電子タバコ吸引用覚せい剤リキッドで逮捕
宮城県色麻町の22歳会社員Aさんは、電子たばこで吸引できるように加工した覚せい剤リキッドを所持、使用していたとして、宮城県加美警察署によって覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、逮捕勾留で身柄拘束が長期化するとAさんが仕事に行けずに解雇されるかもしれないと心配して、覚せい剤や覚せい剤リキッドについて詳しい刑事事件専門の弁護士に刑事弁護活動を依頼しました。
(フィクションです。)
~電子たばこと覚せい剤リキッド・大麻リキッド~
嫌煙・禁煙ブームの高まりから、紙巻きたばこの代用品として電子たばこの利用者が増加しています。
電子たばこは、たばこや果実などさまざまな味や香りのリキッドが専用容器に注入されており、容器を吸入器に接続、液体(リキッド)を電気加熱して発生する蒸気を吸引する方法で愉しまれます。
一方で、電子たばこの普及とともに違法薬物を電子たばこに応用したリキッドも一部で広がりつつあり、インターネットなどを介して売買されているそうです。
昨年には、電子たばこで蒸発させて吸引できるよう液体状に加工された「覚せい剤リキッド」が全国で初めて摘発されました。
この事件は、昨年3月、熊本県警が覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで男女数人を逮捕した事件で、関係先の家宅捜索などをした際、粉末の覚せい剤とともに液体状の覚せい剤(覚せい剤リキッド)が発見されたそうです。
この覚せい剤リキッドは、市販リキッドに覚せい剤の粉末を混合して作られており、リキッドが入った容器を接続した電子たばこを吸引すると、覚せい剤の成分を摂取できるようになっていたそうです。
この事件以前の昨年1月には、電子たばこで成分を蒸発させて吸引する大麻リキッドなどを所持したとして、大麻取締法違反(所持)の疑いでヒップホップミュージシャンが現行犯逮捕されてのちに全国で初めて起訴されています。
この被告人に対しては、昨年5月に東京地方裁判所が懲役3年執行猶予5年(求刑懲役3年)の有罪判決を言い渡しています。
違法薬物のリキッドは、通常のリキッドと外観が同じで、電子たばこで摂取しても匂いなどから周囲に発覚するリスクが低いとされています。
また、従来の薬物の使用方法よりも簡素な方法で成分を吸引できるため、手軽さから人気を集めて拡大することも懸念されています。
例えば、従来の覚せい剤の使用方法は、注射や覚せい剤をライターなどで炙って気化させた成分を吸引する「炙り」と呼ばれる手法で摂取するのが一般的ですが、覚せい剤リキッドは電子たばこに装着して吸引するだけで使用できます。
覚せい剤や大麻以外にも危険ドラッグを加工したリキッドも存在していると言われています。
警察も違法薬物のリキッドについて警戒を強めていることから、今後、刑事事件化する事案の増加が予想されます。
薬物事案は証拠隠滅が容易である性質から、逮捕後に勾留が決まるケースが多いです。
一度逮捕されると、逮捕から勾留請求までの時間を含めて、最大で23日間の身体拘束を受ける可能性があります。
警察関係者からは、違法薬物のリキッドが若者を中心に蔓延する恐れがあると指摘されており、社会人や学生である若者が逮捕・勾留されてしまうと、必然的にこの最大23日間について通勤通学できなくなります。
逮捕・勾留されている方の事件については、弁護士は、早期の釈放を求めて警察や検察官、裁判官と交渉する活動等をおこなうことができます。
覚せい剤など違法薬物のリキッドによって逮捕されてしまった場合は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお問い合わせください。
(宮城県加美警察署までの初回接見費用:フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。)