銃刀法違反事件で寛大な処分を得たい場合

銃刀法違反事件で寛大な処分を得たい場合

銃刀法違反事件で寛大な処分を得たい場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

宮城県石巻市に住むAさんは,刃渡り6センチを超えるレジャーナイフ2本を車の中に所持し,同市内を走行していました。
自動車の運転中,すれ違った宮城県石巻警察署のパトカーに車を停止するように言われ,職務質問を受けました。
Aさんは宮城県石巻警察署の警察官による車内の任意の捜索に応じた結果,レジャーナイフ2本が運転手の近くのダッシュボードに置かれていたことが発覚しました。
その後,Aさんは,宮城県石巻警察署の警察官により,銃刀法違反の容疑で逮捕されました。
Aさんは「車から降ろすのが面倒だった」と銃刀法違反の容疑を認めました。
のちに,Aさんは釈放されましたが,Aさんは何とか寛大な処分を得られないかと考えています。
(2021年3月4日にHBC北海道放送に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【銃刀法違反とは】

銃刀法22条
何人も,業務その他正当な理由による場合を除いては,内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。
ただし,内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で,政令で定める種類又は形状のものについては,この限りでない。

銃刀法31条の18
次の各号のいずれかに該当する者は,2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
(1号,2号は略)
3号 第22条の規定に違反した者

銃刀法22条は,「刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物」の「携帯」を禁止しています。
そして,銃刀31条の18は,銃刀法22条に違反した者には「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」を科すと規定しています。

なお,銃刀法22条ただし書きは,「はさみ」,「折りたたみ式のナイフ」,「くだものナイフ」,「切り出し」で,政令(銃刀法施行令37条)で定めた種類又は形状のものについては,刃体の長さが6センチメートルを超える刃物であっても,例外的に携帯が禁止されないと規定しています。

【銃刀法違反の成立要件】

上述のように,銃刀法22条は,①「刃体」の長さが6センチメートルをこえる②「刃物」の③「携帯」を禁止しています(ただし,業務その他正当な理由による場合を除きます)。

銃刀法22条の①「刃体」とは,「刃物の切先と柄部における切先に最も近い点とを結ぶ直線の長さ」をいいます(銃刀法施行規則110条)。

また,銃刀法22条の②「刃物」とは,鋼鉄製の刃を持ち,人の身体に重大な害を加えるに足りる器具の一切をいうと考えられています。

刑事事件例では,Aさんが所持していたのは刃渡り6センチを超えるレジャーナイフであり,銃刀法22条の「刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物」に当たります。

さらに,銃刀法22条の③「携帯」とは,直接自分の身に付けていることの他,直ちに使用し得るような支配状態に置いてあることをいうと考えられています。

刑事事件例のように自動車のダッシュボードなどに置く行為も,使用し得るような支配状態に置く行為であるとして,銃刀法22条の③「携帯」に当たると考えられます。

そして,Aさんには,業務その他正当な理由によって上記刃物を携帯していた事情がないため,Aさんには銃刀法違反の罪が成立すると考えられます。

【銃刀法違反事件で寛大な処分を得たい場合】

銃刀法違反事件で不起訴処分を獲得したり,正式起訴を回避したりするといった寛大な処分を得たい場合,検察官に,本件銃刀法違反事件を起こしてしまったことに対して,心よりの反省をしていることや,再犯防止の対策をしていることを伝える必要があります。

刑事弁護士は,被疑者の方が銃刀法違反事件を起こしてしまった経緯や,銃刀法違反事件を起こしてしまったことについて思うこと,今後銃刀法違反事件の再犯を起こさないために行っていること等を,被疑者の方から聞き取り,それを書面化して検察官に提出することができます。

また,心よりの反省と贖罪の意を示すために,贖罪寄付を行うこともできます。
そして,贖罪寄付をしたことを示す書面を検察官に提出することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事を専門に扱う法律事務所です。
銃刀法違反事件寛大な処分を得たい場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。

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