集水枡の蓋を窃盗

集水枡の蓋を窃盗

昨年11月に、林道の集水枡の鋼鉄製の蓋16枚がなくなって青森市被害届を提出するという事件があり、東奥日報などで報道されていました。
被害品は、林道にある集水桝にかぶせていた鋼鉄製の蓋計16枚で、被害額は計43万円だそうです。
青森市は青森県警察青森警察署に被害届を出しているそうです。

似たような事件は時折、起きているようで、昨年12月に大阪府でも側溝のふた6枚を盗んだとして、会社員の男が窃盗罪の疑いで逮捕されています。
警察署によると、会社員の男は「100カ所以上でやった」「売却目的だった」と供述しているそうです。
この事件で盗まれたのは金属製で格子状の「グレーチング」と呼ばれる蓋で、1枚の重さは15~20キロだったとみられ、1キロ当たり約30円で金属くずとして業者に売れるとのとことです。

~窃盗罪~

他人の意思に反して他人の物を無断で持っていったりする場合には、窃盗罪が成立します。
窃盗罪は、刑法235条に規定されており、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
窃盗の態様は、あらゆる手段や被害金額の多寡がありますので、法定刑も幅広く規定されています。
「他人の財物」とは、他人の占有する財物をいい、「占有」とは、簡単にいえば、他人が管理する、という意味です。

~窃盗罪の刑罰~

窃盗罪で起訴されて有罪となった場合、法律上は、最高で10年の懲役まで科すことができます。
量刑については、被害金額、窃盗行為の態様(手口や頻度、計画性など)、動機(転売目的かなど)、余罪、前科、示談の有無などの事情が関わってきます。
窃盗罪の中でも、初犯で単なる少額の商品の万引きなどの場合、被害者と示談できれば微罪処分や不起訴になる可能性が高いです。
しかし、同じ窃盗罪という罪名で初犯であっても、被害金額やその手口、動機などによっては、正式裁判になったり、懲役刑になったり、ということはありえます。

転売・売却目的の窃盗は悪質な動機(=悪質性が高い)と評価されやすいと言われています。
転売・売却という目的で窃盗を行っていることから、計画性のある犯行で、かつ、窃盗したものを売却することで利益を得ているなどの理由から処分が重くなりやすいようです。

また、窃盗を常習的に繰り返していると、重く処罰されやすくなります。
なぜなら、常習的に犯行を繰り返しているということは、「規範意識が鈍くなっている」、「反社会性が顕著である」などと評価されやすくなるためです。
そのように評価されて起訴された場合、裁判の結果、実刑になることも考えられます。

事例の事件の場合、被害品が林道にある集水桝にかぶせていた鋼鉄製の蓋計16枚で、被害額は計43万円だとのことなので、被害金額が少なくないことから、公判請求されて実刑になるおそれも考えられるでしょう。

~窃盗罪の刑事処分を軽くするためには~

窃盗罪は財産に対する犯罪で被害者に経済的損害が生じているため、被害者へ被害弁償・示談をして許してもらうことが,刑事処分の見通しに大きく影響します。
被害弁償をすることで,被害が実質的に回復するためです。
被害弁償や示談ができていれば、起訴されたとしても,執行猶予判決になる可能性が高まります。

しかし、被害者が国や地方公共団体、大きな会社であるような場合には注意が必要です。
このような相手方が被害者である場合、被害弁償や示談にそもそも応じない場合があります。
(被害者が被害弁償や示談に応じない場合は、示談の経緯を裁判等で主張することとなります。)
例えば、事例の事件の場合は、被害者は青森市ですので、地方公共団体が被害者ということになります。

難しい示談交渉が予想される場合、弁護士を弁護人として選任する必要性が高いと言えます。
窃盗罪における示談は、できるだけ早い段階で成立させた方がより有利な結果になる可能性が高いので、早期の段階で弁護士を選任することが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗罪などで数々の示談をまとめ上げてきました。
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