タバコの消し忘れで失火罪

タバコの消し忘れで失火罪

宮城県角田市のアパートに住んでいるAさんは、自宅でうっかりタバコの火を消し忘れたまま外出してしまい、アパートに火事を起こしてしまいました。
消火活動が行われて火事が収まった後、Aさんは、宮城県角田警察署の警察官から火事について話を聞きたいと言われ、取調べを受けることになりました。
Aさんは、放火を疑われているのではないか、不注意で火事になってしまったことを取調べで話して理解してもらえるか不安に感じて、刑事事件専門の法律事務所無料法律相談に行きました。
(フィクションです。)

~放火罪と失火罪~

火にまつわる犯罪として有名な罪には、放火罪があります。
放火罪は,故意に(わざと)物を燃やした場合に成立する罪です。
刑法には、放火罪とは別に失火罪という犯罪が規定されています(刑法116条)。
放火罪も失火罪もどちらも人の手によって物が燃えた場合に成立する犯罪ですが、失火罪は,過失による出火によって物を燃やした場合に成立します。
失火とは、簡単に言えば不注意や間違いによって出火させてしまうことです。
具体例としては、Aさんのようなタバコやコンロの消し忘れ、仏壇のろうそくが倒れた等によって出火させてしまうことなどが挙げられます。
失火罪となった場合の法定刑は、「50万円以下の罰金」と定められています。

【失火(116条)】
(1項)
失火により、第108条に規定する物又は他人の所有に係る第109条に規定する物を焼損した者は、50万円以下の罰金に処する。
(2項)
失火により、第109条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第110条に規定する物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。

一方、放火罪では、焼損した建造物等の性質によって成立する放火罪・その法定刑が異なりますが、失火罪と違ってわざと出火させているため、規定されている刑罰も非常に重くなります。

【現住建造物等放火(刑法108条)】
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期もしくは5年以上の懲役に処する。
【非現住建造物等放火(109条1項)】
(1項)
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。
(2項)
前項の物が自己の所有に係るときは、6月以上7年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じさせなかったときは、罰しない。
【建造物等以外放火(110条1項)】
(1項)
放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
(2項)
前項の物が自己の所有に係るときは、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

放火罪で起訴された場合は、公開の裁判を受けることになる可能性が非常に高く、現住建造物等放火罪に問われている場合は裁判員裁判にもなります。
現住建造物等放火罪は、法定刑が「死刑・無期・5年以上の懲役」と非常に重く、殺人罪と同じ法定刑です。
現住建造物等放火罪の場合は、実刑つまり刑務所に入らなければならなくなる可能性もかなりありますから、失火罪なのか放火罪なのかということは被疑者・被告人にとっては非常に大きな違いとなります。

今回の事例のAさんは、うっかりタバコの火を消し忘れてアパートに出火させていますから失火罪となる可能性が高いと考えられます。
失火で起こした火事を放火罪として扱われてしまうと、重大な冤罪となってしまいます。

不注意で火事になってしまったことをうまく取調べで話して理解してもらえるか、放火を疑われているのではないか等失火罪の取調べ対応で不安に感じている場合は、弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見や無料相談をしていただいた場合、有利・不利な事情の選別と今後の見通しを伝えた上で、取調べにどのように対応したらよいかの具体的な法的アドバイスをしています。
取調べ前に対応方法を聞くことで、不安の解消にも繋がりますので、お気軽に無料法律相談をご利用下さい。
(宮城県角田警察署までの初回接見費用:44,200円)

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