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超高金利の貸付けで出資法違反

2019-04-08

超高金利の貸付けで出資法違反

2019年1月16日仙台放送配信のニュースによると、今年1月15日に、仙台市泉区の貸金業の社長など3人が出資法違反などの容疑で逮捕されたそうです。
警察によると、2013年から去年にかけて、資金繰りに悩む全国30都道府県の約150業者にあわせて17億7000万円を融資し、法律で定められた金利を超えて利息を要求することで、2億円以上の違法な利息を受け取っていたとみられているそうです。
それぞれの利息は法定の9倍から10倍にあたり、「超高金利」で貸し付けていたとみられています。

~出資法~

出資法とは,略称であり,正式名称は「出資の受入れ,預り金及び金利等の取り締まりに関する法律」と言います。
出資法は、昭和初期に大掛かりな出資・投資詐欺が流行し、社会が大混乱に陥った反省から制定された法律であり、その名称の通り、出資金の受入れや預り金、金利、仲介手数料等に関して規制しています。
主に以下の行為を禁止して、罰則を設けています。
①不特定多数の者に対する、元本を保証した出資の受入れ
②特定金融機関以外の者が業としての預り金をすること
③金融機関の役職員等が、その地位を利用して金銭の貸付・賃借の媒介・債務保証をすること(浮貸し)
④金銭の貸借の媒介を行なう者が、その金銭額の5%超の手数料を受けること
⑤金融業者は年20%超、金融業者以外は年109.5%(うるう年は109.5%とし、1日あたり0.3%)超の金利の契約をすること

①から④の行為について、罰則は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれを併科されます。
⑤の行為については、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはこれを併科されます。

ここまでで、「金利」や「利息」といった、似たような意味の言葉が出てきました。
「金利」とは、お金を借りる側が、借りたお金(元金)に追加して支払う金額の割合のことをさします。
つまり、元金に対する割合を表すものとされています。
「利息」とは、お金を貸した側が、借りたお金(元金)に追加して受け取るお金のことをさします。
逆に言えば、借りた側が元金に追加して支払うもの、要するに金利分のお金のことです。

出資法で定められた金利を超えた高金利で貸付ける行為は、上記の⑤の行為となります。
なお、貸金業者に対する法規制は出資法だけでなく、貸金業法、利息制限法などにもあります。

違法な高金利で貸付けをおこなった出資法違反事件の場合、出資法の上限の金利をどの程度超えているか、違法な金利で得た利益の額、違法な金利で貸付けていた期間・人数等の事情が検察官の処分や裁判での量刑にとって重要になってきます。
初犯であっても、被害額が一千万円を超える高額な事件である場合などはれば、実刑判決を受ける場合もありえます。
また、法定刑を見ていただくとわかる通り、高金利での出資法違反の場合には、懲役刑と併せて罰金刑が科される場合があります。

出資法違反はなかなか聞き慣れない犯罪ですし、専門的で一般の方には難しい部分が多いと思われます。
加えて、出資法違反の場合の法定刑は重く、厳しい処罰が予想されます。
そのため、出資法違反の容疑をかけられてしまったら、できるだけ事件の初期段階から刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が多数在籍する法律事務所です。
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同乗者死亡で過失運転致死罪?

2019-04-07

同乗者死亡で過失運転致死罪?

Aさんは、宮城県女川町で助手席に友人のVさんを乗せて自動車を運転中、わき見が原因で、停車していた無人のトラックと衝突する交通事故を起こしてしまいました。
この事故によってVさんは死亡してしまい、Aさん自身の通報により駆けつけた宮城県石巻警察署の警察官に,過失運転致死罪現行犯逮捕されました。
Aさんは、宮城県石巻警察署取調べを受けましたが、Aさんが過失運転致死罪の事実を認めておりAさんの妻が身元引受人として監督することを理由に、同日中にAさんを釈放しました。
Aさんは、宮城県内で交通事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~自分の車の同乗書が死亡した過失運転致死罪~

交通死亡事故を起こした場合,以前は,「刑法」に基づいて処罰されていましたが、現在は平成26年に施行された「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」によって処罰されることになります。
過失(不注意)によって交通死亡事故を起こしてしまった場合、この法律の第5条に規定されている過失運転致死罪で処罰されることになります。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 第5条 
過失運転致死傷罪
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。

ただ、ここまでお読みの方の中には、自分の車の同乗者が被害者の場合でも過失運転致死罪(過失運転致死傷罪)になるのか疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれません。
交通事故(人身事故)というと
・自動車と歩行者が接触して、歩行者が怪我・死亡する
・自動車と自転車やバイクが接触して、自転車やバイクの運転者が怪我・死亡する
・自動車同士で接触・衝突して、相手の自動車に乗車している運転手や同乗者が怪我・死亡する
というように、人身事故の相手方が怪我・死亡する、というケースを想像される方が多いように思います。

過失運転致死傷罪の条文を見ると、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者」、つまり、自動車運転上必要な注意を怠ったという過失で人を死傷させた場合に、過失運転致死傷罪となることが分かります。
過失運転致死傷罪が成立するのは、必ずしも交通事故の相手方が被害者の時だけとは限りません。
今回の事例のように、交通事故を起こしてそれによって自分の車の同乗者が死亡してしまったケースでも過失運転致死罪が適用されることがあります。

Aさんの場合、「わき見」という過失(不注意)によって交通事故を起こし、その結果Vさんが死亡していますから、この条文に当てはまり、過失運転致死罪が成立する可能性が高そうです。

なお、過失運転致死罪は、人を死亡させるという重大な結果が発生しているため、事故直後に警察に現行犯逮捕されることが多いです。
しかし、重大な過失や勾留の必要性が認められなければ、Aさんのように、勾留前に釈放されて、在宅事件として不拘束での取調べとなることがあります。

~過失運転致死罪の弁護活動~

過失運転致死罪交通事件を起こしてしまったケースで、加害者側が自賠責保険だけでなく任意保険にも加入している場合は、一定の条件を満たせば、保険会社から被害者に対して損害賠償金が支払われます。
被害者側との示談交渉は、加害者側が示談代行サービスのついている任意保険に加入している場合には、保険会社が行ってくれます。
(任意保険に加入していない加害者の場合、被害者側との示談交渉は弁護士に頼むか自分で行うしかありません。

しかし、保険会社から損害賠償金が支払われたからと言って、加害者が起こしてしまった過失運転致死事件がそこで終わるわけではありません。

過失運転致死事件においては、個々の事件ごとに予想される刑事処分や量刑が大きく異なります。
具体的には、被疑事実の認否、注意義務違反(過失)の程度、被害者の人数と負傷の程度、任意の自動車保険の付保の有無や、示談成立の有無、保険金以外での謝罪金や寄付金の有無等によって、予想される刑事処分や量刑が大きく左右されます。
過去の事件を見ると、不起訴になっている事件もあれば、罰金刑や執行猶予付き判決、長期の実刑判決になっている事件もあります。

より軽い刑事処分で事件を終わらせるためには、交通事件に強い弁護士の有する知識と経験に基づいて弁護方針をしっかり見定め、予想される刑事処分より軽い処罰や量刑を求めていくことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、過失運転致死事件等の交通事件に強い弁護士が弁護活動に当たります。
同乗者が被害者の過失運転致死事件を起こしてしまいお困りの方は、まずは0120-631-881にお電話ください。
(宮城県石巻警察署への初回接見費用:43,200円)

ヘロイン使用(施用)の再犯防止

2019-04-06

ヘロイン使用(施用)の再犯防止

宮城県南三陸町在住のAさんは、ヘロインを使用した後に同町内の路上で錯乱状態にあったところを、近隣住民の通報によって駆け付けた宮城県南三陸警察署の警察官に見つかり、宮城県南三陸警察署へと連行されました。
その後、採尿許可状により得た尿からヘロインの成分が検出されたとの鑑定結果が出たため、Aさんは麻薬及び向精神薬取締法違反(ヘロイン施用)で逮捕されました。
Aさんは勾留決定により長期間の身柄拘束を受けることとなったため、Aさんの両親は薬物事件刑事事件を専門とする法律事務所弁護士刑事弁護を依頼しました。
Aさんの両親は、Aさんが薬物依存に陥っているのではないかと心配して、薬物依存からの回復についても気になっています。
(フィクションです。)

~ヘロイン~

ヘロインは、「麻薬及び向精神薬取締法」において「ジアセチルモルヒネ等」の薬物として、麻薬及び向精神薬取締法の中でも重い刑罰が科せられています。
ヘロインは、けしを原料とした薬物で、けしから採取したあへんからモルヒネを抽出し精製することで作られます。

ヘロインは、強い精神的・身体的依存が特徴で、他の如何なる麻薬よりも依存性が早くできあがると言われています。
心身への影響が非常に強いことから、医学的な使用も一切禁止されています
ヘロインには、神経を抑制する作用があり、強い陶酔感・快感を覚えます。
ヘロインを摂取して3~4時間もすると、発汗し始めてイライラし、さらにヘロインを摂取したくなります。
摂取しないと、悪寒、嘔吐、失神、発汗、発熱、手足の痙攣や震え、体中の筋肉の激痛、骨がバラバラになって飛散するかと思うほどの痛みなどの様々な激しい禁断症状が起こります。
また、大量に摂取した場合や急性の中毒状態の場合には、ショック状態になり、呼吸困難、昏睡状態の後、死に至る場合があります。

ヘロインの使用(法律では「施用」と言います)は、覚せい剤の使用等と同じように尿の鑑定などで明らかになります。
自己使用目的などの営利目的がない場合のヘロイン使用の法定刑は、10年以下の懲役となっており、これは、営利目的なしの覚せい剤使用の法定刑と同じです。
この罰則規定は、麻薬及び向精神薬取締法で規制されているコカインなどの他の麻薬の法定刑(7年以下の懲役)と比べると重いものとなっています。
これは、ヘロインが他の麻薬と比べて特に依存性が高い薬物であるという理由から重くなっているのです。
なお、警察や麻薬取締部等の捜査当局がヘロインの使用事件を立件する件数は、覚せい剤の使用事件の立件件数に比べるとかなり少なくなっています。

~ヘロインと薬物依存の治療~

今回の事例のAは,ヘロインを使用したとの容疑で逮捕されていますが、錯乱状態に陥っていることから、薬物中毒状態、薬物依存状態にあることが懸念されます。
ヘロインなどの違法薬物使用事件における再犯を防止するためには、薬物に対する依存から完全に離脱させる必要があります。
薬物依存は病気と同じで、治したくても自分の力のみではうまくいきません。
専門家による治療や周りの方たちの協力を受けることが必要不可欠です。
具体的な治療については、一般的に、薬物治療を行っている精神科のある病院を受診していただき、場合によっては入院をしていただいて、まず体から薬物の薬効を抜くことが第一歩になります。
そのうえで、DARC(ダルク)やNAといった自助グループへ参加し、周囲の助けを得ながら、環境の改善や薬物からの断絶を図っていくことになります。
治療や自助グループへの参加に当たっては、ご家族の意識の改善やサポート体制の確立も重要です。
しかし、薬物事件の場合には逮捕勾留されることがほとんどであるため、ご本人が釈放されなければ治療を行うことができません。
そこで、弁護士の力が活きてきます。
逮捕された後できるだけ早く弁護士に依頼できれば、治療も含めた計画を早めに立てることができ、関係各所との連携を図りながら釈放後の受け入れの体制を早く整えることができます。
これらの環境調整により、身柄拘束から早く解放される可能性があがるため、並行して、弁護士は、勾留阻止や保釈など身柄解放に向けた様々な活動を行っていくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、年間多数の薬物事件のご依頼をいただいており、薬物の依存症に関する知識もあります。
刑事弁護のご依頼をいただいた場合、病院や自助グループを一緒に探す手助けをすることもできます。
ヘロインなどの薬物事件でご家族が逮捕された場合は、初回接見サービスをご利用ください。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。
宮城県南三陸警察署への初回接見費用:上記フリーダイヤルにお気軽にお問い合わせください。

知人が被害者の窃盗事件で示談

2019-04-05

知人が被害者の窃盗事件で示談

宮城県仙台市の専門学校に通う21歳Aさんは、専門学校内のロッカーからクラスメートのV所有の現金約1万円及び学生証と免許証在中の財布1個を盗みました。
Aさんが学校内で盗んだ財布を持っていたため、Vの友人が気づいてそのことをVさんに伝えたところ、Vさんは激怒しているそうです。
Vさんが激怒していると聞いたAさんは、どうにかして穏便に示談で解決できないかと、宮城県内で刑事事件を専門に扱う法律事務所を訪れ、弁護士無料法律相談しました。
(フィクションです。)

~窃盗事件~

【窃盗罪(刑法235条)】
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。 

「窃取」は、他人の財物を自己の支配下に置くことをいいます。
ここでの物に対する支配は占有と言われています。
自己の支配下に置くとは、もはや他人の占有の及ばない状況に置くことをいいます。
つまり、窃盗罪の「窃取」とは、他人の占有する財物をその者の意思に反して自己又は第三者の占有のもとに移すことです。

~窃盗事件の解決~

窃盗罪という罪は、様々な手口があり、態様によって、「万引き」「スリ」「ひったくり」「置き引き」「空き巣」「自動車荒らし」「侵入盗」等の呼び方をされます。

様々な手口があるために、見知らぬ人に対して窃盗をしてしまう場合だけでなく、知人に対して窃盗をしてしまう場合もあります。
今回の事例のAさんは、通学する専門学校のクラスメートから、現金約1万円及び学生証と免許証在中の財布1個を盗んでしまいました。
このコラムをお読みの方の中には、学生時代に学校内で窃盗事件が発生したと聞いたり、自分が学校内で窃盗事件の被害に遭ったりという方もいらっしゃるのではないかと思います。

もし、あなたのお子さんや家族が窃盗事件の加害者になってしまったら,これから起こりうる事態を想像して不安になると思います。
しかし、窃盗事件の加害者になってしまった以上は、不安になって悩んでいるだけでは問題は解決せず、放置していると事態がより悪化してしまう恐れがあります。

今回の事例では、窃盗事件の被害者Vさんは、加害者であるAさんのクラスメートです。
加害者と被害者が知人である窃盗事件の場合は、被害者に対してまずは誠心誠意謝罪をすることが事件の解決に向けて重要になります。
そして、被害品と被害金額を返還すること(=被害弁償すること)も大切です。
被害品や被害額にもよりますが、知人同士や友達同士だと、「お金が返ってくるのであれば大事にしない」と被害者が考えていることがあります。
そのように被害者が考えているケースで被害弁償できた場合は、被害者が警察に被害届を提出しないことも少なくありません。
加害者と被害者が学生の場合、被害者が学校へ窃盗被害に遭ったことを報告せず、被害届も提出しなければ、窃盗事件が学校に発覚することなく解決できることも期待できます。
通学している学校に事件が発覚すれば最悪の場合は退学処分になりかねないため、学校に発覚することがなく事件が解決できるというのは大きなメリットでしょう。

このように、知人との窃盗事件では、誠心誠意謝罪と被害弁償をして示談することが早期解決への第一歩だと言えます。

~示談のために弁護士に依頼するメリット~

被害者が知人であれば、加害者が連絡先を知っていたり直接被害者と会ったりできるため、「わざわざお金を払って弁護士に頼まなくても、自分で示談する」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、加害者と被害者双方が感情的にならずに示談できて、穏便に事件解決をするためには、弁護士の力を借りることがお勧めです。

窃盗事件示談といっても、示談書に盛り込まれる内容は事件によって様々です。
例えば,示談の内容に加害者が被疑者に寛大な処分を求める旨の条項が入れてもらえれば,被疑者側にとってより有利な示談となります。
一方、被害者から過大な請求がなされたり、示談の内容によっては,同じ窃盗事件で後日紛争が蒸し返されるおそれもあります。

また、今回の事例のように、加害者と被害者が学生の場合は、被害者が未成年の場合もあります。
被害者が未成年の場合、被害者の保護者とのやり取りも必要となります。

最善の内容の示談を成立させるためには、刑事事件示談に詳しい弁護士に依頼して示談交渉してもらうのが望ましいでしょう。

窃盗事件弁護士を通じて被害者に対応し、示談によって事件を終わらせたいという場合は、数多くの示談をまとめあげてきた弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご依頼ください。
(宮城県仙台中央警察署 初回接見費用:34,100円)

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚⑤

2019-04-04

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚⑤

~前回からの流れ~

Aさんは、出会い系アプリで女子高校生Vさん(16歳)と知り合いました。
Vさんが「今年の春に高校2年生になった」と話していたため、Aさんは,Vさんの年齢を16歳か17歳だろうと思いましたが、Vさんと援助交際をしたいと考えて、Vさんに3万円を渡す代わりに性交することを約束しました。
当日、Vさんと会ったAさんは、渡すお金を1万円増額する代わりにVさんとの性交時の場面を動画撮影させてほしいとVさんに持ち掛けました。
Vさんの了承を得たAさんは、Vさんと性交に及ぶ様子をスマートフォンで動画撮影しました。
帰宅後、Aさんは、その動画をインターネット掲示板に公開しました。
Vさんが宮城県遠田警察署に補導されたことをきっかけに事件が発覚し、Aさんは児童買春の疑いで宮城県遠田警察署逮捕され、スマートフォンを押収されました。
捜査の結果、Aさんは、20日間の勾留後、児童ポルノ製造の罪と児童ポルノ公然陳列の罪で再逮捕されました。
(フィクションです。)

今回のコラムでは、児童買春児童ポルノ事件と再逮捕について解説します。

~再逮捕~

ニュースで、「~容疑者が再逮捕されました。」などと報道されているのを耳にすることがあります。
実は、法律上の「再逮捕」と一般的に使用されている「再逮捕」という言葉は意味が異なります。
法律上の「再逮捕」とは,「同一の被疑事実につき,時を異にして再び逮捕する」ことをいいます。
この法律上の再逮捕は、原則的には認められていません。
一方、一般的に使用されている「再逮捕」という言葉は、「異なる被疑事実につき,時を異にして逮捕する」ことを指していることが多いです。
異なる被疑事実かどうかは,罪名はもちろん,犯行時期・場所,被害者,犯行態様,保護法益等を比べて判断されます。
今回の事例のAさんは、児童買春と、児童ポルノ製造・児童ポルノ公然陳列の被害者は同じですが,罪名が異なりますし,犯行態様も異なります。
そのため、Aさんが二度目の逮捕をされたのは、法律上の再逮捕ではなく、一般的に使用されている言葉としての「再逮捕」であり、許容されることになるでしょう。

~再逮捕後の身柄拘束~

Aさんは、児童買春の罪で逮捕されて20日間の勾留を受けた後、児童ポルノ製造の罪と児童ポルノ公然陳列の罪で再逮捕されています。
再逮捕されると,再び最大で3日間の逮捕と20日間の勾留期間が続くことになります。
児童買春の罪で逮捕された場合、余罪捜査の一環としてスマートフォンやパソコンなどが押収されることが多いです。
警察は、児童ポルノ等の犯罪に繋がる証拠がスマートフォンやパソコンなどに残っていないかどうか調べるために押収します。
児童ポルノ等の犯罪につながる証拠が見つかれば、Aさんのように再逮捕されて身柄拘束期間が延びることがありえます。

長期間の身体拘束を受けることを避けるためには、弁護士に依頼して早期に対応することが重要です。
余罪があって再逮捕される可能性がある場合、かなりの長期間の身体拘束が続く可能性があるため、弁護士に依頼して、取調べに対するアドバイスを受けたり、身柄解放のための活動をしてもらう必要性が高いと言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件専門の法律事務所です。
余罪多数の事件の刑事弁護活動も積極的におこなっており、児童買春事件、児童ポルノ事件で余罪がある方のご依頼もこれまでにいただいております。
ご家族が児童買春児童ポルノ事件で逮捕された、または再逮捕されてお困りの方は、初回接見サービスをご利用ください。
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(宮城県遠田警察署 初回接見費用:43,220円)

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚④

2019-04-03

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚④

~前回からの流れ~

Aさんは、出会い系アプリで女子高校生Vさん(16歳)と知り合いました。
Vさんが「今年の春に高校2年生になった」と話していたため、Aさんは,Vさんの年齢を16歳か17歳だろうと思いましたが、Vさんと援助交際をしたいと考えて、Vさんに3万円を渡す代わりに性交することを約束しました。
当日、Vさんと会ったAさんは、渡すお金を1万円増額する代わりにVさんとの性交時の場面を動画撮影させてほしいとVさんに持ち掛けました。
Vさんの了承を得たAさんは、Vさんと性交に及ぶ様子をスマートフォンで動画撮影しました。
帰宅後、Aさんは、その動画をインターネット掲示板に公開しました。
Vさんが宮城県遠田警察署に補導されたことをきっかけに事件が発覚し、Aさんは児童買春の疑いで宮城県遠田警察署逮捕され、スマートフォンを押収されました。
捜査の結果、Aさんは、20日間の勾留後、児童ポルノ製造の罪と児童ポルノ公然陳列の罪で再逮捕されました。
(フィクションです。)

~児童ポルノ公然陳列の罪~

児童ポルノ公然陳列の罪は,児童ポルノを公然と陳列した場合に成立する罪です。

法律7条6項
児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。

児童ポルノ公然陳列の罪を犯すと、①5年以下の懲役、②500万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかが科されるおそれがあります。
懲役刑と併せて罰金が科せられるような罰則になっているのは,児童ポルノを利用して不当に得た収益を吐き出させる意味合いもあると言われています。

児童ポルノ公然陳列の罪は、懲役刑と罰金刑の上限が単純所持や製造,提供より重いだけでなく,場合によっては懲役刑と罰金刑がまとめて言い渡される可能性があるため,児童ポルノに関する規制,処罰の中ではかなり重い部類に属します。
その理由は、不特定多数の者に写真や画像,動画が見られてしまうため,対象となった児童にもたらされる弊害が大きいためです。
児童ポルノ公然陳列の罪を犯してしまった場合,逮捕や刑事裁判となるリスクが高いです。
また、児童ポルノ公然陳列の罪の場合、実刑の可能性も否定できません。
起訴されて執行猶予獲得を目指す場合には、被告人が反省を深めていること、被害者へ被害弁償や示談をしていること,犯行に使用したパソコンを処分する等再犯防止に向けた具体的取組みをしていることなどを的確に立証していく必要があるでしょう。

なお、平成30年上半期の態様別の検挙件数では、製造事犯、提供・公然陳列事犯、所持等事犯のうち、提供・公然陳列事犯が最も少ない344件で、全体の約24%を占めています。
次回のコラムでは、児童買春児童ポルノ事件と再逮捕について解説します。

ご家族等が刑事事件逮捕されお困りの方は, 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。
児童買春・児童ポルノ事件では、本人が忘れた頃に,突然警察に逮捕されるということがあります。
初回接見とは,ご契約前に,弁護士が警察署等の留置施設に出張して,逮捕勾留されている方と面会するサービスです。
身体拘束されて外界との接触を遮断されている被疑者の方に,契約前の時点で,弁護士から取調べについての対応や事件の見通しについて法的なアドバイスを提供します。
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(宮城県遠田警察署への初回接見費用:43,220円)

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚③

2019-04-02

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚③

~前回からの流れ~
Aさんは、出会い系アプリで女子高校生Vさん(16歳)と知り合いました。
Vさんが「今年の春に高校2年生になった」と話していたため、Aさんは,Vさんの年齢を16歳か17歳だろうと思いましたが、Vさんと援助交際をしたいと考えて、Vさんに3万円を渡す代わりに性交することを約束しました。
当日、Vさんと会ったAさんは、渡すお金を1万円増額する代わりにVさんとの性交時の場面を動画撮影させてほしいとVさんに持ち掛けました。
Vさんの了承を得たAさんは、Vさんと性交に及ぶ様子をスマートフォンで動画撮影しました。
帰宅後、Aさんは、その動画をインターネット掲示板に公開しました。
Vさんが宮城県遠田警察署に補導されたことをきっかけに事件が発覚し、Aさんは児童買春の疑いで宮城県遠田警察署逮捕され、スマートフォンを押収されました。
捜査の結果、Aさんは、20日間の勾留後、児童ポルノ製造の罪と児童ポルノ公然陳列の罪で再逮捕されました。
(フィクションです。)

前回のコラムの通り、児童ポルノの製造の罪については,法律では,その目的や態様によって適用される条文や罰則が異なります。
今回のコラムでは、児童ポルノ製造の罪の種類の解説と、児童ポルノ公然陳列の罪の解説をします。

~児童ポルノ製造の罪の種類~

②単純な製造(法律7条4項)
①や④のようにはっきりとした目的がなく、自分のために児童ポルノを製造する場合です。
児童の同意の有無は関係ありません。
例えば、児童本人に児童ポルノに該当する写真を自撮りさせて、そのデータを譲り受けた場合でも、製造罪が成立する場合があります。
警察庁の統計データによると、平成30年上半期の児童ポルノ製造被害にあった児童の被害態様別割合では、児童が自らを撮影した自撮り画像に伴う被害が約4割を占めています。

盗撮による製造(法律7条5項)
ひそかに児童ポルノに係る児童の姿態を写真等で撮影して児童ポルノを製造する行為です。
具体例としては、児童が利用する更衣室に隠しカメラを設置して盗撮する行為が挙げられます。
児童ポルノ盗撮であることから、各都道府県の迷惑防止条例で禁止されている盗撮の罰則規定よりも重い罰則規定となっています。

①提供する目的での製造(法律7条3項)
「提供」とは,児童ポルノであるDVD等を相手方において利用すべき状態におく法律上・事実上の一切の行為をいい,有償・無償は問いません。
児童ポルノに該当するDVDを販売する行為や,画像データを送信する行為が「提供」に該当します。
提供することを目的として児童ポルノを製造すると「提供する目的での製造」にあたります。

④不特定若しくは多数へ提供や公然陳列する目的での製造(法律7条7項)
不特定多数もしくは多数への提供や公然陳列する目的での製造が該当します。
「公然」とは,不特定又は多数の人が認識することのできる状態のことをいい,現実に認識される必要はなく,認識される可能性があれば足ります。
「陳列」とは,人がその内容を認識できる状態に置くことをいいます。
つまり、児童ポルノの公然陳列とは,児童ポルノを不特定又は多数の者が認識できる状態に置くことをいいます。
公然陳列となる場合の例としては,SNSやインターネット掲示板、ファイル共有ソフトなどに児童ポルノをアップロードして、インターネットを介して不特定多数の者が閲覧できるような状態にすることなどがあります。
インターネットの掲示板やSNSは、一般的に、不特定多数の人が閲覧可能であるため、利用する不特定多数の人がその児童ポルノを見ることができる状態となってしまいます。
そのような状態に児童ポルノを置くことは、児童ポルノを「公然と陳列」したと判断される可能性が高いです。

今回の事例のAさんは、Vさんとの性交時の場面を撮影した動画をインターネット掲示板に公開しています。
Aさんが、インターネットの掲示板に公開する目的で動画を撮影した場合は、不特定若しくは多数への児童ポルノの公然陳列目的の製造の罪が成立する可能性が高いです。

次回のコラムでは、児童ポルノ公然陳列の罪について解説します。
宮城県内で、児童買春、児童ポルノ事件に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にお問い合わせください。
(宮城県遠田警察署への初回接見費用:43,220円)

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚②

2019-04-01

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚②

~前回からの流れ~
Aさんは、出会い系アプリで女子高校生Vさん(16歳)と知り合いました。
Vさんが「今年の春に高校2年生になった」と話していたため、Aさんは,Vさんの年齢を16歳か17歳だろうと思いましたが、Vさんと援助交際をしたいと考えて、Vさんに3万円を渡す代わりに性交することを約束しました。
当日、Vさんと会ったAさんは、渡すお金を1万円増額する代わりにVさんとの性交時の場面を動画撮影させてほしいとVさんに持ち掛けました。
Vさんの了承を得たAさんは、Vさんと性交に及ぶ様子をスマートフォンで動画撮影しました。
帰宅後、Aさんは、その動画をインターネット掲示板に公開しました。
Vさんが宮城県遠田警察署に補導されたことをきっかけに事件が発覚し、Aさんは児童買春の疑いで宮城県遠田警察署逮捕され、スマートフォンを押収されました。
捜査の結果、Aさんは、20日間の勾留後、児童ポルノ製造の罪と児童ポルノ公然陳列の罪で再逮捕されました。
(フィクションです。)

前回のコラムでは、児童買春の罪について解説しました。
今回からは、児童ポルノに関する罪のうち、主に児童ポルノ製造の罪と児童ポルノ公然陳列の罪について解説します。

~児童ポルノに関する罪~

児童ポルノに関する規制と処罰については、「児童買春児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下,法律)」で定められています。

児童ポルノ」とは、法律2条3項で定義されており、
写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって
①児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿勢(1号)
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器を触る行為に係る児童の姿勢であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(2号)
③衣服の全部または一部を着けない児童の姿勢であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの(3号)
を視覚により認識できる方法により描写したものを言います。

児童ポルノにかかる行為で禁止されているのは
(1)児童ポルノの単純な所持(7条1項)
(2)児童ポルノの提供(7条2項)
(3)児童ポルノを提供する目的での製造、所持、運搬、日本国内への輸入又は国外への輸出(7条3項)
(4)児童ポルノの単純な製造(7条4項)
(5)盗撮による児童ポルノの製造(7条5項)
(6)不特定若しくは多数への児童ポルノの提供や公然陳列(7条6項)
(7)児童ポルノを不特定若しくは多数へ提供や公然陳列する目的での、製造、所持、運搬、日本国内への輸入又は国外への輸出(7条7項及び8項)
があります。

~児童ポルノ製造の罪とは~

児童ポルノの製造とは、その名前の通り、児童ポルノを作り出すことを言います。
児童の心身に与える有害な影響や、流通の危険性を創出する点から、児童ポルノの製造が禁止されています。
今回の事例のAさんは、16歳のVさんとの性交時の場面を動画撮影しています。
性交時の児童(Vさん)の姿態は法律2条3項1号に当たり、スマートフォンのメモリが電磁的記録に係る記録媒体に当たります。
したがって、スマートフォンのメモリに、Vさんとの性交時の動画を記録・蔵置することは、児童ポルノの製造にあたるといえそうです。

ところで、児童ポルノ製造の罪といっても,法律では,その目的や態様によって適用される条文や罰則が異なります。
児童ポルノの製造については、以下の4種類があります。
①提供する目的での製造(法律7条3項)
②単純な製造(法律7条4項)
③盗撮による製造(法律7条5項)
④不特定若しくは多数へ提供や公然陳列する目的での製造(法律7条7項)

罰則規定は
①~③が3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
④が5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又は併科
と規定されています。

なお、警察庁の統計データによると、平成30年上半期の児童ポルノの態様別の検挙件数では、製造事犯が686件と全体の約5割を占めているようです。

次回のコラムでは、上記の4種類の児童ポルノ製造の解説と、児童ポルノ公然陳列の罪の解説をします。
宮城県内で、児童買春、児童ポルノ事件に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にお問い合わせください。
(宮城県遠田警察署への初回接見費用:43,220円)

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚①

2019-03-31

児童買春から児童ポルノ製造・公然陳列の罪が発覚①

Aさんは、出会い系アプリで女子高校生Vさん(16歳)と知り合いました。
Vさんが「今年の春に高校2年生になった」と話していたため、Aさんは,Vさんの年齢を16歳か17歳だろうと思いましたが、Vさんと援助交際をしたいと考えて、Vさんに3万円を渡す代わりに性交することを約束しました。
当日、Vさんと会ったAさんは、渡すお金を1万円増額する代わりにVさんとの性交時の場面を動画撮影させてほしいとVさんに持ち掛けました。
Vさんの了承を得たAさんは、Vさんと性交に及ぶ様子をスマートフォンで動画撮影しました。
帰宅後、Aさんは、その動画をインターネット掲示板に公開しました。
Vさんが宮城県遠田警察署に補導されたことをきっかけに事件が発覚し、Aさんは児童買春の罪の疑いで宮城県遠田警察署に逮捕され、スマートフォンを押収されました。
捜査の結果、Aさんは、20日間の勾留後、児童ポルノ製造の罪と児童ポルノ公然陳列の罪で再逮捕されました。
(フィクションです。)

上記の事例を基に、今日から数回にわたって、宮城県内で刑事事件を専門に扱っている弁護士が、児童買春児童ポルノに関する罪を解説いたします。

~児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律~

金銭等を対価に18歳未満の児童と性行為等に及ぶ、いわゆる援助交際と呼ばれる行為は、児童買春の罪に該当します。
児童買春に関する規制と処罰は、「児童買春児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下,法律)」が定めています。
名称から明らかなとおり、この法律では、児童ポルノに関する罪の規制と処罰についても定めています。
この法律でいう「児童」とは18歳に満たない者をいいます。

この法律は、児童に対する性的搾取や性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性に鑑み、児童買春児童ポルノに係る行為を規制し処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることによって、児童の権利を擁護することを目的とするものです。

児童買春に係る行為の罪としては,児童買春の罪、児童買春周旋の罪、児童買春勧誘の罪等があります。
児童ポルノに係る行為の罪としては、所持罪、保管罪、提供罪、公然陳列罪、製造罪、運搬罪、輸出入罪等があります。

~児童買春の罪~

法律2条2項
 (略)児童買春とは,法律2条2項各号に掲げる者(児童等)に対し,対償を供与し,又はその供与の約束をして,当該児童に対し,性交等(性交若しくは性交類似行為をし,又は自己の性的欲求好奇心を満たす目的で,児童の性器等(性器,肛門又は乳首をいう。以下同じ)を触り,若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう)をすることをいう
法律4条(児童買春
 児童買春をした者は,5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

先述の通り、児童買春の対象となる「児童」とは,18歳未満の者を指します。
「対償」とは,児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいい、現金のみならず,物品や債務(借金)の免除なども含まれます。
「供与」とは与えることです。
ただし,与える相手は児童に限られず、児童買春の周旋者や児童の親,監督者などに与えることによっても児童買春は成立しえます。
「性交等」とは、条文の括弧書きに書かれている通り、性交だけに限られません。
性交若しくは性交類似行為をし,又は自己の性的欲求好奇心を満たす目的で,児童の性器等(性器,肛門又は乳首)を触り,若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。

なお、児童買春の罪が成立するためには、行為者が相手方を児童(18歳未満の者)と認識している必要があります。
ただし,認識の程度は「18歳未満である」というような確定的なものである必要はなく,「18歳未満かもしれない」という未必的なもので足りるとされています。
今回の事例のAさんの場合、Vさんに年齢をはっきり聞いたわけではありませんが、認識ありとされる可能性が高いでしょう。

今回の事例のAさんは、16歳のVさんに4万円を渡す代わりに性交をしており、また、Vさんの年齢について18歳未満であるとの認識ありとされる可能性が高いです。
以上から考えると、今回の事例のAさんの行為は、児童買春の罪に当たる可能性が高いと思われます。

なお、警察庁の統計データによると
児童買春事件等(児童買春、淫行させる行為(児童福祉法違反)、みだらな性行為等(青少年保護育成条例違反))の検挙件数・検挙人員は、近年増加傾向にあります。
ただし、平成30年上半期の検挙件数は1,277件、検挙人員は991人と前年同期比で減少しているそうです。

次回以降のコラムでは、児童ポルノに係る行為の罪について解説します。
宮城県内で、児童買春、児童ポルノ事件に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部にお問い合わせください。
(宮城県遠田警察署への初回接見費用:43,220円)

服を取り上げて監禁罪

2019-03-30

服を取り上げて監禁罪

宮城県美里町に住む20代女性Aさんは、知人女性のVさんとトラブルになっています。
Aさんは、VさんをAさんの自宅に呼びだして、Vさんに服を脱ぐよう脅して裸にさせ、Vさんから服を取り上げて、Aさんの自宅から出て行けないようにしました。
騒音を聞いた近隣住民からの通報により、Aさんは宮城県遠田警察署監禁罪の被疑者として逮捕されてしまいました。
警察から連絡を受けたAさんの両親は、刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼しました。
(フィクションです。)

~監禁罪~

監禁罪は、不法に人を監禁した場合に成立する犯罪です。
監禁罪逮捕罪と同じ刑法220条に規定されており、人の行動の自由を侵害する犯罪です。

刑法220条
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

監禁罪で規定する「監禁」行為とは、人が一定の区域から出る事を不可能若しくは著しく困難にし、その行動の自由を奪い、人の行動の自由を場所的に拘束することを指します。
鍵をかけて部屋に閉じ込める行為が典型的ですが、物理的に部屋に閉じ込めて隔離する行為以外にも,物理的には脱出が容易でも暴行・脅迫や偽計などの心理的な方法によってその場から立ち去ることが著しく困難である場合も含まれます。
具体例としては、暴行・脅迫により畏怖させ脱出の気力を失わせて逃亡しえないようにする行為、入浴中の人の衣服を隠して羞恥心を生じさせて浴室から出られなくする行為、親のところに連れて行ってやるとだまして車に乗せる行為、出口に爆発装置があって逃げ出そうとすると爆発するなどとだまして脱出を妨げる行為などで、監禁罪が成立する可能性があります。

また、監禁する場所は必ずしも区画された場所である必要はありません。
判例では、被害者をバイクの荷台にのせたまま走行を続ける行為について、脱出を著しく困難にするものとして、「監禁」にあたり、監禁罪が成立するとしたケースがあります。

脱出の可否及び困難性は,物理的障害の有無・程度,被害者の年齢・性別・体力・性格・犯人との関係などの事情を考慮して判断されます。

~事例のAさんについて~

監禁罪の成立には、被害者が身体を拘束されて一定の限られた場所から脱出することが不可能、あるいは著しく困難であったことが必要ですが、物理的に脱出を困難にすることだけでなく、心理的に脱出を困難にした場合にも、監禁罪が成立する可能性があります。
Aさんは、Aさんの自宅に女性Vさんを呼び出して、Vさんを裸にして服を取り上げています。
Vさんが羞恥心のためにAさんの自宅から出られなくなった場合、施錠の有無にかかわらず監禁罪が成立すると考えられます。

~監禁罪の弁護活動~

監禁罪は、法定刑が「3月以上7年以下の懲役」と懲役刑しか規定のない、大変重い犯罪です。
監禁罪は、被害者がいる犯罪であるため、被害者への謝罪や示談交渉等が、身柄解放活動や不起訴執行猶予付き判決を目指すために重要となります。
監禁罪は親告罪ではないため、被害者と示談が成立したからといって必ず刑事罰を免れる事ができるというわけではありません。
しかし、検察官が起訴するか否かを判断する上で、被害者の処罰意思は大きく考慮されます。勾留期間中に被害者と示談する事ができれば、不起訴となる可能性を上げることができますし、例え起訴されたとしても、執行猶予付き判決になるなど軽い処分が予想されます。

第三者である弁護士を介することによって,被害者の怒りや不安を和らげて処罰感情を抑えながら,示談交渉をスムーズに進めることができます。
ご家族等が監禁罪逮捕されて被害者への謝罪や示談交渉を希望される方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスをお申込みください。
(宮城県遠田警察署への初回接見費用:43,220円)

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