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宮城県での現場助勢で逮捕

2019-10-10

宮城県での現場助勢で逮捕

現場助勢罪などで逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県大郷町に住むAさん。
友人数名と居酒屋で飲み会をした後、2軒目に行くために道路を歩いていました。
その時、Aさんの友人と、偶然すれ違った別のグループの人が、肩が触れたなどという理由で殴り合うなどのケンカを始めました。
Aさん自身は相手を殴ったりはしませんでしたが、
「やれやれ!負けるな!」
などと言って、周りからはやし立てました。
通報を受けて駆け付けた大和警察署の警察官により、喧嘩をした友人が逮捕されるとともに、Aさんも逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~現場助勢罪とは~

ケンカそれ自体には加わっていないAさんですが、警察に逮捕されてしまいました。
Aさんは現場助勢罪または傷害罪の幇助犯の容疑で逮捕されたということになるでしょう。

まずは現場助勢罪について条文を見てみます。

刑法第206条
前二条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

「前二条」というのは傷害罪と傷害致死罪です。
これらの犯罪が行われているときに、周りからはやし立てるなどして犯行の「勢いを助けた」場合には、「自ら人を傷害しなくても」、現場助勢罪という犯罪が成立してしまうことになります。

刑罰は1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料であり、さすがに傷害行為を自ら行った場合(15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)よりは軽いですが、処罰される可能性はあるわけなので、注意が必要です。
なお、科料は罰金と同じようなものですが、1000円以上1万円未満が科料、1万円以上が罰金と呼ばれています。

~傷害罪の幇助犯~

Aさんは、傷害罪の幇助犯に問われる可能性もあります。

第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第62条1項
正犯を幇助した者は、従犯とする。
第63条
従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

友人をはやし立てるなどして鼓舞し、友人がケンカ相手に殴りかかりやすくなったという場合には、傷害罪の幇助犯が成立することになります。

現場助勢罪との区別は難しいところですが、実際に友人が鼓舞されケンカ相手への傷害行為をやりやすくしたといえる場合には、傷害罪の幇助犯が成立することになります。
一方、Aさんの声が友人に聞こえていない場合、あるいは、はやし立てる行為がなくても友人が同じ傷害行為をしていたであろう場合などは、現場助勢罪に問われることになるでしょう。

傷害罪の幇助犯の場合は63条が適用され、傷害の実行犯よりも刑が半分に軽くなりますが、それでも7年半以下の懲役または25万円以下の罰金となる可能性があります。

~傷害罪の教唆になるケースも~

ケンカが始まった後にはやし立てた場合には現場助勢罪や傷害罪の幇助犯が成立するにとどまります。
しかし、まだ始まっていない段階で、「やっちまえ」「殴れ」などと言って焚きつけて、ケンカを始めさせたような場合には、傷害罪の教唆犯が成立する可能性があります。

第61条1項
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。

「正犯の刑を科する」とあるので、傷害罪の実行犯と同じく、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となってしまいます。

教唆犯は、犯罪を作り出した「黒幕」のような存在として、実行犯と同じ範囲で刑罰を受ける可能性があるのです。

~ぜひご相談ください~

逮捕されると、ご本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。

現場助勢罪や傷害罪の幇助犯・教唆犯などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

宮城県での傷害致死事件で逮捕

2019-10-08

宮城県での傷害致死事件で逮捕

傷害致死罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

宮城県大衡村に住むAさん。
会社の部下Bさんが挨拶をしっかりせず、反抗的な態度を見せることがあるので、不満を募らせていました。
ある日、Bさんが仕事でミスをしたことからAさんが注意すると、Bさんは謝るどころか、
「うるせーなー」
と言いました。
その態度に激高したAさんは、Bさんを会社の建物の外に連れ出し、殴る蹴るの暴行を加えました。
当たり所が悪かったこともあり、Bさんは外傷性クモ膜下出血を発症。
搬送先の病院で死亡しました。
Aさんは大和警察署の警察官により逮捕されました。
(フィクションです)

~傷害致死罪~

Bさんに暴行を加えて傷害を負わせ、死亡に至らせたAさんには傷害致死罪が成立する可能性があります。

刑法第205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

有期懲役は、余罪がない場合には上限が20年となります(12条1項参照)。
殺すつもりがなくても、死亡という重大な結果が生じていることから、重い刑罰が科される可能性もあるわけです。

~殺人罪の可能性も?~

AさんがBさんを殺すつもりまではなかったのであれば、傷害致死罪が成立するにとどまります。
しかし、殺すつもりがあった場合はもちろん、死ぬかもしれないがそれでも構わないなどと死亡することを容認していた場合にも、殺人の故意があるとして、殺人罪が成立することになります。

第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

殺人の故意があるかどうかは内心のことなので、客観的に判断することは難しいところがあります。
実際には、被疑者の供述の他、どのくらいの強さで、体のどの部分を、何回殴ったり蹴ったりしたのかという客観的事情から、被疑者の内心を推測していくことになります。

Aさんの暴行態様がかなり強い・悪質なものであったとすれば、Aさん自身が殺すつもりはなかったと供述しても、殺人の故意があると判断されて殺人罪となってしまう可能性も否定はできません。

~一命をとりとめた場合は?~

もし、Bさんが死亡は免れていた場合、殺人の故意があれば殺人未遂罪、故意がなければ傷害罪が成立することになります。

第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第203条
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

殺人罪は最高が死刑、最低が5年の懲役です。
しかし殺人未遂罪になると、最高が無期懲役、最低が2年半の懲役となる可能性があります(刑法43条・68条参照)。

被害者が一命をとりとめたか、殺人の故意があったか、という点はAさんへの判決に大きな影響があるわけです。

~今後の刑事手続~

逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

弁護士としては、証拠隠滅や逃亡のおそれがないといえる事情を裁判官に主張して、保釈が認められるように活動することが考えられます。
そして、Aさんが真に行ってしまった犯罪よりも重い犯罪で裁かれることのないよう、弁護活動をしてまいります。

~ご相談ください~

逮捕されると、ご本人やご家族としては、どのような罪が成立するのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

傷害致死罪殺人罪などで逮捕された、取調べを受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

宮城県での脅迫で逮捕

2019-09-25

宮城県での脅迫で逮捕

脅迫罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

宮城県仙台市に住むAさん。
ご当地アイドルとして活動する女性に対し、SNSのダイレクトメッセージで好意を伝え、プライベートで会いたい旨のメッセージを送るという行為を繰り返していました。
女性は無視していましたが、Aさんは、
「なんで返信くれないんだ」
「俺のこと嫌いなのか」
などと送るようになり、しまいには、
「俺を無視するならアイドルとして活動できなくしてやるぞ」
「家はわかってるんだ」
「ナイフ持っていくぞ」
などとメッセージを送りました。
女性が仙台北警察署に被害届を提出したことから、Aさんは脅迫の容疑で逮捕されました。
(フィクションです)

~アイドルへの脅迫~

近年、アイドルとファンの距離が近くなったことからなのか、アイドルと適切な距離感を維持することができなくなるファンもいるようです。
アイドルとファンとのトラブルといえば、元NGT48の山口真帆さんの事件が記憶に新しいですが、最近も同じくNGT48の加藤美南さんへの脅迫で逮捕者が出ましたし、秋葉原でアイドル活動をしていた女性が刃物で刺された事件もありあした。

本事例のAさんの場合も、まずは脅迫罪が成立する可能性があります。

刑法第222条1項
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

「ナイフ持っていくぞ」などの発言が、「生命、身体…に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した」に該当する可能性が高いわけです。

また、プライベートで会いたい旨を繰り返し迫っていたことから、強要未遂罪が成立する可能性もあります。

第223条1項
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
第2項 省略
第3項 前二項の罪の未遂は、罰する。

Aさんの一連の発言が、「生命、身体…に対し害を加える旨を告知して脅迫し」、プライベートで会うという「義務のないことを行わせ」ようとしたとして、223条3項の強要未遂罪が成立する可能性があるわけです。

また、Aさんの行為によりアイドル活動に制限が出る可能性もあることから、234条の威力業務妨害罪が成立する可能性もあります。

第233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第234条
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

さらには、ストーカー規制法にも違反する可能性があります。
すなわちAさんの行為は、同法2条1項2号の「その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと」、同3号の「面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。」、同4号の「著しく粗野又は乱暴な言動をすること。」に該当する可能性があります。
そうすると、警察から警告を受けたり(4条)、公安委員会から禁止命令を受ける可能性がありますし(5条)、場合によっては即、刑罰の対象となる可能性もあります(18条・19条)。

ストーカー規制法について詳しくはこちらをご覧ください。
https://sendai-keijibengosi.com/sutokakoui_houritu/

~今後の刑事手続~

逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

弁護士としては、まずは勾留請求勾留決定を防ぎ、早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を検察官や裁判官に提出するなどの活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

事件によっては、検察官が不起訴処分として前科も付かずに手続が終わる場合があります。
また、起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴とする場合もあります。
弁護士としては、被害者と示談を締結するなどして、少しでも軽い処分となるように活動していきます。

~一度ご相談ください~

逮捕されると、ご本人やご家族としては、どのような罪が成立するのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

脅迫罪などで逮捕された、取調べを受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

宮城県での往来妨害で逮捕

2019-09-23

宮城県での往来妨害で逮捕

往来妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

宮城県美里町に住むAさん。
友人の家に遊びに来ていましたが、大げんかになったことから友人宅を飛び出しました。
怒りが治まらないAさんは、玄関前に停めてあった友人の自転車を道路に投げ捨てて帰りました。
その直後、その道路を通ろうとしたバイクが自転車の存在に気が付き急ブレーキ。
しかし、路面が雨でぬれていたこともあり、スリップして転倒。
バイクの運転手は骨折の重傷を負いました。
遠田警察署の警察官が自転車の防犯登録番号を調べ、持ち主がAさんの友人であるとわかり事情を聞いたところ、Aさんの仕業ではないかと答えました。
Aさんに事情を聞いたところ、道路に投げ捨てたことを認めたことから、Aさんは往来妨害致傷の容疑で逮捕されました。
(フィクションです)

~往来妨害とは~

道路に通行の妨げとなる物を置くなどし、道路をふさぐと、往来妨害罪に問われることになります。
さらにケガ人が出た場合には、往来妨害致傷罪が成立することになるでしょう。

条文を確認してみます。

刑法第124条1項
陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第2項
前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

Aさんの行為は、124条1項の「陸路…を…閉塞して往来の妨害を生じさせた」という文言に該当することになるでしょう。
また、バイクの運転手がケガをしたので、同条2項の「よって人を死傷させた」に当たることになります。

往来妨害致傷罪の罰則は、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」とあります。
バイクの運転手が傷害を負った今回の場合、傷害罪(204条)と124条1項の往来妨害罪を比較して、上限も下限も重い方を選ぶということになります。
傷害罪が15年以下の懲役または50万円以下の罰金、往来妨害罪が2年以下の懲役または20万円以下の罰金であり、下限は同じですが、上限は傷害罪の方が重いので、結局は傷害罪と同じ15年以下の懲役または50万円以下の罰金ということになります。

~器物損壊罪も~

また、友人の自転車を道路に投げ捨てた際に自転車が壊れていれば、器物損壊罪も成立するでしょう。

第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

~どんな手続が待っているか~

逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

弁護士としては、勾留請求または勾留決定を防ぎ、早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を検察官や裁判官に提出するなどの活動を行います。
釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという流れになるでしょう。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

比較的軽い事件では、検察官が不起訴処分として前科も付かずに手続が終わる場合があります。
また、起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴とする場合もあります。
弁護士としては、被害者と示談を締結するなどして、少しでも軽い処分となるように活動していきます。

~ご相談ください~

逮捕されると、ご本人やご家族としては、どのような罪が成立するのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

往来妨害致傷罪逮捕された、取調べを受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

宮城県での公務執行妨害で逮捕

2019-09-20

宮城県での公務執行妨害で逮捕

公務執行妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

宮城県富谷市に住むAさん。
居酒屋で居合わせた客と口論になった末、店内で殴り合いのケンカとなってしまいました。
大和警察署の警察官が駆け付けて、いったんケンカは収まりました。
しかし警察官がAさんに対し、
「交番で事情を聞かせてもらうからちょっと来てくれるか」
と言ったところ、酔っぱらって怒りも治まらないAさんは、
「あっちが悪いんだ。何で行かなきゃいけないんだ」
と大騒ぎ。
しまいには、なだめて連れて行こうとする警察官を突き飛ばしてケガをさせてしまいました。
Aさんは公務執行妨害罪現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~多くの犯罪が成立する可能性~

居酒屋店内でケンカをし、警察官を突き飛ばしたAさんには、多くの犯罪が成立する可能性があります。
時系列に沿って見ていきましょう。

まずはケンカ相手を殴ったことにより傷害罪が、あるいは相手がケガをしていなければ暴行罪が成立するでしょう。

刑法第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

また、店内でケンカをしてしまったことにより、店の食器等が壊れていれば器物損壊罪が成立したり、店の営業に影響するようなものだったとして威力業務妨害罪が成立する可能性もあります。

第261条(器物損壊等)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
第233条(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第234条(威力業務妨害)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

そして、警察官を突き飛ばしてケガをさせたことにつき、公務執行妨害罪傷害罪が成立する可能性があります。

第95条1項
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

店への影響もさほどなく、純粋にケンカをしただけであれば、逮捕までされなかった可能性も十分考えられますが、警察官にも暴行を働いてしまったことで、事態を悪化させてしまいました。

~刑事手続きの流れ~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束されます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

なお、途中で釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて刑事裁判を受けるという流れになることが考えられます。

~弁護士の活動~

上述の手続の流れから考えると、まずは検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留決定をしなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで弁護士としては、逃亡や証拠隠滅をする可能性が低いと言える理由を意見書にまとめ、検察官や裁判官に提出するなどして勾留を防ぎ、早期に釈放されることを目指していきます。

また、検察官が不起訴処分とすれば、前科も付かずに手続は終了となります。
不起訴処分とまではいかなくても、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴をする場合もあります。
そこで、被害者と示談が成立していること、本人が反省していること、前科がないこと、家族の監督が期待できることなど、ご本人に有利な事情を出来る限り主張して、不起訴処分や略式起訴を目指していきます。

~弁護士に相談を~

逮捕されると、ご本人やご家族としては、どのような罪が成立するのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。

公務執行妨害罪傷害罪などで逮捕された、捜査を受けたといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。

宮城県での殺人で逮捕

2019-09-17

宮城県での殺人で逮捕

殺人罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

宮城県大崎市に住むAさん。
自宅で母の介護をしていましたが、壮絶な介護の実態に疲れ切ってしまい、母の首を絞めて殺害してしまいました。
その後、自ら古川警察署に出頭し、逮捕されました。
連絡を受けたAさんの兄弟は、どうしたらよいのかわからず、まずは弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです)

~殺人罪・同意殺人罪~

介護に疲れ切った末に殺人を犯してしまうという痛ましい事件が度々起こっています。
殺された方はもちろん、殺した方も可哀そうな事件ですが、殺人罪が成立してしまう可能性が高いでしょう。

刑法第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する

なお、殺害する前に、Aさんが母親に対し殺す旨を伝え、母が承諾していた場合には、殺人罪ではなくより軽い同意殺人罪が成立するにとどまる可能性もあります。

第202条
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。

~自首減軽・酌量減軽~

上記の条文上、殺人罪の場合は最低でも懲役5年、同意殺人罪では最低でも懲役6か月となっています。
しかし、状況によりさらに軽くなる可能性もあります。

第42条1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
第66条
犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる。

Aさんのように、犯罪が発覚する前に自ら自首した場合には、42条1項により刑を軽くすることができます。
また、犯罪をした理由などに配慮すべき事情がある場合には、66条により刑を軽くすることができます。
Aさんのように過酷な介護が原因となっている場合にも軽くなる可能性があります。

刑を軽くするかどうかは裁判所の判断となります。
軽くする判断した場合、殺人罪では無期懲役または2年6か月以上20年以下の懲役ということになります(68条・12条1項参照)。
同意殺人罪の場合には3カ月以上3年6か月以下の懲役ということになります。

執行猶予が付けられるのが3年以下の懲役となった場合ですので(25条1項参照)、減軽されると、殺人罪に問われた場合にも執行猶予が付けられる可能性が出てくることになります。

~今後の事件の流れ~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

弁護士としては、出来る限り早く同意殺人罪にとどまる、自首減軽あるいは酌量減軽すべきである、執行猶予を付けるべきである、という主張を軸に弁護活動をしていくことが考えられます。

~弁護士にご相談を~

逮捕されると、ご本人やご家族は、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか、どのくらいの処罰を受けるのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、刑事弁護の経験が豊富な弁護士が、上記の不安点などにお答えいたします。

殺人罪同意殺人罪で逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひご相談ください。

宮城県での傷害で逮捕

2019-09-16

宮城県での傷害で逮捕

傷害罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

宮城県仙台市に住むAさん。
友人と飲み会をしようと市内の繁華街を歩いていたところ、居酒屋のキャッチの人に声をかけられ、そのお店で飲み会をしました。
支払いをしようと金額を見たところ、想像以上に高く、ぼったくりのような店であることに気付きました。
Aさんは、
「なんでこんなに高いんだ」
と抗議しましたが、店員は相手にせず、支払うよう要求。
その態度に怒りを感じたAさんは、店員の顔面を殴り、ケガをさせてしまいました。
Aさんは駆け付けた仙台中央警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~傷害罪が成立~

仙台市では条例により、アーケード内や国分町周辺、仙台駅前のペデストリアンデッキなどでの客引き行為が禁止されたことから、以前より客引きを見かけなくなりました。
禁止された場所で客引きから勧誘された場合は、どういうお店かわからないので、応じないほうがいいでしょう。

条例の詳しい内容は、仙台市ホームページをご覧ください。
https://www.city.sendai.jp/shiminsekatsu/kurashi/anzen/anzen/mewaku/kyakuhikijourei.html

とはいえ、客引きにひっかかり、ぼったくられそうになったからと言って、店員を殴るようなことをしてはいけません。
Aさんの行為には、傷害罪が成立してしまいます。

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

なお、このようなパターンでは、酔っていて犯行をよく覚えていないということもあります。
しかし、心神喪失・耗弱による刑罰の免除・軽減(刑法39条参照)は簡単には認められません。
また、よく覚えていないからといって犯行を否認していると、なかなか釈放されなかったり、重い判決となってしまう可能性もあります。

本当にやっていないのであれば別ですが、犯行の証拠等があるのであれば無理に争わず、被害者と示談をして刑を軽くする方向で動くのが良い場合が多いです。

~刑事手続きの流れ~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

比較的軽い事件では、検察官が勾留請求しなかったり、裁判官が勾留許可せずに、最初の3日間で釈放されることもあります。
弁護士としては、まずは早期釈放を目指し、意見書を提出するなどの活動を行うことになります。

なお、途中で釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて刑事裁判を受けるという流れになることが考えられます。

~軽い結果を目指す~

傷害罪は条文上、15年以下の懲役を科すことができます。
しかし実際には、不起訴処分や罰金で終わる可能性もあります。
特に、ケガが軽い、前科がない、示談が成立しているなどの事情があれば、検察官は不起訴処分とし、前科も付かずに刑事手続きが終了することもあります。
また、起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑に処する略式起訴を選ぶ場合もあります。

事件後はケガの程度や前科の有無などは変えようがないですが、謝罪・賠償して示談をすることはできるので、示談締結に向けて動くことはとても重要です。
しかし、何と言ってお願いすればよいのか、金額はいくらにしたらよいのか、示談書の文言はいくらにしたらよいのかなど、わからないことが多いと思います。
弁護士は、ご依頼いただけた場合には、これまでの経験を活かし、示談締結に向けて交渉してまいります。

~弁護士にご相談を~

示談の他にも、逮捕されると、ご本人やご家族は、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか、どのくらいの処罰を受けるのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、刑事弁護の経験が豊富な弁護士が、上記の不安点などにお答えいたします。

傷害罪で逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひご相談ください。

泉警察署が逮捕

2019-09-07

泉警察署が逮捕

傷害罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

宮城県仙台市に住むAさん。
プロサッカーチームの応援のためスタジアムを訪れていました。
試合終了後、Aさんは相手チームのサポーターとケンカになり、こぶしで顔面を殴ってケガをさせてしまいました。
Aさんは、通報を受けて駆け付けた泉警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~傷害罪~

サポーター同士の衝突で相手にケガを負わせてしまうというのは、最近は少なくなったかもしれません。
しかしAさんのようにケガを負わせてしまった場合、逮捕されてしまう可能性があります。

逮捕されると、マスコミも食いつきやすい事件ですので、実名報道がなされてしまうことも十分考えられます。
会社にも出勤できなくなり、何らかの処分を受けてしまうかもしれません。
暴言を吐かれるなどしてカッとなったとしても、大ごとにならないよう、気を付ける必要があります。

さて、相手を殴ってケガをさせたAさんの行為は、傷害罪に該当します。

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

条文上は、とても重い刑罰が科されることもありうることになります。

~刑事手続きの流れ~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

なお、途中で釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて刑事裁判を受けるという流れになることが考えられます。
比較的軽い事件では、検察官が勾留請求しなかったり、裁判官が勾留許可せずに、最初の3日間で釈放されることもあります。

弁護士としては、まずは早期釈放を目指し、意見書を提出するなどの活動を行うことになります。

~不起訴処分や罰金処分もありうる~

条文上は、とても重い刑罰が科されることもありうると言いましたが、実際には不起訴処分罰金で終わる可能性もあります。
検察官は、被疑者を起訴することができますが、比較的軽い事件では不起訴処分とし、前科も付かずに刑事手続きを終了させることもあります。
また、起訴するとしても、簡易な手続で罰金刑に処する略式起訴を選ぶ場合もあります。

不起訴処分や罰金処分にするか否かは、被害者のケガの程度やAさんが殴った理由、Aさんが反省しているか、Aさんに前科があるか、被害者に謝罪・賠償して示談が締結できているか、といった事情をもとに決定されます。

事件後はケガの程度や前科の有無などは変えようがないですが、謝罪・賠償して示談をすることはできるので、弁護士としても示談交渉には力を入れることになります。

~弁護士にご相談を~

逮捕されると、ご本人やご家族は、刑事手続はどのように進んでいくのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか、どのくらいの処罰を受けるのか等々、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
接見や法律相談では、刑事弁護の経験が豊富な弁護士が、上記の不安点などにお答えいたします。

傷害罪で逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひご相談ください。

大和警察署が逮捕

2019-09-01

大和警察署が逮捕

器物損壊罪や傷害罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

宮城県大衡村の工場で派遣社員として働くAさん。
派遣会社が用意した寮(借り上げアパート)に住んでおり、同僚の派遣社員も同じアパートに多く住んでいます。
ある日、Aさんが同僚の部屋で酒を飲んでいたところ、途中で同僚とケンカになりました。
激高したAさんは、部屋にあった同僚のゲーム機を床に叩きつけて壊した上、同僚に殴りかかり傷害を負わせました。
隣人が騒ぎを聞いて警察に通報していたことから、Aさんは駆け付けた大和警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~器物損壊罪と傷害罪~

酒に酔って犯罪をしてしまったという事例は、弊所でも数多くご相談を頂いています。
Aさんの場合も、ゲーム機を叩き壊した行為には器物損壊罪が、同僚に殴りかかってケガを負わせた行為には傷害罪が成立するでしょう。

刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する

罰則については、この両者の罪が同時に裁判にかけられた場合、併合罪(刑法45条以下)という処理がなされます。
結局今回は、両罪の罰則を足し合わせて、18年以下の懲役または80万円以下の罰金の範囲内で、刑罰が決まることになります。

~今後の刑事手続きの流れ~

逮捕されると、いつになったら釈放されるのか不安だと思います。

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や罪証隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断(起訴)すれば、刑事裁判がスタートします。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

なお、途中で釈放されれば、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて刑事裁判を受けるという流れになることが考えられます。

~早期釈放を目指す~

上記の手続に関し、弁護士は以下のような弁護活動を行います。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留許可をしなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと、損害を賠償する予定であること、身体拘束が続くことにより本人や家族の社会生活に過度の不利益が生じることなどを具体的事情に基づいて出来る限り主張し、勾留を防ぎます。

仮に起訴された段階で身体拘束が続いている場合には、保釈金を預けて釈放してもらう「保釈」を狙っていくことになります。

~軽い処分・判決を目指す~

また、検察官が起訴しないという判断(不起訴処分)をすれば、刑事手続はそこで終わり、釈放される上に前科も付きません。
また、簡易な手続で罰金刑にする略式起訴を選ぶ場合もあります。
そこで、被害者と示談が成立していること、本人が反省していること、前科がないこと、被害者のケガが軽いことなど、本人に有利な事情を出来る限り主張して、不起訴処分や、悪くても略式起訴にするよう検察官に要請していきます。

特に示談が成立しているかは重要な要素の1つとなります。
被害者に弁償して示談を締結すれば、不起訴処分や、それが無理でも執行猶予となる可能性を上げることができます。
お金に困っている本人が弁償できないこともありますが、ご家族の協力を得ながら、示談を進めていくことも考えられます。

~弁護士にご相談を~

真に犯罪を行っていても、比較的軽い反罪の場合には、しっかり反省の態度を示し、示談等の対応を行えば、早期釈放や不起訴処分といった結果になることも意外に多くあります。
ぜひ一度、弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。

器物損壊罪傷害罪などで逮捕された、取調べのために警察に呼び出されたといった場合には、ぜひご相談ください。

塩釜警察署が逮捕

2019-08-25

塩釜警察署が逮捕

少年が傷害罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県塩竈市に住む高校生のAくん。
塩釜駅近くで友人と遊んでいた時、他の高校に通う高校生とケンカになりました。
体格に勝っていたAくんは一方的に相手を暴行する形になり、大ケガを負わせてしまいました。
被害届の提出を受けた塩釜警察署の捜査の結果、Aくんの犯行が発覚し、Aくんは逮捕されました。
(フィクションです)

~傷害罪が成立~

ケンカで相手に大けがを負わせてしまったAくんには、傷害罪が成立します。

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

ただし、Aくんよりも先に相手が殴りかかってきていたような場合、過剰防衛として処分が軽くなる可能性はあります。

第36条1項
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
第2項
防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

仮に正当防衛となれば、36条1項に「罰しない」とあるように、犯罪は成立しません。
しかし、今回Aくんは一方的に相手を暴行する展開になっているので、相手から先に殴りかかってきていたとしても、反撃としてやりすぎだということで、36条2項の過剰防衛となる可能性があります。
正当防衛のように無罪とはいきませんが、過剰防衛すら成立しない場合に比べれば、処分が軽くなる可能性があるわけです。

~少年事件の手続・家庭裁判所送致前~

逮捕されたAくんは、まずは最大3日間拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
その後、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、さらに最大20日間、勾留と呼ばれる身体拘束期間が続く可能性があります。
勾留の代わりに、少年鑑別所での観護措置が採られ、少年の非行の原因の調査や、更生に向けていかなる措置を採るべきかといった調査がなされることもあります。

その後、家庭裁判所に送られ、家庭裁判所調査官が中心となって、さらに少年の非行の進み具合、家庭環境、更生のために必要な処遇等の調査を行います。

なお、逮捕されていない少年や途中で釈放された少年についても、家庭裁判所に出向いて家庭裁判所調査官による面談を受けるなどの調査が行われます。

~少年審判の内容にはどんなものがあるか?~

調査官等による調査の結果、比較的軽い事件であり、本人も反省しているなどの事情があれば、少年審判の不開始決定がなされ、前科も付かずにここで手続が終了となることもあります。
成人の事件における不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。

そうでない場合は、少年審判が開始されます。
少年審判は、成人事件における刑事裁判にあたるものです。
Aくんに対する少年審判の結果としては以下のものが考えられます。

①不処分
非行事実が認められない、あるいは認められるとしても反省し、再犯の可能性がないような場合になされます。
成人事件における無罪判決や不起訴(起訴猶予)処分に近いものといえます。

②保護観察
保護観察所の指導・監督の下、少年を社会の中で生活させながら、更生させていくというものです。
成人事件における執行猶予に近いものといえます。

③児童自立支援施設や児童相談所長などへの送致
比較的非行性が②よりも進んでいる少年や、家庭環境に問題があるなどの事情により②の保護観察が行えないなどの場合に、各種福祉施設で生活させるなどしつつ、社会の中で更生させるというものです。

④少年院送致
③よりも非行性が進んでいる少年について、特別の事情のない限り外出が許されない環境で生活させ、更生させていくものです。
収容期間は刑法などの法律に書かれた懲役・禁錮の期間に拘束されません。
事件により異なりますが、平均すると1年ほどと言われています。

~弁護士の活動~

弁護士は、少年の権利保護や更生に向けた環境作りのために活動します。

たとえば、家裁調査官や裁判官に対して、少年の非行内容が軽微であること、反省していること、非行性が進んでおらず再犯の可能性が低いこと、被害者との示談が成立していること、家族の監督が期待できることなど、本人に有利な事情があればできる限り主張し、勾留観護措置などによる身体拘束を防いだり、少年審判においてより軽い審判内容となるように活動していきます。

少年審判では、成人事件と比べて、今回の犯罪の重さだけでなく、少年の非行が進んでいるかといった点が重視される傾向にあります。
今回の事件内容に割に審判内容が軽い、逆に重いということもありえます。
いずれにしろ少年の人生に大きくかかわってくることですので、一度弁護士にご相談されるのが良いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、少年事件や刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
仮に逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、成立する犯罪や今後の手続の流れ、予想される処分、弁護士の活動などをご説明いたします。

傷害罪などの少年事件でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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