手形を破り捨て逮捕【私用文書等毀棄罪】

手形を破り捨て逮捕【私用文書等毀棄罪】

私用文書等毀棄罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【事例】
宮城県白石市で会社経営をするAさん。
B社に対し備品の発注をし、約束手形で支払うという形を採っていました。
しかしAさんの会社は資金繰りが厳しくなり、手形金が支払えない状況となっていました。
このままでは倒産してしまうと考えたAさんは、B社の事務所に打ち合わせのために赴いた際、社員の目を盗んでAさんの会社が発行した手形を持ち出し破り捨てました。
手形の行方が見当たらなくなったことから、B社が防犯カメラ等を調べたところ、Aさんの犯行と発覚。
B社が警察に被害届を提出したことから、Aさんは白石警察署の警察官によって逮捕されました。
(フィクションです)

~私用文書等毀棄罪とは~

手形を破り捨ててしまったAさん。
聞き慣れない犯罪ですが、私用文書等毀棄罪(シヨウブンショトウキキザイ)という犯罪が成立する可能性があります。

条文を見てみましょう。

刑法第259条
権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、五年以下の懲役に処する。

この条文をもとにすると、この罪が成立するためには、

①権利又は義務に関する文書であること
②他人の文書であること
③毀棄したこと

が必要となります。

約束手形は、受取人が金銭を支払ってもらえる権利、あるいは振出人が金銭を支払う義務を作り出す書面です。
したがって①権利又は義務に関する文書といえます。

また、②「他人の文書」とは、他人所有の文書、という意味です。
本件で約束手形はB社が所持していたわけですから、Aさんにとって②他人の文書といえます。

③毀棄とは、文書の効用を害することを言います。
手形が破られてしまったら、少なくともその手形を用いて簡易迅速に支払い受けることができなくなるわけなので、手形の文書としての効用を害していることになり、③毀棄したといえます。

したがって、私用文書等毀棄罪が成立することになるでしょう。

~刑事手続きの進み方~

逮捕をされたAさんは、最初に最大で3日間、警察署の留置所等に入れられます。
そして、証拠隠滅逃亡のおそれがあるとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大20日間の身体拘束がされる可能性があります。

弁護士としては、検察官や裁判官に対し、証拠隠滅や逃亡のおそれがないといえる理由を具体的事情に基づいて記載した意見書を提出したり、ご家族の上申書作成のお手伝いをし、これも提出するなどして、勾留を防げるよう動いていきます。

その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートします。
そして無罪執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

弁護士としては、前科がない(少ない)こと、ご本人が反省していることなどを主張して、出来るだけ軽い結果となるよう活動していきます。

~すぐに弁護士にご相談を~

逮捕されると、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、取調べにはどう対応したらよいのかなど、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などから初回接見のご依頼をいただければ、拘束されている警察署等にて、ご本人に面会(接見)し、上記の不安点などについてご説明いたします。
接見後にその結果をご家族にご報告致しますので、報告を聞いていただいた上で、正式に弁護活動を依頼するかどうかを決めていただけます。

また、逮捕されていない場合やすでに釈放された場合には、弁護士事務所での法律相談を初回無料で行っております。

私用文書等毀棄罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひお早めにご相談ください。

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