強制わいせつ事件で少年の勾留阻止

強制わいせつ事件で少年の勾留阻止

宮城県美里町に住む中学二年生A君(14歳)は、女性の裸の画像や動画を見ているうちに女性の胸やお尻を触ってみたいという衝動がおさえられなくなりました。
ある晩、塾から帰宅途中だったA君は、夜道を一人で歩いていた女性Vさん(19歳)の背後から突然抱き着き、着衣の中に手を入れて胸を触って逃げました。
後日、Vさんの証言と防犯カメラの映像などから,A君は,宮城県遠田警察署の警察官に強制わいせつ罪の疑いで逮捕されました。
Aさんの両親は、Aさんが定期テストを控えていることから、早く身柄を解放してほしいと、少年事件に強い弁護士に依頼をしました。
逮捕の二日後、警察からA君の事件の送致を受けた検察官が裁判所に勾留請求しましたが、弁護士の活動が実を結び、裁判官は勾留請求を却下しました。
(フィクションです。)

強制わいせつ罪 刑法176条

13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ罪におけるわいせつな行為とは、性的な意味を有し、性的羞恥心の対象となるような行為をいいます。
具体例としては、「無理やりキスする行為」「無理やり乳房や陰部を触る行為」「無理やり自己の陰部を触らせる行為」などが挙げられます。
相手の着衣の下の胸や股間に不意に手を差し入れる等、被害者の身体に接触するわいせつ行為自体が暴行に当たることもあります。

~少年が逮捕されてしまった後の流れ~

少年が罰金刑以下の刑に当たる罪を犯したという嫌疑がある場合,警察官は家庭裁判所へ送致することになっていますが,それ以外の場合,警察官は検察官へ送致することとなります。
事例でA君が犯したとされている強制わいせつ罪は,「6月以上10年以下の懲役」にあたる犯罪です。
A君の事件については警察官から検察官へ送致されることになります。
少年事件は通常の刑事事件と異なるところも多いですが、少年事件であっても成人と同様に逮捕後に勾留される可能性があります。
逮捕および勾留は、事件の重大性や被疑者の態度などから、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれが認められる場合に行われます。
勾留は最長で20日にも及ぶ長期の身体拘束であるため,勾留による肉体的・精神的負担は著しいものです。
そのため、少年事件に限っては、少年の心身が未発達であることを考慮して「やむを得ない場合」でなければ勾留できないと少年法に定められています。
しかし、少年法に従って少年に対する勾留が慎重に行われているかというと必ずしもそうとは限らないという現実があります。
実務上は,少年事件でも成人の事件と同様に勾留請求がなされ,勾留決定が出されることが多いです。

勾留を回避して早期に身柄を解放したい場合には、弁護士は、検察官に対して勾留請求をしないように働きかける、裁判官に対して勾留決定を出さないように意見書を出すといった弁護活動を行います。
その際、ポイントとなるのは、勾留の要件を満たしているか否かという点です。
【少年事件の勾留が認められる要件】
①犯罪の嫌疑(罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由)があること
勾留の理由があること
勾留の必要があること
勾留するのがやむを得ない場合であること ※少年事件の場合
勾留要件を満たしていないということを弁護士が適切に主張できれば、検察官が勾留請求をやめる、裁判所が勾留決定をしないといった判断をする可能性が高まります。
検察官が勾留請求をしなかった場合、裁判官が検察官の勾留請求を却下した場合、逮捕されていた方は釈放されます。

心身が未発達で学校や仕事がある多くの少年にとって、長期間の身体拘束は著しい不利益を被るものです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、少年に対する勾留の当否を厳しい目で見て、勾留阻止の実現に向けた積極的な働きかけを行います。
お子様が強制わいせつ罪などで逮捕されていて長期の身柄拘束を避けたい場合は、まずは弁護士に相談してみましょう。
宮城県遠田警察署への初回接見費用:43,220円

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