Archive for the ‘交通事件’ Category

速度超過による裁判の可能性

2022-10-06

スピード違反をしてしまった場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

宮城県仙台市に住んでいる会社員のAさんは自動車を運転して家に帰る途中でした。
高速道路を運転している自身の周りに他の自動車がいなかったため、Aさんは法定速度(80km/h)を超える132km/hのスピードで運転しました。
しかしパトロール中だった警察官に、スピード違反の現場を目撃されてしまいました。
Aさんは、速度超過仙台南警察署で取調べを受けることになりました。

(報道された事件の一部事実を改変した事例です。)

【速度超過の法令規定】

いわゆるスピード違反の正式名称は速度超過といいます。
速度超過については、道路交通法22条1項に「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。」と定められています。
そして道路交通法118条1項柱書には「次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」と定められ、1号に「第22条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者」と記載しています。

また、道路交通法118条2項には「過失により前項第1号の罪を犯した者は、3月以下の禁錮又は10万円以下の罰金に処する。」と定められています。

上記の刑事事件例でAさんは、法定速度が80km/hと定められた高速道路で、132km/hという法定速度を52km/h超過したスピードで運転していたため、速度超過に該当します。

【スピード違反の罰則】

道路交通法で刑事事件となる速度超過は、いわゆる赤切符の場合です。
赤切符は一定以上の重大な違反をした場合に交付されるものであり、速度超過は一般道路では30km/h以上の超過をした場合高速道路では40km/h以上の超過をした場合に交付されます(道路交通法施行令、別表第6)。

いわゆる青切符の場合は比較的軽い違反であるため、反則金を支払えば前科が付くことはありません。
赤切符の速度超過には懲役刑が規定されているため、起訴されてしまうと裁判を受けなくてはいけなくなります。
裁判を避けるためには弁護士に弁護活動の依頼を速やかに行うことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部速度超過の道路交通法違反を含め、刑事事件を専門に扱う弁護士事務所です。
初回の法律相談は無料で実施しており、24時間体制でお申し込みのお電話を受け付けております。

また、逮捕、勾留中の方の留置先に弁護士が、直接伺う初回接見サービスもご利用いただけます。
速度超過などの道路交通法違反などでお困りの方、またはご家族が逮捕されてお困りの方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
にご連絡ください。

酒酔い運転と酒気帯び運転

2022-10-03

飲酒運転をしてしまった場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

宮城県仙台市に住んでいる会社員のAさんはコンビニに買い物に行くことにしました。
Aさんは前日に酒を飲んでいましたが、もう酒が抜けていると思い自動車を運転してコンビニに向かいました。
コンビニから帰るため自動車を運転していたところ、買い物中にすれ違った警察官にAさんは呼び止められました。
呼気の検査をAさんが受けたところ、基準値を超えたアルコールが検出されました。
Aさんは、酒気帯び運転の疑い仙台北警察署の警察官に逮捕されました。

(報道された事件の一部事実を改変した事例です。)

【酒気帯び運転と酒酔い運転】

酒気帯び運転については、道路交通法65条1項に「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と定められています。
そして道路交通法117条の2の2には「次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められ、
3号に「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの」と記載しています。

身体に政令で定める程度以上にアルコール保有する状態」とは、血液1mlにつき0.3mg又は、呼気1リットルにつき0.15mg以上である場合を指しています(道路交通法施行令、第44条の3)。

刑事事件例でAさんは、身体に政令で定める程度以上にアルコール保有する状態で車両等である自動車を運転していたため酒気帯び運転に該当します。

飲酒運転には種類があり、酒気帯び運転の他にも酒酔い運転が存在します。

酒酔い運転については、道路交通法117条の2に「次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」と定められ、
1号に「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの」と記載されています。

酒酔い運転は身体に保有するアルコール量が基準になっていません。
アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態になることが、酒酔い運転が成立する要件になります。

【道路交通法違反の弁護活動】

飲酒運転による道路交通法違反はで逮捕される場合は、現行犯逮捕される可能性が高いと言えます。
逮捕されてしまった場合、最大で23日間身体を拘束されてしまいます。
そうならないためにも弁護士に身柄解放のために早期の依頼をすることが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
飲酒運転などの道路交通法違反を含め、刑事事件の経験と知識が豊富な弁護士が、逮捕、勾留中の方の留置先に直接伺う初回接見サービスを実施しております。
酒酔い運転、または酒気帯び運転などでお困りの方、またはご家族が逮捕されてお困りの方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所をご利用ください。

過失運転致傷で起訴 仙台市宮城野区

2022-04-24

高齢者による過失運転事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説致します。

仙台市宮城野区の交通事故

Aさん(70代・男性)は、仙台市宮城野区の国道45号線を走行中、車道を走っていたVさん(20代・大学生)に接触し、衝突してしまいました。
Aさんはすぐに車を停め、救急車を呼び、Vさんは病院に搬送されました。
しかし、Vさんは、全身を強打し、大腿骨を骨折するなどの重傷を負いました。
Aさんは、事故現場に駆け付けた宮城県仙台東警察署の警察官によって、過失運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
Aさんは、勾留されることなく釈放されましたが、その後、過失運転致傷罪で起訴され、裁判を受けることとなりました。
Aさんは、裁判に向け弁護士を依頼するために、刑事事件と交通事件を扱う法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです。)

人身事故を起こした

車を運転している方であれば、事故を起こしてしまう可能性はあります。
「交通事故の加害者」ときくと、運転免許証の取消や停止、被害者への賠償をしなければならないというイメージもあるかと思います。
もちろん、交通事故を起こしてしまった場合、このような行政責任民事責任も生じます。
しかし、これとは別に、刑事事件として、国から刑事責任を問われることもあります。

刑事事件の場合は、行政責任や民事責任の場合とは手続きや内容、担当機関が異なります。
そのため、交通事故における刑事責任の問題については、刑事事件特有の活動が必要となります。

ご自身またはご家族が起こしてしまった交通事故が、刑事事件となってしまう場合には、刑事事件を扱う弁護士に依頼することをおすすめします。
特に逮捕されてしまったという場合には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部初回接見サービスをご利用ください。

過失運転致死傷罪

人身事故を起こしてしまった場合、過失運転致死傷罪となってしまう可能性があります。
過失運転致死傷罪は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、自動車運転処罰法)」で規定されている犯罪です。
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立します(同法第5条)。

上記した仙台市宮城野区のAさんは、過失運転致傷罪の疑いで逮捕されてしまいました。
過失運転致傷罪の法定刑は、「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」となっています。
被害者の傷害が軽いときは、情状により、刑が免除されることがあります。
しかし、事故により被害者を死亡させてしまった場合には、刑が免除されることはありません。

高齢ドライバーの運転技能検査開始

警察庁は高齢ドライバーの事故対策として、免許更新時の運転技能検査(実車試験)制度を、令和4年5月13日に開始する方針を明らかにしました。
事故を起こしにくい安全運転サポート車(サポカー)だけを運転できる限定免許制度も同日に始める予定です。
これらの制度は令和元年の通常国会で成立した改正道路交通法に盛り込まれていました。

警察庁の発表によりますと、運転技能検査の対象は75歳以上の高齢者のうち、免許更新時の誕生日160日前を起点として、そこからさかのぼった3年間に信号無視や速度超過、横断歩行者の通行妨害など11類型の違反をした人とのことです。

運転技能検査に合格しない場合は免許更新ができない制度となっているようです。
ただし、受検期間は免許更新期間満了日までの6カ月間であるため、検査は繰り返し受けられるようです。

高齢ドライバーの事故防止のための第一歩となる制度となるでしょう。

過失運転致傷罪をしてしまったら

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部では、過失運転致傷罪をしてしまった方に対する刑事弁護活動を行っております。

過失運転致傷罪で起訴されてしまった場合は、弊所の無料法律相談をご利用下さい。
弊所の無料法律相談では、弊所の弁護士が、事故を起こしてしまったご本人様から、事故当時の状況についてお話を伺い、裁判ではどのような判決が下される可能性があるかについてご説明させていただきます。

無料法律相談のご予約は フリーダイアル 0120-631-881 にて 24時間・365日 承っております。

自動車事故で起訴されてしまった場合は、すぐにお電話下さい。

公務員男性によるひき逃げ事件発生 仙台市青葉区

2022-04-09

交通事故を起こして、ひき逃げを起こした場合の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

仙台市青葉区作並のひき逃げ事件

Aさん(40代・公務員男性)は取引先の会社に向かうために、宮城県仙台市内の国道48号線を自動車で走行している際、足元にペットボトルを落としてしまい、慌てて拾おうとしました。
そのとき、信号のない横断歩道を渡っていたVさん(60代・男性)に気付かず、Vさんに衝突する人身事故を起こしてしまいました。
Aさんは、Vさんが転倒し怪我をしているのを確認しましたが、気が動転してしまい、車を停止させることなく、事故現場から走り去ってしまいました。
しかし、事故の様子を目撃していた通行人が救急車を呼び、ひき逃げ事件が起きたことを警察へ通報しました。
後日、Aさんは宮城県仙台北警察署に呼び出され、Vさんが骨折等の大怪我を負っていることを知りました。
今後、どのような処分が下されるのか不安になったAさんは、刑事事件と交通事件を扱う法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです。)

ひき逃げの罪

刑法や道路交通法に、ひき逃げ罪という罪はありません。
ひき逃げをした場合は、複数の犯罪が成立します。
ここでは、ひき逃げをした場合に成立する罪について紹介します。

1.過失運転致傷罪

過失運転致傷罪とは、運転者の過失により交通事故を起こし、相手を死傷させてしまった場合に成立する犯罪です。
過失運転致傷罪は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、自動車運転過失致死傷罪とします。)」で規定されています。
同法第5条では、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
ただし、その傷害が軽い場合は、情状によってその刑が免除されることがあります。

2.救護義務違反

交通事故が起こったとき、運転者は直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護するとともに、危険防止措置を講じなければいけません。
(道路交通法第72条第1項前段)

つまり、事故を起こした際、運転者やその他の乗務員には、救護義務が科せられるということです。
この義務を果たさずに逃走した場合は、救護義務に違反したことになります。

なお、救護義務違反の刑事罰は、交通事故が発生した原因が誰なのかにより異なります。

救護義務違反をした者の運転が原因で交通事故が起こった場合、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
(道路交通法第117条第2項)
例えば、上記した宮城県仙台市青葉区作並のAさんのひき逃げ事件の場合、Aさんの過失により交通事故が発生しているため、Aさんは道路交通法第117条第2項に違反していると考えられます。

一方、救護義務違反をした者以外の運転が原因で、交通事故が起きていた場合は、適用される法律が異なります。
例えば、Aさんは法令順守し、Aさんの運転には一切の過失がなかったとします。
しかし、Aさんの対向車が道路を逆走し、それが原因で対向車の運転手が死傷する事故が発生したとします。
このとき、Aさんが何もせずその場を立ち去った場合は、道路交通法第117条第1項が適用され、Aさんは「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
たとえ、相手の運転が原因で起きた事故であったとしても、Aさんが救護義務を怠った場合は、Aさんは道路交通法違反の罪に問われる可能性があります。

 

3.警察への報告義務違反

運転者が交通事故を起こした場合、負傷者の負傷の程度などをすみやかに警察に対し報告しなければならないと規定されています。
(道路交通法第72条第1項後段)
この規定に違反した場合、3月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
(道路交通法第119条第10項)
なお、警察への救護義務違反については、その場から逃げたという救護義務違反と同一の行為についての責任なので、より重い救護義務違反についてのみ処罰の対象となります。

このように、ひき逃げをした場合、複数の犯罪が成立します。

上記した宮城県仙台市青葉区作並のAさんのように、負傷者を救護せず放置した場合、過失運転致傷罪救護義務違反の併合罪となります。
併合罪を有期懲役に処するときは、最も重い罪について定めた刑の長期に2分の1を加えたものを長期とするとの規定があります。(刑法45条前段、47条本文)
そのため、Aさんの場合、救護義務違反の刑の長期10年に、2分の1を加えた15年が、刑の長期となります。

 

ひき逃げしてしまった

もし、ひき逃げの容疑で警察からの捜査を受けている場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部無料法律相談をご利用下さい。
弊所の無料法律相談では、事故を起こしてしまったご本人様から、事故が起きた原因や、事故後の対応についてお話を聞き、今後の事件の見通しについてご説明させていただきます。
その後、正式に弁護人としてご依頼をいただきましたら、ご本人様の刑が少しでも軽くなるための弁護活動をすることが可能です。
ひき逃げに関する無料法律相談のお申込みは、フリーダイアル 0120-631-881 にて、24時間・年中無休で承っておりますので、いつでもお電話下さい。

宮城県仙台市若林区のひき逃げ事件

2022-02-11

宮城県仙台市若林区のひき逃げ事件

宮城県仙台市若林区のひき逃げ事件についてあいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】
宮城県仙台市若林区在住のAさんは内定が決まり,次の春から社会人として正社員として働き始める実家暮らしの大学四年生です。
ある日の明け方に気が向いて自分の運転で一人でドライブをしていました。
しかしながら長時間のドライブとなっていたために注意力散漫となってしまい,信号機のない横断歩行を横断している歩行者に気付かずに思いがけず轢いてしまい,歩行者に怪我を負わせました。
しかしながらAさんは,次の春から新社会人となって内定も決まっている今,自身のことで警察沙汰になってしまうことだけは避けたいと考え,横断していた歩行者の救護も110番通報もせずにそのままその場を立ち去ってしまいました。
後日,自宅の自室にいたところ若林警察署の署員がやってきて,その場で任意同行を求められその後逮捕されました。
(この刑事事件例はフィクションです。)

【ひき逃げは何罪になるのか】

今回の刑事事件例ではAさんはいわゆる「ひき逃げ」をしたことになりますが,日本の法律上ひき逃げ罪というものはありません。
俗にいうひき逃げとは,自動車などの運転中に人身事故があった場合に、道路交通法第72条で定められた必要な措置である救護措置を講じることなく現場から逃亡することを指します。
また自動車同士が衝突して、負傷者が出ているのにも関わらず放置して逃げる場合も同様に該当します。
今回の刑事事件例でのひき逃げは①過失運転致死傷罪②道路交通法上の救護義務違反③報告義務違反と3つの罪に問われます。
①の過失運転致死傷罪とは,自動車の運転上必要な注意を怠ることによって交通事故を起こし、その結果人にけがを負わせてしまった場合をいい,7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金が科せられます。
②の道路交通法上の救護義務違反は先ほども述べたように,車両の運転中に人身事故,または負傷者を出す事故を起こしたにもかかわらず、負傷者を救護しなかった行為であり,10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。また救護義務は怪我の度合いに関係なく,たとえ膝を擦りむいただけだとしてもその義務は発生し,違反すれば同様の処罰がなされます。
 道路交通法第72条
  交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

③の報告義務違反は道路交通法において定められている,事故を起こした際の警察への報告・通報の義務に違反するとして3月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。

【過失運転致死傷とは】

自動車運転処罰法第5条
  自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
過失運転致死傷罪とは、自動車の運転上必要な注意を怠ることによって交通事故を起こし、その結果人にけがを負わせてしまった場合を言います。
過失による罪なので、故意がなく単なる不注意によって人を死傷させた場合にも本罪が成立する可能性があります。
過失とは自己の行為から、損害・被害が発生することを認識できたにもかかわらず、不注意でそれを認識しないことを言い,自動車運転中の過失としては,
 前方不注意,制限速度速度超過,信号無視,居眠り運転,飲酒運転,ながら運転
といったものが挙げられます。
今回の刑事事件例のようにこういった要因で事故を起こし,歩行者に怪我を負わせた場合は過失運転致傷罪に問われます。

【もし逮捕されたら】

救護義務違反や報告義務違反となるひき逃げは逮捕されると勾留され,起訴される可能性が非常に高いです。
また今回の刑事事件例の場合はひき逃げ事件であり,事故を起こした上現場から逃走しているために被害者の処罰感情が高まる可能性が高いです。
このような状況の中、ひき逃げ事件を起こしてしまった場合で事件を穏便に済ませ、寛大な処分を得たい場合、ひき逃げ事件をはじめ刑事事件の示談に精通した弁護士に依頼をし、ひき逃げ事件の被害者の方の処罰感情をなだめつつひき逃げ事件の被害者の方と示談を進めていくことが重要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所でひき逃げのような重大事件についても対応しています。
宮城県仙台市若林区のひき逃げ事件でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
フリーダイヤルは0120―631-881です。

酒気帯び運転事件(道路交通法違反事件)

2021-09-14

酒気帯び運転事件(道路交通法違反事件)

酒気帯び運転事件道路交通法違反事件)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,宮城県多賀城市の市道において, 基準値(1リットル当たり0.15ミリグラム)を約2倍上回る状態で車を運転したとして,道路交通法違反酒気帯び運転)の容疑で逮捕されました。
Aさんは,宮城県塩釜警察署の警察官による取調べに対して,「飲酒したが、酒は抜けていると思った」と容疑を一部否認しているといいます。
(2021年8月9日に琉球日報に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【道路交通法違反(酒気帯び運転)とは】

道路交通法65条1項(酒気帯び運転等の禁止)
何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

道路交通法117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
3号:第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で,その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

酒気帯び運転による道路交通法違反の罪が成立するための要件は,「酒気を帯びて」「車両等を運転した者で,」「その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつた」ことです。

酒気帯び運転による道路交通法違反の罪は,身体に保有するアルコール量によって成否が決まることがポイントです。
具体的には,身体に保有するアルコールの程度が、呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上,又は血液1ミリリットル中0.3ミリグラム以上の状態にあったことが酒気帯び運転による道路交通法違反の罪の成立要件となります。

【酒気帯び運転と酒酔い運転の違いとは】

道路交通法117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
1号;第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で,その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。…)にあつたもの

酒酔い運転による道路交通法違反の罪が成立するための要件は,「酒気を帯びて」「車両等を運転した者で,」「その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。…)にあつた」ことです。

酒酔い運転による道路交通法違反の罪は,身体に保有するアルコール量によらないという点がポイントです。
具体的には,アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態にあったことが酒酔い運転による道路交通法違反の罪の成立要件となります。

また,酒気帯び運転による道路交通法違反事件を起こした場合の刑事罰は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるのに対し,酒酔い運転による道路交通法違反事件を起こした場合の刑事罰は「5年以下の懲役又は100万円」であり,酒気帯び運転なのか酒酔い運転なのかという違いは刑事罰の重さに関わってきます(飲酒運転について詳しく知りたい方は,こちらをご参照ください)。

【道路交通法違反事件(酒気帯び運転事件)を起こしたら】

酒気帯び運転による道路交通法違反事件を起こした場合,アルコール検査により,身体の保有するアルコール量が測定され,客観的証拠から酒気帯び運転による道路交通法違反が立証されてしまう可能性が高く,その場で現行犯逮捕されてしまうケースが多くみられます。

道路交通法違反事件酒気帯び運転事件)で逮捕されてしまった場合は,刑事弁護士を選任して,すみやかな身柄解放のための刑事弁護活動を受けましょう。
すみやかな身体解放がなされた場合,遅滞なく社会生活に復帰でき,失職や退学といった社会的不利益を回避することができる可能性があります。
その他,道路交通法違反事件酒気帯び運転事件)の被疑者の方の事情に応じて,アルコール依存症の治療のための通院を行うこと等がすぐにできるようになる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
酒気帯び運転事件道路交通法違反事件)でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。

停電中のひき逃げで逮捕

2021-02-23

停電中のひき逃げで逮捕

地震による停電中にひき逃げをして逮捕された事件がありました。

会社員をひき逃げ容疑で逮捕「飲酒発覚恐れた」 停電中の交差点
Yahoo!ニュース(毎日新聞)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~飲酒運転もしていた~

この事件は、2月13日に発生した最大震度6強の地震による停電で、信号機も消えてしまっている交差点において、ひき逃げをして逮捕されたという事件です。
被害者は腰の骨を折る重傷でした。

信号機が消えていたことが事故の原因の一つとなったのかどうかは、報道からはわかりません。
ただし運転手は当時、飲酒運転だったとのことで、飲酒運単が発覚するのをおそれて逃げたという供述をしているとのことです。

これが本当であれば、今回の運転者には、①飲酒運転をした点、②人にケガを負わせた点、③ひき逃げをした点それぞれに犯罪が成立する可能性が高いでしょう。
1つ1つ見ていきます。

~①飲酒運転をした点~

呼気1リットルにつき0.15mg以上のアルコールが検出されると、酒気帯び運転の罪となります。
罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です(道路交通法117条の2の2第3号)。

アルコールの数値に関わらず、強く酔っていて、正常な運転ができない状態で運転をすると、酒酔い運転の罪となります。
罰則はより重く、5年以下の懲役または100万円以下の罰金です(道路交通法117条の2第1号)。

~②人にケガを負わせた点~

人をひいてケガをさせた場合、運転手に過失がなかった場合を除き、過失運転致傷罪が成立することになるでしょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

ただし、飲酒運転の中でも、強く酔っていて事故を起こしたという悪質なものについては、さらに重い刑罰が定められた危険運転致傷罪が成立することもあります。
条文が長いので、一部を引用してみます。

同法第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

被害者がケガをしたが死亡まではしなかったという場合でも、最高で懲役15年という、重い刑罰が定められています。

~③ひき逃げをした点~

ひき逃げをした場合には、被害者を助ける救護義務違反と、警察官に届け出る報告義務違反が成立します。

・救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条2項)
 →10年以下の懲役または100万円以下の罰金
・報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
 →3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

特に救護義務違反は、最高で10年の懲役という重い刑罰が定められています。

さらに、逃げた原因が飲酒運転の発覚をおそれたことにあった場合、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪という犯罪が成立する可能性があります。

この犯罪は、一度逃げて、アルコールが抜けてから自首すれば、アルコールの影響による事故かどうかがわからなくなり、過失運転致傷罪よりも重い刑罰が定められた危険運転致傷罪には問えなくなるという事態を防ぐために定められています。
罰則は12年以下の懲役です。

今回の事件では、停電による信号機の消灯という不運も重なった可能性はありますが、飲酒運転をして事故を起こすと、様々な重い犯罪が成立してしまう可能性があるわけです。

~事故を起こしたら弁護士にご相談を~

あなたやご家族が交通事故を起こしてしまった場合、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやって行えばよいのか、逮捕されるのか、いつ釈放されるのかなど、不安が大きいと思います。

事件内容に応じてアドバイスいたしますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

晩翠通りの死亡事故で現行犯逮捕

2020-12-04

晩翠通りの死亡事故で現行犯逮捕

仙台市内の晩翠通りで死亡事故が発生し、運転手が現行犯逮捕されました。

晩翠通で乗用車にはねられ男性死亡 会社員の男(41)を逮捕〈仙台市〉
Yahoo!ニュース(仙台放送)

この事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~過失運転致傷罪で逮捕~

この事故は、令和2年11月25日午前5時40分頃、仙台市内の晩翠通りで人がはねられて死亡し、はねた運転手が現行犯逮捕されたというものです。

この時期の早朝はまだ暗く、歩行者の発見が遅れたのかもしれません。

また、逮捕された運転手は、「倒れている人にぶつかった」と話しているとのこと。
もちろん、単に運転手側の落ち度が大きい事故だった可能性もあります。
一方で、この供述が本当であれば、事故現場が繁華街にも近いことから、被害者が酔って寝てしまっていたという可能性もあります。

しかしながら、たとえ被害者側にもある程度落ち度があったとしても、自動車を運転して人をひいてしまうと、過失運転致死罪過失運転致傷罪で逮捕されてしまう可能性があります。
条文を見てみましょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

今回の事故で言えば、前方をしっかり見るといった「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者」という部分に該当しうるわけです。

この条文にある「死傷させた」とは、「死亡させた、または傷害を負わせた」という意味です。
死亡させた場合は過失運転致罪、ケガを負わせるにとどまった場合は過失運転致罪が成立するというわけです。

今回の運転手は、過失運転致罪の容疑で現行犯逮捕されています。
現場で現行犯逮捕された時には、被害者の死亡が確認されていなかったので、少なくとも成立するであろう過失運転致傷罪で現行犯逮捕されたということになります。
その後、被害者の死亡が確認されたことから、警察は容疑を過失運転致罪に切り替えて捜査が進められるようです。

~誰でも犯罪者になりうる~

今回の事故で、運転手の落ち度がどの程度だったのか、報道からは分かりません。
しかし、普段は犯罪と縁がないように思える人であっても、ちょっとした不注意で人身事故を起こし、犯罪が成立してしまう可能性があるのが交通事故です。

あなたや、あなたのご家族が突然、交通事故を起こして逮捕される、警察の事情聴取を受けるという可能性もゼロではありません。
こうなってしまうと、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、被害者への謝罪・賠償(示談)はどうすればいいのか、勤務先への対応など、わからないことが一気に襲いかかってくることになります。

正式に弁護を依頼されるかどうかは別として、状況を整理し、今後の見通しを立てるために、まずは一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、交通事故を含めた刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

「起き上がったので大丈夫だと思った」ひき逃げで逮捕

2020-11-06

「起き上がったので大丈夫だと思った」ひき逃げで逮捕

自動車で小学生と接触し、ひき逃げで逮捕された事件がありました。

大河原町 77歳の男 小学生をひき逃げ容疑 逮捕
KHB東日本放送

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

~軽傷でも逮捕~

この事件は、宮城県大河原町の県道で、77歳男性が運転する自動車と、9歳の男子児童がぶつかったという交通事故から始まりました。
男子児童は転倒しましたが、右ひざを打撲するという軽傷で済んだようです。

しかし運転手によれば、「ぶつかったあとに(男子児童が)起き上がったので大丈夫だと思った」ことから、病院に行く手配をしたり、警察に報告したりせず、そのまま走り去ってしまいました。

警察は目撃情報などから運転手を割り出して、逮捕したということです。

もし、運転手が病院の手配や警察への報告を速やかにしていれば、軽傷で済んだということもあるので、逮捕されるといった大ごとにはならなかったでしょう。

しかし、たとえ被害者が軽傷であったとしても、そのまま走り去ってしまうと、道路交通法に定められたひき逃げに該当してしまい、逮捕の可能性が出てきてしまいます。
ひき逃げは、10年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑罰が定められた重い犯罪なので、逮捕を含めた厳しい対応がなされる可能性があるのです。

~軽い事故でもしっかりした対応が必要~

たとえ事故現場では軽傷に見えても、実は骨折していたという場合もあります。
また、被害者が子供の場合、たいしたケガをしていなそうでも、また、子供自身が大丈夫だと言ったとしても、事故に遭ったことを告げられた親が警察に相談して、ひき逃げ事件として捜査が始まるというケースもあります。

さらには、子供の側にも飛び出してしまったという落ち度があるケースもあり、子供が謝りながらすぐに走り去ってしまうといったケースもありますが、この場合でも、後になってひき逃げとして捜査対象となる可能性は十分あります。

自動車の運転手としては、相手が重症の場合は救急車を呼ぶのは当然として、たとえ相手が大丈夫そうであっても、少なくとも事故後すぐに警察に報告するのが得策と言えます。
それでも最終的に罰金刑などになる可能性はありますが、少なくとも逮捕されるといった大ごとになる可能性は低くなりますし、場合によってはお咎めなしで終わる可能性すらあるのです。

~逮捕や呼出しをされたら~

ひき逃げ犯として逮捕されたり、取調べ(事情聴取)のため警察に呼び出された場合、警察官に不信感を与えないよう、事実を適切に話す必要があります。
しかし、逮捕や取調べ(事情聴取)といった慣れていない状況で、適切に受け答えするのは難しい場合が多いでしょう。

また、被害者やその親御さんと話し合いをして、示談を結ぶことも重要となります。
しかし、何と言って示談をお願いしたらいいのか、示談金はいくらにしたら良いのかなど、わからないことだらけだと思います。

事件の内容に応じてアドバイス致しますので、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスを、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談をご利用ください。
宮城県はもちろん、近隣からのご相談にも対応しております。

プロ野球選手のスピード違反

2020-10-02

プロ野球選手のスピード違反

プロ野球選手がスピード違反で執行猶予判決を受けました。

首都高爆走 西武・佐藤龍世被告に有罪判決「懲役3月、執行猶予2年」
Yahoo!ニュース(東スポWeb)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。

~89キロオーバー~

この事件は、佐藤選手が首都高速中央環状線・山手トンネル内を、法定速度(時速60キロ)から89キロ超える149キロで走行し、道路交通法違反の罪に問われたというものです。
東京地裁は、懲役3ヵ月、執行猶予2年の判決を下しました。

今回のように89キロオーバーの場合、一般道・高速道路問わず、6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金となっています(道路交通法118条1項1号、22条1項参照)。
佐藤選手も、執行猶予は付きましたが、この条文の範囲内である懲役3ヵ月という判決を受けたわけです。

なお、交通違反には、反則金を支払えば刑事裁判や前科を避けることができる制度があります。
しかし、一般道で30キロ以上オーバー、高速道路で40キロ以上オーバーの場合は対象外となっているので、刑事裁判を受けたり前科が付く可能性が高まります。

これとは別途、違反点数12点が引かれます。
これまで交通違反での処分歴がない人でも90日間の免停に、1回以上ある人なら免許取消しになってしまいます。

反則金や違反点数について詳しくはこちらをご覧ください。
【交通違反点数制度と一覧表】

~人身事故につながると~

今回の佐藤選手は幸い、事故につながりませんでした。
したがって、一番重い判決が下ったとしても、6ヵ月の懲役ということになります。

しかし仮に、スピード違反で人身事故を起こし、ケガをさせたり死亡させた場合には、一気に重い判決になることが予想されます。

成立しうる犯罪の条文を見てみましょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
2号 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
第5条(過失運転致死傷)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

2条には危険運転致死傷罪が定められています。
相手がケガの場合は15年以下の懲役、死亡の場合は、1年以上の有期懲役(他に犯罪をしていない場合、最長で20年の懲役)となります。

5条は過失運転致死傷罪が定められています。
相手がケガ・死亡の場合を含めて、最長で7年の懲役となります。

両者の違いのイメージは、2条の危険運転致傷罪が、「進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」と書かれている通り、速度違反をした上に、それが少しの速度違反ではなく、事故を起こさないように運転することが難しいと言えるくらい悪質なケースをいいます。

一方、5条の過失運転致死傷罪は、2条の場合よりも悪質な運転ではないものの、スピード違反によって相手を負傷・死亡させたようなケースを言います。

いずれにしろ、事故が起こると、一気に罪が重くなることになります。

~弁護士にご相談を~

普段、犯罪に縁がない方であっても、いきなり犯罪者となってしまう可能性があるのが交通事件です。
あなたや、ご家族が交通違反をしたり、事故を起こしてしまい、逮捕された、警察に呼び出されたといった場合には、ぜひ一度ご相談下さい。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

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