秋田県で盗撮規制が強化
秋田県の迷惑行為防止条例が改正され、盗撮規制が強化されました。
改正内容について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説いたします。
~処罰対象となる場所や行為が追加~
盗撮は各都道府県が制定する迷惑行為防止条例で規制されています。
秋田県でも従来から、
①電車やお店など不特定の人が利用する公共の場所や公共の乗物
②住居、浴場、更衣場、便所など、通常、人が衣服の全部または一部を着けない状態でいる可能性がある場所
において、衣服等で覆われている下着や身体を盗撮した場合は処罰の対象となっていました。
しかし昨年、秋田県内の中学校の教室で臨時講師が女性教師のスカート内を盗撮した事件で、臨時講師を処罰することができませんでした。
学校の教室は上記②には当たりませんし、特定の人しか入ることができないため、①不特定の人が利用する「公共の場所」に当たるとも言い切れないと判断されたからです。
そこで令和2年4月1日から、
③事務所、教室、貸切バスなど、特定かつ多数の人が集まる場所や乗物での盗撮
も処罰対象に含まれることになりました。
これにより同じ事件が起きた場合には処罰することができるようになります。
他にも、これまでは衣服等で覆われている下着や身体を実際に盗撮した場合にのみ処罰の対象とされていました。
しかし今回の改正で、盗撮するためにカメラを向けたり設置した時点で、処罰対象になりました。
たとえば、隠しカメラを設置したが、下着や身体を盗撮する前にカメラを発見されて盗撮できなかった場合にも処罰の対象となるわけです。
罰則は、盗撮の非常習者は従来から6か月以下の懲役または50万円以下の罰金でした。
今回の改正で、前科があるなど盗撮の常習者として扱われるとより重く、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という処罰を受けることになりました。
前述の中学校の盗撮事件では、被疑者の自宅を捜索・差押えした結果、公共の場所で盗撮したデータも見つかり、そちらで処罰することができました。
しかし今後は余罪のあるなしに関わらず、学校の教室などでの盗撮も処罰されることになります。
~刑事事件の手続きの流れ~
盗撮などの犯罪が警察に発覚した場合も、逃亡や証拠隠滅のおそれまではないと判断されれば逮捕されず、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けるという在宅事件として扱われる可能性があります。
一方、逮捕された場合は最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
勾留された場合はその期間の最後に、在宅事件では必要な捜査が終わり次第、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
起訴されると罰金刑や懲役刑(執行猶予の場合もある)を受ける流れになるでしょう。
一方、比較的軽い事件や示談が成立した事件などでは不起訴処分となり、裁判を受けずに前科も付かずに刑事手続が終わる場合があります。
今回は大目に見てもらうということです。
弁護士とはしては、まずは逃亡や証拠隠滅のおそれがない理由を検察官や裁判官に主張するなどして、勾留されずに早期に釈放されることを目指します。
早期釈放が実現すれば、たとえば会社に出勤できずに逮捕されたことが発覚して解雇されるといった事態を避けられるかもしれません。
また、被害者の方に謝罪・賠償して示談を締結して不起訴処分や罰金などの軽い結果となるように弁護活動をしてまいります。
示談が成立した場合などには意外と不起訴処分となる例はよくあります。
~ご相談ください~
あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合、いつ釈放されるのか、どれくらいの処罰を受けるのか、被害者との示談はどうやって行えばよいのか、解雇されるのかなど、分からないことが多く不安だと思います。
事件の内容をお聞き取りした上でご説明いたしますので、ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
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