児童ポルノ所持で不起訴処分

児童ポルノ所持で不起訴処分

30代男性Aさんは、インターネットの児童ポルノ販売サイトを利用して、同サイトから児童(18歳未満の者)が他人と性交する場面等の映像が映されたDVD5枚を購入しました。
AさんがDVDを購入したしばらく後に、この販売サイトを運営していた会社が宮城県古川警察署に摘発され、会社が所有していた顧客名簿が押収されました。
Aさんの名前や住所が顧客名簿にあったことから、Aさんは自宅の家宅捜索を受け、購入した児童ポルノを押収されました。
警察官からは、「後日、児童ポルノ単純所持罪の取調べのために警察署まで来てもらう」と言われています。
不安になったAさんは、刑事事件に強い弁護士無料法律相談を申込み、不起訴処分を獲得できないか相談しました。
(フィクションです。)

~ 児童ポルノ ~

児童ポルノの所持については,「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、この頁では「法」と書きます。)で禁止されています。

児童ポルノ」とは,写真,電磁的記録に係る記録媒体(BL,DVD等)その他の物で,法2条3項各号に掲げる姿態を描写したものと定義されています。
以下のような写真や電子記録が「児童ポルノ」に該当します。

・児童との性交渉・性交類似行為にあたるもの
・児童が性器を触るなどの行為を撮影したもの
・服の一部を着ていない状態で、性器や臀部・胸部などが強調されたもの

~ 児童ポルノ所持罪は所持の目的によって罰則が異なる ~

児童ポルノ所持罪と言っても、法では,以下のように,所持の目的によって異なる罰則を設けています。
1 自己の性的好奇心を満たす目的での所持:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(7条1項)
2 児童ポルノの提供目的での所持:3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(7条3項)
3 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供する目的での所持:5年以下の懲役も若しくは500万円以下の罰金,又は併科(7条7項)
このうち、1の「自己の性的好奇心を満たす目的での所持」は、一般的に「児童ポルノ単純所持罪」と呼ばれています。
平成27年の法改正によって、それまで処罰の対象となっていなかった児童ポルノの単純所持も刑事罰の対象となりました。

近年、児童ポルノ関連の取締りが厳しくなってきています。
児童ポルノ単純所持事件の場合、事例のように、販売元が摘発されたことによりその購入者の児童ポルノ所持が警察に発覚することがあります。
Aさんのように販売元からDVDを購入したケースでなく、ダウンロード購入した場合であっても、サイトへのアクセス履歴をたどって個々のダウンロード購入者にまで捜査の手が及ぶ場合があります。
児童ポルノを所持してからある程度の期間を置いて事件が発覚する可能性があるため、児童ポルノを所持している本人が捜査されていることに気づかぬまま、ある日突然,警察が家宅捜索や逮捕にやってくるという事態がありえるのです。

~ 不起訴獲得のための情状主張 ~

刑事処罰が下されることはなく、したがって前科も付かずに刑事手続きを済ませたいという場合は、不起訴処分を獲得するのが一つの方法です。
不起訴処分とは、検察官が裁判にかけることはしないという処分のことです。
事実関係に争いがない事件で不起訴処分の獲得を目指すのであれば、容疑をかけられている人にとっての有利な事実(情状)を、担当する検察官に対してアピールする必要があります。
児童ポルノ単純所持罪において勘案される事実としては,犯情(犯罪にかかわる情状)に関わる事実として、所持に至った経緯,動機,児童ポルノの内容,所持数,児童への被害の有無・程度などがあります。

一般情状(犯情以外の情状)に関わる事実としては、反省の程度、再発防止策・適切な監督者の存在、(事案によりますが)被害弁償や示談成立の有無、社会的制裁の有無などといった点が考えられるでしょう。

不起訴処分の獲得のためには、犯情や一般情状について検察官に適切に主張していくことが必要です。
ただ、容疑をかけられている本人が取調べの際にそうした事情を話しても、なかなか捜査機関は聞いてくれないといったことがありえます。
そのような場合は、弁護士に依頼することで、弁護士からしっかりと書面にまとめて提出する、必要な場合は検察官と協議するなどして確実に伝えていくことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件専門の法律事務所であり、これまでの多数の不起訴処分を獲得してきました。
児童ポルノ所持事件などで不起訴処分を獲得したいなどとお考えの方は,無料法律相談や初回接見サービスのご利用をご検討ください。

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