると刑が軽くなる可能性があるため、自首することもひとつの選択肢です。
法律上は、必ず刑が軽くなるという規定ではありませんが、実際の裁判では、自首が成立する場合には情状面で相当程度斟酌され、自首が成立しない場合よりも少なからず刑が軽くなるのが一般的です。
加えて、自首することにより、逮捕や勾留のリスクを下げることができます。
自ら犯罪を捜査機関に申告するということは、逃亡する意思や証拠隠滅を行う意思がないものと評価され、逮捕・勾留といった身体拘束の必要性がないと判断されることにつながるためです。

自首にはメリットも多いですが、自首の各々の要件については、法律的な判断が必要です。
例えば、ご自身に嫌疑がかかった後に自ら捜査機関に出向いても、「自首」にはなりません
(裁判になって自首の成立を主張する場合、しばしば「捜査機関に発覚する前」であったかどうかが争いになります。)
また、自首は犯人である事を名乗り出るわけですから、取調べや、逮捕・勾留と言った刑事手続きが開始されることになります。
そのため、自首の前には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談をご利用ください。
刑事事件専門の弁護士が、自首のリスクや刑事手続きの流れを説明し、取調べの際のアドバイスをすることも可能です。
初回法律相談は無料ですので、威力業務妨害罪でお困りの方はまずはフリーダイヤル0100-631-881までお電話ください。
(宮城県警察石巻警察署までの初回接見料:43,200円)

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