入店拒否され器物損壊で逮捕

入店拒否され器物損壊で逮捕

マスクせずに入店しようとしたが断られ、逆上して店の物を壊して逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県仙台市に住むAさん。
ある飲食店に入店しようとしたところ、マスクをしていないことを理由に入店を断られました。
断られたことに腹を立てたAさんは、店入口付近にあった棚を蹴って壊してしまいました。
そのまま帰宅したAさんでしたが、防犯カメラ映像などから、棚を壊したのはAさんであることが発覚。
仙台東警察署の警察官により逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~器物損壊罪が成立~

昔から、店員の態度に腹を立て、店の備品を壊して逮捕されたり、警察の事情聴取を受けるといった事件はありました。
最近では、上記事例のようにコロナに関連して、店の備品を壊すなどの事件も実際に起きています。

今回のAさんのように店の備品を壊した場合、器物損壊罪が成立することになります。

刑法261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

~建造物損壊罪が成立する場合も~

今回は棚を壊したという事例でしたが、例えば、壁を蹴って穴を空けたといった場合には、建造物損壊罪という別の犯罪が成立する可能性があります。

第260条
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

建造物損壊罪は、中にいる人に危険が及ぶということで、人が死傷しない場合であっても5年以下の懲役と定められています。

実際にどれくらいの刑罰を受けるのかといった結果は、どれくらい壊したのか、被害金額、反省態度、賠償したかどうかといった事情により大きく異なります。
しかし、中にいる人に危険が及ぶ悪質さがあるということで、器物損壊罪よりも重い刑罰も科されうる規定となっているわけです。

~他にも様々な犯罪が成立する可能性が~

他にも、店員に暴行を働いてケガをさせれば傷害罪が、ケガをしなくても暴行罪が成立します。

第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

店員を脅して無理やり入店すれば強要罪が成立する可能性もあります。

第223条1項
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。

入店拒否されたことをネットに書き込んで店を利用しないよう促したり、嫌がらせの電話などをすれば、偽計業務妨害罪が成立する可能性もあります。

第233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

もちろん、実際に入店拒否された人ではなく、ネットなどで入店拒否の事実があったことを知り、入店拒否した店に嫌がらせをした人も、偽計業務妨害罪に問われる可能性があります。

このように、ついカッとなってしてしまった行為や、ある種の正義感に基づいた行為などにより、犯罪が成立してしまう可能性があるのです。

~弁護士にご相談を~

あなたやご家族が、上記のような行為で逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、一体何があったのか、どんな犯罪に問われているのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、取調べではどのように受け答えしたらいいのかなど、わからないことだらけだと思います。

今後の見通しをご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談下さい。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事故を含めた刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら