Archive for the ‘暴力事件’ Category

公務執行妨害罪が成立する状況

2023-11-27

公務執行妨害罪が成立する状況

公務執行妨害罪と逮捕後の流れについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県角田市に住んでいる会社員のAさんは、自転車で運転している際にパトカーに止められました。
Aさんは警察官から職務質問を受けることになりましたが、急いでいたため止められたことに腹が立っていました。
話の途中でまだ職務質問が続きそうになったことで、Aさんは「もういいだろ」と言って警察官を突き飛ばし、自転車で離れようとしました。
そのため、Aさんは警察官から取り押さえられ、公務執行妨害罪の容疑で角田警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

公務執行妨害罪

公務執行妨害罪は、刑法第95条に「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
職務を執行するに当たり」という表現は、特定の職務の執行が開始されてから終了するまでの時間ですが、職務執行と時間的に密接に関連している行為(制服への着替えなど)を含みます。
この場合の「暴行」は、公務員に対して向けられた物理的な力の行使を意味しています。
しかし、必ずしも公務員の身体に直接加えられる必要まではなく、例えば警察官の乗っているパトカーを叩くなどの行為でも、公務執行妨害罪における暴行になり得ます。
テレビで放映されている刑事ドラマでも、警察官への暴行・脅迫で公務執行妨害罪となるシーンは登場しますが、公務執行妨害罪は公務員が対象であるため、警察官だけが対象という訳ではありません。
例えば、救急活動を行っている最中に患者やその関係者が暴行・脅迫行為を救急隊員に対して行う市役所や図書館などの公共施設で利用者が暴行・脅迫行為を職員に対して行う、これらの状況も公務執行妨害罪の成立要件を満たします。

逮捕された後の流れ

逮捕されると、警察は取調べをしながら48時間以内に検察官に事件を送致するかを決定します。
そして検察官へ送致されると、検察官は24時間以内に裁判官に勾留請求をするかを決定します。
勾留請求された裁判官が勾留を決定すれば、10日間身体拘束されることになります。
勾留は延長可能であるため、勾留は最大で20日間継続されるため、逮捕されると外部との連絡を制限された状態で取調べを連日受ける状態が、最大23日間続くことになります。
長時間の身体拘束を避けるためには、会社や家庭への影響を主張したり、証拠隠滅や逃亡の危険がないことなどを書面にして提出したりといった身柄解放活動を、弁護士に依頼することが重要です。
早期の釈放が難しい場合でも、弁護士に伝言を頼むことで、家族に会社や学校へ連絡してもらうといったことが可能になります。
そのため参考事件のように公務執行妨害罪で逮捕されてしまった場合、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することをお勧めします。

まずは弁護士事務所へご連絡ください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所は「0120-631-881」のフリーダイヤルにて、初回無料の法律相談逮捕中の方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
フリーダイヤルは24時間対応しておりますので、公務執行妨害罪の容疑で逮捕された、またはご家族が逮捕・勾留された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のへ、是非、ご連絡ください。

傷害罪で少年事件が発生した場合

2023-11-12

傷害罪で少年事件が発生した場合

傷害罪と少年事件の処分について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる高校生のAさんは、友人と一緒に同市内を歩いていると、同行している友人と仲の悪いVさんと偶然出会いました。
VさんはAさん達に難癖をつけて貶し、それによって怒ったAさんはVさんを突き飛ばして転倒させました。
そして倒れたVさんにさらに蹴りを入れるなどして怪我を負わせました。
Aさん達はその場を後にしましたが、Vさんは後日「Aさんに蹴られて怪我をした」と警察に相談しました。
その後、Aさんは傷害罪の容疑で泉警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

傷害罪

刑法第204条には「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められており、これが参考事件でAさんの逮捕容疑となった傷害罪の条文です。
代表的な傷害は怪我をさせることですが、外傷があるかないかだけでは傷害は判断されません。
この条文における傷害とは、人の生理的機能に障害を与えることや、健康状態を不良に変更させることを意味します。
つまり病気にかからせる行為も傷害にあたり、例えば、嫌がらせ等によって精神的に追い詰め、精神疾患を発病させた場合も傷害罪は成立します。
また、眠らせたり気絶させたりといった、人の意識作用に障害を与えることも傷害罪における傷害にあたる可能性もあります。

少年が逮捕された場合

上記のように、傷害罪が成立した場合、刑罰は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。
しかし事件を起こした犯人が少年である場合、事件は少年事件として扱われ少年法に則った処分が少年に与えられます。
少年事件の処分と聞いて、少年院送致を思い浮かべる方も多いと思われます。
少年院送致は少年事件の中でも最も強力な施設収容であり、年齢や特性に応じた生活訓練などを通して、内省を深めさせ社会復帰支援を受けながら少年が過ごす施設です。
その他に保護観察と言う処分もあります。
保護観察は少年を家庭や職場などに置いたまま、指導監督や補導援護をして少年の更生と改善を促すものです。
また、児童自立支援施設児童養護施設送致不処分審判不開始など、少年事件には多くの処分があり、一口に少年事件の処分と言っても様々な内容が存在します。
そのため少年が事件を起こしてしまった場合、事件の全容を把握し先の見通しを立てるためにも、少年事件に詳しい弁護士からアドバイスを受けることをお勧めします。

少年事件を扱う弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、少年事件を含む刑事事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所は24時間体制で、初回無料の法律相談逮捕・勾留された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約を、フリーダイヤル「0120-631-881」にて受け付けております。
参考事件のように、傷害事件を起こしてしまった、少年事件で家族が逮捕されてしまった、このような場合は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へ、お気軽にご相談ください。

暴行事件を起こして逮捕、弁護士による身柄解放活動

2023-10-12

暴行事件を起こして逮捕、弁護士による身柄解放活動

暴行罪と逮捕された方に対する弁護活動(身柄解放活動)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる会社員のAさんは、飲み会からの帰り道で休憩していると通行人のVさんから見られていることに気付きました。
眼を付けられていたと感じたAさんはVさんに詰め寄り、Vさんが逃げようとすると腕を掴んで腹を蹴る等しました。
そして現場に居合わせた通行人がAさんを取り押さえ、その後警察に通報しました。
しばらくして若林警察署の警察官が現場に現れ、Aさんを暴行罪の容疑で逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

暴力事件

参考事件のAさんは暴行罪の容疑で逮捕されています。
暴行罪は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と刑法第208条に定められています。
この場合の暴行は、「人の身体に対して有形力を行使すること」を意味しており、実は人の身体に対して直接の接触がなくても暴行罪になり得ます。
そのため、人がいる方にわざと物を投げる行為をした場合、人に投げた物が当たらなくとも暴行罪として成立することもあります。
また、楽器などを使って人のそばで大音量を出す行為や、砂や粉などを相手に振りかける行為も暴行となる可能性があります。
条文の通り、暴行罪は「傷害するに至らなかった」場合に成立します。
仮に参考事件のVさんの暴行により怪我をしていたのであれば、Aさんには刑法第204条に「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められた傷害罪が適用されていたことになります。

釈放のための弁護活動

警察官に逮捕された場合、釈放されない限り事件は48時間以内に検察官に送致されます。
送致を受けた検察官は、裁判官に勾留請求するか釈放するかを24時間以内に決定します。
そして裁判官が勾留請求を受けて勾留を決定すれば、10日間身体拘束されます。
勾留は延長される可能があり、延長された場合は、さらに最長で10日間まで延長されることがあります。
つまり逮捕された際の身体拘束は、最長で23日間続くことになります。
この間は外部との連絡が制限されるため、会社や学校に連絡をとることができず、無断で欠席、欠勤することになってしまいます。
逮捕が原因で退学処分や会社を解雇となる可能性も十分あるため、逮捕された際は弁護士に身柄解放の弁護活動を行ってもらうことが重要です。
罪証隠滅や逃亡の恐れがあると判断された場合などに警察は逮捕に踏み切るため、弁護士からそれらの可能性がないことを捜査機関や裁判所に主張すれば、速やかな釈放を目指すことができます。
逮捕・勾留中でも家族などに伝言を頼み会社や学校へ連絡してもらうことで、無断での休みを避けることも弁護士がいればすることができます。
また、被害者がいる事件で示談交渉を行う場合、弁護士を通せばよりスムーズに示談を進めることができます。
そのため早期の釈放事件の早期解決を目指すのであれば、刑事事件に詳しい弁護士にアドバイスを求めることをお勧めします。

暴力事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う弁護士事務所です。
当事務所では24時間体制で、初回無料の法律相談逮捕・勾留されている方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約を承っております。
ご家族が暴行罪の容疑で逮捕・勾留されている、またはご自身が暴行事件を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部のフリーダイヤル「0120-631-881」に、お気軽にご連絡ください。

大学に対する爆破予告 威力業務妨害罪で逮捕!

2023-07-28

大学に対する爆破予告で逮捕された事件を参考に、威力業務妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県白石市に住んでいる大学生のAさんは、自身が通う大学で開催されるイベントを中止させたいと思い、大学に「●月●日のイベント会場で爆弾を爆破させる。」などとダイレクトメールを送りました。
メールを受けた大学側は宮城県白石警察署に相談し、予定していたイベントを中止すると共に、警察に被害届を提出したようです。
その結果Aさんは、威力業務妨害罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

威力業務妨害罪

Aさんの逮捕容疑は威力業務妨害罪です。
威力業務妨害罪は「威力を用いて人の業務を妨害した者」に適用される刑法第234条に定められた犯罪であり、ここでいう威力とは「人の意思を抑圧するに足りる勢力」を意味します。
脅迫や暴行、地位などを用いた威迫、物の損壊、集団での力の誇示などの広い範囲が威力と判断され、Aさんの行った爆破予告も、威力妨害罪でいうところの威力となるでしょう。
威力の行使は被害者の目の前で行われ業務が妨害されるだけでなく、威力を用いた結果として人の業務を妨害させる影響を生じさせる場合でも、威力業務妨害罪は成立します。
この場合の業務は「人が社会生活上の地位に基づき継続して従事する事務、または事業」とされています。
そのため職業的な仕事はもちろん含まれますが、対価を得ている必要はないためボランティア活動などもこの条文における業務にあたります。

示談交渉

威力業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっています。
内容次第では不起訴処分となる可能性がないわけではありませんが、初犯であっても略式命令による罰金刑となる可能性が高く、悪質性が高いと判断されると公判請求されることもあるので注意が必要です。
こういった刑事罰を避けるには、被害者と示談交渉を行うことが重要です。
威力業務妨害事件の場合、損失分の補填として示談金を支払う必要も出てきますが、示談金の相場は専門的な知識がなければ正確には分かりません。
しかし弁護士によるサポートを受けることができれば、的確な対応をとって示談交渉を円滑に進めることができるでしょう。
そのためにも刑事事件の知識と経験が豊富な弁護士に示談交渉を依頼することが大切です。

威力業務妨害事件の際には連絡を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」で、初回無料の法律相談逮捕されている方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスのご予約を、24時間体制で受け付けております。
威力業務妨害事件を起こしてしまった方、またはご家族が威力業務妨害罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部に、是非、ご相談ください。

インターネット上の誹謗中傷で逮捕!? 名誉毀損罪or侮辱罪

2023-07-25

インターネット上の誹謗中傷を参考に、名誉毀損罪と侮辱罪の違いや、逮捕されるかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県登米市に住んでいる大学生のAさんには、嫌っているストリーマーが配信をしている際に、誹謗中傷のコメントをおよそ10分にわたって書き続けました。
後日Aさんは、そのストリーマーがあまりにも誹謗中傷が酷いことから法的措置をとることを表明し、すでに警察に相談していると話していたことを知りました。
Aさんは自分が逮捕されるのではないかと不安になり、弁護士に相談することにしました。
(この参考事件はフィクションです。)

名誉毀損罪

参考事件のAさんが罪に問われる場合、可能性が高いのは名誉毀損罪侮辱罪になります。
名誉毀損罪刑法230条1項に「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
公然とは不特定多数の人が知ることのできる状態のことを指しており、誰もが閲覧できるインターネット上の書き込みは公然と判断されます。
この条文の「人」には法人も含まれており、会社などの団体も対象になります。
事実の摘示とは具体的な真実を表明することで、名誉とは人に対する社会的な評価を意味します。
名誉を毀損、つまり社会的な評価を下げたかどうかについての判断は困難であるため、この場合は実際に社会的評価が低下したかどうかではなく、その危険が生じたかどうかが名誉毀損の判断基準となります。

侮辱罪

表明した内容が具体的な事実ではなく、抽象的な軽蔑であった場合は侮辱罪が成立します。
侮辱罪刑法231条に「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定めています。
名誉毀損罪の方が侮辱罪に比べて処罰が重くなっていますが、これは適示された内容が真実であればあるほどに、被害者に与える精神的なダメージが大きいと考えられているからです。
侮辱罪は元々「拘留又は科料」が法定刑でしたが、令和4年7月7日に厳罰化され、上記の法定刑に改正されました。

逮捕されるの?

近年はインターネットを利用した誹謗中傷が社会問題になっており、侮辱罪の法定刑に「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金」が追加されたことにはその社会問題の背景があり、過去に比べると、インターネット上の書き込みなどによる、名誉棄損事件侮辱事件を警察は積極的に捜査する傾向にあり、それ故に逮捕の可能性も高くなっているように思われます。

逮捕後の対応

逮捕を避ける、または逮捕後に早期の釈放を目指すには弁護士の存在が重要です。
警察などの捜査当局は、逃亡や、証拠隠滅をおそれて逮捕した犯人の身体拘束を続けようとしますが、弁護士が介入することによって、そういったおそれがないことを主張し、逮捕された方の拘束期間を縮めることができます。
また刑事処分の減刑を求めるとのであれば、被害者と示談を締結することがポイントとなりますが、示談交渉は弁護士を通して行うことで成立の可能性が飛躍的に高まります。
ご家族等が警察に逮捕されてしまった場合は、スムーズな弁護活動を開始するために、早期に刑事事件に詳しい弁護士へ相談し、弁護活動を依頼することが重要です。

名誉棄損罪・侮辱罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では、初回無料の法律相談や、逮捕・勾留された方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」で、24時間ご予約を受け付けております。
名誉棄損罪侮辱罪の容疑がかかっている方、またはご家族に容疑がかかっている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部に、是非、ご連絡ください。

市役所職員に暴行 公務執行妨害罪の量刑

2023-06-25

市役所職員に暴行 公務執行妨害罪の量刑

市役所職員に暴行した事件を参考に、公務執行妨害罪の量刑について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説致します。

参考事件

宮城県白石市に住んでいるAさんは、ある手続きをするために市役所を訪れていました。
しかし、Aさんはやろうとしていた手続きが市役所ではできないことが分かり、そのことに腹を立てて、対応に当たっていた市役所職員の胸倉を掴み、身体を押す等の暴行を加えてしまいました。
Aさんは、別の市役所職員に取り押さえられて、その後、通報で駆け付けた白石警察署の警察官によって、公務執行妨害罪で現行犯逮捕されました。
(参考事件はフィクションです。)

公務執行妨害罪

Aさんの逮捕容疑は公務執行妨害罪です。
刑法第95条に「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と公務執行妨害罪が定められています。
ここでいう「公務員」とは、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員(刑法第7条参照)を意味し、駐車監視員などのみなす公務員も、公務執行妨害罪の客体となり得ます。                                                  また「職務を執行するに当たり」とは、実際に公務員が職務中なのは当然のこと、職務執行の準備をしている時や、職務執行直後も含みます。                                       
ちなみに公務執行妨害罪は、公務員に対して暴行や脅迫を加えた時点でただちに成立し、暴行や脅迫によって実際に公務が妨害されたことまでは公務執行妨害罪の成立に影響しないとされています。                  ですから、今回の事件において、Aさんの暴行行為によって、実際に市役所職員の職務執行が妨害されていなかったおしても、公務執行妨害罪は成立します。

公務執行妨害罪の量刑は

公務執行妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」ですので、有罪と認定された場合は、この法定刑なの刑事罰が科せられることになります。                                     
暴行による公務執行妨害罪の場合、公務員が怪我をしていなければ、公務に大きな支障をきたしていない限りは、略式起訴による罰金刑となることもありますが、犯行態様が悪質な場合は、公判請求される可能性も十分にあります。                                     

刑事事件に詳しい弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を中心に扱っている弁護士事務所です。
当事務所では逮捕・勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
また、初回であれば法律相談を無料で申し込むことができます。
公務執行妨害事件を起こしてしまった方、またはご家族が暴力事件で逮捕されてしまった方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にご相談ください。

同級生に暴行 暴行罪と傷害罪

2023-06-13

同級生に暴行 暴行罪と傷害罪

同級生に暴行した暴力事件を参考に、暴行罪と傷害罪、そしてその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

宮城県仙台市に住んでいる大学生のAさんには、仲の悪い嫌っている同級生がいました。
ある日の帰宅途中、偶然Aさんは、その同級生が誰もいない夜道を歩いているところを見つけたので、周囲に人がいないことを確認して、後ろから近づいて急に頭を殴り、更に転倒した同級生の、腹を蹴るなどの暴行を加え、現場から走って逃走しました。
そして事件の数日後、Aさんは仙台中央警察署に逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

暴行罪と傷害罪

参考事件のAさんは同級生に暴行を加えたことで逮捕されました。
この場合、Aさんの逮捕罪名は暴行罪傷害罪です。
暴行罪は、刑法第208条に「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定められています。
刑法第208条における暴行とは、「人の身体に対して有形力を向けること」とされています。
そのため、直接人の身体に接触していなくても暴行罪が成立することがあります。
人のいる方に向かって、わざと物を投げる行為は、投げた物が人に当たらなくても暴行罪となる可能性がありますし、近くにいる人がいることを認識しながら、楽器などでわざと大音量を出す行為も、暴行罪でいうところの暴行に当たる可能性があります。

これらの暴行によって、相手が怪我をしなかった場合に適用されるのが「暴行罪」です。
他方、相手が怪我をした場合にはまた別の条文が適用されることになり、それが傷害罪です。
傷害罪は刑法第204条に「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
この場合の傷害とは、人の生理的機能に障害を与えること、および健康状態を不良にすることで、代表的なのは怪我をさせることですが、精神疾患を発症させるなど病気にかからせることも傷害罪いうところの「傷害」となりますし、人の意識作用に障害を与えること、つまり眠らせたり、気絶させることも傷害に当たる場合があります。

参考事件の場合、Aさんの暴行によって、被害者である同級生が怪我をしていれば傷害罪が成立し、そうでないのであれば暴行罪となるでしょう。

暴力事件の弁護活動

暴行罪傷害罪はどちらも早期に被害者と示談交渉を行うことが大切です。
示談を締結できれば、勾留による長期の身体拘束を防ぐことができたり、起訴されることなく事件を終了させる(不起訴)ことができる可能性があります。
そのため、暴行罪や傷害罪を起こしてしまった方で、早期釈放や処分の軽減を望む方は、いち早く弁護人を選任し、被害者との示談を締結させることが重要です。

暴力事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では、逮捕または勾留されている方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスを実施しています。
また、初回であれば法律相談を無料でご利用いただけますので、暴力事件を起こしてしまった方、またはご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所フリーダイヤル「0120-631-881」に、お気軽にご相談ください。

傷害致死罪で起訴 裁判員裁判に強い弁護士

2023-04-24

傷害致死罪で起訴されて、裁判員裁判となった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

無職のAさんは、友人と酒を飲みにいった居酒屋で、隣の席で飲んでいた男性とトラブルになりました。
最初は口論だったのですが、お互いにヒートアップして、最終的には店の外で殴り合いの喧嘩にまで発展してしまい、Aさんは、男性をコンクリートの地面に投げ飛ばしてしまいました。
その直後に店員の通報で駆け付けた宮城県遠田警察署の警察官に傷害罪現行犯逮捕されたAさんは、逮捕の二日後に、傷害罪で勾留が決定したのですが、勾留期間中に被害者の男性が死亡したことから、Aさんは傷害致死罪起訴されてしまいました。
Aさんの家族は、裁判員裁判に強い弁護士を探しています。
(フィクションです)

傷害致死罪

暴行等によって人に傷害を負わせ、その被害者が死亡してしまうと、暴行を加えた加害者は傷害致死罪に問われる可能性が高いです。
傷害致死罪は、人が死亡するという結果では、殺人罪と同じですが、殺人罪には「人を殺す故意」つまり殺意が必要とされているのに対して、傷害致死罪の成立は「暴行の故意」で足りるとされており、殺意までは必要とされていません。
ただ「死ぬかもしれない。」という認識があって暴行した場合は、結果を容認したとして未必の故意が認められる可能性があるので注意しなければなりません。
Aさんのように傷害罪で勾留が決定した場合でも、被害者が亡くなると傷害致死罪殺人罪に切り替えられて起訴されることとなります。

そして傷害致死罪の法定刑は「3年以上の有期懲役」です。
傷害致死罪は、人の死という結果の重大性から、初犯であっても刑務所に服役する可能性が極めて高い犯罪ですが、刑事事件に強い弁護士を選任して、刑事裁判に望めば執行猶予付判決になる可能性がないわけではありません。

裁判員裁判

傷害致死罪起訴された場合の刑事裁判は、裁判員裁判によって行われます。
裁判員裁判とは、平成21年から始まった刑事裁判の制度で、ある一定の重い罪の刑事裁判においては、裁判所によって無作為に選出された国民が、裁判に参加し、裁判官と共に被告人の処分を決定する裁判のことです。
裁判員裁判は、裁判期間こそ短期間で行われますが、裁判が開始されるまでに、証拠や主張等を整理する特別な手続の期間が設けられるために、起訴されてから裁判で刑が言い渡されるまでは長期間に及びます。
そして長期に渡って裁判を戦っていくにあたっては、刑事事件を専門とする、裁判員裁判の経験豊富な弁護士に依頼することを、お勧めいたします。
膨大な証拠を精査し、必要な証拠を取捨選択する等、刑事事件の経験に裏付けられた知識が必要となるからです。
また、裁判員裁判においても、法的な知識を有しない裁判員に対して、主張をアピールするための法廷技術等が必要となります。

裁判員裁判に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、傷害致死事件のような刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
傷害致死罪で起訴された方の弁護活動をご希望の方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部の弁護士にご相談ください。

病気に苦しむ父親を絞殺 嘱託殺人罪で自首

2023-03-22

病気に苦しむ父親を絞殺した事件を参考に、嘱託殺人罪の自首について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

参考事件

Aさんは、宮城県加美郡の実家で父親と二人暮らしをしているのですが、父親は昨年から病気をしており、最近Aさんは、この父親の介護に付きっきりです。
そんな中、父親は病気が治らないことに悲観的になっており、毎日のようにAさんに対して「一思いに殺してくれ。」と懇願してきます。
こうしてAさんはある日の夜、父親から「寝ている間に首をしめて殺してくれ。」と泣きながらに懇願されたことから、父親が寝ている間に絞殺してしまったのです。
その翌朝、Aさんは、嘱託殺人罪について弁護士に相談し、警察に自首することにしました。
(フィクションです)

嘱託殺人罪

刑法第202条に、自殺関与及び同意殺人についての規定があります。
同意殺人とは、本人の意思に反しない死の惹起に関与する行為を処罰するものです。
同意殺人は、嘱託殺人罪承諾殺人罪に分かれます。
嘱託殺人罪とは、被殺者から行為者に対して自らの殺害を依頼して、その依頼に基づいて行為者が被殺者を殺害する事です。
当然、被殺者の自らの殺害依頼は、被殺者の真意に基づき、かつ明示的なものでなければならず、これらが欠けての殺害行為は、刑法第199条の殺人罪が成立します。
嘱託殺人罪は、被殺者による、自身に対する殺人教唆に基づく殺人罪とみることができます。

承諾殺人

続いて承諾殺人罪ですが、これは行為者が被殺者に殺害を申し出て、行為者が被殺者の承諾を得て殺害する行為です。
承諾殺人罪は、被殺者による被殺者本人に対する殺人幇助に基づく殺人罪とみることができます。
ちなみに被殺者の承諾は、殺害行為の前になされていなければなりませんが、それは必ずしも明示的である必要はなく、黙示的でもよいとされています。

嘱託殺人の刑事責任は?

嘱託殺人罪起訴されると、6月以上7年以下の懲役又は禁固が科せられる可能性がありますが、被害者の同意を得て、被害者の真意に基づいての殺害行為であることから、刑法第199条の殺人罪に定められた「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」に比べると相当軽い処罰規定となっています。

自首に付き添う弁護士

自首は、その後の刑事罰に大きな影響を及ぼす行為です。
警察署への出頭が刑法上の「自首」として扱われ、不当な扱いを受けないためにも、自首する際は、事前に弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部では、自首を検討している方からのご相談を初回無料で承っており、必要に応じて自首に付き添うことも可能です。

殺害目的で火炎放射器を準備 殺人予備、火炎瓶処罰法違反で逮捕

2023-02-18

殺害目的で火炎放射器を準備したとして、殺人予備と火炎瓶処罰法違反で逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

事件内容(2月15日配信の仙台放送の記事を引用)

刑務官を殺害する目的で、火炎瓶を準備・所持していたとして、殺人予備火炎瓶処罰法違反で男3人が逮捕されました。
記事によりますと逮捕された男の一人が刑務所に服役中に、刑務官の自宅を放火して殺害しよう火炎放射器1丁を準備し、所持した疑いが持たれています。

本日のコラムでは殺人予備罪と火炎瓶処罰法について解説します。

殺人予備罪

殺人予備罪とは、刑法第201条に規定されている、人を殺害する準備をすることを罰することを規制した法律です。

殺人予備罪は、殺人を犯す目的でその予備行為をした場合に成立する犯罪で、ここでいう予備行為は、殺人の着手に至らない前段の準備行為を意味します。
今回の事件、刑務官を殺害する目的で、その凶器となる火炎放射器を既に所持していたとされているので、間違いなく殺人予備罪が成立します。
なお殺人予備罪の法定刑は「2年以下の懲役」です。

火炎瓶処罰法

火炎瓶処罰法とは、「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」の略称です。
火炎瓶処罰法で、「火炎びん」について定義しており、今回の事件でいう火炎放射器も「火炎びん」に該当するということで、この法律が適用されたのでしょう。
火炎瓶処罰法で、火炎びんの製造や所持が禁止されており、これに違反して有罪が確定すると、「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」が科せられます。

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